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大型フェスへの出演が決まり、ルルットリリィはわんすもあのメンバーと新しいグループを組むことになる。フェスの宣伝を兼ねた料理配信で塔子が用意したサプライズは丸ごとのカニ。ところがリリィがこっそりかけた魔法のせいで、鍋の中のカニが巨大化してしまう。5人での新グループ結成、巨大ガニとのグルメバトル、そしてもあ・わんすもあの誕生まで、第16話を振り返る。




第16話 5人で目指す新しいステージ
第16話「グルメバトルは突然に」は、ルルットリリィが大型フェスへの出演を決め、わんすもあのメンバーと新しいグループを組むことになる回だった。フェスの宣伝を兼ねた料理配信で、リリィがこっそりかけた魔法がとんでもない事態を引き起こす。にぎやかな騒動の中で5人の絆が深まり、新グループがお披露目されるまでを振り返っていく。
フェスへのオファーとダブルセンター
歌番組にラジオの収録と、ルルットリリィの仕事は順調に増えていた。そこへ舞い込んだのが、新世代のアーティストが集まる大型の音楽フェスへの出演依頼だ。今大注目のルルットリリィが出れば話題になるという先方に、塔子は逆に一つの提案を持ちかける。ルルットリリィのプロジェクトには、まだ続きの構想があるのだという。
それは、ダブルセンターであるルルットリリィに選び抜かれたメンバー3名が加わって「真の姿が完成するのです」というもの。新しいグループを結成し、そのお披露目をフェスで行う。塔子の頭の中には、最初からこの5人のステージが描かれていたのだろう。
メンバーを前に、塔子はルルットリリィのライブを見たときにパワーをもらったと語る。「夢みたいな魔法みたいなステージで」、だからこそ「私はこのメンバーみんなで歌いたい」。わがままかもしれないと言いながら素直な思いを打ち明ける塔子に、全員がうなずく。「力を合わせよう」、「もっと自由になるために」という掛け声で、5人の新しい挑戦が始まった。
塔子が背負うもの
けれど家に帰った塔子を待っていたのは、母親の厳しい言葉だった。「そろそろ遊びは卒業して」と言われた塔子は、遊びじゃない、「私は本気でアイドルやってるの」と返す。母親は「あなたもう高校3年生なのよ」、ほかにやるべきことがあるでしょと引かない。塔子は食事はいらないと告げて部屋へ向かってしまう。
わんすもあを引っ張り、ルルットリリィを世に送り出してきた塔子も、家ではまだ高校生の娘にすぎない。母親に理解してもらえない悔しさを胸に、絶対成功させると誓う塔子の姿には、これまで以上の覚悟がにじんでいた。今回のフェスは、塔子にとって自分の本気を証明する場でもあるのだと思う。
一方の流は、自分が音楽フェスに出るなんてと緊張を隠せない。それでも、みんなと一緒ならきっと楽しいと前を向く。ふだんは控えめな流が、仲間の存在を支えにして一歩を踏み出そうとしているのが印象的だった。
あさひの不思議なひらめき
ステージの確認を終え、5人の曲は社長が古い知り合いに当たってみることになる。塔子は演出プラン、せなは振り付けと役割を分担していく中、あさひは突然「降ってきた」と叫んで飛び出していってしまう。何を考えているのか全然わからないと首をかしげる塔子に、わからないのに採用したのかとツッコミが入る。
塔子の答えは、写真を見たときにこの5人がそろったらいけると「ひらめいたんだもん」。勢いだけのようでいて、塔子の直感はこれまでも当たってきた。そして明日の案件配信について、塔子は「すっごいサプライズ用意してるから楽しみにしてて」と告げる。このサプライズが、のちの大騒動の火種になるとは誰も思っていなかった。
料理配信と巨大なカニ
リリィのこっそり魔法
配信の内容は、協賛メーカーの美味ぽんを使ってコラボフードを開発すること。いい感じに仕上がればフェスの屋台で提供されるという、宣伝を兼ねた企画だ。カメラと進行役は塔子が担当する。ところがリリィは、よく考えたら料理をあまりしたことがないかもしれないと気づいてしまう。
髪を直してくると言って抜け出したリリィは、うぐいすに周りを確かめさせてから、こっそり魔法を使う。願いは「すっごい料理が作れますように」。ささやかな願いのつもりだったのだろうが、リリィの魔法はいつも思いがけない形で叶ってしまう。この時点で、何かが起きる予感しかしなかった。
配信が始まり、用意された食材は野菜にフルーツ、そして丸ごとのカニ。「サプライズってカニのこと」と驚く二人の横で、予算をほとんどここで使ったらしいことまで伝わってくる。ポン酢とバナナを合わせようとするリリィには「ちゃんと料理にしてください」と声が飛び、カニは丸ごと鍋へ。「だってその方がかっこいいでしょ」という理由がなんとも豪快だ。
料理配信といえば穏やかな企画のはずなのに、丸ごとのカニという塔子のサプライズが加わるだけで、どこか落ち着かない空気になる。しかもリリィの魔法がすでにかかっている。見ている側だけが知っているその不安が、楽しい料理の場面に絶妙な緊張感を与えていた。
ルルの包丁さばきが上手だとほめられ、ルルは「家でたまに作るんです」と照れる。和菓子屋の娘として家の手伝いをしてきた流らしい一面が、さりげなく描かれていた。コメント欄の常連が実はあさひだったとわかり、リリィには言わないでと慌てるあさひの姿もかわいらしい。
鍋から巨大ガニ
順調に進んでいたカニ鍋づくりだったが、ふと目を離した隙にカニが消える。次の瞬間、鍋で茹でていたカニが巨大化して暴れ出した。塔子は即座にリポーターに切り替え、「なんということでしょう」、「巨大ガニです」と実況を始める。どんな事態でも配信を止めずにまず仕事をするあたりが、さすがは塔子だ。
鍋にされたことを怒っているらしい巨大ガニに、二人は鍋に戻ってと説得を試みるが、通じる相手ではない。泡を飛ばしてくるカニに、塔子は「やはり食うか食われるかなのか」と実況を続ける。隠れた場所で「これって魔法だよね」と気づくのも、もはやおなじみの流れだった。
視聴者は大盛り上がりで、配信は思わぬ形でバズってしまう。塔子はせなとあさひに「なんか戦えそうなもの持ってきて」と連絡し、駆けつけた二人は「通販で買ったカニが巨大化したの」と説明される。どう聞いても意味のわからない状況に、「サプライズすぎでしょ」とツッコミが入るのも当然だった。
5人の力を合わせて
美味ぽんで鍋に戻せ
塔子やせなが危ない目に遭いそうになったところで、リリィは「みんなを守る力を」と願って魔法をかける。現れたのは、美味ぽんを撃ち出すランチャーと多連装のミサイル。料理配信がいつの間にか本格的なバトルになってしまう展開には、思わず笑ってしまった。
けれど、リリィの攻撃だけではカニは鍋に戻らない。そこでルルが、リリィにだけ頼っていてはダメだと立ち上がり、あさひから武器を借りる。ルルとリリィが並んで放った一撃で、ついにカニは鍋の中へ。こうして「完成です」と、とってもおいしそうなカニ鍋が出来上がった。
一人で魔法に頼るのではなく、みんなで力を合わせて困難を乗り越える。リリィがかけた魔法が起こした騒動を、最後は5人の連携で解決したことに、新しいグループの未来が重なって見えた。塔子が言っていた5人の真の姿は、こういうことなのかもしれない。
これまでのリリィは、困ったことが起きるとこっそり魔法で解決しようとしてきた。けれど今回は、魔法が生んだトラブルを、魔法を知らない仲間たちと一緒に乗り越えている。リリィにとっても、仲間を頼ることの心強さを知るきっかけになったのではないだろうか。
もあ・わんすもあ誕生
壮絶な戦いを経て鍋が完成したところで、配信の最後の重大発表。プロダクションわんすもあで結成する新グループの名前は「もあ・わんすもあ」で、5人の初ステージはフェスで披露される。視聴者からは「これは行くっしょ」という声も上がり、巨大ガニの騒動は最高の宣伝になった。
配信後には「やっぱりカニが大きくなって襲ってくるなんてありえないでしょ」と首をかしげる声も出るが、「とはいえ数字としては跳ねた」。理屈では説明できない騒動も、結果として新グループの船出を後押しすることになったのだから、わんすもあらしいたくましさを感じた。
第16話のまとめ考察
走りきるための5人の曲
あさひは、実はアイドルが大好きで、わんすもあもデビューからずっと見てきたのだと打ち明ける。リリィが最推しで、ルルも大好き。けれど「やっぱアイドルとファンのラインはわきまえないと」と自分に言い聞かせているあたりが、あさひの誠実さだ。そんなあさひが差し出したのは、5人の特徴をよくつかんだ衣装のデザイン画だった。答えは「よし、採用」。あの日突然飛び出していったのは、このひらめきのためだったのだ。
ファンとしての気持ちを大切にしながら、メンバーとしての責任も果たそうとするあさひ。応援する側と応援される側、その両方の気持ちがわかるあさひの存在は、もあ・わんすもあにとって大きな強みになりそうだ。
そこへ社長が、ついに完成した新曲を持って現れる。「これが私たち5人の曲」と喜ぶメンバーの横で、社長は塔子に「途中で手放した夢はくすぶるから」と語りかけ、納得がいくまで走りきるように言う。おじさんにも夢があったのかと問われて、ないけどとはぐらかすやり取りには笑ったが、母親に反対されている塔子にとって、この言葉は大きな支えになったはずだ。
振り返ってみると、第16話は5人がひとつのグループとして動き出す回だった。塔子の直感で集められたメンバーが、それぞれの得意分野を持ち寄り、巨大ガニという予想外のトラブルも力を合わせて乗り越えた。衣装はあさひ、振り付けはせな、演出は塔子、そしてセンターにはルルットリリィ。もあ・わんすもあの形が、一つの騒動を通してはっきりと見えてきた。
その一方で、リリィの魔法がまた騒動を起こしてしまったことも見逃せない。誰にも秘密のまま使う魔法は、いつか5人の関係にも影を落とすかもしれない。それでも今回は、その魔法がみんなを守る力にもなった。塔子が背負う家族との葛藤、そしてフェスという大舞台。5人で走りきるための物語が、いよいよ本格的に動き出した。




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