『出涸らし皇子』第11話「レヴィアターノ、咆哮」感想|報酬は、フィーネの一言だけでよかった

『出涸らし皇子』第11話「レヴィアターノ、咆哮」感想|報酬は、フィーネの一言だけでよかった バトル・アクション

『出涸らし皇子』第11話の副題は「レヴィアターノ、咆哮」。海竜が姿を見せるのは最後の場面で、その前に話を動かしたのは声を張らない言葉だった。帝都に戻ったアルはフィーネに「もっと自分を大事にしてほしい」と伝え、フィーネはトラウゴットに「大切な人を救うのに理由が要りますか」と答える。トラウゴットが報酬に求めたのは、その一言だけだった。

アニ
第11話の副題は「レヴィアターノ、咆哮」でござる
ラン
アルとレオがやっと元に戻ったのね!
キャロ
フィーネさんへの言葉が胸に残る回です。
アニ
トラウゴット殿下の出番にも注目でござるよ
  1. 副題「レヴィアターノ、咆哮」は、最後の場面の名前だ
    1. 公式のあらすじは、海の上から始まる
    2. 冒頭は、息をひそめてやり過ごすところから
    3. 口に出したとたんに、ロンディネが襲われる
  2. 入れ替わりを解いたあと、アルはもう一度レオになる
    1. アルを演じるレオには、人が動かない
    2. 「遅いよ」「悪い」で、入れ替わりが終わる
    3. 「頑張って」と言った時点で、アルの真似は外れている
    4. 「船長に任せる」が戻ってきた
    5. ロンディネでは、もう一度アルがレオになる
    6. 「兄さんお見事だね」と「普段からやればいいのに」
  3. セバスは「あなたも同じでは」と返す
    1. 帝都では、また寝込んでいることになっている
    2. SS級の依頼と、帝都からの報告
    3. 「ご自身を取引の材料にされまして」
    4. 「誰かのために暗躍し」は、アルにも当てはまる
  4. 「唯一無二の共有者」と、アルは初めて礼を言う
    1. シルバーの姿で、護衛のリンフィアを下がらせる
    2. 「俺が言えたことじゃないのは分かってる」
    3. 役に立てていない、という思い込み
    4. 「セバスと君しかいない」
    5. 弟が唯一無二なら、フィーネは唯一無二の共有者
    6. 「お互いに反省しようか」のあと、フィーネは頼まれる側になる
  5. トラウゴットの報酬は「このフレーズ」だった
    1. 執筆中の第四皇子は「嫌でありますよ」
    2. シルバーの狙いは、本人が先に言い当てる
    3. 「古来より良き文章を書く方は」
    4. 「大切な人を救うのに理由が要りますか」
    5. 報酬は「このフレーズでよろしいです」
  6. 皇帝は「皇帝陛下だ」と言い直させ、最後に「息子」と言う
    1. 会議に飛び込んだ第四皇子は「やかましい」
    2. 「父上」と呼ばれるたびに「皇帝陛下だ」
    3. 「竜を討伐するのには」「数よりも質が重要だからです」
    4. 反対した二人を、エリクがまとめて退ける
    5. 「キールではギルドをないがしろにして」
    6. 「トラウを」「息子を頼むぞ」
  7. まとめと考察
    1. 敵同士だった二つの国が、同じ民を守ると言う
    2. アルは船にいない
    3. 「自分を大事に」は、フィーネにもアルにも向けられる
    4. 評判の低さが、役に立つ
    5. 咆哮の手前で、話を動かしたのは小さな声だった

副題「レヴィアターノ、咆哮」は、最後の場面の名前だ

公式のあらすじは、海の上から始まる

第11話の副題は「レヴィアターノ、咆哮」。公式のあらすじは、シーサーペントとの海上戦のさなかにアルノルトがレオナルトと合流し、入れ替わりを解くところから始まる。そのあと、ロンディネと停戦したアルバトロ公国からシルバーが海竜討伐の依頼を受け、ある皇族を巻き込んで戦地へ向かう。副題の海竜が正面から暴れ出すのは、一話のいちばん最後だ。それまでの時間は、ほとんど人と人との話し合いに使われている。

冒頭は、息をひそめてやり過ごすところから

始まりは静かだ。レヴィアターノが近くを通り過ぎるあいだ、アルたちは「静かにするんだ」「逃げるにはもう遅い」「やり過ごすしかない」と身を潜める。気配遮断の結界のおかげで見つからずに済み、「さすがに終わったかと思いましたよ」と息をつく。咆哮の回は、声を殺すところから始まっている。「奴にとって人間は全員敵だ」という言葉どおり、話し合いの通じる相手ではない。

口に出したとたんに、ロンディネが襲われる

息をついた直後、ロンディネがモンスターに襲撃されているという報せが入る。直前にロンディネの心配を口にしていた殿下は、「次からは思っても口に出すのはやめていただけますか」とたしなめられ、「俺のせいにしないでくれ」と返す。重い海竜の話の手前に、軽いやりとりが一つ置かれている。緊張をいったんほどいてから、海の戦いに入る順番になっている。

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24:00~
#アニメギルド
『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』

第11話「レヴィアターノ、咆哮」
海竜シーサーペントの出現による海上戦のさなか、ついにアルノルトはレオナルトと合流し、入れ替わりの解消を果たす。一方、ロンディネとの停戦協定を締結したアルバトロ公国からーーー

#出涸らし

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入れ替わりを解いたあと、アルはもう一度レオになる

アルを演じるレオには、人が動かない

一方、アルのふりをしていたレオは、船の上で指示を出しても通らない。「いえアルノルト殿下は無茶をおっしゃる」「怖いなら部屋に引っ込んでいてください」と返され、「兄さんはいつもどうやって人を動かしてるんだ」とこぼす。出涸らし皇子の顔をしていると、同じ指示でも人が動かない。評判の低さは、演じている弟にもそのまま効いてくる。

「遅いよ」「悪い」で、入れ替わりが終わる

小型のモンスターがアルの船に向かうと、レオは自分から助けに乗り込む。再会の第一声は「遅いよ」「悪い」。アルが「立派にレオを演じてきた」「だから疲れたんだ」と言えば、レオも「僕も兄さんを頑張って演じて疲れたよ」と返す。数話かけた入れ替わりが、船の上の短いやりとりで元に戻る。長い説明を挟まないところに、二人が互いをよく知っていることが出ている。

「頑張って」と言った時点で、アルの真似は外れている

アルは弟の言葉に「俺を演じるのに頑張ってという言葉が出てくる時点で」「お前は間違ってる」と返す。頑張らないことこそが、アルノルトという役の芯になっている。そのまま「あとは任せた」と言い、レオは「僕が全部片付ければいいんだね」と引き受ける。戦いを弟に渡すのが、いつものアルに戻った合図だ。

「船長に任せる」が戻ってきた

アルノルトとして船に戻ったアルは、防衛ラインを聞かれて「船長に任せる」「俺は部屋で寝るから」「どうせレオが全部やってくれる」と答える。すかさず「レオナルト殿下がいない間は少しはまともだと思ったのに」とぼやかれる。まともに見えていたのは、中身がレオだったからだ。第9話でエルナが言っていた、アルなら船長に任せると言うはずだという見立てが、本人の口でそのまま当たっている。

ロンディネでは、もう一度アルがレオになる

ところが、ロンディネ公王との謁見では、またアルがレオの役に戻る。「またアルがレオのフリをするの」と聞かれたレオは、「僕が説明するより兄さんが説明した方が早いでしょ」と答える。海路が塞がれればこの国は立ち行かなくなるという公王に、アルは全権大使レオナルトとして「過去の遺恨は水に流し」「アルバトロ公国と一時休戦し」同盟を組むよう申し出る。入れ替わりは解けても、交渉の席に座るのはやはりアルのほうだ。

「兄さんお見事だね」と「普段からやればいいのに」

公王は「同盟の提案を受けよう」と応じ、艦隊をアルバトロ公国へ出すことを決める。レオの感想は「兄さんお見事だね」、続いて「ちゃんとできるなら普段からやればいいのに」という声も上がる。アルが本気を出すのは、いつも他人の名前を借りているときだ。自分の顔では見事にやらないことが、出涸らし皇子の続け方になっている。

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アニメ「最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い」
本日第11話放送です!
#出涸らし #出涸らし皇子

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セバスは「あなたも同じでは」と返す

帝都では、また寝込んでいることになっている

アルは一足先に帝都へ戻り、なぜ今日帰ると分かったのかと聞いても「執事ですから」としか答えないセバスに迎えられる。ロンディネ公王は自ら艦隊を率いてアルバトロ公国へ向かい、レオも同行した。アル本人は「俺は船酔いで寝込んでいることになっている」一方で、「エルナは海を怖がって本当に寝込んでいるがな」。表向きの病人と本当の病人が、一人ずついる。そのあいだにアルバトロ公国から正式に海竜討伐の依頼が出て、シルバーが受けることになった。

SS級の依頼と、帝都からの報告

依頼のランクは「SS級になる予定」だという。帝都のほうは、セバスによれば勢力争いも順調で、「リンフィア殿が非常に優秀でした」。アルが南にいたあいだ、帝都の暗躍はリンフィアの手で回っていた。ただし報告には「しかしフィーネ様が少々」という続きがある。

「ご自身を取引の材料にされまして」

フィーネは亜人商会の代表との会談で「ご自身を取引の材料にされまして」、相手がフィーネに見合うものを出せないまま協力を取り付けた。第10話で描かれた交渉が、ここでは報告の一文に縮まっている。結果は成功でも、アルが引っかかったのは差し出したものの中身だ。アルの感想は「困った子だな」の一言だった。

「誰かのために暗躍し」は、アルにも当てはまる

セバスはすぐに「あなたがそれを言いますか」と返し、「誰かのために暗躍し」「自分を顧みないという点では」「あなたも同じでは」と続ける。作品名の「暗躍」が、ここではアルをたしなめる言葉として使われている。フィーネを心配するアルに、同じ心配がそのまま返ってくる構図だ。下の反応は第10話を見た時点の感想で、そのフィーネの交渉ぶりに触れている。

▼ ネットの反応

#出涸らし皇子
10話感想

三者三様でアルがレオになりきってアルバトロで休戦交渉&海龍の対応
エヴァ殿下に惚れられてるアルも中々のタラシやなw

一方本物のレオがアルのフリしてとロンディネを上手く騙せてる
内田姉…エルナが剣術指南でやりすぎてるが

フィーネさんも中々交渉強かやね

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「唯一無二の共有者」と、アルは初めて礼を言う

シルバーの姿で、護衛のリンフィアを下がらせる

アルはシルバーの姿でフィーネを訪ねる。今は護衛を務めるリンフィアに「二人で話がしたい」「どうか時間をくれ」と頼み、フィーネが「シルバー様なら大丈夫です」「私が保証します」と後押しする。リンフィアはまだ、シルバーの正体を知らない側にいる。二つの顔の片方しか知らない人を下がらせてから、話が始まる。

「俺が言えたことじゃないのは分かってる」

アルの切り出しは「俺が言えたことじゃないのは分かってる」「反感を抱くかもしれない」「それでも聞いてほしい」。セバスに言われたばかりのことを、自分で先に認めてから話している。忠告する側が、自分も同じだと先に白状している。そのうえで出てくるのが「もっと自分を大事にしてほしい」「そこまでしなくていい」だった。

役に立てていない、という思い込み

フィーネの答えは「ですけど私はアル様のお役に立てていないので」。第10話で自分を差し出したのは、役に立ちたいという気持ちの裏返しだったことがわかる。アルが止めたかったのは交渉のやり方ではなく、この思い込みのほうだ。だからアルは、やり方を叱らずに、フィーネがいてくれることの意味から話し直す。

「セバスと君しかいない」

アルは「こうやって二つの顔を見せられるのは」「セバスと君しかいない」と言う。セバスは「常にそばにいてくれた親みたいなもんだ」から、他人では「君が初めてだ」。秘密を知っている人の少なさが、そのまま信頼の深さになっている。「この秘密を知った時から」「君は他人じゃない」とまで言い切っている。

弟が唯一無二なら、フィーネは唯一無二の共有者

決め手は「レオが唯一無二の弟なら」「君は唯一無二の共有者だ」「代わりなんていない」。そして「そばにいてくれればそれでいい」「助けられてる」「ありがとう」と続く。役に立つかどうかではなく、そばにいること自体が助けになっていると伝えている。「もっと早くに礼を言うべきだったが」「俺も余裕がなかった」「すまない」まで含めて、アルが自分の不足を認める珍しい場面だ。

「お互いに反省しようか」のあと、フィーネは頼まれる側になる

「お互いに反省しようか」で話が落ち着くと、フィーネはすぐに「私がお手伝いします」と申し出る。アルの狙いを「帝国軍を介入させないようにしたいのですね」と言い当て、残る問題は鍵になる人物の説得だと続ける。アルの返事は「頼めるか」、フィーネは「お任せください」「私が説得してみせます」。自分から差し出すのではなく、頼まれて引き受ける形に変わっている。

▼ ネットの反応

正体知ってからね #degarashiouji #出涸らし皇子

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トラウゴットの報酬は「このフレーズ」だった

執筆中の第四皇子は「嫌でありますよ」

説得の相手は、第四皇子トラウゴット。最初の返事は「嫌でありますよ」で、「かのブラウメーベの頼みといえど」「無理なものは無理なのですよ」「自分今傑作を執筆中ゆえ」と取り合わない。帝位争いから最も遠い場所にいる皇子が、この回の鍵を握っている。そこへシルバーも顔を出す。

シルバーの狙いは、本人が先に言い当てる

トラウゴットは、自分に頼みが来た理由を先に並べてみせる。海竜を確実に仕留めるには援護が要り、南部には聖剣の使い手がいる。だから皇帝の名代として南部へ行き、聖剣を使う許可を出してほしいのだろう、と。シルバーは「海竜が出現している状況で」軍を送られるのは面倒だと答える。頭の回転は速いのに、動く気がないだけの皇子として描かれている。「いい着眼点ですな」と認めながらも、手が離せないと断る。

「古来より良き文章を書く方は」

フィーネは作家としてのトラウゴットに話しかける。「古来より良き文章を書く方は」「良き経験をした方です」。南部のために立ち上がれば経験も名声も手に入り、「その名声に惹かれて」「多くの文人が訪ねてくることでしょう」。皇子としてではなく、書き手としての欲に向けて話している。帝位争いの理屈を持ち出さないのが、この説得のうまさだ。

「大切な人を救うのに理由が要りますか」

トラウゴットは「帝位争いのためですかな」「それとも別の理由か」と尋ねる。フィーネの答えは「大切な人を救うのに理由が要りますか」。理由を聞かれて、理由はいらないと答えている。駆け引きの言葉を一つも使っていない返事に、トラウゴットは「そんな真っ直ぐで綺麗な答えを返されては」と折れる。

報酬は「このフレーズでよろしいです」

トラウゴットは「動かぬのは文人の恥と言えましょう」と引き受け、「報酬はこのフレーズでよろしいです」と付け加える。第10話で自分自身を差し出したフィーネが、この回では一言だけで人を動かしている。アルに「もっと自分を大事にしてほしい」と言われた直後の交渉で、差し出したのは言葉だけだった。副題の咆哮よりも、この一言のほうがこの回の中心にあると思う。

▼ ネットの反応

アニメ「最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い」
第11話、 やっぱりアルとフィーネの関係性がとっても好きです☺️心が浄化していく…
トラウ兄さんも賑やかで良き✨

コミカライズ版も是非よろしくお願いします!
#出涸らし #出涸らし皇子

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皇帝は「皇帝陛下だ」と言い直させ、最後に「息子」と言う

会議に飛び込んだ第四皇子は「やかましい」

トラウゴットはそのまま皇帝の会議に飛び込み、「会議中に入ってくるでない」「そしてやかましい」と追い出される。代わりに迎えられるのはシルバーだ。「珍しい客が来たな」と通されたシルバーは、南部を救おうとすること自体には「俺は構わない」と言い、「俺が危惧しているのは」「間違った対処をすることだ」と続ける。何が正しいのかを聞かれても、シルバーは自分で答えない。「それを説明するのは」「後ろの二人の仕事だ」。

「父上」と呼ばれるたびに「皇帝陛下だ」

会議の場で、皇帝は子どもたちに「父上」と呼ばれるたび、「皇帝陛下だ」と言い直させる。フィーネには「元気そうだなフィーネ」「お前ならいつでも会いに来るといい」とやわらかいのに、息子たちには公の呼び方しか許さない。この場では、父親である前に皇帝として座っている。この線引きが、最後の一言の前振りになっている。

「竜を討伐するのには」「数よりも質が重要だからです」

フィーネの案は、軍ではなく名代を送ること。「竜を討伐するのには」「数よりも質が重要だからです」と言い、トラウゴットを名代として送り、エルナに聖剣の使用を許すのが「解決への早道だと考えます」。なぜトラウなのかと聞かれると、「他のお三方では格が高すぎるからです」「聖剣の運搬を任せるなど」「お三方の名声に傷がつくでしょう」。評判が低いことが、そのまま任命の理由になっている。「辛辣ですな」という一言が挟まるのも無理はない。

反対した二人を、エリクがまとめて退ける

帝国だけで南部を救うべきだという声と、この機に南部を手に入れようという声も上がる。皇帝に「エリクお前はどう思う」と振られたエリクは、「フィーネの意見に賛成です」「これが最も無難でしょう」と答え、「ザンドラとゴードンの意見は」「冒険者ギルドとの関係悪化を招くばかりか」「皇帝陛下の器が小さいと」「風聞されかねないかと」と退ける。次期皇帝を名乗るエリクが、ここではフィーネの側に立っている。

「キールではギルドをないがしろにして」

皇帝の判断は「この話はフィーネの案で終わりだ」。「今南部を手に入れる旨味は薄く」、軍を送る理もない。さらに「キールではギルドをないがしろにして」「痛い目にあったしな」と、過去の失敗も理由に挙げる。皇帝は以前の失敗を覚えていて、それを今回の判断に使っている。最後は「今回はシルバーの顔を立てて」「協力してやろう」で決着した。

「トラウを」「息子を頼むぞ」

皇帝はトラウゴットを名代に任じ、「南部に赴き勇者に剣を届けるがよい」と命じる。そしてシルバーに向けて、「トラウを」「息子を頼むぞ」と言い直す。会議のあいだ「皇帝陛下だ」と言わせ続けた人が、最後だけ父親の言葉を選んでいる。シルバーの返事は「かすり傷ひとつなくお返ししよう」。当のトラウゴットは「どうせなら護衛は美少女が良かったでありますが」と、最後まで調子を崩さない。

▼ ネットの反応

出涸らし皇子 11話

アルノルドはレオナルドからシルバーになって今度は冒険者として赴くみたいだけどそこでまた色々とあったな
無事にレヴァアターノを討伐することも決まったしどうなるか
#出涸らし皇子

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まとめと考察

敵同士だった二つの国が、同じ民を守ると言う

最後の場面で、ロンディネ公王は「この非常事態」「来ないわけにはいかぬでな」とアルバトロ公国に入り、レオは「帝国全権大使のこの私が同盟成立を見届けました」と宣言する。現れた海竜を前に、ロンディネ公王は「同盟を結んだ以上」、アルバトロ公国の民も自分たちの民と同じだと言って退かない。アルがレオの名前で持ちかけた同盟が、公王自身の言葉になっている。海竜との戦いは、この言葉のあとに始まる。

アルは船にいない

戦いのさなか、レオが兄とエルナの居場所を尋ねると、アルは船に乗っておらず、エルナは陸で避難の手伝いに当たっていると返ってくる。出涸らし皇子の不在は、ここでも誰にも疑われていない。そのあいだにシルバーは、名代のトラウゴットを連れて南へ向かっている。

「自分を大事に」は、フィーネにもアルにも向けられる

振り返ると、この回は自分を大事にしてほしいという話が何度も出てくる。アルがフィーネに「もっと自分を大事にしてほしい」と言い、セバスはアルに「あなたも同じでは」と返す。第10話では、亜人商会の代表もフィーネに同じことを言っていた。自分を差し出す人ばかりの陣営で、互いにそれを止め合う回だった。

評判の低さが、役に立つ

もう一つ目立つのは、評判の低さが使われる場面の多さだ。レオはアルの顔では人を動かせず、アルは自分の顔では見事にやらない。トラウゴットは、ほかの皇子より格が下だから名代に選ばれる。出涸らしという評判は、この作品では弱点であると同時に隠れ蓑にもなっている。アルが船にいないことを誰も気にしないのも、その評判のおかげだ。

咆哮の手前で、話を動かしたのは小さな声だった

副題は海竜の咆哮だが、この回で状況を動かしたのは大きな声ではなかった。アルの「ありがとう」、フィーネの「大切な人を救うのに理由が要りますか」、皇帝の「息子を頼むぞ」。どれも、相手ひとりに向けた短い言葉だ。海竜との戦いが始まったところで幕が下りるので、この言葉を受け取った人たちがどう動くのかを見届けたい。

▼ ネットの反応

#出涸らし皇子 11話
海竜との決戦
まぁ他は特に無かったな……

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アニ
報酬が一言で済むのは、フィーネ殿ならではでござる
ラン
皇帝陛下の「息子を頼むぞ」にはぐっときたわ!
キャロ
いよいよ海竜との戦いが始まりました。
アニ
シルバーの出番が楽しみでござる

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