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『魔法少女育成計画 restart(第2期)』第2話の副題は「プレイヤー達」。仮想空間に集められた魔法少女たちは、電子妖精ファルから大金を賭けたチーム戦のルールを告げられる。優勝特典100億円、善意から生まれたキャンディの再配分、そして早くも訪れてしまう最初の脱落まで、それぞれのプレイヤーの思惑が交錯した第2話を丁寧に振り返っていく。




第2話の副題は「プレイヤー達」
『魔法少女育成計画 restart(第2期)』第2話の副題は「プレイヤー達」。第1話で謎のゲームに引き込まれた魔法少女たちは、広大な仮想空間で電子妖精ファルからルールを告げられる。優勝特典は100億円、通貨はマジカルキャンディ、最大4人までのチーム戦。いくつものパーティーがそれぞれの思惑で動き出すなか、ゲームはまだ序盤だというのに、ある魔法少女が最初の脱落者となる。副題どおり、プレイヤー一人ひとりの顔が見えてくる回だった。
魔法少女に強さは必要か
冒頭、何者かがファルとともにスノーホワイトの戦う映像を眺めている。悪の魔法少女を許さない魔法少女狩り。強いものこそ魔法少女になるべきだという勝手な理屈で殺し合いをさせていた者も、彼女が相手だと子ども扱いだ。そして何者かはファルに問いかける。そもそも魔法少女に強さが必要というのはおかしくないか。魔法少女とは、優しくて愛らしく、思いやりや友情やひたむきさを持つものではないのか、と。
この問いかけは、第1話のラストでスノーホワイトが口にした強さを求めるだけの魔法少女なんていらないという言葉と、まっすぐ響き合っている。強さで選別された過去への反省から始まったはずの何かが、また別の選別の場を用意しようとしている。冒頭のわずかな会話だけで、このゲームが単なる遊びでは終わらないことがはっきりと示されていた。
100億円のルール説明
仮想空間に集められた魔法少女たちの前に現れたファルは、ここが魔法で構築された訓練用のシミュレーターゲームだと説明する。ゲーム内で積んだ経験は現実にフィードバックされ、3日間連続でプレイしてほしい。ゲームオーバーになればそこでおしまいだが、現実の体はダメージゼロで安全安心。ただし賞金はもらえない。強制参加に文句が飛ぶなか、ファルは魔法の国は理不尽なところだと言ってのける。
そして告げられたのが、優勝チームへの特典100億円分だった。100億っていくらだっけとうろたえる者、マジでゲームだなと楽しくなってくる者、全部怪しいと警戒する者。反応はさまざまだが、ゲームオーバーでも安全だという説明を本気で信じていいのかという不安が、視聴者の側にはずっと残り続ける。前作を知る人ほど、この軽いノリが怖く見えるはずだ。
チームごとの思惑
ペチカとキャンディの再配分
ペチカが加わったのは、お嬢様口調の人形使いや、下半身が馬の魔法少女クランテイルたちのパーティーだった。自分の魔法を聞かれたペチカは、おいしい料理を作ることができると答えるが、なんか微妙な魔法ですねと言われてしまう。戦闘ではクランテイルが圧倒的な強さを見せ、仲間たちは賞金100億も夢ではないと沸き立つ。その横で、ペチカは何もできずに眺めているだけだった。
戦いのあと、キャンディの数を確認すると、とどめを刺した者だけがキャンディをもらえる仕組みだとわかる。ペチカはゼロのまま。そこでクランテイルが提案したのが、「キャンディーの再配分をしよう」だった。とどめを争って足並みが乱れれば誰も得をしない、と。働いた者が多くもらうべきだと反発する声もあがるが、そう思うなら次から戦えばいいと押し切られる。
公平に見えるクランテイルの判断だが、恩恵を受けたペチカにとっては、かえって居心地の悪さが増したかもしれない。自分は別に見ていただけだからと縮こまり、もう消えちゃいたいとつぶやく姿が痛々しい。助けられることが、そのまま負い目になってしまう。チームのために善意で決めた再配分が、メンバーの間に小さな不満と遠慮を残していく。この静かなひずみが、のちの猜疑心の種になっていくのだろう。
料理の魔法は戦闘では役に立たないが、3日間もゲームの中で過ごすなら、食事を用意できる力は決して小さくない。実際、後半のショップでは、ゲーム内でも食事が必要だと説明されている。戦えないペチカの魔法が、長丁場のゲームでは思わぬ価値を持つかもしれない。本人がまだそのことに気づいていないのがもどかしく、だからこそ今後の見せ場に期待したくなる。
マスクドワンダーとお嬢
一方、車椅子で猛スピードで走る魔法を活かして、いち早くエリアを駆け抜ける固定ミッションをクリアしたのが、お嬢ことプフレと付き人のパーティーだった。これで草原エリアが解放され、他のプレイヤーも出入り自由になる。お金に釣られるなんて意外だと言われたお嬢は、賞金に興味はない、挑戦を受けた以上は全力で応じたいだけだと答える。お嬢らしい、勝負そのものを楽しむ姿勢だ。付き人の家は代々お嬢の家に仕えてきたといい、生涯をかけてお守りするのだと言い聞かされて育った過去も明かされる。友達なのかと聞かれて言葉に詰まる付き人の姿に、二人の関係の複雑さがにじんでいた。
付き人がともに行動するのは、スーパーヒーロー風の魔法少女マスクドワンダー。赤い骸骨の攻撃で額にこぶを作りながらも、この程度でくじけるワンダーではないと胸を張る。もともとスーパーヒーローには興味がなかったのに、こんな姿に変身してしまって悩んでいた。そんなとき夢の中で師匠と出会い、特訓を受けるうちに、自分が本当に求めていたのはこういうことだったと気づいたという。望んでいなかった姿を、自分の生き方として引き受けた魔法少女なのだと思うと、大げさなポーズにも愛嬌が増して見えた。
力ある正義と、最初の脱落者
縄張りとショップ
草原エリアでは、敵の出現率が高い稼ぎ場を縄張りとして独占しようとする魔法少女たちが待ち構えていた。帰らないと怒るよと凄まれ、付き人は戦う相手じゃないと逃げ腰になる。そこで前に出たのがマスクドワンダーだった。「力あるものが正義なんじゃない」。力のない正義に意味がないだけ。我が名はマスクドワンダー、力ある正義の体現者、魔法少女。
冒頭の何者かの問いかけを思い出すと、この台詞は興味深い。強さだけを求めるのではなく、正義を貫くために力を持つ。ワンダーの考え方は、スノーホワイトの在り方にも近い。結局、仲裁に入った別の魔法少女によって縄張り争いは収まり、相手は去っていく。ゲームのルールの中で何をしてもとがめられないという理屈と、それでも守るべき正義があるという考え方。このゲームの中で、魔法少女たちの価値観が少しずつぶつかり始めている。
街のショップでは、エリア移動に必要な通行証や保存食、そして100キャンディもするガチャが並んでいた。この手のゲームにガチャは必須だと喜ぶ者に、気がつけば夢の借金生活だと返すやりとりには笑ってしまう。ゲーム内でも食事が必要で、エリアを移るにも通行証がいる。ゲームとしての作り込みが細かいほど、仮想空間が現実に近づいていくのが不気味でもあった。
デイジービームと墓標
マジカルデイジーたちのパーティーは、80キャンディの地図を手に入れ、草原エリアで稼ぎを始める。色を変えただけの骸骨に、魔法のゲームにしては意外とせせこましいと笑い合い、ゲームの世界なら日常のフラストレーションを発散するのもいいと言う仲間たち。だって楽しいじゃん戦うの、と。そしてデイジーは必殺技を放つ。
ところが、その直後にデイジーは倒れてしまう。仲間たちの叫びもむなしく、彼女はゲームオーバーとなった。残された仲間たちはデイジーの体のそばに墓標代わりの目印を立てる。ゲームオーバーになっても体は消えない。実際に現実のデイジーが死んだわけじゃないけれど、と言いながら、のっこちゃんたちの声には隠しきれない動揺がにじむ。ただのゲームなんだしと自分に言い聞かせる言葉が、かえって不安をあおっていた。
第1話で描かれたデイジーは、かつてアニメ化までされた魔法少女でありながら、現実では貧乏な女子大生だった。100億円の賞金は、彼女にとって誰よりも切実な夢だったかもしれない。日常のうっぷんを晴らすように楽しく戦っていた姿を思い出すと、最初の脱落者が彼女だったことの残酷さがいっそう胸に刺さる。墓標代わりの目印が、ゲームの中の出来事とは思えない重さを持って見えた。
第2話のまとめ考察
リスタートの意味
ラスト、冒頭の何者かは再びファルに語りかける。殺し合いをさせる魔法少女なんて論外だし、「殺し合いで選ばれた魔法少女もいちゃいけない」。あの件は魔法の国の上層部も問題を認めて対処したというファルに、何者かは疑いを向ける。スノーホワイトは別として、ほかの魔法少女たちが正しい魔法少女なのかどうか。だから、リスタートさせるのだと。あの忌まわしい、魔法少女育成計画を。
タイトルの意味がここで回収される展開には、ぞくりとさせられた。かつての殺し合いを否定する言葉を口にしながら、同じ名前の計画を再び始めようとしている。その矛盾こそが、この第2期の不穏さの正体なのだろう。正しい魔法少女を選び直すための計画が、新たな犠牲を生まないはずがない。デイジーの脱落は、その最初の兆しにすぎないのかもしれない。
ゲームの皮をかぶったもの
第2話は、チームごとの空気の違いを丁寧に描き分けた回だった。善意の再配分にひずみが生まれるペチカたち、勝負そのものを楽しむお嬢、正義を掲げるマスクドワンダー、ゲームを純粋に楽しんでいたデイジーたち。それぞれのプレイスタイルが、そのまま魔法少女としての価値観を映している。だからこそ、最初に脱落したのが楽しく戦っていたデイジーだったという事実が重い。
100億円の賞金、キャンディ、ガチャ、地図。どこまでもゲームらしい装いの裏で、本当に命が懸かっていないのかという疑いは消えない。安全だと言われたゲームオーバーが何を意味するのか。そして、この計画をリスタートさせた何者かの狙いはどこにあるのか。16人の魔法少女たちが、このゲームの正体にいつ気づくのか、息を詰めて最後まで見守りたい。




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