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ゾンビだらけの世界で、ホームセンターを新しい家に決めたアキたち。水と安全を確保しながら少しずつ生活を整えていく一行のもとに、前回の爆音を聞きつけた一人の訪問者が非常口のドアをたたいてやって来る。にぎやかな共同生活の始まり、ナツキが打ち明けた村を出た理由、そして訪問者ミカヅキとの出会いと別れまで、第2話を場面ごとに一つずつ振り返る。




ホームセンターでの暮らし
『#ゾンビさがしてます』第2話「仲間さがしてます」は、ホームセンターを新しい家にしたアキたちが生活の基盤を整えていくなか、訪問者のミカヅキがやって来る回だった。にぎやかで楽しい日常のすぐ隣に、この世界の厳しさがそっと置かれている。前回以上に、この作品の手触りがはっきり見えてきた一話だった。
水と安全の確保
寝心地最高のベッドで目を覚ましたアキが目にしたのは、すでに仕事に取りかかっている仲間たちの姿だった。生活基盤を整えるためには、まずは水と安全の確保が大事。役割分担のなかで、ナツキは日傘を差しながら見張り役を務めている。日焼けするでしょうが、という一言がいかにも彼女らしい。
近くに現れたゾンビを、ナツキは弓で見事に仕留める。アキこそ相変わらずいい弓作るね、とほめるナツキだが、自分は折りたためるように改造した武器があるから、と弓を返し、うちはもう武器を持たない、武器ってかわいくないんだもん、と言い切る。一番弓がうまいのに、というアキとのやり取りには、かわいいかどうかで物事を決めるナツキらしさがあふれていた。
弓を受け取ったのはサクラだった。アキでいいって言ってるでしょ、と呼び方を正すアキと、少しずつ打ち解けていくサクラ。前回出会ったばかりのユウとサクラが、もうすっかり一行の一員として役割を担っている様子に、この共同生活が順調に回り始めていることが伝わってくる。ゾンビも入れたらきれいになるかな、とろ過装置をのぞき込むアキの天然ぶりも健在だった。
ろ過装置とフィルム
一方、ユウとハルが作っていたのはろ過装置だった。ドラム缶の中にはフィルター、砂、小石、炭が敷き詰めてあり、すべてホームセンターでそろえることができた。雨どいからの配管をつなげば、雨水がろ過装置を通ってきれいな水になり、隣のタンクに給水される。建物の中にいながら水を手に入れられる仕組みだ。
そんなユウに、アキが相談したのは父が残したカメラのフィルムのこと。現像の方法は知らない、というユウの答えに、ユウでも知らないことあったよ、とはしゃぐアキ。もう存在理由ないですね、とサクラに言われて、本当に知らないわけではないんだよ、と弁解するユウには笑ってしまった。現像はあかいひ以前からすでにありふれたものではなく、フィルム現像はデリケートな作業だという説明には、父を探す手がかりの重さもにじんでいた。
おしゃべりしてないで働け、とハルに注意され、おしゃべりだと、と心外そうな顔をするユウ。力仕事は他に任せろと言われても、この程度なんてことない、と意地を張る姿もかわいらしい。冷静で知識が豊富なユウが、こうして仲間に振り回される瞬間があるからこそ、一行のやり取りは見ていて飽きない。
川辺のひととき
雨が降るまでろ過装置がうまく機能するか分からない。それなら水は目と鼻の先にある、と向かった先は川だった。豪快に水遊びを楽しむアキとハルの姿は、ゾンビだらけの世界とは思えないほどのどかだ。
いやまだ寒かったわ、と早々に水から上がるナツキと、平気な顔ではしゃぎ続ける二人。あいつらは生命エネルギーってのがちょっとおかしいのよ、村を出てからとにかく元気だし、とあきれるナツキの言葉には、幼なじみへの親しみがこもっていた。
ナツキが村を出た理由
水が確保できたら菜園を作ってみたい、名付けてサクラガーデン。そんな希望を語るサクラの隣で、ナツキがふと自分のことを話し始める。あの二人と違って、うちには村を出た理由みたいなものもない。家族はみんなあかいひで亡くして一人ぼっちになった、そんなのは別に珍しくないんだけど、と前置きしながら。
アキとハルが村を出ると決めたとき、また残されるのは嫌だ、死ぬなら一緒に死なせてよ、と思った。でも死んでたまるか。外の世界にはもっと楽しいことやかわいいものが待っているんだから。明るさの奥にある、置いていかれることへの怖さが語られる場面で、ナツキというキャラクターの見え方が大きく変わった。
見張り役を引き受け、日傘を差して文句を言いながらも、誰よりも周りを見ているナツキ。そのおしゃれやかわいいへのこだわりも、ただの趣味ではなく、厳しい世界で前を向くための彼女なりの支えなのかもしれない。一人ぼっちになった過去を軽い口調で話すからこそ、その奥にある痛みがより強く伝わってきた。
猫よけ水の発見
その帰り道、一行の前にゾンビが現れる。やり過ごそうと身を潜めていると、ゾンビはなぜか引き返していった。川でくんだ水を嫌がったのだ。水の入ったペットボトルが猫よけになると大流行した時代があった、猫には効果はなかったが、と語るユウ。さすがアキ、鼻が利くね、というやり取りも楽しい。
もし猫よけ水がカイリに効果的だとしたら、戦わずとも処理できるかもしれない。見張りもいらなくなって日焼けせずに済む、と喜ぶナツキに、ユウは首を振る。見張りの対象はカイリではない。昨日の爆音を聞いた者が、近いうち必ずやってくる。本当に警戒すべきなのは、ゾンビではなく人間だという言葉が、後半の展開へとつながっていく。
猫よけ水が本当にカイリに効くのなら、この世界での暮らし方そのものが変わるかもしれない。戦う力を持たなくても身を守れる可能性は、武器を持たないと決めたナツキにとっても大きな意味を持つはずだ。小さな発見の積み重ねで少しずつ世界の仕組みを知っていく流れが、サバイバルものとしての面白さをしっかり支えていた。
訪問者ミカヅキ
その夜、アキがピンクに塗った弓を、武器なのにかわいい、とナツキが受け取る温かな場面のすぐあと、非常口のドアをたたく音が響く。誰かいるんでしょう、助けて、という声。ユウの言った通り、訪問者がやって来たのだ。
この世界の先輩
招き入れた途端に暴れ出した訪問者は、たちまち取り押さえられる。ポケットから出てきた地図帳に、見るな、触るな、と取り乱す姿がどこか気になった。はぐれた仲間を探しに来たというその人物は、ミカヅキと名乗る。蜂蜜をもらって機嫌を直し、村から出たばかりならどうりで警戒が薄いわけだ、この世界は先手を取らねばやられるのが基本、と忠告してくる。
俺はこの世界の先輩だぞ、と胸を張るものの、外に出て半年と聞いてそんなに先輩でもないじゃん、と返されるのがおかしい。プロテインとは何か、かわいいはどこにあるか、と次々に質問されて、原宿だな、と答えるミカヅキ。こんな世界を楽しもうとしている、希望を持っている、俺たちもそうだった、という一言が、あとから振り返るとひどく切ない。
前回の爆音がゾンビ殲滅爆弾だったと、アキはうっかり明かしてしまう。余計なこと言うな、と慌てるユウの横で、自分が作って自分が爆発させた、と得意げなアキ。花火大会以来の大きな音だったという話から、サクラが花火を知らないことも分かり、子どもにはわかんねえか、サクラ子どもじゃないです、というやり取りにもほっこりした。
消えたミカヅキと花火
縛られたまま一晩を過ごしたミカヅキは、翌朝になると姿を消していた。仲間を引き入れるつもりで、初めからここを占拠する目的で来たのではないか、と疑うユウ。けれど見つかったミカヅキが探していたのは、欲しそうに見えたから、と差し出されたプロテインだった。
みんなでやろうと思って、と取り出したのは花火。昨日の爆音の話から、花火を知らないサクラのために用意してくれたのだろう。しかし湿気てしまった花火には火がつかず、最後の一本もだめだった。見たかったな花火、という声に胸が締めつけられる。ここのことは誰にも話さない、また今度、話の続きをしよう、と言い残して、ミカヅキは去っていった。
まとめと考察
『#ゾンビさがしてます』第2話は、明るい共同生活の楽しさと、この世界ならではの別れを一話の中で描いた回だった。最後に、印象に残ったポイントを振り返っておきたい。
ミカヅキの本当の目的
その夜、戻ってきたミカヅキの姿に、一同は無事でよかったと声を上げる。けれど、あいつが来たときからすでにかまれていると気づいていたのではないか、とユウは問う。大丈夫、ちゃんと処理しておいた、という短い返事が、すべてを物語っていた。
ミカヅキを招き入れたときから、鼻の利くアキにはどこかで分かっていたのかもしれない。それでも一緒にご飯を食べ、花火をしようとし、笑って送り出した。疑いながらも人として接することを選んだ一行の優しさが、この結末をただの悲劇で終わらせなかったように思う。
仲間を探しているなんてうそ、見捨てられたんだ、それでも手当たり次第に不幸にしてやりたくてここまで来た。そう明かすミカヅキの言葉は、もう少しで人間じゃなくなるところだった、あんたたちのおかげで人間に戻れたよ、と続く。最後に人間として誰かと過ごせた救いが、悲しい結末の中に小さな光を残していた。
先手を取らなきゃやられる、という忠告はその通りだと受け止めながら、うち嫌いじゃないかも、あの人、とつぶやくナツキ。警戒と信頼のどちらも捨てずにいることの難しさが、この一話には詰まっていたように思う。
ガソリンスタンドへ
物語は前へ進む。フィルムの現像は写真屋まで行けばおそらく可能だが、歩いて向かうには危険すぎる。車はガス欠でも、ガソリンスタンドなら歩いて行ける距離にある。それを教えてくれたのは、ミカヅキが残した地図だった。原宿が分かるやつだ、という言葉に、彼の存在がこれからも一行の旅に残り続けることを感じる。
出会いと別れの両方を描いて、世界の手触りが一段深くなった第2話。にぎやかな日常の楽しさがあるからこそ、その裏にある現実がいっそう胸に迫る。父の手がかりを求めて歩き出すアキたちが、これからどんな人たちと出会っていくのか見届けたい。ミカヅキが残した地図を手に、一行の旅はまた一歩先へ進んでいく。




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