『うしろの正面カムイさん』第12話(最終回)感想|「人間のままお別れしたいもん」と会わずに去る

『うしろの正面カムイさん』第12話(最終回)感想|「人間のままお別れしたいもん」と会わずに去る ホラー・怪奇

この記事の作品:

最終回の第12話は、つながらない電話の音声から始まる。親友のリリーが消え、教師も生徒も、その名前を聞いても誰のことか分からない。戦いの決着は「なぜ手加減する」という問いから、悪霊をやめたことの証明に変わっていく。「どんなふうにアイツと一緒にいたかったんだ?」への答えが、そのまま判定になる。そして別れは、会わずに行くという形で選ばれる。

アニ
最終回は電話がつながらない場面から始まるでござる
ラン
みんなの記憶からリリーちゃんが消えてるのね!
キャロ
戦いの決着も、この回で描かれます。
アニ
勝ち負けの話ではなくなるのでござるよ
  1. 公式のあらすじと、最終回の入り口
    1. あらすじは「決着が描かれる」で終わる
    2. 「彼女がいた証しを探して、シヅカは学校を飛び出す」
    3. 十分ほどの枠に、決着と後日談が入る
  2. 消えた親友と、「誰のことですか?」
    1. 電話もメッセージもつながらない
    2. 教室では、誰も欠けたと思っていない
    3. 消えたのは怪異としての痕跡だった
    4. 探しても見つからないと分かっている探し方
  3. 「なぜ手加減する」と問い返された戦い
    1. 力の差は、すでについていた
    2. 「なぜ人間から精気を吸い上げ 力を回復させてから来なかった」
    3. 「悪霊として生きながらえることを放棄しているからだ」
  4. 「今こうして私が明るくいられるのは カムイさんのおかげなの」
    1. 「変な人でおかしな人で」「やっぱり変な人だけど」
    2. 「だけどね」から先が本題だった
    3. 「どうして なんでできないの」
  5. 「お前は どんなふうにアイツと一緒にいたかったんだ?」
    1. 「悪霊にも大切にしたいものはある」
    2. 「笑ってるシヅカと一緒にいたかったよ」
    3. 「人間として生きたいと思ったからだ」
  6. 「泣き止んだら降りろよ」
    1. 「俺にだって相手を選ぶ権利はあるからな」
    2. 除霊する相手ではなくなった
    3. 短い枠だから、説明が入らない
    4. 勝った側が、勝ったとは言わない
  7. 「人間のままお別れしたいもん」
    1. 「いつか本能に負けて シヅカを傷つけるかもしれない」
    2. 「探しに行くよ」「精気に頼らず生きていける方法を」
    3. 「あいつには会わずに行くのか」
  8. 記憶が消えても、残っていたもの
    1. 「リリーちゃんはちゃんとここにいたよね」
    2. 消し忘れではなく、消せなかったほう
    3. 河川敷を歩く後ろ姿で閉じられる
  9. まとめと考察
    1. 最終回なのに、最後は日常に戻る
    2. 悪霊をやめるという決着の付け方
    3. 「今はまだ ね」に残されたもの
    4. 十分の枠で、削られなかったもの
    5. 別れの理由が、嫌いになったことではない

公式のあらすじと、最終回の入り口

あらすじは「決着が描かれる」で終わる

公式のあらすじは「親友リリーと一夜を過ごし、朝になってシヅカが目を覚ますと、彼女の姿は事務所から消えていた」から始まり、「教師や生徒たちの記憶から、リリーのことが消え失せている」と続く。締めは「互いの存在と誇り、譲れないものを賭けたリリーとの戦いの決着が描かれる」だ。いなくなった事実から入って、その理由をあとから見せる順番になっている。

▼ ネットの反応

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#アニメカムイさん
最終回・第12話放送まで…
あと1分

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このあと25:30~TOKYO MXにてTV放送&
AnimeFesta・dアニメストアにて配信ˎˊ˗

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「彼女がいた証しを探して、シヅカは学校を飛び出す」

あらすじは行動も書く。「彼女がいた証しを探して、シヅカは学校を飛び出す」だ。探すのは本人ではなく、いた証しのほうだった。消えたのが記憶の側だと、最初から分かっている。

十分ほどの枠に、決着と後日談が入る

この作品は一話が十分ほどの短い枠だ。その中に戦いの決着と、そのあとの別れと、日常の締めまでが収まっている。状況の説明にあてられる時間はほとんどなく、場面の切り替えだけで話が進んでいく。短い枠だからこそ、余計な説明が一つも入っていない。

消えた親友と、「誰のことですか?」

電話もメッセージもつながらない

冒頭は留守番電話の音声から始まる。「電話したり メッセージを送っても 全然つながらなくて」と訴えたシヅカが、先生にリリーの住所を聞く。返ってきたのは「誰のことですか?」だった。連絡が取れないのではなく、相手の存在ごと消えている。

▼ ネットの反応

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#アニメカムイさん
最終回・第12話放送まで…
あと30分

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教室では、誰も欠けたと思っていない

学校では友人たちが普段どおりに声をかけてくる。「もう大丈夫なのか?」と心配されるのは、リリーが休んでいることではなく、シヅカ自身のことだ。誰も欠けていないことになっている場所で、一人だけが欠けたことを知っている。

消えたのは怪異としての痕跡だった

記憶から消えるという現象自体は、この作品では珍しくない。ただし今回は、消された側が自分から消えている。後始末の能力が、そのまま別れの手段として使われている。

探しても見つからないと分かっている探し方

シヅカは住所を聞き、教室を回り、心当たりのある場所へ向かう。どれも普通の探し方で、相手が普通の相手でないことは本人がいちばん知っている。それでも同じ手順を踏む。やっても無駄だと分かっている手順を、最後まで省かないところに焦りが出ている。

「なぜ手加減する」と問い返された戦い

力の差は、すでについていた

戦いの回想で先に口を開くのはリリーのほうだ。「なぜ手加減する」と問い、「修行で力を増したあなたが」「今の消耗した私相手に 苦戦するはずないのに」と続ける。負けている側が、相手の手心に先に気づいている。

▼ ネットの反応

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#アニメカムイさん
最終回・第12話放送まで…
あと5分

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「なぜ人間から精気を吸い上げ 力を回復させてから来なかった」

問い返しは、もっと鋭いところを突く。「逆に聞くが 俺を敵に回す決断をしたのなら」「なぜ人間から精気を吸い上げ 力を回復させてから来なかった」だ。勝つつもりなら、やれることをやっていない。戦い方のほうが、本人の意思を先に白状している。

「悪霊として生きながらえることを放棄しているからだ」

答えは本人ではなくカムイの口から出る。「それはお前がもう 悪霊として生きながらえることを放棄しているからだ」だ。リリーは「そんなわけない」「私は諦めてなんかいない」と否定し、「お前さえいなければ 私はシヅカと一緒に」と続ける。否定した言葉の中に、認めたくない理由がそのまま入っている。

▼ ネットの反応

うしろの正面カムイさん 第11話 簡単な感想
無限列車編かな?
猿夢は昔サウンドノベルで聞いたことあるわ
百合アニメ始まったな
ショートスリーパーかな?
最終回でOPのバトル回収か
#アニメカムイさん
#リオの感想

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「今こうして私が明るくいられるのは カムイさんのおかげなの」

「変な人でおかしな人で」「やっぱり変な人だけど」

戦いの合間に、まったく別の場面が挟まる。シヅカが「カムイさんってどんな人なの?」と聞かれ、「うーん 変な人でおかしな人で」「やっぱり変な人だけど」と答える。突っ込みは「二回言った」だ。けなす言い方でしか説明できない相手として紹介されている。

▼ ネットの反応

#うしろの正面カムイさん 12話(終)

「人としての営み」をシヅカと過ごしたかった想いを胸に、河川敷を歩くリリーちゃん。その左側に“住宅”が密集してるのが相まって、今は「善霊」として「人の姿」を追求する意志があり、シヅカとの再会を遠く見据えていて思わず沁みた。
#アニメカムイさん #kamuisan

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「だけどね」から先が本題だった

続きが、この回の分かれ目になる。「だけどね 今こうして私が明るくいられるのは カムイさんのおかげなの」だ。この言葉が、戦っている二人のところへ届く。本人のいないところで言われた言葉が、戦いの判定を変えている。

「どうして なんでできないの」

それを聞いたリリーの動きが止まる。「どうして なんでできないの」と自分に問い、力が出ない理由をようやく受け取る。相手を倒せない理由が、相手のことを知ったからだと分かる。

「お前は どんなふうにアイツと一緒にいたかったんだ?」

「悪霊にも大切にしたいものはある」

カムイの説明は、突き放しているようで丁寧だ。「悪霊にも大切にしたいものはある」「しかし それは執着に近い」「自分本位な欲望だ」と並べ、そのうえで「だが お前はどうだ?」と向きを変える。同じ気持ちを、執着と呼ぶか別の名で呼ぶかを分けている。

▼ ネットの反応

#うしろの正面カムイさん 12話
激闘らしいですが、相変わらずの酷い絵面と自主規制で何が何だか
他方、シヅカと共に居たいからこそ、今は自ら身を引くリリー…この辺りは正直尺の短さが影響していささか実感が湧きにくく勿体ない印象も
じっくり見たかったので、是非長尺で2期を
#アニメカムイさん

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「笑ってるシヅカと一緒にいたかったよ」

問いは一つだけだった。「お前は どんなふうにアイツと一緒にいたかったんだ?」だ。答えは「私は」と詰まったあとに出る。「笑ってるシヅカと一緒にいたかったよ」。欲しかったものが、相手の笑っている顔だったと本人が認めている。

「人間として生きたいと思ったからだ」

この答えが出た時点で、判定はもう済んでいる。カムイは「言っただろ」と前置きし、「悪霊として流れることを放棄して」「いや 人間として生きたいと思ったからだ」と言い直す。負けた理由ではなく、変わった理由として説明されている。

「泣き止んだら降りろよ」

「俺にだって相手を選ぶ権利はあるからな」

泣き出したリリーに、カムイがかける言葉は短い。「泣き止んだら降りろよ」だ。「泣いちまった」とぼやき、「俺にだって相手を選ぶ権利はあるからな」と付け足す。慰めの言葉を一つも使わずに、泣くだけの時間を渡している。

▼ ネットの反応

#アニメカムイさん
素晴らしい最終回でした
原作読んでた時もこのリリーちゃんとシヅカの物語の締め方が切なくも美しくて感動しちゃったんだよね

カムイさんってたしかにエロ要素ある作品なんだけど、ぶっちゃけそれ以上に物語構成が凄く上手い

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除霊する相手ではなくなった

この一言で、二人の関係が変わっている。倒す相手でも、祓う相手でもなくなり、ただ泣いている相手として扱われる。戦いの決着が、勝ち負けではなく扱いの変化として描かれている。

短い枠だから、説明が入らない

ここで長い説明は入らない。泣き止むまでの間が置かれ、次の場面へ移る。言葉を足さないことが、そのまま優しさとして働いている。

勝った側が、勝ったとは言わない

カムイは最後まで勝利を宣言しない。理由の説明も、倒した相手に向けたものではなく、変わった相手に向けた確認になっている。戦いとして始まった場面が、途中から別のものにすり替わっている。決着の言葉を誰も口にしないまま、決着だけがついている。

「人間のままお別れしたいもん」

「いつか本能に負けて シヅカを傷つけるかもしれない」

去ると決めた理由は、自分への不信だった。「ここにいたら いつか本能に負けて シヅカを傷つけるかもしれない」と言い、「結局 私はサキュバスだから」「今はまだ ね」と続ける。離れる理由が、嫌いになったからではなく怖いからだと言われている。

▼ ネットの反応

#うしろの正面カムイさん 総括
巷の有名怪異/オカルトを、本作特有の”聖行為”なる最低のメソッド(褒め言葉です)で調理する剛腕ぶりがなんとも面白い作品でした
cv.杉田さんの有効活用、魅力的なヒロインシヅカ、お市ちゃんと愛すべきキャラも多く、是非とも続篇をお願いします
#アニメカムイさん

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「探しに行くよ」「精気に頼らず生きていける方法を」

目的地もはっきりしている。「だから探しに行くよ」「精気に頼らず生きていける方法を」だ。あてのない旅ではなく、条件を一つ外すための旅として設定されている。戻ってくるための外出として、別れが組み立てられている。

「あいつには会わずに行くのか」

見送る側の問いに、答えは迷いなく返る。「だって シヅカとは人間のままお別れしたいもん」だ。続けて「大丈夫 絶対帰ってくるから」「そのときに いっぱい謝るよ」と言う。いま会えばサキュバスとして別れることになる、と分かっている。

記憶が消えても、残っていたもの

「リリーちゃんはちゃんとここにいたよね」

学校では、友人たちがシヅカを気づかう。「リリー氏が来てないことと関係ある?」「私らも気になってたんだけど」と声をかけられ、そこでシヅカが泣き出す。出てくるのは「リリーちゃんが」「リリーちゃんがね」という言葉で、締めは「リリーちゃんはちゃんとここにいたよね」だった。記憶から消されたはずの相手を、友人たちが覚えている側に立っている。

▼ ネットの反応

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#アニメカムイさん
最終回・第12話
放送開始

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消し忘れではなく、消せなかったほう

他のすべてから消えているのに、ここだけが残っている。怪異としての力が及ばなかったのか、及ばせなかったのかは語られない。説明されないまま、一か所だけ消え残っているのが効いている。

河川敷を歩く後ろ姿で閉じられる

別れの場面は、町の外へ向かう道で描かれる。住宅の並ぶ側を左に見ながら、一人で歩いていく。向かう先は明るく飛んでいて、どこへ行くのかは描かれない。人の暮らしている側をずっと視界に入れたまま、その列から外れて進んでいく構図だ。人のいる場所を見ながら離れていく形になっている。

まとめと考察

最終回なのに、最後は日常に戻る

締めはしんみりした場面では終わらない。カムイの言い訳が始まり、「朝のランニングで出た汗を流そうと」と説明され、「夜に墓場で運動会をしていたと」「随分と体力が」と並べ立てられて詰められる。別れの直後に、いつもの調子が戻ってきている。

▼ ネットの反応

『うしろの正面カムイさん』
第12話(最終話)ご視聴ありがとうございました!!
トレンド入りもありがとうございました!!
まだこれから放送・配信の局やサイトもありますのでお楽しみに!!
もちろん原作漫画はまだまだ続いてますので、ぜひ読んでみてね!!
#アニメカムイさん

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悪霊をやめるという決着の付け方

この最終回は、悪霊を祓って終わらない。祓われる前に本人が悪霊であることをやめ、その結果として負ける。倒したのではなく、相手が別のものになったから終わっている。

▼ ネットの反応

#アニメカムイさん
最終回これは流石に笑う

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「今はまだ ね」に残されたもの

去り際の「今はまだ ね」は、いまはできないという意味でしかない。できるようになる可能性のほうを、本人が先に口にしている。別れの言葉が、条件つきの保留として置かれている。

十分の枠で、削られなかったもの

短い尺の中で、戦いも別れも日常も入っている。それでも削られなかったのが、泣き止むまでの間と、友人たちが覚えていた場面だ。説明ではなく、間のほうが最後まで残されている。

別れの理由が、嫌いになったことではない

この最終回で選ばれた別れは、関係が壊れたから離れるのではない。壊さないために離れるほうだ。だから戻ってくる前提で話が進み、謝る約束まで先に置かれる。終わらせないために離れる、という別れ方が選ばれている。

アニ
「笑ってるシヅカと一緒にいたかったよ」でござった
ラン
それが答えだったのね!
キャロ
別れは、会わないという形で選ばれました。
アニ
「絶対帰ってくるから」と言い残したでござる

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