『出涸らし皇子』第10話「それぞれの役割」感想|三つの交渉が全部、自分を差し出して通る

『出涸らし皇子』第10話「それぞれの役割」感想|三つの交渉が全部、自分を差し出して通る バトル・アクション

『出涸らし皇子』第10話の副題は「それぞれの役割」。入れ替わったままの兄弟と帝都の三か所が、同時にそれぞれの持ち場を動かす回だ。アルバトロ公国では兄が弟の名で休戦同盟を提案し、その運び手として自分を差し出す。ロンディネ公国では弟が兄の名で名乗るだけにとどめ、実務をエルナに預ける。そして帝都では、二時間待ったフィーネが駆け引きそのものをやめてみせる。

アニ
第10話の副題は「それぞれの役割」でござる
ラン
アルバトロ公国に着いたのね!
キャロ
海竜の名はレビアターノです。
アニ
帝都ではフィーネが交渉に行くでござるよ
  1. 副題は、三か所で別の役をやっている回の名前だ
    1. 舞台が三つに割れている
    2. 公式のあらすじも二本立てで書かれている
    3. 前回まで名前が出せなかった商会に、名前がついた
  2. 交渉は、礼を受け取らないことから始まる
    1. 名乗りは相手のほうが先だ
    2. 受け取らない返し方が用意されている
    3. そのうえで、要求は二つ出てくる
  3. 公王が黙っていた理由は、正しさではなく経済だった
    1. 眠っていたのではなく、眠らせていた
    2. 冒険者ギルドに言えなかった理由が挙がる
    3. 責めずに、言語化してみせる
  4. 提案は同盟で、運び手は自分だと言い切る
    1. 先に相手の答えを言わせる
    2. 提案の中身は、敵国との休戦だ
    3. 断り文句を、自分で消してしまう
    4. 言い切った理由は、あとで明かされる
  5. 演じ切ったあとの楽屋が、いちばん短い
    1. 出てくるのは「疲れる」だけだ
    2. 弟の名前だけは、即答で出てくる
    3. 報告書の書き方まで、弟の名義で考える
  6. 評価は、いちばん届いてほしくない名前に届く
    1. 公女の礼は、まず賞賛から入る
    2. 弟のほうからも、同じ評価が届く
    3. 処理の仕方が、いつも通り情けない
    4. 第8話の時点で、そう書かれていた
  7. 弟のほうは、兄を演じて何も言わない
    1. 事前の指示が徹底している
    2. 名乗りだけで、役目が終わる
    3. 前回の採点結果が、そのまま作戦になっている
  8. 断りを、贈り物の形にして渡す
    1. 断る理屈が、相手の利益で説明される
    2. 代案が、断りの直後に置かれる
    3. 手土産は、本人だった
    4. 実演の仕方が容赦ない
  9. 二時間待った人が、駆け引きをやめる
    1. 待つ理由が、戦術ではない
    2. 待たせた側には、目的があった
    3. 待たされていたのは、一人ではなかった
    4. 提示できるものを聞かれて、自分を出す
  10. 差し出すものが無くなった側が、降参する
    1. 値段を吊り上げようとする問いが続く
    2. 条件を対等にした瞬間、相手が折れる
    3. 要求を出すのは、隣に立っている人だ
    4. 一つだけ、差し出さなかったものがある
    5. そして、海が鳴きはじめる

副題は、三か所で別の役をやっている回の名前だ

「それぞれの役割」という言葉は、この回では二重の意味で働いている。

舞台が三つに割れている

アルバトロ公国には弟の名を使っている兄がいて、ロンディネ公国には兄の名を使っている弟がいて、帝都には二人の留守を預かるフィーネとリンフィアがいる。入れ替わりの「役」と、持ち場としての「役割」が同じ言葉に重なっている。

公式のあらすじも二本立てで書かれている

公式サイトの紹介文は「アルバトロ公国へ接岸したアルノルトは、目覚めた海竜に対抗すべく壮大な休戦交渉へと身を投じる」と始まり、「一方帝都では、留守を預かるフィーネがリンフィアと共に、危険な吸血鬼ユリヤ率いる『亜人商会』と資金援助を懸けた交渉に臨んでいた」と続く。この回の見どころは戦闘ではなく、二つの交渉だと最初に宣言されている。

前回まで名前が出せなかった商会に、名前がついた

前回の時点では、フィーネたちが会いに行く相手は「これから帝都に本格進出したい商会」「率いているのが吸血鬼の女性」としか分かっていなかった。今回は公式の紹介文で「亜人商会」と「ユリヤ」がはっきり書かれている。相手の名前が出た途端に、交渉の中身まで具体的になっている。

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最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い
第10話にて柳瀬監督哀悼のメッセージ
#degarashiouji #tokyomx

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交渉は、礼を受け取らないことから始まる

アルバトロ公王との会談は、感謝の言葉を断るところから動き出す。

名乗りは相手のほうが先だ

「アルバトロ公王、ドナート・ディ・アルバトロと申します」と名乗ったうえで、「危険を顧みず遭難者を助けていただいたこと、深く深く感謝申し上げます」と続く。玉座に座らないまま礼を述べている。助けられた側が先に頭を下げる形で、この会談は始まっている。

受け取らない返し方が用意されている

アルノルトの返事は「このようなお礼は不要でございます」で、理由は「我が帝国の船が沈めば、貴国は同じことをしたでしょう」だ。恩を売らないと明言している。断る言葉が、そのまま相手を対等な位置に戻す言葉になっている。

そのうえで、要求は二つ出てくる

一つ目は「ならば我が船に食料と水をいただけないでしょうか」で、二つ目が「そしてもう一つ、貴国の抱える悩みをお話しいただきたい」である。礼を断った直後なので、二つ目のほうが断りにくくなっている。しかも「この問題、大陸全土に波及いたします」と、聞く理由まで添えてある。

▼ ネットの反応

『#出涸らし皇子』第10話 拝見!

ユリヤ様登場!お美しかった

フィーネと2人の会談…ドキドキだったぁぁ!

最後のフィーネの 秘密です
最高でした!

#出涸らし

@sn_degarashi
@gunsiha @y_nagii
@yukino_amagai

@yanase_y 監督を務めてくださったのが柳瀬さんで良かったです

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公王が黙っていた理由は、正しさではなく経済だった

打ち明けられる中身は、海竜そのものの話から始まる。

眠っていたのではなく、眠らせていた

説明は「我がアルバトロ公国の海域には海竜がいる」「海竜の名はレビアターノ」「200年以上も眠っていた竜なのだ」と進む。ところが「休眠したのではなく眠らせたのだ」「古代の魔道具を使ってな」と訂正が入り、「我が祖先は200年前この魔道具で封印した」「だが先日、杖の宝玉が割れた」と続く。自然現象だと思われていたものが、代々の管理業務だったと分かる。

冒険者ギルドに言えなかった理由が挙がる

理由は二つだ。「海竜の討伐となれば、莫大な報酬を支払わねばなりません」、そして「しかも大陸全土に情報が回ってしまいます」。公王は「その通りだ」と認め、「我が国は海洋貿易で成り立っている」「海竜が現れたなどと知られれば立ち行かなくなる」と続ける。隠していた動機が保身ではなく、国の商売そのものだった。

責めずに、言語化してみせる

アルノルトの応じ方は「分かります」「公王陛下を責めることなど僕にはできません」だ。責めない代わりに、相手が言いにくかった理屈を自分の口で並べ直している。相手の弱みを、相手より上手にまとめてみせることで信用を取っている。

▼ ネットの反応

やっぱ金よ #degarashiouji #出涸らし皇子

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提案は同盟で、運び手は自分だと言い切る

ここからが、この回でいちばん交渉らしい交渉になる。

先に相手の答えを言わせる

「公王陛下はこの後、どのような対応手段をお考えですか」と聞き、「結局は冒険者ギルドに頼るしかないと思っている」という答えを引き出したうえで、「それしかないでしょう」と一度肯定する。相手の案を否定しないまま、そのあとに自分の案を置いている。

提案の中身は、敵国との休戦だ

続けて出るのが「ただ一つ提案があります」で、内容は敵対するロンディネ公国と休戦の同盟を結ぶことだった。理由も具体的で、「向こうは事情を知りません」「貴国が混乱しているという情報だけで、攻め入ってくるやもしれません」と説明される。海竜の話をしていたはずが、いつのまにか隣国対策の話に変わっている。

断り文句を、自分で消してしまう

公王の返事は「それは私も考えたが、ご存知の通り、長年の戦争で他の国とは国交がないのだ」だ。そこへ即座に「この同盟案、僕がロンディネに持っていきましょう」「帝国の全権大使が間に入ったとなれば、向こうも無下にはできないはずです」と重ねる。国交が無いという断り文句を、自分が国交そのものになることで消している。

言い切った理由は、あとで明かされる

会談が終わったあとの説明は身も蓋もない。「ただ、ああでも言っておかないと、なかなか決断しそうにないからな」である。断言したのは自信があったからではなく、相手に決めさせるためだった。

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出涸らし皇子 10話

アルノルトがレオナルドになって紳士にやってるけど普段とはえらい違い
それと、フィーネちゃんは力になってくれる人物と会ったけど尽力してくれるみたいでよく交渉できたよな
#出涸らし皇子

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演じ切ったあとの楽屋が、いちばん短い

会談が終わった瞬間の第一声が、この回の主人公をよく表している。

出てくるのは「疲れる」だけだ

立派でしたと労われた本人の返事は「無理して背伸びするのはしんどいよ」「出涸らしている方がよっぽど楽だ」である。作品名になっている言葉が、本人の口では休憩の意味で使われている。ここまで一分の隙もない交渉をしていた人が、終わった途端に元に戻る。

弟の名前だけは、即答で出てくる

ロンディネが攻めてくるかと聞かれると「どうかな」と濁しつつ、「向こうにはレオとエルナがいるから、いざとなれば止めてくれるだろうさ」と続ける。自分の交渉の保険が、弟と幼馴染だという計算になっている。

報告書の書き方まで、弟の名義で考える

報告書の相談も「レオなら、帝国にどう報告する?」という形で始まる。返ってきた案を受けてから、「ただ、報告書が届く頃には、レビアターノによってもうこの国が消えている可能性がある」と付け足す。書式まで弟の名義で組み立てているのが、前回からの続きになっている。

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本日のアニメお気に入りシーン①
#出涸らし #出涸らし皇子

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評価は、いちばん届いてほしくない名前に届く

助けられた側からの礼が、この回では二度届く。

公女の礼は、まず賞賛から入る

エヴァ公女が伝えるのは「レオナルト王子のおかげだと、皆が口を揃えて賞賛しておりました」だ。返事は「過ぎた評価ですね」「賞賛を与えるなら、救出に奮闘した船の乗組員にこそふさわしいですよ」である。受け取らない断り方が、公王のときとまったく同じ形になっている。

▼ ネットの反応

公女殿下がメス顔していてとても可愛すぎる
べた惚れすぎて添い遂げたい

#出涸らし #出涸らし皇子

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弟のほうからも、同じ評価が届く

続くのは「弟のために、海竜がいるかもしれない海に飛び込んでくださったと聞きました」「まさしく英雄の行いです」で、目を覚ましたジュリオ公子の言葉として「あなたは理想の王子だと、自分もいつかあなたのようになりたい」が伝えられる。英雄の名前は弟のもので、海に飛び込んだのは兄のほうだ。

処理の仕方が、いつも通り情けない

好意を向けられたと察した本人の内心は「まずいまずいまずいまずいぞ」から始まり、どう弟に説明するかで大混乱する。落ち着けと自分に言い聞かせ、そのうち気持ちは冷めていくと結論づけ、最後は「あー、めんどくさい」「後で考えよう」で打ち切る。交渉では一度も詰まらなかった人が、私事になった途端に全部あとまわしにする。

第8話の時点で、そう書かれていた

下に置いた反応は第10話のものではなく、第8話を見た時点の投稿だ。海の上で船酔いの弟として公国の公女に会った場面を「後の伏線になりそう」と書いている。二話ぶんあとに、その伏線がそのまま回収されている。

▼ ネットの反応

#出涸らし皇子 EP8
エルナ デートに誘うつもり?とからかうつもりが アルにその通りと言われて顔を赤くするけど…その後もっと恥ずかしい目に遭ってしまう
家に勝ってそんな娘の様子を盗み見しちゃうって…母親心なの
船酔いの弟として海上でアルバトロ公国公女と謁見したアル
後の伏線になりそう

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弟のほうは、兄を演じて何も言わない

同じ日、ロンディネ公国では正反対の演技が行われている。

事前の指示が徹底している

エルナの指示は細かい。「今のあなたはレオじゃなくてアルよ」「それを忘れないで」から始まり、「普通に挨拶していいわ」「けど余計なことは言わないで」「褒めちゃダメ」「本当に最低限の挨拶だけよ」と続く。兄を演じる方法として指定されたのは、喋らないことだった。

名乗りだけで、役目が終わる

実際に彼が口にするのは「帝国第七皇子、アルノルト・レークス・アードラー。ロンディネ公王陛下に拝謁いたします」という名乗りと、聞かれたことへの短い返事だけだ。援助の可否という本題に入ると、答えは自分ではなく同行者から伝えると引き取ってもらう。人に任せることが、そのまま兄らしさとして通用している。

前回の採点結果が、そのまま作戦になっている

前回、兄の真似をした弟にエルナがつけた点は50点で、理由は「アルなら『船長に任せる』って言うはずよ」だった。今回はその指摘どおりに、任せる形だけを実行している。下手だと言われた演技が、下手なまま正解になっている。

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本日のアニメお気に入りシーン②
#出涸らし #出涸らし皇子

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断りを、贈り物の形にして渡す

援助要請への回答は、断りだ。ただし断り方に工夫がある。

断る理屈が、相手の利益で説明される

「アルバトロ公国というライバルがいるように、我が帝国にもライバルがおります」から入り、「もしも帝国が正式に貴国に力を貸したとすると、ライバルの国々は喜んでアルバトロ公国に手を貸します」と続ける。結論は「よって皇帝陛下は貴国の援助要請にお答えできません」「貴国が優勢であればなおさらです」だ。断る理由が、相手にとっての損得として語られている。

代案が、断りの直後に置かれる

すぐに「ですからこれから親善を続け、少しずつ助力できればと皇帝陛下はお考えです」が続き、公王も「要は焦るなということだな」と自分でまとめる。断られた側が、断られたと感じないまま話が進んでいる。

手土産は、本人だった

決め手は「その手始めとして皇帝陛下は私を送ったのです」「貴国の武力の底上げになればと」である。そのうえで「帝国近衛騎士団所属、第三騎士隊隊長、エルナ・フォン・アムスベルグと申します」と名乗り、勇爵家の聖剣使いだと知られると「ご安心を。帝国の外では皇帝陛下の許可なく、聖剣を使うことはできません」と釘を刺してから、「ですが、私の力にご興味はありませんか」と誘う。援助はできないと言った口で、自分自身を差し出している。

実演の仕方が容赦ない

手合わせの提案も「複数でも構いませんよ」から始まり、「同時にかかってくることをお勧めするわよ」まで進む。結果は一方的で、「模造刀じゃなかったら命はなかったわね」「さあ立ちなさい」と続く。見ていた弟の感想は「まるで教官と生徒ですね」「ですが、国の兵にとってまたとない経験となるはずです」だ。援助を断った直後に、断った相手の兵を鍛えている。

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アニメ「最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い」
本日第10話放送です!
#出涸らし #出涸らし皇子

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二時間待った人が、駆け引きをやめる

帝都側の交渉は、待つところから始まっている。

待つ理由が、戦術ではない

待たされていることを無礼だと思わないのかと聞かれたフィーネの答えは、「会っていただくのはこちらの方ですし、待つのは当然でしょう」だ。そのうえで「今日、都合が悪いのであれば明日」「明日も、とりあえず待ちましょう」と続き、締めが「私にはそれくらいしかできませんから」である。待つことを手札ではなく、自分にできる唯一のことだと言っている。

待たせた側には、目的があった

現れたユリヤの第一声は「驚いたわ、まだ待っていたのね」で、名乗りは「私が亜人商会の代表のユリヤよ」「見ての通り吸血鬼ってわけ」だ。謝罪はないのかと言われても「待つのが嫌なら帰ればいいだけでしょ」と取り合わない。この時点では、まだ交渉相手として認められてすらいない。

待たされていたのは、一人ではなかった

種明かしは「あえて待たせて相手の動向を観察していた」で、内訳は「帝位を争う四人の有力候補者が、それぞれ亜人商会の協力を求めてきたの」「それで今日、全員と会う約束をしてたってわけ」だ。そして「2時間を過ぎたあたりで他の使者は怒って帰っていったわ」「残ったのは(あなただけ)」と続く。試験だと言われていない試験に、一人だけ合格している。

提示できるものを聞かれて、自分を出す

商売の話に入ると、条件は明快だ。「他の候補者たちは大商会が後ろについているから、資金じゃ勝てないものね」「あなたたちについた場合、あたしたちにどんなメリットがあるか、何か提示できて?」。フィーネの答えは「私を好きなように利用する権利を差し上げます」である。資金で勝てない側が出したのは、金額ではなく本人だった。

▼ ネットの反応

#出涸らし皇子 10話
巨乳対決
亜人商会ユリアVSフィーネ
フィーネの駆け引き無しのドストレートでユリアの後ろ楯を得る

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差し出すものが無くなった側が、降参する

ここからの数往復が、この回でいちばん見応えのある場面になる。

値段を吊り上げようとする問いが続く

ユリヤは何度も脅す。公爵家の令嬢にはできないようなこともさせるかもしれない、と言われても返事は「どうぞお構いなく」「理解しています」だ。弱みでも握られているのかと聞かれても「いいえ。ただお役に立ちたいだけです」で終わる。脅しの言葉が、一つも値切りの材料になっていない。

条件を対等にした瞬間、相手が折れる

決め手は「あなたが私と同等の何かを差し出せるなら、私は喜んでこの身を差し出します」という一言だった。返ってきたのは「無理ね」「私にはあなたと対等の何かを差し出せない」「あなたの勝ちよ」である。続けて「困った子ね」「まったく、駆け引きも何もあったもんじゃないわ」とこぼす。駆け引きをしないことが、駆け引きに勝っている。

要求を出すのは、隣に立っている人だ

何が欲しいかと聞かれたフィーネは「細かいことは私ではなくリンフィアさんが」と譲る。出てくる要求は二段で、まず「私たちの要求は資金です」、次に「私たち以外の帝位候補者と深い繋がりのある商人、商会に打撃を与えてください」だ。ユリヤの受けは「商人のフィールドで打ち負かせってことね」「いいわよ」、そして「暗躍は望むところ」である。作品名に入っている言葉が、また主人公以外の口から出ている。

一つだけ、差し出さなかったものがある

交渉が終わったあとの雑談で、ユリヤは最後の質問をする。双子のうち、聡明な弟と出涸らしの兄のどちらが好きなのか、という問いだ。フィーネの答えは「それは秘密です」だった。この回で彼女が差し出さなかったのは、これ一つだけである。別れ際に置かれる「自分を大事にしない人は他人も大事にできないわ」という忠告も、そのまま次に効いてくる言い方をしている。

そして、海が鳴きはじめる

三つの交渉が形になった一方で、船の上では別の音が聞こえ始める。海が鳴いていると気づいた場面で出るのは「静かにするんだ」「逃げるにはもう遅い」「やり過ごすしかないんだよ」という短い指示だけだ。交渉でどれだけ準備を整えても、相手が話を聞く相手ではない。

▼ ネットの反応

アニメ「最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い」
第10話、ユリヤさんセクシーでした
好きなキャラの一人です!

コミカライズ版も是非よろしくお願いします!
#出涸らし #出涸らし皇子

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アニ
三つの交渉が同じ形で通ったでござる
ラン
エルナは断った相手の兵を鍛えてたのね!
キャロ
フィーネは駆け引きをしませんでした。
アニ
秘密ですと言われた問いが一つ残ったでござる

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