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『生徒会にも穴はある!』第5話は、先生の大遅刻から始まる生徒会合宿、有栖の弱みを探る梅とたんの大作戦、そして雨の日の相合傘と、笑えるエピソードがこれでもかとぎっしり詰まった回だった。下ネタ全開の笑いの中に、生徒会のみんながお互いを心から大切に思う絆がにじむ第5話を、ひとつひとつの場面ごとに順番にじっくりと丁寧に、順に振り返っていく。




第5話 生徒会合宿へ出発
3時間遅刻の先生
『生徒会にも穴はある!』第5話は、生徒会合宿の当日から始まる。ところが、待てど暮らせど先生が来ない。電話をかけてみると、どうやら合宿のこと自体を忘れていたらしい。「もう3時間遅刻ですよ」と言われながら、サンダルに寝癖という慌てぶりで登場する先生の姿に、出発前から笑ってしまった。
しかも先生の運転は、思い出したように飛ばしまくる荒っぽさ。「もっとスピード出してよ」とはしゃぐ声がある一方で、こまろはすっかり車酔いして真っ青に。「景色が虹色に見える」、「車内にも虹がかかった」という流れは、ギリギリの笑いを攻めるこの作品らしい展開だった。合宿という非日常に向かう道中から、すでにメンバーそれぞれの個性が全開なのが楽しい。だらしないけれど憎めない先生と、それに振り回されながらも楽しそうな生徒会の面々。目的地に着く前からすでに思い出がいっぱいの、にぎやかな合宿の始まりだった。
穴だらけの仕切り
ようやく到着した一行は、予定していた見学を無視して、先生の号令で温泉へ直行する。「地熱館とか建前だったんだ」というツッコミも冴えている。男湯で梅を待っていたのは、「穴だらけだお決まりで」という仕切り。お約束の展開に身構えるものの、結局は「本当に何もなかった」という肩透かしのオチがついた。
一方の女湯は、規制の丸がやたらと目立つにぎやかな画面に。その丸の中に梅の顔が描かれているという遊び心には、思わず笑ってしまった。お色気の場面ですら、きっちりギャグに仕立ててしまうのがこの作品らしい。
何も起きないまま湯船を出ていく男子二人の様子が、かえっておかしい。のぞきという定番のイベントを、あえて起こさずに笑いへ変えてしまうところに、この作品の独特なバランス感覚を感じた。下ネタやお色気が売りの作品でありながら、実際に一線を越えるような出来事は起きず、登場人物たちの反応の面白さで笑わせてくれる。その抜け感こそが、この作品が多くの人に愛されている理由の一つなのだと思う。
枕投げと夜の会話
夕食を終えた後は、合宿ならではの遊びの時間。ところが、照井先輩はあっという間に寝てしまう。「合宿ならではの枕投げです」と起こしにかかるものの、まったく起きない。「夢の中でも仲良しだな」という一言どおり、寝ている姿まで仲の良さが伝わってくる。先生の隣に座っていたせいで、お酒の雰囲気に酔ってしまったらしいという照井先輩の姿も意外で、普段の厳しさとのギャップにくすっと笑ってしまった。
女衆に部屋を占領された梅は、会長たちの部屋で眠ることに。電気を消した暗い部屋で、会長は梅に、生徒会室で寝ていた梅に無理をさせていないか気になっていたと打ち明ける。「私余計な仕事持ってきちゃうことも多いからさ」と気にする会長に、梅は「好きだからやってんですよ」と返す。
「ありがとう、うめくん」。照れくさいことを言ってしまったかと焦る梅に、返事はもう寝息だった。にぎやかな合宿の中で、ふっと静かになる二人の会話がとても温かい。生徒会の仕事を好きでやっていると言える梅の素直さと、それに安心する会長の表情が印象に残った。
会長はいつも明るく、時に大胆なことを言って梅を振り回しているように見える。けれど、その裏ではメンバーに負担をかけていないかを気にかけている。その繊細な一面を知っているからこそ、梅は会長を支えたいと思えるのだろう。二人の関係が少しずつ深まっていく様子を、こうした何気ない夜の会話で見せてくれるのがうれしい。翌朝、会長が寝ぼけて梅の布団で眠っていて騒動になったというオチまで含めて、二人の距離感がほほえましかった。
有栖の秘密を暴こう大作戦
弱みのかけらもない
合宿を終えたある日、梅はふと、照井先輩のことをあまり知らないと気づく。「厳しいかと思えば優しいし」、「怖い人かと思いきや」、「可愛いところもあるし」。それを聞いたたんが提案したのが、有栖の秘密を暴く大作戦だった。
物陰から有栖を見張る二人だったが、日直の仕事ぶりはお手本そのもの。「弱みのかけらもない」と不満げなたんは、ついに荷物検査を強行する。ここで明かされるのが、有栖が中学時代に裏番を張っていて、街のヤンキーから「サイコマナイタ妖怪」と恐れられていたという過去。弱みというより伝説で、思わず吹き出してしまった。今の落ち着いた先輩の姿からは想像もつかない過去だけに、そのギャップが妙に納得できてしまうのも面白い。普段から生徒会を厳しく取り仕切る迫力の源が、少しだけ見えた気がした。
生徒会のみんなが大好き
そして、たんがスマホで見つけてしまったのが、合宿のときに照井先輩が歌っていた間の抜けた歌の動画だった。「すごい弱み見つけちゃったから嬉しくて」と大喜びしたのも束の間、すぐに本人に見つかってしまい、逆に脅される羽目になる。
照井先輩にとって本当の弱みは、生徒会のみんなが大好きだということだった。厳しく見えて、実は誰よりもメンバーを大切にしている先輩の素顔に、梅だけでなく見ている側も心をつかまれる。弱みを握るつもりが、先輩の愛情を知ることになったという流れがとても心地よかった。
それにしても、有栖とたんの関係性も面白い。中学時代からの付き合いで、散々締められてきたというたんは、今も虎視眈々と仕返しの機会をうかがっている。それでいて、有栖のことを誰よりもよく知っているのもたんなのだ。ケンカ友達のような二人のやり取りには、長い付き合いだからこその信頼が感じられた。荷物検査という強硬手段に出ながらも、どこか本気で有栖を困らせようとはしていないたんの憎めなさも、この作戦をただの悪だくみに終わらせない理由になっていた。そして最後は結局、有栖の一枚上手な対応に返り討ちにされてしまうのも、いつもの二人らしい結末だった。
雨の日の相合傘
一緒に帰ります
雨の日の下校中、梅は傘を持っていない会長と出会う。「僕の傘で一緒に帰ります」と冗談めかして誘うと、会長は「ありがたいぜひ」と即答。下の子たちのご飯を作らなければならないという理由が、いかにも家族思いの会長らしい。
ところが、梅の傘は前後に長い変わった形。横に並ぶと狭く、前後に並ぶと歩きにくい。「傘横にして並んで歩けばいいんじゃないか」という妙案も、横風には弱いという弱点であっけなく崩れ、結局三人ともびしょ濡れになってしまう。途中でいつの間にか姿を消していたこまろが、最後にちゃっかり合流しているのも可笑しい。
前後に並んで足並みをそろえて歩こうとする二人の姿は、まるで二人三脚のようでほほえましい。うまくいかないことすら楽しめてしまう会長と梅の空気感が、この場面の何よりの魅力だった。
相合傘という王道のシチュエーションを、思い切りずらしてコントにしてしまう展開が見事だった。会長が相合傘をまったく意識していないように見えて、近づくとふと照れてしまうあたりの可愛らしさも、しっかり描かれていた。家族を最優先に考える会長らしさと、梅の少しずれたこだわりがぶつかり合う、この二人ならではの微笑ましいひとときだった。
梅が自慢げに傘の構造を語り続ける場面も、彼の少しオタク気質な一面が出ていて楽しい。ザックが濡れにくい設計で、風にも強いはずだったのに、横風という想定外の弱点で台無しになってしまう。こだわりが空回りしてしまうところまで含めて、梅というキャラクターの愛すべき部分がよく表れていた。会長がその話を楽しそうに聞いているのも、二人の関係の心地よさを感じさせる。好きなものを語る相手の話に、ちゃんと耳を傾けてくれる。そんな会長だからこそ、梅も自然体でいられるのだろう。何気ない帰り道の会話にも、二人の信頼関係がにじんでいた。こういう小さな積み重ねが、二人の距離を少しずつ縮めていくのだと思う。
ロボ研の部室騒動
我々の部室だ
終盤は、ロボ研の部室をめぐる騒動。研究会にもかかわらず手芸部から部室を手に入れ、「我々の部室だ」と大喜びする部長たち。しかし照井先輩から「研究会に部室は認められませんのでご退去願います」と告げられ、自爆スイッチまで持ち出す徹底抗戦の構えを見せる。
騒動を収めたのは梅だった。科学室をロボ研の部室にしてもらえるよう、担当教員に掛け合うと申し出る。「まあ僕の友人のせいですから」と言う梅に、照井先輩は「バカですね」とつぶやく。言葉とは裏腹に、梅の人の好さを認めているような響きが感じられた。
友人のために面倒な交渉を引き受けてしまう梅は、まさにお人好しそのものだ。けれど、その人の好さがあるからこそ、生徒会のメンバーからも信頼され、照井先輩からも一目置かれているのだろう。騒動を丸く収める梅の姿に、生徒会の一員として少しずつ成長している様子が感じられた。厳しい規則を守らせる照井先輩と、困っている友人を放っておけない梅。その二人の組み合わせが、ロボ研にとっても一番いい落としどころを生んだのだろう。
第5話のまとめ考察
穴だらけでも、大好きな生徒会
第5話は、合宿、弱み探し、相合傘、部室騒動と、にぎやかなエピソードが次々と描かれた回だった。どの話にも共通しているのは、生徒会のメンバーがお互いのことを大切に思っているという温かさだ。会長の気遣い、照井先輩の秘めた愛情、梅の素直な優しさ。下ネタ全開の笑いの裏で、こうした関係がしっかり描かれているからこそ、この作品は見ていて心地いいのだと思う。
特に、照井先輩の弱みが生徒会のみんなが大好きなことだったというオチは、彼女のキャラクターを一気に愛おしくしてくれた。厳しい言葉の奥にある愛情に気づいた梅が、これから先輩とどう向き合っていくのかも楽しみだ。穴だらけでも、大好きな仲間たち。そんな生徒会の日々を、これからも見守っていきたい。
合宿の夜に会長が見せた気遣い、有栖が隠していた愛情、そして雨の日の相合傘。どのエピソードも、生徒会という場所がメンバーにとってかけがえのない居場所になっていることを感じさせてくれる。笑いと温かさのバランスが絶妙な、満足度の高い一話だった。




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