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スペインとの決勝戦に出る日本代表メンバーを決める戦いが、ついに幕を開けた。S1は徳川と真田、S2は不二と切原、D2では丸井と木手のペアが、種ヶ島と白石のペアに真っ向から挑む。疲労を抱えて天才に挑む切原の覚悟、真田を受け止める徳川の懐の深さ、そして仮面の二人組の乱入まで、決定戦の熱戦がついに始まった第2話を場面ごとに一つずつ振り返る。




決勝メンバー決定戦、開幕
『新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP 決勝メンバー決定戦』第2話は、スペインとの決勝戦に出る代表の座をかけた戦いが、いよいよ各コートで一斉に始まる回だった。S1、S2、D2、そして思わぬ乱入者まで、見どころが詰め込まれた濃密な一話だった。
ドイツ戦を終えたばかりの選手たちにとって、休む間もない連戦となる決定戦。疲労を抱えた者、出番を待ち続けた者、それぞれの事情を抱えながら、全員が代表の座だけを見据えてコートに立つ。その張り詰めた空気が、冒頭から画面越しに伝わってきた。
丸井と木手、再びのペア
D2で種ヶ島と白石に挑むのは、丸井と木手のペアだった。合宿のときのペアで来たかと驚く声が上がる中、二人の間にどんな交渉があったのかと周囲はいぶかしむ。交渉上手として知られる丸井だが、木手との組み合わせには、不思議とスター性を感じるという評価も聞こえてきた。
交渉の中身は明かされないまま、二人はコートに立つ。どんな取引があったにせよ、代表の座を本気で狙うという点では二人の思いは一致しているのだろう。互いの腹の内を探り合うような空気も含めて、このペアには独特の面白さがある。
一方、ドイツ戦で満身創痍のはずの平等院と鬼の姿が見えないと思ったら、コートに現れたのは仮面をかぶった二人組だった。怪我はどうしたと問われても、「誰かと勘違いしているようだな」と言い張り、マスクマンを名乗る。白々しいと苦笑しながらも、相手がこの二人なら望むところだと身構える対戦相手たち。重傷を押して戦いに臨む二人の執念が、早くもコートに緊張感をもたらしていた。
マスクマンの二人は、最初から一切の手加減をしなかった。怪我人とは思えない圧倒的な力で相手を寄せつけず、あっという間に勝負を決めてしまう。正体を隠し通す茶番と、本物の実力の差。笑いと迫力が同居するこの試合は、決定戦の幕開けを派手に彩っていた。
切原の覚悟と不二の笑み
S2では、切原が不二に挑む。ドイツ戦で確実に何かを掴んだ、自分は強い、今なら化け物たちにだって勝てる。そう意気込む切原は、まずは見せしめに不二から倒すと宣言する。君ともう一度戦えるのは嬉しいよ、と穏やかに笑う不二に、その笑顔と余裕は今のうちだと切原は言い返した。
もう一度戦えるのは嬉しいと不二が口にしたとおり、二人の対戦は今回が初めてではない。だからこそ、この再戦には特別な重みがある。以前の自分を超えて、成長した今の自分をぶつける。その構図だけで、試合が始まる前から胸が高鳴った。不二の穏やかな笑顔と、それを挑発と受け取って燃え上がる切原。正反対の二人の温度差が、試合の緊張感をいっそう高めていた。
試合序盤から、二人はカウンターの応酬を繰り広げる。早速得意技を出してくる不二に、切原は嬉しいことを言ってくれる、どんどん出してくださいよとワクワクを隠さない。今の切原に対して出し惜しみをしている余裕はない、という不二の言葉が、切原の成長を何よりも物語っていた。
けれど、ドイツ戦の疲労は確実に切原の体をむしばんでいた。体が思い通りに動かない。返せたはずの球に追いつけない。何をやってるんだ、と自分に苛立つ切原の姿は、見ていて胸が痛んだ。それでも彼は、今までの自分とは違うと自分に言い聞かせ、俺は強いと繰り返して立ち向かっていく。
青い瞳の切原
やがて切原の瞳が青く染まる。集中力を極限まで高め、準備は整ったと構える切原は、ついに不二から1ゲームを奪い取った。ここからだ、という言葉に、会場の空気が一変する。何度倒れても立ち上がろうとする切原の気迫には、思わず手に力が入った。
疲労で思うように動かない体と、勝ちたいという強い気持ち。そのせめぎ合いが、切原の表情や叫びの一つ一つから伝わってくる。ドイツ戦で掴んだものは確かにある。それでも体がついてこない。そのもどかしさを、切原自身が誰よりも感じていたはずだ。だからこそ、彼が声を張り上げて自分を鼓舞する姿に、思わず感情移入してしまった。
しかし、疲労はまだ抜けきっていなかった。動け、自分の体、とうめきながらも足は止まり、また負けるのかと叫ぶ切原。最後は不二の新たなカウンターに沈み、試合は不二の勝利で幕を閉じる。くそ、やっぱすげえわ、と悔しさをにじませる切原の顔が忘れられない。
それでも切原は、最後にさっぱりと不二に告げる。負けてしまったものは仕方ない、だから決勝にはあなたが行ってほしい、と。その笑顔と余裕が腹立つと言いながらも、相手の強さを認めて道を譲る姿に、切原の確かな成長を見た。ありがとう、と返す不二の言葉も印象的だった。
徳川と真田、真っ向勝負
S1は、徳川と真田の対戦だ。平等院と鬼を欠いた今の日本代表で、トップの実力を持つのは間違いなく徳川だという声が上がる。その徳川を相手に、真田は自らの技の完成に挑む。勝て、と送り出された真田の背中には、これまでの3年間、信じた道を貫いてきた誇りがあった。
周囲で見守る選手たちの言葉からも、徳川の存在の大きさが伝わってくる。同じコートに立っていても、相対していても、あの人の強さは群を抜いている。そんな評価を受ける相手に、真田はひるむことなく正面からぶつかっていく。その姿は、勝ち負け以上に、自分のテニスを極めようとする求道者のようだった。
この試合は、勝敗以上に真田の成長の物語として描かれていた。何度失敗しても技を試し続ける真田と、それを正面から受け止め続ける徳川。二人の間には、ライバルというより、高みを目指す者同士の共鳴のようなものがあった。真田が技を完成させたとき、この試合がどんな結末を迎えるのか。その瞬間を見届けたいという気持ちが、回を追うごとに強くなっていく。決勝の舞台に立つのは誰なのか、その答えはまだ見えない。
左右にどれだけ揺さぶっても、徳川の動きには一切の乱れがない。対する真田の気迫も、これまで見たことのない凄まじさだった。互いに小細工は一切しない、真っ向勝負。決勝でスペインに勝つためには、ここで技を完成させなければならない。真田にとって、徳川ほどふさわしい相手はいなかった。
まだ3度は曲がらない。けれど徳川は、続けるといい、何度でも受けてやると真田を受け止める。いい目になっている、という言葉には、相手の成長を待つ先輩としての懐の深さがにじんでいた。勝敗を超えて相手を高めようとする徳川の姿勢が、この試合を特別なものにしていた。
D2、互角の攻防
D2では、丸井がコートを駆け回り、木手がその後ろで控える布陣で、種ヶ島と白石に食らいつく。体力を消耗する技で序盤から一人舞台を演じる丸井に、木手は、たまには後ろに回してくれないと体が冷めてしまうと皮肉を言う。一球も渡さないと言い張る丸井と、それでもしっかり援護する木手のかけ合いが楽しい。
合宿のころから続く二人の関係は、決して仲良しという言葉だけでは語れない。互いに皮肉を言い合い、ときにはぶつかりながらも、試合になれば役割をきっちりと果たす。そのドライさと信頼のバランスが、このペアならではの魅力なのだと思う。対する種ヶ島と白石も、相手の動きを冷静に見極めながら試合を組み立てていた。
それぞれの特技を考えれば、相性抜群のペア。種ヶ島と白石を相手に互角の戦いを見せる二人に、周囲も驚きを隠せない。一球も渡さないんじゃなかったのかと問われて、ダブルスだろと返す丸井の一言に、このペアの本質が詰まっていたように思う。まだ何か隠し玉を持っていそうだという声もあり、この試合の行方からも目が離せない。
まとめと考察
第2話は、各コートで同時に進む戦いを、テンポよく切り替えながら見せる構成が印象的だった。勝負がついた試合もあれば、まだ途中の試合もある。その中で、それぞれの選手が代表の座にかける思いがくっきりと浮かび上がっていた。
特に印象に残ったのは、勝った選手よりも、敗れた選手や挑戦を続ける選手の姿だった。思うようにいかない中で、それでも前を向こうとする。その姿勢こそが、この決定戦の見どころなのだと感じた。
敗れてなお光る覚悟
この回で最も心を揺さぶられたのは、やはり切原だった。勝つと宣言し、限界を超えて食らいつき、それでも届かなかった。それでも最後には、勝った相手に決勝を託す。悔しさと潔さが同居するその姿は、敗北の中にこそ選手の本当の強さが表れることを教えてくれた。
試合後の切原は、疲労がなければと口にしながらも、言い訳を重ねることはしなかった。負けを受け入れ、勝った相手を素直に送り出す。その切り替えの潔さに、彼がこれまでの戦いで積み重ねてきたものの大きさを感じた。悔しさを力に変えて、切原がこの先どんな選手になっていくのかも楽しみだ。
決定戦は、単に強い者を選ぶだけの戦いではない。戦いの中で選手たちが成長していくことこそが、この決定戦の意味なのだろう。切原の悔しさも、真田の挑戦も、すべてが日本代表の力になっていくのだと感じた。
続く戦いの行方
徳川と真田の試合、丸井と木手のダブルス、そしてほかのコートでも、熱い戦いはまだ続いている。真田は技を完成させることができるのか。マスクマンの二人は、この先どこまで正体を隠し通すのか。代表の座をかけた戦いの続きを、じっくり見届けたい。誰が決勝のコートに立つことになっても、そこに至るまでの一つ一つの試合が、きっと日本代表の大きな財産になるはずだ。選手たちの思いの行方を、これからも一試合ずつ、丁寧に追いかけていきたいと思う。
それぞれのコートで、それぞれの選手が自分の限界と向き合っている。勝った者も負けた者も、この決定戦を通して一回り大きくなっていくのだろう。同時に進む複数の試合を切り替えながら見せる構成は、決定戦ならではのにぎやかさと緊張感を生んでいて、最後まで飽きることがなかった。






















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