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第151話の副題は「ナヴィと不思議な仮面の子」。キタカミの里のお祭りで、ナヴィはりんご飴をきっかけに仮面の子と出会い、一緒に遊ぶ。かくれんぼで素顔を見て出た言葉は「あなた ポケモン?」だった。その子の正体は、山に棲む鬼として恐れられていたオーガポン。荒らされたお供えものの疑いをかけられたカミツオロチも、実は腹をすかせていただけだった。ゼイユは今回も懲りずに勝負を挑む。




副題「ナヴィと不思議な仮面の子」と、公式のあらすじ
あらすじの最後に置かれた「伝説のポケモン・オーガポン」
第151話の副題は「ナヴィと不思議な仮面の子」。公式サイトのあらすじは、「キタカミの里のお祭りにやってきたライジングボルテッカーズ」から始まり、ナヴィとメタモンが「はじめてのキタカミのお祭りに大はしゃぎ」するなかで「仮面をかぶった不思議な子と出会う」と続く。締めは「その子の正体は、伝説のポケモン・オーガポンで…!?」だ。正体はあらすじの段階で明かされていて、この回の見どころは、ナヴィがそれを知らないまま遊んでいる時間のほうにある。
甚平で、キタカミの里のお祭りへ
冒頭、一行はそろって甚平に着替えてお祭りに出かける。「楽しみだな」と声が弾み、送り出す側からは「お祭り楽しんでね」と声がかかる。画面は、屋台と提灯の並ぶ里の景色に切り替わる。旅の途中の寄り道として、衣装から空気まで夏祭りに合わせた回になっている。
「おめかしして はしゃいじゃって」、いつもの言い合い
お祭りに着く前から、ナヴィとウルトの言い合いが始まる。第144話でウマが合わないと描かれた二人の関係は、この回でも変わらない。
「おこちゃまじゃないし」
甚平姿ではしゃぐナヴィに、ウルトが「おめかしして はしゃいじゃって」とからかう。ナヴィは「おこちゃまじゃないし」「ウルトも着替えてるくせに」と言い返し、「オレは はしゃいでねえし!」「ウソ はしゃいでる!」と続いて、周りからは「また始まった」とあきれた声が出る。からかう側もしっかり着替えている、という一点で言い合いの勝ち負けがほぼ決まっているのが可笑しい。
「別にワクワクなんてしてねえからな」
「キタカミの里のお祭り ホント ワクワクするよね!」という声に、すぐ「別にワクワクなんてしてねえからな」と否定が返ってくる。聞かれてもいないのに否定するのは、ワクワクしていると白状しているのとほとんど同じである。ウルトの強がりは、言えば言うほど本音が透けて見えるように作られている。二人がやかましく言い合っている間に、リコとロイはおそろいの甚平で並んでいて、画面の端では別の関係も静かに進んでいる。
りんご飴と、仮面の子
お祭りの屋台を回るうちに、ナヴィの前に不思議な子が現れる。最初の出会いは、りんご飴がきっかけだった。
「りんご飴買ってきたよ」
リコが「りんご飴買ってきたよ」と戻ってきて、「はいどうぞ」とみんなに配る。ポケモンたちの分もそろっていて、メタモンにもちゃんと一本渡される。全員に同じものを配るリコの気配りが、このあとの小さな騒ぎの前振りになっている。
消えたりんご飴
ところが、ナヴィの手元からりんご飴がなくなる。リコは「ちゃんと買ったはずだけど」と首をかしげ、ナヴィは「ナヴィのりんご飴返して」と追いかける。その先にいたのが、「大っきなリンゴ飴」を手にした仮面の子だった。最初の出会いが取った取られたの追いかけっこなのに、そこから友達になっていくのがナヴィらしい。
「友達ができたんだ」
ナヴィは「リコ あの子と遊んできていい?」と聞き、リコは「あんまり遠くに行かないでね」と送り出す。ナヴィが「鬼のお面をつけた子と遊びに行くって」と聞いた仲間からは、「友達ができたんだ」とうれしそうな声が出る。見守る側が、正体よりも先に友達ができたことを喜んでいる。ライジングボルテッカーズに加わって日の浅いナヴィにとって、自分から見つけた遊び相手は、それだけで大きな出来事である。
ゼイユとの再会と、「覚悟しなさい」
一方、リコたちはこの里で知り合ったゼイユと再会する。公式のあらすじにもある場面だが、再会はすぐに勝負の申し込みへ変わる。
「よく頑張ったわね」
ゼイユは「いらっしゃいライジングボルテッカーズ」と出迎え、「久しぶりね」と声をかける。リコたちの活躍も耳に入っていたようで、「よく頑張ったわね」とねぎらう。礼を言われると「別に私は何もしてないし」とそっけない。ほめるときは素直なのに、ほめられると引いてしまうところに、ゼイユの人柄が出ている。
「忘れたとは言わせないわ!」
そこから話は急に変わる。「お祭りに来たからには 覚悟しなさい!」と宣言し、「忘れたとは言わせないわ!」「私は前のお祭りで あんたたちの仲間に…」と悔しそうに続ける。事情を察した側からは「フリードにコテンパンにやられたから リベンジってこと?」と返り、「ひどい言いがかりだ」とぼやく声も上がる。負けた相手はフリードなのに、仲間のリコたちに挑むという筋の通らなさが、そのまま笑いになっている。
屋台の勝負
「早速 勝負よ!」の一言で、屋台を使った勝負が始まる。「勝負と聞いたら 黙っちゃいられねえ!」と乗ってくる声もあり、勝負は大いに盛り上がる。「うまいじゃんウルト」という声が上がり、「俺様の勝ちだな」と勝ち誇る場面もあるが、ゼイユは「まだまだこれからよ!」と引かない。型抜きでは「こんなはずじゃ」と崩れ落ちる。負けるたびに次の種目を持ち出すので、勝負が終わる気配がまったくない。
「もう一回よ!ライジングボルテッカーズ!」
何度負けても、ゼイユは「ぐぬぬ…」と歯をかみしめて「もう一回よ!ライジングボルテッカーズ!」と言う。ところが振り返ると、相手はもういない。リコたちはナヴィを追って森へ向かっていた。本筋から外れた場所で一人だけ本気の勝負を続けている、という役回りを、ゼイユは最後まで引き受けている。その健気さに合わせるように、アイキャッチにはゼイユの姿が置かれていた。
かくれんぼで見えた素顔
ナヴィと仮面の子の遊びは、かくれんぼに移る。ここで、あらすじに書かれていた正体が、ナヴィの目の前で明らかになる。
「あなた ポケモン?」
鬼になったナヴィが数を数え終えて「よし! どこかな?」と探し始め、「見つけた」と声を上げる。そこで仮面が外れ、現れた顔に「あれ? あれれれれ?」と戸惑う。続く一言が「あなた ポケモン?」だった。一緒に遊んでいた相手が人間ではなかったと知っても、ナヴィの声には怖がる調子がまったくない。驚きより先に、遊び相手の正体を面白がっているのが伝わってくる。
メタモンのどれかなクイズ
正体が分かってからも、遊びは続く。ナヴィとメタモンは、メタモンの変身を使った当てっこ遊びで楽しませる。「メタモンのどれかなクイズ」は、並んだ中からメタモンを当てる遊びで、当てる側は何度も首をかしげる。第149話でゴローニャに化けて埋め合わせをしたメタモンが、今回は初対面の相手と打ち解ける道具になっている。この遊びが、あとで思わぬ形で役に立つ。
大木のお供えものと、カミツオロチ
仮面の子を追って森に入ったナヴィを、リコたちは「追いかけよう」と追う。「森へ入って行っちゃったけど」と心配しながらたどり着いたのは、大きな木の前だった。
荒らされたお供えもの
大木について、「お祭りの時期になるとここに食べ物やお面をお供えするんだって」と説明が入る。ところが、その供え物が食い荒らされ、お面も壊されていた。お祭りのにぎわいのすぐ裏に、里の信仰の場所が荒らされているという不穏な話が置かれている。
「7匹のオロチがミツアメで作ったリンゴの中で暮らす」
そこに現れたのがカミツオロチだった。図鑑の説明は「リンゴオロチポケモン」で、「7匹のオロチがミツアメで作ったリンゴの中で暮らす」「真ん中のオロチが司令塔」と続く。「あの中に7匹も」と驚く声に、「頭の1匹と移動のための2匹以外のオロチは」「普段は眠ってるって聞いたことがある」と補足が入る。リンゴの中に眠っている仲間がいる、という設定が、このあとの騒ぎの仕掛けとしてそのまま使われる。
起こしてしまったオロチたち
「こいつがお面を壊して食い物を食べたんだな」と、カミツオロチが犯人だと思い込んだ一行は、「一旦落ち着かせよう」とバトルに入る。しかし「中のオロチたちを 起こしちゃったみたいだ」と、眠っていたオロチまで目を覚まし、相手の勢いが増してしまう。落ち着かせるための攻撃が、かえって相手の数を増やしてしまうという皮肉な展開になっている。
1匹増えたオロチと、ナヴィの作戦
苦戦するリコたちを救ったのは、森の奥から戻ってきたナヴィとメタモンだった。
「あれ、1匹増えてる」
オロチたちの様子がおかしくなり、「仲間割れしてる」と気づいた直後、「あれ、1匹増えてる」という声が上がる。メタモンがオロチの一匹に化けて紛れ込み、中から混乱させていたのである。「ナヴィのおかげだよ」「すごいねナヴィ」とにぎやかなやりとりが続くが、やがて「大変バレちゃった」「メタモン逃げて」と大慌てになる。かくれんぼとどれかなクイズで遊んだことが、そのままバトルの作戦になっているのがうまい。
「ひょっとしてお腹空いてただけ」
騒ぎが収まると、カミツオロチの見え方が変わる。「ひょっとしてお腹空いてただけ」「お供え物にありつけなくて怒っていたのかも」と気づき、「食い物を取ったのはあいつじゃなかったのか」「たくさんあった足跡もカミツオロチのものと違ったしね」と、犯人ではなかったことが分かる。最初に疑った相手が、実は供え物にありつけなかった側だったという反転が、この回のもう一つの山になっている。
またいなくなる仮面の子
騒ぎのあと、仮面の子はまたどこかへ行ってしまう。「え、また?」「何だったんだ? あいつ」と、残された側は首をかしげるばかりである。助けてくれたのか、遊んでいただけなのか、はっきりさせないまま去っていく距離感が、この子の不思議さをそのまま残している。
「山に棲む鬼」と呼ばれていたポケモン
里に戻ったリコたちに、ゼイユがあの子の正体を教える。
「かつてオーガポンは 山に棲む鬼として」
ゼイユの説明は「かつてオーガポンは 山に棲む鬼として 村の人から恐れられていたの。」というものだった。驚く一行に、ゼイユは「安心してそれは誤解だったの」と言い、「パートナーができて 本当は 優しいポケモンだってわかった。」と続ける。恐れられていた存在が、実は誤解されていただけだったという話は、同じ回のカミツオロチの濡れ衣とそっくり重なっている。
「だってオーガポン すっごく いい子だもん!」
その話を聞いて、「だよね!だってオーガポン すっごく いい子だもん!」という声が返る。里の言い伝えや伝説という肩書きよりも、一緒に遊んだ実感のほうが先に出てくる。伝説のポケモンを、友達としていちばん先に知ったのがナヴィだった、という順番がこの回の芯である。パートナーがいると語られたことで、あの子がどこから来て誰のもとにいるのかという新しい謎も残った。
「ナヴィにまで。懲りねえなぁ。」
ナヴィが「ライジングボルテッカーズの新しいメンバー」として紹介されると、ゼイユはすかさず「だったら今すぐ私と勝負よ」と言い出す。「輪投げに水鉄砲 型抜きでも何でもいいわ!」と種目を並べるゼイユに、「わぁ〜 楽しそう!」と乗り気な声が上がり、横からは「ナヴィにまで。懲りねえなぁ。」とあきれた声が出る。何度負けても新しい相手を見つけて挑むゼイユの懲りなさが、お祭りの回らしいにぎやかさで締めくくられている。
まとめと考察
第151話は、キタカミの里のお祭りを舞台に、ナヴィが伝説のポケモンと知らずに友達になる回だった。大木の供え物の謎は残ったままで、里の話はまだ続いていきそうだ。
正体より先に、友達になっていた
ナヴィは仮面の子を最後まで遊び相手として扱い、正体が分かったあとも出てくるのは「すっごく いい子」という言葉だった。相手が何者かを確かめる前に仲良くなってしまう、というナヴィの性格が、伝説のポケモンとの出会いをいちばん自然な形にしている。
二つの誤解
山に棲む鬼として恐れられていたオーガポンと、供え物を荒らした犯人だと疑われたカミツオロチ。この回には、誤解されていたポケモンが二匹出てくる。どちらも、近くで見て関わった人たちによって誤解が解かれていく。里の昔話と今日の騒ぎが同じ形で重ねられているのが、この回の組み立てのうまさである。
残された謎
最後に「だとしたら お供え物を取ったり」、お面を壊したりしたのは誰なのか、という問いが残る。カミツオロチではなかったと分かった以上、別の何かがいることになる。お祭りの楽しさと、はっきりしない不穏さが同居したまま、里の話は次へ持ち越された。




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