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前回、謎の機械兵器との戦いで明の中に目覚めた不思議な力。父と同じ戦士の力だと喜んだのもつかの間、姉弟の前にテイア星の血を引く二人の少女が現れ、銃口を突きつけながら、その力を破壊するためにやって来たと冷たく告げる。明の力の正体ENIA、エレノアが背負う父の仇、そして姉弟が選んだ旅立ちの覚悟まで、第2話を場面ごとに一つずつ振り返る。




エレノアとララの来訪
『バーテックスフォース』第2話「バーテックス」は、前回目覚めた明の力の正体が明かされ、テイア星の血を引く二人の少女エレノアとララが現れる回だった。姉弟が戦う運命と向き合い、新しい仲間とともに故郷を旅立つまでを一話で描き切る、テンポのよい王道の展開が楽しめた。
見つけたぞ、東道明
謎の機械兵器との戦いのさなか、自分の中で何かが目覚めた明。僕にもお父さんみたいな力があった、と喜ぶ明の前に現れたのは、銃を手にした少女だった。見つけたぞ、東道明。倒したはずの機械兵器のセントラルコアを示し、こいつを破壊しない限り動きは止まらない、と言い放つ。
助けてくれてありがとう、とお礼を言う明に返ってきたのは、勘違いするな、助けたわけじゃない、という冷たい言葉。ENIAを奪われちゃ困る、さっさと全身を出せ、私たちはそいつを破壊しに来たんだ。救世主かと思った相手が、明の力そのものを狙っていたという幕開けに、一気に引き込まれた。
前回のラストで腕だけに現れた力を、明はずっと父と同じエンジンだと思っていた。だからこそ、それを壊しに来たと言われたときの戸惑いは大きい。正体の分からない力に喜んでいた少年が、いきなり銃口を向けられる落差が、この作品らしいスピード感で描かれていた。
エンジン同士の激突
アキラに何かしようっていうなら許さない、と立ちはだかったのは姉の晴香だった。面白い、それなら腕ずくでぶっ壊すまでだ、と応じた少女は、フォトンエンジンを始動させる。まさかあんたたちも、と驚く晴香とのエンジン同士の戦いは、晴香の劣勢で進んでいく。
なんでこんなことするんですか、と叫ぶ明に、生き残るためよ、と答えるもう一人の少女。早くENIAを全部出さないとハルカさんがやられちゃうわよ、と迫られる明。ところが、その少女が自らのエンジンを始動させて止めに入り、ENIAの破壊は中止、と告げる。彼、もうENIAを出してないわよ、という一言で、ひとまず戦いは収まった。
エンジンを継承した晴香にとっても、同じ力を持つ相手と本気でぶつかるのは初めてのことだった。父の言いつけを守って力を隠してきた彼女が、弟のために迷わず力を使う姿には、前回から続く姉としての覚悟がそのまま表れていた。
弟を守るためなら相手が誰であろうと迷わず飛び込む晴香と、目的のためなら容赦しないエレノア。初対面からぶつかり合う二人の関係は、今後の大きな見どころになりそうだ。一方で、戦いを止めたララの冷静さも印象的で、三人の少女の性格の違いがこの短い戦いの中ではっきりと見えた。
ENIAの正体
とりあえずみんな店に入りなさい。襲ってきた相手を店に招き入れてしまう母の懐の深さには驚かされた。態度の悪い店だな、出してもらえるだけありがたいと思いなさい、というやり取りや、地元の料理をおいしそうに頬張る姿に、緊張していた場の空気が少しだけ和らぐ。
テイア星の究極兵器
少女たちは、エレノア・ノースブルックとララ・ズーデンシュタインと名乗る。二人とも父がテイア星の出身で、ララは母が地球人だという。僕たちのほかにもいたんだ、と喜ぶ明だが、続けて語られたのは衝撃的な事実だった。明の腕に現れたのはエンジンではなく、EDVAによって生み出された究極の兵器ENIAだったのだ。
星を破壊できるほどの力を持つと言われるENIA。父たちはEDVAに使われる前に、完成直後のENIAを奪ってテイア星を脱出し、地球にたどり着いた。前回の機械兵器はEDVA本体ではなく、EDVAが作った実働モジュールのバトノイド、ただの兵隊にすぎない。世界中を混乱させたパワーダウンの実態も、EDVAがENIAを見つけ出そうとハッキングした影響だった。明の力は、父から受け継いだ希望であると同時に、敵が最も欲しがる兵器でもあった。
壊すか、使うか
EDVAの本当の目的は、ENIAを手に入れて効率的に人類を滅ぼすこと。だからその前にENIAを破壊する、というのがエレノアの考えだった。けれどララは違う見方を示す。ENIAを破壊することは、親たちも考えたはず。それでもそうしなかったのは、究極の兵器ならEDVAを倒す力になるかもしれないと思ったからではないか。
父さんたちはENIAを使えなかった、とエレノアは反論するが、明君は使えたのよ、腕だけでバトノイドを倒し、エレノアのエンジンを吹き飛ばした、とララは返す。同じ目的を持ちながら、正反対の結論を出す二人の関係が、物語に奥行きを与えていた。
明の力を危険なものとして恐れるエレノアと、可能性として見つめるララ。どちらの考えにも理があり、どちらも親たちの思いを受け継いでいる。ENIAを託された明自身が、この先その力とどう向き合っていくのかが、作品全体を貫く問いになっていきそうだ。
バーテックスの覚悟
いきなり襲ってきて、今度は仲間になれって。戦いたいならあんたたちでやってよ、と反発する晴香に、エレノアは告げる。戦いはもう始まっている。お前もバーテックスなら覚悟を決めろ。
エンジンを持つ戦士
バーテックスとは、エンジンの力を持つテイア星の戦士のこと。お前も継承者ならこの運命からは逃れられない、と言われ、勝手に運命決めないでよ、と言い返す晴香の気持ちはよく分かる。一方の明は、僕も一緒に地球を守るために戦えるんですか、と目を輝かせるが、エンジンを継承していないお前は違う、と突き放されてしまう。
仲間にするかどうかは次の戦い次第。ENIAがある限りEDVAは必ず襲ってくる。アキラは私が守ってみせる、と言い切る晴香に、まあいい、ここにいる間に気が変わるさ、と返すエレノア。海岸でキャンプでも張るさ、という彼女に、奥の六畳間が空いてるわよ、お布団出しておくわね、とあっさり泊めてしまう母がまた頼もしかった。
いいの、さっきみたいなのが襲ってくるんだよ、と心配する晴香に、よくない、よくないけど、と言葉を濁す母。突然の来訪者を受け入れたのは、夫がテイア星の戦士だった彼女なりの覚悟だったのかもしれない。何気ない家庭の場面に、家族が背負ってきた秘密の重さがにじんでいた。
エレノアの誓い
夜、壊れたまま直せる人がいなかったものを、直していい、と手に取る明。父と同じ戦士の力が自分にもあったと語る明の前で、エレノアは一人黙々と鍛錬を続けていた。幼い頃から、EDVAを倒すためのトレーニングを欠かさないのだという。
命なんていくらでもくれてやる、だが死ぬときはEDVAも道連れだ、それが私の覚悟だ。人に感じられないものを感じる力を持つ母が、はるか彼方で父の命が燃え尽きたのを感じ取ったのに、EDVAの反応は消えていなかった。父はEDVAに殺された。だから必ずこの手で仇を討つ。エレノアの冷たさの奥にあった深い喪失が明かされ、彼女への見方ががらりと変わった。
戦う動機は人それぞれ、だけどEDVAを倒さないと地球に未来はない、そしてEDVAと戦えるのは私たちしかいない。エレノアの言葉は乱暴に聞こえても、その根っこには、父を奪われた子どもとしての痛みと責任感がある。明や晴香と同じく父を亡くした者同士だからこそ、ぶつかり合いながらも通じ合うものがあるのだろう。
戦う運命から逃げられないなら戦う、その代わりアキラは戦わせない、と決める晴香。エレノアさんたちと一緒に戦いたい、でも姉ちゃんを裏切りたくない、と揺れる明に、お前の父親はお前にENIAを託した、その意味は何だ、と問いかけるエレノアの言葉が重く響いた。
まとめと考察
『バーテックスフォース』第2話は、明の力の正体と、仲間となる少女たちの背負うものを一気に描いた回だった。最後に、印象に残ったポイントを振り返っておきたい。
ENIAの覚醒
再び現れたバトノイドに、晴香は弟を逃がそうと一人で立ち向かう。自分で弟を守ると言ったんだ、とあえて手を出さないエレノア。このままENIAを出せずに終わるならそれまでだ、という厳しい判断の先で、なんで出てこないんだ、と叫ぶ明の前に、ついにENIAの全身が姿を現す。
ただ、その力をすぐに使いこなせるわけではなかった。攻撃は当たらず、体は重い。それでもララは、明君がENIAの力を使えていないだけ、と見抜いている。バトノイドを退けたあとの、どこかで見ているんだろEDVA、次にこうなるのはお前だ、という宣言も熱かった。覚醒しただけでは終わらない、成長の物語の始まりを感じさせる戦いだった。
一度は戦力外と言い切ったエレノアも、見るべき部分はあったでしょ、とララに言われ、EDVAをおびき寄せる罠にはなるかな、と素直ではない返事をする。厳しい言葉の裏で、明を少しずつ認め始めている様子がうかがえて、二人の距離がどう縮まっていくのか楽しみになった。
あの子たちの時間
戦いのあと、晴香は自分から、私も仲間になる、だから一緒にアキラを守って、とエレノアに告げる。弟を守ると言い続けてきた姉が、仲間とともに守る道を選んだことに、彼女の成長が表れていた。了解だ、と返すエレノアの短い返事も気持ちがいい。
行ってきます、と家を出る姉弟を見送りながら、動き出したのね、あの子たちの時間、とつぶやく母。こんな日が来ると思ってた、守ってあげて、お父さん。送り出す側の覚悟まで丁寧に描かれていたからこそ、旅立ちの場面がいっそう胸に響いた。北海道へ向かう一行の新しい夏休みが、ここから本格的に始まっていく。
第1話で日常と戦いの始まりを描き、第2話で敵の正体と仲間、そして旅立ちまでを一気に描いた構成は、まさに王道のメカアニメらしい気持ちよさがあった。一方で、ENIAの力の全容や、EDVAが本当に狙っているものなど、まだ明かされていない謎も多い。姉弟とエレノア、ララの四人が、ぶつかり合いながらどんなチームになっていくのか、これからの戦いを見届けたい。




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