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『弱気MAX令嬢なのに、辣腕婚約者様の賭けに乗ってしまった』第2話の副題は「攻略キャラが集うお茶会」。14歳になったピアは、ルーファスとともに王宮のお茶会へ。そこには乙女ゲームの攻略キャラと、各ルートの悪役令嬢たちが集っていた。初めての友達、仲のよい婚約者たちを前に募る断罪の不安、そして自覚したルーファスへの恋心を振り返っていく。




第2話の副題は「攻略キャラが集うお茶会」
『弱気MAX令嬢なのに、辣腕婚約者様の賭けに乗ってしまった』第2話の副題は「攻略キャラが集うお茶会」。14歳になったピアは、ルーファスとともに王宮のお茶会に参加することになる。そこに集うのは、前世で遊んだ乙女ゲームの攻略キャラたちと、それぞれのルートの悪役令嬢たち。ゲームのシナリオへの不安に押しつぶされそうになりながらも、初めての友達ができ、謎のおじさんと出会い、そしてルーファスへの気持ちを自覚する。甘さと切なさが同居した一話だった。
200点の婚約者
スタン公爵家の人々に温かく見守られながら、ピアは14歳になった。今のところ、ゲームのヒロインは現れていない。そしてルーファスは、ピアいわく「100点満点中200点の婚約者」でいてくれている。冒頭、書庫で本を取ろうとしたピアが足を滑らせ、ルーファスに抱きとめられる場面からして、二人の関係はすっかり甘い。結構な高さから落ちたのに、まるで羽でも受け止めたかのような軽やかさなのがおかしい。
紅茶にジャムを入れましょうかと勧めるピアは、父の仕事を手伝っていたルーファスを気づかって「糖分は脳を活性化するんです」と言う。ピアが一日中磨いていたのは、昨年の夏に見つけた二枚貝の化石。こんなに完全な形で発掘できたと目を輝かせるピアに、ルーファスはピアの才能を狙う者もいるから、外で不用意なことは言わないようにと念を押す。この忠告が、のちのお茶会でそのまま生きてくる構成がうまい。
王太子からの呼び出し
ところが今回ばかりは、ルーファスもピアを守りきれなかった。王太子殿下じきじきの命令で、お前の婚約者に会わせろと言われてしまったのだ。ルーファスは生まれたときから王太子フィリップの遊び相手。社交デビュー前の子弟たちが招かれる小さなお茶会に、ピアもこれまで何度も呼ばれていたのに、ルーファスが参加しないでいいように取り計らってくれていた。
なぜなら、そのお茶会に集う面々には、フィリップをはじめ、ゲームでヒロインのキャロラインに傾倒していた攻略キャラたちがいるから。けれど参加しなかったことで、かえって興味を持たれてしまったらしい。来年アカデミーに入学すれば同級生として顔を合わせる相手でもある。逃げてばかりもいられない状況に、ピアの弱気がMAXになっていくのが手に取るように分かった。
妖精の涙と、ルーファスの威嚇
独占欲丸出しの首飾り
王宮に着いたピアを迎えにきたルーファスは、ピアに首飾りを身につけてほしいと差し出す。スタン家に伝わる宝飾品「妖精の涙」だ。こちらを貸してくださるのかと恐縮するピアに、ルーファスはさらりと言う。スタン家には娘がいないから、うちの宝飾品はいずれ全部ピアのものになる、と。さらに、これからは自分がプレゼントしたドレスも着るようにと付け加える。侍女の「まあ独占欲丸出しですこと」というツッコミが、視聴者の気持ちを完璧に代弁していた。
会場でピアを見かけた人々がひそひそと噂をすると、ルーファスはすかさず舌打ち。本人は「してないよ」としらを切るが、とっとと殿下に挨拶をして帰ろうと言い出すあたり、ピアを人目にさらしたくない気持ちが隠しきれていない。私のそばから決して離れてはいけないよという言葉も、甘いささやきというより、ほとんど警戒態勢の宣言である。
ヘンリーとエリン
そこへ声をかけてきたのが、騎士団長の息子ヘンリー・コックス。ゲームでは一番攻略が簡単と噂されるキャラだ。ルーファス、怖えよ、何を威嚇しまくっているんだと笑い、ルーファスが女の子を連れてくるなんて初めてだろとからかう。さらに、婚約者はいない方に1万ゴールドかけていたと口を滑らせ、ルーファスから私の婚約者をここまで怯えさせて死にたいのか、とすごまれてしまう。悪気はないのに口が軽い、いかにも憎めない人物だ。
そのヘンリーをたしなめたのが、婚約者のエリン・ホワイト。ゲームでは、ヘンリールートの悪役令嬢にあたる人物だ。ところが実際のエリンは、なんとも清々しい女性だった。エリンは、ピアとお友達になりたい、ルーファスがいないときは自分がこの超絶可憐なピアを守ると宣言する。聞けば、ホワイト家は長く領地の川の氾濫に苦しんできたが、2年前にロックウェル伯爵の知恵を借りて被害が劇的に減ったのだという。そのとき堤防の位置を的確に指示したのが、ほかならぬピアだったのだ。
いつか直接お礼を伝えたいと夢見ていた相手が、こんなに謙虚で愛くるしいとは。エリンの「もうどこまで小動物系なの」という言葉には思わず笑ってしまった。ルーファスも、ひとまず君を受け入れようと渋々ながら認める。この世界で初めての友達ができたピアの喜びは、見ているこちらまで嬉しくなるほどだった。アカデミーではエリンの後ろからついていきますと言うピアの弱気ぶりも、どこまでもピアらしい。
王太子フィリップとアメリア
仲むつまじい二人
いよいよ列の先に待つのは、ゲームのメインルートの攻略キャラ、王太子フィリップ。前世のピアも攻略した相手だ。ルーファスの挨拶に心にもないことを言うなと返すあたり、二人は気心の知れた間柄らしい。ところがピアを見たフィリップは、どんな魅惑的な女かと思えば痩せ細って、病気というのは本当だったのだなと言い放つ。それをすかさず「レディに対して失礼ですわよ」とたしなめたのが、婚約者のアメリア・キースだった。
フィリップは、怒るなよ、自分は君の方がうんとタイプだと言いたかっただけだと返し、二人の仲のよさがにじむ。ゲームでのきつい表情はまるでなく、すでに王妃のような気品と、フィリップへの信頼が伝わってくるアメリア。けれどピアは、その仲のよい二人を前にして、ゲームの断罪イベントを思い出してしまう。今日をもってお前との婚約を破棄する。こんなに仲のいい二人さえ、ヒロインの登場で壊れてしまうのか。
壊れてしまう心
もし自分も、ルーファスに憎しみをぶつけられたら。もし愛を深めるルーファスとヒロインを見せつけられたら。ピアの心は間違いなく壊れてしまう。顔色を失ったピアは、エリンたちに心配され、ルーファスに連れられて休むことになる。水を持ってくるから動かないで待っていてと言われ、ひとりになったピアは、やっぱり迷惑をかけてしまったと自分を責める。
ここで印象的だったのが、「国外追放になっても どこの国でも化石はあるわ」というピアの独白だ。前向きに自分を励ましているようでいて、そのすぐあとに、ルーファス様はこの国にしかいないけれど、と続く。化石さえあれば生きていけるはずだった前世の自分とは違い、今のピアにはルーファスという失いたくない存在がいる。乙女ゲームの主人公が、仲のよい婚約者たちの関係を壊していく存在だと気づいてしまう、このメタな視点が本作の面白さでもある。
ジョニーおじさんと石の模様
胸がスズメの涙
休んでいるピアに声をかけてきたのは、若者だけのお茶会には不釣り合いなラフな服装の男性だった。ピアの胸元の石を見て、スタン家の妖精の涙だと見抜いたその人物の言葉を、ピアは「胸がスズメの涙」と聞き違える。弱気なのに妙なところで天然なピアのリアクションが、重くなりかけた空気をふっと軽くしてくれた。自分のことは「ジョニーおじさん」とでも呼んでくれと名乗る男性に、ピアはもしかして危険人物ではと身構える。
ところが、手元の化石について聞かれると、ピアは途端に饒舌になる。だいたい1億5000万年前の貝が、時代を越えて石になったもの。化石の研究が趣味の物好きなのだと語るピアは、さっきまでの弱気が嘘のように生き生きしていた。そしてジョニーおじさんは、その模様を見て顔色を変える。次世代エネルギーと目されている石の模様そのものだというのだ。どこで見つけたのかと聞かれたピアは、ルーファスの忠告を思い出して「忘れました」ととぼける。口が固いな、さすがだと笑って去っていったおじさんの正体は、まだ分からない。
戻ってきたルーファスは、おじさんと話していたことを知ると、父上に釘を刺しておいてもらおうとため息をつく。ピアは、お父様に報告するなんてやはり危険人物だったのかしらと不安になるが、話していて楽しかったのも本音のようだ。王宮にいてラフな服装で、スタン家の宝飾品まで見抜く人物。ただ者ではないことは確かだろう。
虫除けのお姫様抱っこと、甘すぎる婚約者
虫除け
帰り道、ルーファスはピアを抱き上げる。歩けますと慌てるピアに、恥ずかしいの、大丈夫、このまま庭園を抜けて帰るから人目にはつかないよと答えるが、実際にはしっかり人前を通っていく。こうしないと私が心配なんだという言葉に加えて、心の中では、自分たちにつけいる隙などないと周知しておかねばと考えているのがルーファスらしい。周囲から「あんなルーファス初めて見た」と驚きの声が上がるのも当然だった。
ルーファスに理由を聞いたピアが返されたのは「虫除けだ」という一言。ところがピアは、王宮に虫がいるのかと本気で心配し、父の作った殺虫剤を寄贈しましょうかと言い出す。この天然ぶりには思わず吹き出してしまった。それでもピアは、もう少しこのままでいたいと心の中でつぶやく。ゲームではヒロインにだけ見せていた笑顔を、自分にも見せてくれる。努力家で家族思いの、ゲームの登場人物ではない生身のルーファス。「やっぱり 好きになってしまった」。
甘いからこそ怖い
物語の終盤、ルーファスがピアの口にお菓子を運ぶ場面は、まさに餌付けそのもの。アカデミーに提出する論文の進み具合を気にかけてくれるルーファスの優しさに包まれながらも、入学が近づくほどゲームの記憶は鮮明になっていく。「ルーファス様に捨てられるのが こんなにも怖い」。好きになってしまったからこそ、失うことがこれまで以上に怖くなるのだ。
悩むピアに、ルーファスは「糖分は脳を活性化するんだろ」と冒頭のピアの言葉を返してくれる。ルーファスは自分にとてつもなく甘い。その甘さが嬉しくて、だからこそ怖い。15歳になった二人がついにアカデミーに入学したところで、意味深な言葉とともに幕を閉じた。
ゲームのシナリオと本物の恋
第2話は、ゲームの知識を持っているがゆえに、目の前の幸せを素直に受け取れないピアの葛藤が丁寧に描かれた回だった。ヘンリーとエリン、フィリップとアメリアという仲のよい婚約者たちを見るほど、それを壊してしまうヒロインの存在が恐ろしくなる。過保護で愛が重いルーファスを見ていると、心変わりの心配はなさそうに思えるが、ピアの不安はそう簡単には消えない。
それでも、初めての友達ができたこと、化石の話で目を輝かせたこと、そしてルーファスへの恋心を自覚したことは、ピアにとって大きな一歩だったはずだ。いよいよ始まるアカデミー編で、ゲームのシナリオと本物の恋がどう交わっていくのか。続きが楽しみでならない。













































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