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心眼スキルを身につけるため、風紀会副隊長の水守雪音に稽古を申し込んだ幸助。地道な鍛錬の日々を送る一方、リュディとラーメンを食べに出た街で、本来はまだ先のはずのリュディの拉致事件が起きてしまう。ゲームの知識があるからこそ焦る幸助は、雪音と共にダンジョンへ向かう。雪音との稽古、前倒しされた邪神教イベント、そして主人公をも超えるという誓いまで、第3話を振り返る。




第3話は水守雪音との出会いとリュディ救出の回
『マジカルエクスプローラー』第3話は、幸助が心眼スキルを身につけるため、風紀会副隊長の水守雪音に稽古を申し込むところから始まった。鍛錬の日々、リュディとのラーメン、そして本来はまだ先のはずだった拉致事件。ゲームの知識を持つ幸助だからこその焦りと、それでも仲間のために走る熱さが描かれた一話だった。ゲームの世界に転生した幸助が、知っている物語と知らない現実の間で揺れる姿は、これまでの2話以上に鮮明だった。
水守雪音との出会い
水魔法の使い手で、学園の風紀会副隊長を務める水守雪音。ゲームの中で幸助がもっとも好きだったキャラクターの一人で、戦闘から外すことはほとんどなく、数多くのボスを倒してくれた存在だという。俺の女神、と心の中で叫ぶ幸助の熱量が、そのまま画面からあふれてくるようだった。強くてかっこいいだけでなく、後輩に誠実に向き合う雪音の人柄は、初登場の時点でしっかりと伝わってくる。幸助が女神とまで呼ぶ理由が、短いやりとりの中でも十分に感じられた。
そんな雪音に、幸助は稽古をつけてほしいと頼み込む。目的は心眼スキル。ストールで視界が遮られても問題なく戦えるようになるための力だ。学園長の毬乃の世話になっていると知った雪音は、快く稽古を引き受けてくれた。
心眼スキルの稽古
稽古は滝に打たれながら目を閉じ、体の魔力を活性化させるというもの。「雑念が見えるぞ」と見抜かれる幸助の姿には思わず笑ってしまう。ゲームでは雪音のもとで3ターンで習得していたはずなのに、現実はそう簡単にはいかない。滝に打たれる修行の場面は、見た目のインパクトもさることながら、強くなるには地道な積み重ねが欠かせないという、この作品の芯の部分を描いていたように思う。ゲームのようにターン数で成長が決まるわけではない現実を、幸助は身をもって知ることになる。
それでも雪音は、焦らずに行けばいいと言う。「ただ足を止めず一歩一歩進んでいけば良いのだ」。強さを求める幸助に向けられたこの言葉は、この後の展開で幸助が向き合うことになる焦りへの、先回りした答えのようにも聞こえた。ゲームの知識だけでは届かない成長を、雪音の存在が教えてくれる。
雑用魔法とラーメンの約束
魔力を渡す魔法
なかなかスキルを習得できない幸助は、相談した相手から、スキルや魔法は人が強く欲したときに発現しやすいと教わる。まずは簡単なものから覚えてみては、という助言を受けて幸助が選んだのは、自分の魔力を他人に渡す雑用魔法だった。魔力量の多い幸助なら、うまく使いこなせるかもしれない。強く欲したときに発現しやすいという教えは、幸助の最後の誓いにもつながっている。強くなりたいと本気で願うことが、幸助を前へ進ませる原動力になるのだろう。
実験台になったのはリュディ。ラーメンをおごるという条件で引き受けたものの、魔力を受け取るとくすぐったいと言い出し、次第に様子がおかしくなっていく。まさか雑用魔法にあんな副作用があったとは、と反省する幸助。使う場所を考えようという結論が、この作品らしいオチになっていた。
好きなものを教えたっけ、と首をかしげるリュディに、何度もエンディングを見たから知っていると心の中で返す幸助。ゲームの知識があるからこその距離の近さと、そのぶん相手には不思議がられてしまうずれが、二人のやりとりを面白くしている。
ラーメンと抹茶パフェ
その後のハプニングで、リュディからは責任を取ってほしいと迫られる。何を言われるのかと身構える幸助に、リュディが告げたのは「私、ラーメンが食べたい」という一言だった。高貴な身分だから人に見られてはいけない姿がある、という前置きからのこの落差がたまらない。ラーメンを食べる姿を誰にも見られたくないからと変装するリュディのかわいらしさも見どころだった。高貴な身分ゆえの窮屈さと、それでも食べたいものを食べたいという素直さ。ゲームでは見られなかったかもしれないリュディの一面に、幸助も心をつかまれていく。
変装してラーメン屋に向かう途中、二人は雪音と出会う。リュディでいいわ、と打ち解けるリュディと雪音。今度一緒に抹茶パフェを食べに行こうと誘う幸助に、雪音は「私も抹茶には目がないんだ」とうれしそうに返す。先輩のことなら全部知っています、と言ってしまう幸助の危うさも含めて、ほほえましい時間だった。甘いもの好きという共通点で一気に打ち解ける三人の空気は、この後の緊迫した展開との対比としても効いていた。
前倒しされたリュディ拉致事件
邪神教イベント
ところが、ラーメン屋に着く前にリュディが連れ去られてしまう。嫌な予感がする、今すぐ一緒に来てほしい、と雪音に頼み込む幸助。向かった先は、寂れた洋風の屋敷のダンジョンだった。「これは邪神教イベントだ」。学園に入学した後、リュディのストーリーを進める中で起きるはずだった出来事が、今起きている。
その理由は、どう考えても幸助自身の存在だった。物語を知っているから有利なはずなのに、「知っているからこそ焦りを生んでいる」。迷いなく分かれ道を選ぶ幸助に、雪音は問いかける。なぜ道筋が分かるのか、お前は何を知っている。今は言えません、それでも進まないわけにはいかない、と答える幸助の必死さが伝わってきた。未来を知っているということは、裏を返せば、自分の行動で未来が変わってしまう恐ろしさも知っているということだ。助けたいという気持ちが強いほど焦りが増していく姿は、ゲームの知識を持つ転生者ならではの苦しさを映していた。
足を止めてしまったな、行こう。雪音はそれ以上問いつめず、幸助と並んで進むことを選ぶ。「俺にも戦わせてください」と前に出た幸助は、稽古の成果である心眼スキルを発揮し、魔物を次々と倒していく。もう心眼スキルを体得したのか、と驚く雪音の反応が、幸助の成長を物語っていた。
ダンジョンボスとの対決
ようやくたどり着いたリュディの前に立ちはだかったのは、本来なら物語の中盤で戦うはずのダンジョンボスだった。序盤程度の実力しかない幸助やリュディが勝てる相手ではない。それでも幸助は、リュディをかばって前に出る。何があってもついてくるなよ、と言い残し、温存していた切り札を使う覚悟を決めた。リュディを背にかばう幸助の姿は、これまでのどこか軽い言動とは別人のようだった。ゲームの序盤ではありえない強敵を前にしても逃げない覚悟が、主人公ではない幸助を、確かにヒーローに見せていた。
もっと強くなっていれば使わずに済んだのに。そう悔しがりながらも、幸助はゲームの知識を逆手に取って勝負に出る。落ちた先は、本来なら別の目的で用意された仕掛けの部屋。命が尽きるのが先か、魔力が尽きるのが先か、我慢比べといこうじゃないか。ゲームの理不尽な仕掛けを武器に変える発想が、幸助らしい戦い方だった。
前代未聞の脱出劇
簡単だけど困難な脱出方法
無事に合流した三人だったが、脱出用のアイテムがない。脱出方法を知っている幸助は、簡単だけど困難だと浮かない顔をする。仕掛けに棒を差し込むと人型のシルエットが表示され、その格好をすれば魔力が送り込まれて仕組みが止まる。ただし、そのポーズは水着姿でなければならず、しかも間違えると特殊なガスが噴き出すという。
さすがはエロゲの世界、という幸助の心の声に思わず笑ってしまう。冗談もほどほどにしなさいよと怒るリュディ。けれど雪音は「私は瀧音を信じようと思う」と言う。視線がいかがわしいときもあるけれど、ここで嘘を言う男ではないと。その信頼に背中を押され、リュディも今回だけと引き受けるのだった。雪音が幸助を信じると言い切った場面は、稽古を通して積み重ねてきた二人の信頼関係の表れでもある。何を知っているのかを明かせない幸助を、それでも信じてくれる先輩の存在は、幸助にとって大きな支えになっていくはずだ。
ポーズの正解と不正解に一喜一憂しながら、なんとか脱出に成功する三人。シリアスな救出劇からのぶっ飛んだ展開という落差こそ、本作という作品の持ち味なのだと改めて感じた。
第3話のまとめ考察
最強への誓い
帰り道、幸助は今回の出来事で思い知らされたことを胸の中で語る。「俺はマジカルエクスプローラーが好きだ」。リュディも、先輩も、姉さんも、毬乃も、この世界で出会ったクラリスも、そしてまだ見ぬヒロインたちも好きだ。「ヒロインたちには絶対に幸せになってもらいたい」。
けれど、この世界の主人公が彼女たちを助けてくれるとは限らない。「俺は主人公ではない」。それなら、「だからこそ俺が強くなればいいんだ」。魔王すら一人で倒せるという主人公をも超えて、最強になる。そしていつか、「みんなをハッピーエンドに導いてやるのだ」。お色気たっぷりの回の最後に置かれたこの誓いが、物語の芯をはっきりと示していた。主人公ではないと自覚したうえで、それでも誰よりも強くなると決めた幸助。その覚悟は、軽口の多い普段の姿からは想像できないほど真剣だった。
ゲームの知識は武器にもなるが、今回のように物語を前倒しにしてしまう危うさもある。だからこそ、知識に頼るだけでなく、雪音のもとで一歩一歩強くなろうとする幸助の姿勢が大切になってくる。知っているからこそ背負う責任を、幸助がどう果たしていくのか。邪神教の残党も残る中、学園生活の始まりがますます楽しみになった。
また、今回は雪音とリュディという二人のヒロインそれぞれとの関係が一歩深まった回でもあった。稽古を通じて信頼を得た雪音と、ラーメンの約束から距離が縮まったリュディ。日常の積み重ねがあったからこそ、救出の場面での一体感が生まれていた。次はどんなヒロインと出会い、幸助がどんな縁を結んでいくのかにも、大いに期待が高まる。笑いと熱さの両方を、これからも存分に味わわせてほしい。




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