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三天時代の東京で、六破羅単代と梵が同じ場所に集まってしまった。両チームの目当ては、元東京卍會一番隊隊長のタケミチだった。マイキーを救うため、タケミチは思いがけない道を選ぶことになる。初代黒龍の伝説たち、佐野万次郎をぶっ飛ばすと宣言したタケミチの梵への加入、そして首領・瓦城千咒の意外な素顔まで、第56話「Shows her color」を振り返っていく。




三天のうち二つが鉢合わせ
お前をスカウトしに来た
『東京リベンジャーズ【三天戦争編】』第56話「Shows her color」は、前の話の続き、雨の夜の路上から始まる。三天のうちの二つ、六破羅単代と梵がいきなり同じ場所に集まってしまった。張り詰めた空気の中、梵の側が告げた目的は意外なものだった。「俺が会いに来たのは」、「花垣武道」、「お前をスカウトしに来た」。
元東京卍會一番隊隊長であり、十一代目ブラックドラゴンの総長でもあったタケミチに最大限の敬意を払い、梵総出で駆けつけたのだという。「俺はお前が欲しい」とまで言われて、当のタケミチは何が何だか分からない。ところが六破羅単代の側も、「そういう話なら譲れねえぞ」と黙ってはいない。いつの間にか、タケミチをめぐる奪い合いが始まっていた。
「元天竺」、「極悪の世代が勢揃い」。天竺の残党が六破羅単代に集まっていることにも驚かされる。かつての敵味方が入り乱れて新しいチームに属しているのは、東卍が解散してからの2年間に、それだけ多くのことがあったということだろう。三天時代という言葉の重みを、改めて感じる幕開けだった。雨の中で傘を差して並ぶ梵の面々の静かな威圧感も、六破羅単代の荒々しさとは対照的で、二つのチームの色の違いがはっきりと描き分けられていた。
こんなちっちゃいのが
そんな中、余裕の表情を崩さない梵の大人たちに促されて前に出てきたのが、梵の首領・瓦城千咒だった。「こんなちっちゃいのが」とタケミチが驚くのも無理はない。小柄な首領を前に、場の空気はさらに荒れていく。梵の大人たちが当たり前のように千咒を守る様子からも、この小さな首領がチームの中心であることが伝わってきた。
続けて、9代目ブラックドラゴンの総長を名乗る男が、初代ブラックドラゴンのメンバーから「ブラックドラゴンの面汚し」と一喝される。なぜここでブラックドラゴンの話が出てくるのかと戸惑うタケミチ。どうやら梵は、ブラックドラゴンの歴史と深く関わったチームのようだ。「俺らは今日、揉めに来たわけじゃねえ!」という一言で、場がいったん静まるのもおかしかった。
初代黒龍の伝説たち
若と弁慶、そして軍神
六破羅単代の側からも、腕っぷしでは天竺で一番だったという男が前に出る。ところが梵の側の男は、「俺がやる気だったら」、「お前」、「今立ってねえよ」と涼しい顔。次から次へと化け物のような男たちが現れる展開に、タケミチと一緒に息をのんだ。
彼らの正体は、「初代ブラックドラゴンの最強コンビ」、「若と弁慶」。そして初代ブラックドラゴンの副総長で、軍神と呼ばれる男。この3人が、佐野真一郎の率いた初代ブラックドラゴンを「日本一のチームに導いた男たちだ」。生きる伝説たちを従えているのが、小柄な千咒だというのだから驚きは倍増する。
タケミチにとってブラックドラゴンは、ただの不良チームではない。佐野真一郎の名前とともに語られるその歴史は、マイキーへとつながっていく物語でもある。伝説の男たちが今は梵にいるという事実が、この先の三天戦争にどんな意味を持つのか、気になって仕方がない。
タケミッチに用があんなら俺を通せ
「始めようか大乱闘」と、場の空気は一触即発。その中でタケミチは、自分はどこにも行くつもりはないと宣言しようとする。ところが頭に浮かんだのは、未来で助けを求めていたマイキーの姿だった。タケミチは腹を決めて叫ぶ。自分は六破羅単代にも梵にも興味はない、「関東卍會総長」、「佐野万次郎をぶっ飛ばしたい」。
三天に割って入るということだぞと驚かれるほどの宣言に、場が再びざわつく。タケミチに迫ろうとする寺野サウスを吹き飛ばしたのは、ドラケンだった。「タケミッチに用があんなら俺を通せ」。引退したと言っていたドラケンが、タケミチの前に立ちはだかる姿には、思わず声が出た。警察の到着で騒ぎは収まるが、「やっぱりドラケン君は変わってない」、「心はいつでも東卍にあるんだ」というタケミチの言葉に深くうなずいた。
タケミチ、梵に入る
悪い大人がぶっ潰す
ところが、ドラケンから告げられたのは意外な事実だった。「俺は今梵のメンバーだ」。ドラケンは、元東卍の仲間は一切巻き込まないという約束で梵に入っていたのだ。それを聞いた別の仲間は、「梵は限りなくヤクザに近い大人の愚連隊だ」と心配する。ドラケンは、タケミチまで巻き込もうとする梵に食ってかかる。
引退したと言いながら、ドラケンは一人で梵に身を置き、マイキーを連れ戻す道を探していた。仲間を巻き込まないために、自分だけで危ない橋を渡ろうとする。その不器用な優しさは、東卍の頃から何も変わっていない。タケミチがドラケンを慕い続ける理由が、この場面に詰まっていた。
それでも梵の側は、マイキーのいる関東卍會を潰すという点で、ドラケンと目的が一致しているのだと語る。「俺は東京卍會の志が好きだった」、「不良の時代を作るってのがマイキーらしくてな」、「だが今のあいつは違う」。「マイキーがこのまま悪い大人になろうとしてんなら」、「俺たち悪い大人がぶっ潰す」。梵がただの悪党集団ではなく、彼らなりの筋を持っていることが伝わってくる言葉だった。東卍の志を知る者が、今のマイキーを止めるために動いている。その構図は、タケミチの目的とも重なっている。
タケミチは迷う。元東卍の仲間を巻き込むことはできない。かといって、他に頼れる当てがあるわけでもない。マイキーをぶっ飛ばして連れ戻すには、もしかしたらこれが一番の近道かもしれない。そう考えたタケミチは、ドラケンに向かって「梵に入ります」と告げる。
利害が一致しただけの共同関係
ドラケンは、梵の中でマイキーを連れ戻そうとするのは自由だが、決して簡単ではないと念を押す。そして「聞いての通り」、「俺らと梵は」、「利害が一致しただけの共同関係だ」、「それを忘れるなよ」。それでもタケミチは「俺が絶対マイキー君を」、「悪の道から連れ戻します」と言い切る。
一人でマイキーと向き合うと決めた前の話のタケミチが、今度は梵という大きな後ろ盾を得ることになった。それが正しい選択なのかは、まだ分からない。ただ、ドラケンがそばにいてくれることが、タケミチにとってどれほど心強いかは、画面越しにも伝わってきた。利害が一致しただけの関係だと釘を刺しながらも、結局はタケミチを放っておけないドラケン。二人の信頼関係は、時代が変わっても揺らいでいない。
首領・瓦城千咒の素顔
え? 女の子だったの?
加入が決まったとたん、千咒はタケミチに「明日」、「昼の3時に原宿駅前集合な」と告げる。翌日、待ち合わせ場所に現れたのは、制服姿の女の子だった。「え? 女の子だったの?」と驚くタケミチに、「そうだよ 悪いか?」と返す千咒。前の晩の首領の姿とのギャップに、タケミチと一緒に目を丸くした。
買い物の荷物持ちを任されたタケミチは、千咒に振り回されっぱなし。同い年だと分かると、「梵はみんなおっさんだから、同い年が入って嬉しい」と無邪気に喜ぶ。三天の一角を率いる首領とは思えない普通の女の子らしさが、かえって千咒というキャラクターの不思議さを際立たせていた。動きやすい服を選んではしゃいだり、派手な服を次々に試したりと、タケミチを連れ回す千咒の姿は本当に楽しそうだ。首領として気を張り続ける毎日の中で、同い年の相手と過ごす時間は、千咒にとって久しぶりの息抜きだったのかもしれない。
謎の三兄弟
年上の大人たちを差し置いて千咒がトップを張っている理由を尋ねると、「兄貴は軍師だからな」という答えが返ってくる。千咒は、あの軍神と呼ばれた男の妹だったのだ。さらに、もう一人の兄の名前が明かされる。「元東京卍會五番隊副隊長」、「三途春千代」。「そう、謎の三兄弟なのだ」。
その三途は、梵ではなく関東卍會についているという。「あいつは自分のことを嫌いだから」。タケミチは、未来でマイキーの隣にいた男が三途だったと気づき、「やっぱり関東卍會は未来の梵天なんだ」と確信する。「きっと三途君は結構なキーマンだ」、「そしてこの子も」。千咒との出会いが、未来を変える手がかりにつながっていくのだと思うと、わくわくが止まらない。千咒が三途のことを話すときの、少しだけ寂しそうな表情も印象に残った。兄弟でありながら別々のチームに分かれた三人の関係は、この三天戦争の行方を大きく左右しそうだ。
第56話のまとめ考察
チョコミントと、一瞬見えたもの
帰り道、千咒はアイスの自販機でチョコミントを買う。チョコミントは甘さとスースーが合わないと渋るタケミチも、ひと口食べて「甘さとスースー、絶妙なハーモニー!」。「今日はありがとな、花垣。楽しかった!」、「今度の七夕、集会だから忘れんなよ!」と笑う千咒は、どこまでも普通の女の子だった。「チョコミントまた一緒に食べたいな」という言葉にも、新しい友達ができた喜びがにじんでいる。二人並んでアイスを食べる場面は、この作品には珍しいほど穏やかだった。
ところがアイスの棒を受け取った瞬間、タケミチの目に、千咒の思いがけない姿が一瞬だけ映る。「なんだ?」、「今の…」。楽しかった一日の最後に突きつけられた不穏な光景に、背筋が冷たくなった。タイムリープを繰り返してきたタケミチだからこそ見えたものなのか、それとも千咒の未来に何かが待っているのか。
第56話は、副題の「Shows her color」のとおり、梵の首領・千咒がその素顔を見せた回だった。伝説の男たちを従える強さと、チョコミントにはしゃぐ無邪気さ。その両方を持つ千咒が、タケミチにとってどんな存在になっていくのかが楽しみだ。梵に入ったタケミチが、ドラケンとともにどうマイキーへ近づいていくのか。三天戦争の行方を見守りたい。そして、最後にタケミチが見たものの意味が明かされる日を、少し怖くもありながら待ちたいと思う。




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