『ヘルモード 2nd Season』第22話の副題は「祈りが満ちて」。奪還に向かうラポルカ要塞は、魔獣ではなく同族と戦うために作られたものだった。5万で30万に挑み、初めての魔族戦を三体同時に受けて勝つ。その最中、魔族はアレンを見て「開放者か」と名指しする。前の回では敗因の分析すら正解に届かなかった相手が、今度は先に名前のほうを持っていた。




奪い返した要塞は、魔獣と戦うために作られていない
気づいたのは、硬すぎたからだった
事前の攻撃で要塞に傷ひとつ付かないのを見たアレンの感想が「固い要塞でよかった 俺たちの攻撃にびくともしてない」。
そこから出てくる疑問が「あの要塞って誰と戦うために作られたんだ 対魔獣用って感じがしないんだけど」。ソフィーの返事が「さすがアレン様 その通りです」で、ここから国の成り立ちの説明に入る。
数千年、同じ大陸で殺し合っていた
語られるのは、この大陸にエルフとダークエルフの二国があった時代の話である。世界樹を手に入れようとダークエルフが戦いを仕掛け、エルフは共存を持ちかけたが拒まれた。
戦争は数千年続き、エルフはついに滅ぼされかけていた。要塞が作られたのもこの頃だという。
締めが「エルフの闇の歴史ですね」
逆転のきっかけは祈りだった。救いを求めて世界樹に祈るなかで、一人の少女が精霊を見つけ、ローゼンと名付けて契約する。
力を得たエルフは再び問い、拒んだダークエルフを追放してこの大陸を自国にした。ソフィーの締めが「エルフの闇の歴史ですね」。奪い返しに行った建物の由来が、同族を追い出した戦争だったことになる。
しかもこの説明は、要塞を眺めながらの雑談として出てくる。硬さの理由をひとつ聞いただけで、国の後ろ暗い成り立ちまで一息に出てきてしまった。
放送前後の投稿を並べておく。
祈りの筋は、この国に一度あった
逆転を起こしたのは「祈りの巫女」
契約した少女は髪が銀に変わり、人々から祈りの巫女と呼ばれた。戦況を逆転させるほどの力を持ったのもこの人である。
この国の始まりが、すでに一度「祈りが通った」話になっている。副題の言葉は、今回の出来事のためだけに用意されたものではない。
証は、髪の色として残っている
引き継いだのが女王かと問われたソフィーの答えは「いいえ」で、続くのが「ですが私や母の髪は 祈りの巫女の子孫である証です」。
血筋は残っている。名乗りも残っている。残っていないのは契約のほうだけである。
いま契約している者は一人もいない
はっきり言われるのが「今この国に ローゼン様と契約しているエルフは存在しない」。
アレンの反応が「今もピンチなんだから契約すればいいのに」で、ソフィーは「それはそうなのですが」と言葉を濁す。理由はこの回では明かされない。
大精霊を呼べるのは、当たりスキル
実戦でソフィーが出すのは大精霊で、風の防御魔法で味方をまとめて守る。アレンの評が「さすが祈りの巫女の末裔ってやつだな」。
続けて「精霊使いでも呼べない大精霊を呼べるのは かなりの当たりスキルだ」。血筋の話を、そのまま持ち札の性能として数えているのがこの人らしい。
5万で30万を相手にする段取り
味方の強化が、規模でそのまま効く
開幕の説明が「こちらの5万に対し魔王軍は30万」。まず出るのがガトルーガの強化で、範囲は1キロ以内、効果は1時間。
アレンの計算が「なら5万人全員だな」で、続くのが「さすが星3つ」。強さではなく、範囲と人数の掛け算として見ている。
味方の存在を、前日まで伏せている
前日の戦闘でガトルーガの強化が効き、数百体を倒したところで参加したがる声が上がる。「私も戦いたいな」。
返ってくるのが「まだ俺たちの存在がバレてないから 明日まで待ってね」。勝てる手を持っていても、当日まで出さない。前の回で敵が敗因を分析しきれなかったのは、この徹底のおかげでもある。
一晩で地下道を掘る
前日のうちに召喚獣で穴を掘り、要塞まで届く地下道を作ってしまう。会議で示されたのがこの一手だった。
5000人で内部へ侵入し、内側から門を開けて本隊を引き込む。エルフ側の反応が「30万の中に5000で飛び込むとはな」で、返事が「我々なら達成可能だと判断したからこそです」。
壊さずに取り返す
攻め方の前提が変わっているのも面白い。要塞を傷つけないように戦う、という条件が最初から乗っている。
硬くて壊せないと確かめたうえで、その硬さを自分たちの資産として数え直している。奪還した先に控えているのは、300万の予備兵を迎え撃つ話である。
格上の魔族が、見た目のあだ名で割り振られる
出てきた三体への第一声
魔族三体が現れた時点でのアレンの指示が「おっさんはクレナ 獣人はドゴラ ロンゲはフォルマールが担当して」。
初の魔族戦が三体同時、しかも召喚可能数も残り三体という状況である。厳しいと言いながら、呼び方だけは雑なままで通している。
前の回の話が、敵の口から裏付けられる
魔族の側が北の要塞での戦いを覚えていて「また腕を切られに来たか」と言う。ところが相手の腕は生えている。
「腕が生える回復魔法を使えるエルフがいたのか」という疑問に、部下が「おそらくエルフの霊薬を使ったのでしょう」と答える。前の回で治してもらったとだけ語られた一件が、敵側の会話で裏付けられている。
続けて「戦況を覆すほどのものではないですが」と付け足される。侮りの言葉として出てくるが、当の本人はその戦場に立っている。
挑発も戦術として数える
魔族の側が「お前らを送り込んだ者はどこにいる」と探りを入れると、返すのが「そんなこと答えないですよ 魔族ってバカなんですね」。
相手が激発したのを見て、味方から「だから挑発する意味ある」と突っ込まれる。アレンの答えが「立派な戦術だよ」だった。
クレナの課題は、まだ解けていない
エクストラスキルを求められたクレナの返事が「わかった わーってならない わーってならない」で、自分に言い聞かせている。
前の回でアレンが「できる限界を決めるな」と言った、その課題がそのまま持ち越されている。本人も「エクストラでさえエクストラを使えなくて 足引っ張ってんのに」と分かっている。
経験値の桁で、相手の格が見える
戦いの最中にアレンが確かめるのが数字である。「本来の経験値は800万ってとこか ドラゴン以上だなぁ」。
決着後には「上位魔族 経験値3200万だと」。強さの表現が、感想ではなく桁で来る。この作品はずっとこの調子である。
前の回で敵が届かなかったものに、今回は敵のほうが名前を持っている
魔族もエクストラスキルを使う
劣勢になった魔族が「エクストラの門を開け」と命じ、味方側が「魔族がエクストラ」と驚く。
こちらの切り札だと思っていたものを、相手も持っていた。同時にアレンが気づくのが「もう魔族からも経験値が入るのか」で、驚きの中身がやはり数字だった。
敵はアレンを名指しで言い当てる
場を仕切っていた魔族が、アレンを見て言う。「黒髪 お前だな お前がこの戦況を変えたんだな」「人族にはない才能 勇者以上の総合力」。
そして出てくるのが「開放者か」という問いだった。前の回で、敵は総力を挙げて敗因を分析しても召喚士という答えに届かなかった。その相手が、今度は先に名前のほうを持っている。
「己のこともわからぬとはな」
心当たりのないアレンに対し、返ってくるのが「己のこともわからぬとはな」。そのうえで「作戦変更が必要だ」と言い、一体を逃がして報告に向かわせる。
立場が入れ替わっている。知らないのはこちらで、知っているのは敵のほうだった。
三度聞いて、三度とも答えが出ない
戦いのあとにアレンが聞くのが「そいや開放者って知ってる」。ソフィーは「いえ 私も気になっていました」、エルフ側も「我らも聞いたことはないですね」。
出た結論が「精霊王にでも聞いてみるか」だった。この回で三度話題に上って、三度とも答えが出ない。
逃がしたことを謝る側は、事情を知らない
一体を取り逃がしたフォルマールが「逃がしてしまい 申し訳ありません」と頭を下げる。アレンの返事が「いいよ」「それに次の手も打てたし」。
逃げていく相手に、すでに人をくっつけてある。しかも味方の一人が謝っている横で、それが済んでいる。突っ込みが「悪い顔」だった。
同じところが気になった人も多かった。
祈りが満ちた神様は、そのまま寝る
副題の言葉は、本人の口から出る
奪還の報告を受ける場に、精霊王が浮いている。そこで告げられるのが「みんなのおかげで 祈りが間もなく満ちるようだ」。
ソフィーの反応が「ついに精霊神になられたのですね」。前の回で敵が立てて潰した仮説のひとつが、まさに「精霊王が精霊神になった」だった。あのとき「ありえない」と切り捨てられた話が、一週間後に本当になっている。
なった直後に寝る
ところが精霊王が続けるのが「少しの間任せたよ」で、そのまま眠ってしまう。
アレンの感想が「なんだよ 助けてくれるわけじゃないのか」で、さらに「結局開放者について聞けなかったし」と続く。祈りが満ちた瞬間に、当の相手はいなくなる。
次の準備は、その場で二つ出る
女王に問われたアレンが挙げるのが「ラポルカ要塞以南にいる魔王軍の完全殲滅」と「ここを最低30万以上の軍勢で固めること」。
別働の100万については「街に到着する前に殲滅したいと思っています」と言い切る。ただし「少々検証したいことがあるので」と付け加えていて、まだ手の内は見せない。
勝った直後に、前回の数字が引かれる
女王が「奇跡のような功績」と讃え、アレンは「皆さんの協力のおかげです」と受ける。5万で30万を破ったのだから、快挙という評価は妥当である。
ところが味方から出るのが「ティアモで100万と戦った時 3日で40万もギリギリだったわよね」。前の回でアレン自身が「今回はギリギリでした」と総括していた、その数え方がそのまま引き継がれている。
締めは、誰もいない首都だった
最後は潜入した側の視点になる。世界樹を間近に見て「近くで見るとすごいデカさだ」と驚き、街の大きさにも触れる。
そして気づくのが「しかし魔獣がいない 魔人に警護は必要ないってことか」。取り返した要塞の話のあとに、守る必要すらない相手の居場所が置かれている。
世界樹は、精霊が生まれる木としてエルフが守ってきた場所である。祈りが満ちたと告げられた同じ回の締めに、その足元へ誰も立っていない絵が置かれている。


































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