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ポスターの張り替えに会長の残業、夜の校舎の見回りと、今日も相変わらずにぎやかな生徒会。そんな騒がしい日常の中、用事のついでに立ち寄った早朝の生徒会室で、梅は机に突っ伏した血まみれの少女と出会うことになる。仲間を救ったメシアたん、七不思議に名を連ねる照井先輩、そして人懐っこい庶務こまろの登場まで、第2話を場面ごとに一つずつ振り返る。




メシアたん
『生徒会にも穴はある!』第2話は、「メシアたん」「七不思議と夜のお仕事」「こまろ現る!!」の3本立てで、生徒会のにぎやかな日常と、ついに姿を見せた庶務・陸奥こまろの登場までを描いた回だった。相変わらず飛ばした笑いの連続の中に、メンバー同士の距離が少しずつ縮まっていく温かさもあって、2話目にしてこの作品の味がしっかり見えてきた。
ポスターの張り替え
生徒会の広報活動として、新しいポスターに張り替えることになった梅たち。ところが肝心の広報担当である尾鳥たんは、今起きたという連絡に続いて、優雅に朝食をとっているという追伸まで送ってくる。さすがクズ、さらにクズ、という梅の突っ込みのテンポが気持ちいい。
遅れてやって来た尾鳥が自分のポスターを自画自賛する一方で、前のポスターをはがしながら、自己愛のダムが決壊してますね、と冷静に評する梅。雑にやると壁が痛みます、という注意の一言から、思わぬ方向へ話が転がっていく。一つの言葉から連鎖していく笑いは、この作品ならではの持ち味だ。
照井先輩の本音
作業が一段落したところで、照井先輩は梅に謎めいた質問を投げかける。その流れで、なぜ自分のことをそんなに気にかけるのかと尋ねる梅に返ってきたのは、かわいいからですかね、という答え。ただし、それは半分冗談で、本音は初めての後輩だからだという。
年下にはなぜか怖がられることが多かった、だから梅くんとはずっと仲良くできたらと思っている。怖さの奥にある照井先輩の素直な気持ちが、ここで少しだけのぞいた。一方で家に帰れば、母に呼ばれてオマールエビのビスクと舌平目のムニエルが並ぶ食卓へ。好きな人でもできた、と聞かれて慌てる姿に、照井先輩の意外な一面を見た気がした。
心の中では、今日はグッドコミュニケーションだった、威厳を見せつつ気さくで楽しい先輩感も演出できた、何度思い返しても100点、と自画自賛している様子もかわいらしい。怖いと思われがちな先輩が、実は後輩との距離感に一喜一憂している。その落差が、照井有栖というキャラクターをぐっと身近にしてくれた。
会長の残業
その日、生徒会室に一人残っていたのは会長だった。水泳部の合宿のしおりを今日中に作らなければならない。昨日頼まれた仕事で、小一時間で終わるから気にせず帰ってくれ、と言うものの、渡されたのはフルカラーで30ページの大作だった。
いつも人の仕事を引き受けてしまうんですから、と照井先輩にたしなめられ、だって言ったらお前ら帰りにくくなっちゃうだろ、と答える会長。不器用なほど面倒見がいい会長の人柄に、いい人だな、と梅が感じ入るのもよく分かる。ところが、機械に弱いらしい会長はやがて姿を消し、照井先輩も瀕死。戦力は実質梅一人、しかも使えるのはワードだけという絶望的な状況に陥る。
そこへ現れたのが、帰ったはずの尾鳥だった。仲間の危機に駆けつけるのは当然でしょ、とあっという間に作業を片付けていく姿は、まさにタイトルどおりのメシアたん。悔しいが本当に助かった、という梅の言葉も素直だった。ただし、水泳部の水着写真を自分のファンサイトで売ろうとしていたことが発覚し、賢い頭で勉強しましょうね、とたしなめられるオチまでしっかりついていた。
普段はクズ呼ばわりされている尾鳥が、いざというときには誰よりも頼りになる。そのギャップこそが、尾鳥たんというキャラクターの最大の魅力なのだろう。助けた直後に別のたくらみがばれてしまうところまで含めて、憎めないトラブルメーカーぶりが存分に発揮されたエピソードだった。
七不思議と夜のお仕事
続くエピソードでは、夜の学校の見回りをすることに。夜の学校はさすがに雰囲気がありますね、と身構える梅に、怖かったら私を頼って、という頼もしい声。けれど実際には、想像力が豊かな梅がいちいち怖がってしまう。
学校の七不思議
そんな中、尾鳥が語り出したのが学校の七不思議だった。西棟で繰り返される飛び降りの残響、夜の校舎を徘徊する七尺様、深夜に上ると呪われる十三階段。そして最後の一つが、2年4組の照井有栖。固有名詞単独で七不思議入りしているというオチには思わず笑ってしまった。
照井先輩はやっぱり怖くないんですか、と聞かれ、むしろ怖がりなくらいかもしれない、幼い頃はパパがいないと寝るのが怖かった、と明かす照井先輩。パパって呼ぶんだ、と食いつく尾鳥に、行きましょう、とすっと話を切り上げる流れも絶妙だった。照井先輩の新たな弱みを手に入れたかのような尾鳥の調子のよさが、このあとの展開につながっていく。
尾鳥の計画
自分を置き去りにした仲間たちに、お仕置きをしてあげないと。尾鳥が企てたのは、窓の外の木に上着を引っ掛けて、みんなを驚かせるというたくらみだった。そこで自分が颯爽と助けに入れば、みんなが感謝する。承認欲求が透けて見える計画だったが、案の定うまくはいかない。
叫び声に、まさか飛び降りかと駆けつける一行。照井先輩の身を案じる声まで飛び交う大騒ぎの末、見ちゃだめだ会長、ああいうのを見ると呪われるのが定石なんです、というパニックぶりがおかしかった。その後、尾鳥は七尺様が助けてくれた、という締めくくりまで含めて、最後まで笑わせにくる構成が見事だった。
見回りの道中で語られたグッズ販売会の話も楽しい。こわもてで193センチもある人物が、実はかわいいものが大好きだという小ネタが、さらりと挟み込まれる。夜の校舎という怖い舞台を、とことん笑いに変えてしまうのがこの作品らしかった。
こまろ現る!!
そして3本目は、いよいよ庶務の陸奥こまろが登場する。早朝に先生から呼び出され、授業の準備を手伝ったついでに生徒会室へ寄った梅が目にしたのは、机に突っ伏した血まみれの少女だった。
血まみれの少女
事件かと思って声をかけると、返ってきたのはガラガラの声。その血どうしたの、と聞けば、これは鼻血、車にはねられたら出た、という答え。出す情報の順番が逆では、という梅の突っ込みが的確すぎて笑った。生徒会の庶務で、けがで1か月ほど休んでいたのだという。
いつの間にか後輩ができていてすごくうれしい、とつつましく喜ぶこまろ。本当は書記をやりたかった、だから書記の仕事を近くで見たい、と急に距離を詰めてくる姿は、まるで初めてカリカリをもらった捨て猫のようだ。人懐っこくて少しずれている新キャラの魅力が、登場からわずかな時間で伝わってきた。
しかもこまろは、梅と同じクラスで、席は梅のすぐ後ろ。休学していたこまろが戻ってきたという紹介に、梅が驚くのも無理はない。
初対面の相手にここまで無防備に近づいてくるこまろに、梅もどう接していいのか戸惑い気味。それでも、けがをしたばかりなのに頑張っていて偉い、と素直に感じるあたりに、梅の人の良さが表れていた。この二人の組み合わせが、生徒会に新しい空気を運んでくれそうだ。
梅の書記の仕事を近くで見たいと言ったこまろの気持ちには、ずっと休んでいた間に生まれた後輩への興味と、生徒会に早くなじみたいという思いの両方が込められていたのかもしれない。
カカポのような子
こまろの復帰を報告する生徒会の面々だが、いつの間にそんなに仲良くなったんだ、と会長は気になって仕方がない様子。こまろは警戒心のなさが人並み外れている、と評される。まるで人懐っこすぎて絶滅寸前の幻の鳥カカポのように、というたとえには妙に納得してしまった。
ちゃんと嫌だったら嫌って言わないと、悪い人にひどいことされちゃうかもですから、と言い聞かせる場面も、保護者のような目線が印象的だった。どっちがかわいいのか、と張り合ってくる尾鳥に、客観的にはこまちゃんでしょうね、と即答されるやり取りも楽しい。
まとめと考察
『生徒会にも穴はある!』第2話は、3本のエピソードを通して、生徒会メンバーそれぞれの意外な一面と、新メンバーこまろの魅力をたっぷり描いた回だった。最後に、印象に残ったポイントを振り返っておきたい。
重い女、古都吹寿子
こまろは平塚先生の紹介で生徒会に入ったという。中学のとき、公園で虫捕りをしていたところを見かけて話しかけられたのがきっかけらしい。人と話すのが苦手そうだったこまろが、こんなに早く打ち解けるなんて、先生はこうなることが分かっていたのかもしれない、と語る会長。同級生で同じクラス、こまろにはぴったりの相方だ、とうれしそうに続ける。
ところが、なんならやけちゃうくらいにお似合いだよ、と言いながら、なぜか涙が止まらない会長。梅くんを取られると思ったんですね、と見抜かれ、ことぶきは重い女だった、というナレーションで締めくくられる流れには大笑いした。カリスマ会長の、どうしようもなく人間くさい一面が、今回いちばんの見どころだったかもしれない。頼もしいリーダーとしての顔と、後輩を取られまいと涙ぐむ顔。そのどちらもが会長らしく、ますます応援したくなった。
生徒会という居場所
頼まれると断れない会長、怖がられがちでも後輩と仲良くしたい照井先輩、口は悪くても仲間の危機には駆けつける尾鳥、そして人懐っこい新メンバーのこまろ。下ネタ全開のギャグの裏で、それぞれにとっての居場所としての生徒会が少しずつ形になっていく様子が描かれていた。
梅を中心に広がっていく人間関係が、これからどう変化していくのか。ぶっ飛んだ笑いとほんのりした温かさが同居するこの作品の魅力を、2話目にしてしっかり味わえた。こまろが加わって全員がそろった生徒会が、次はどんな騒動を巻き起こすのか楽しみだ。
見回りの夜にも、しおり作りの夜にも、最後には誰かが誰かを助けている。その積み重ねがあるからこそ、どんなに騒がしい日常でも、見終わったあとにはほっとした気持ちが残るのだと思う。こまろを迎えて全員がそろった生徒会の、これからの日々が待ち遠しい。




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