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ダンデヴァインに牙を剥くゴルドライオス。執拗に攻撃を仕掛ける駿河に対し、戟刃は無抵抗を貫き続ける。一方の学校では、正体を知らないまま二人が意気投合し、奇妙な友情を育んでいく。勇作の計らいで公園の待ち合わせに向かった二人は、それぞれの戦う理由を口にするのだった。勘違いから生まれた友情、公園の待ち合わせ、そして同じ言葉が明かした正体まで、第5話を振り返る。




牙を剥くゴルドライオス
第5話は、ダンデヴァインとゴルドライオスのすれ違いから始まり、正体を知らないまま友達になっていく戟刃と駿河の姿を描いた回だった。教室での宣言、公園での待ち合わせ、そして二人そろっての共闘。笑えるやり取りの中に、二人の戦う理由がしっかり重なっていく第5話を振り返っていく。
無抵抗を貫く戟刃
冒頭から、ゴルドライオスがダンデヴァインに襲いかかる。「お前がどれほどの奴か 試してやる」。味方だと思っていた相手からの攻撃に戸惑いながらも、戟刃の答えは「嫌だ君とは戦わない」だった。「あくまで無抵抗というわけか情けない奴」と吐き捨てる駿河との温度差が、最初からはっきり描かれている。
その様子を、謎の少女たちが遠くから面白そうに眺めているのも不穏だった。敵同士の潰し合いを楽しむかのような視線の先で、何かを思いついたらしい彼女たち。この時点ではただの見物に見えたが、あとでしっかり物語に関わってくる。
感じの悪いやつ
戦いを終えた駿河が向かったのは、お寺で暮らすじっちゃんのところだった。気になっているのは、ダンデヴァインのパイロットが誰なのか。以前乗っていた勇作に会ったことを話し、「ああ 父さんが言っていた通り 感じの悪いやつだったぜ」、「でも今のパイロットはやつじゃない」。じっちゃんの「ほう 勇作も後継者を見つけたか」という反応からも、ダンデヴァインのパイロットが代替わりしていることがうかがえる。
一方、玩具会社ではダイゴ部長が悪夢にうなされていた。法廷で「すべて営業部の怠慢のせいです」と責任を押しつけられ、「よってここに死刑を宣告する」と言い渡される夢。開発部では、3Dモデルを作り直すスタッフたちが「細部にこだわってリアルを超えないとね」と気合いを入れ、眠気覚ましを何本も飲む仲間に「死ぬわよ」とつっこむ。部長の「今回のプロジェクトに失敗したら 俺は死刑だ」まで含めて、この会社の場面は今回も全力で笑わせにきていた。
正体を知らない二人
授業中の宣言
教室では、駿河が授業中に手を挙げて茜に質問を投げかける。「お前が好きなのはダンデヴァインのパイロット」、「それに間違いないな」。戟刃が「非常識です」、「何も授業中に」と止めに入るものの、茜ははっきりと答える。「私はダンデヴァインのパイロットが大好きです」。
すかさず「なんでダンデヴァインなんだ」、「ゴルドライオスじゃダメなのか」と食い下がる駿河。ところが茜の反応は「ああ、そんなのもいたような」で、「か、眼中にないのか」と打ちのめされる。授業そっちのけで繰り広げられる恋の駆け引きに、クラス全員が付き合わされているのがおかしい。
戟刃の友人は、正体を明かせば茜とまたやり直せると背中を押す。けれど戟刃は首を縦に振らない。勇作との約束もあるが、それ以上に「なんかダンデヴァインの力を借りるような気がしてさ」、「アカネちゃんには僕自身を見てほしいっていうか」。「真面目くんだな」、「ま、お前らしいが」という返しも含めて、戟刃のまっすぐさがよく伝わる場面だった。
同じ女に惚れた同志
駿河は戟刃を呼び出し、「お前以前アカネと付き合っていたというのは本当か」と問いただす。「それでその間2人はどんな物語を紡いだんだ」という大げさな言い回しに、戟刃の答えは「まさか全然だよ」。二人そろってすっかり拍子抜けしている。
ここからの心の声の掛け合いが楽しい。戟刃は、茜が好きなのはダンデヴァインのパイロット、つまり自分だと考えて「上唐くんには脈がない」と同情する。一方の駿河は「こいつがダンデヴァインのパイロットであるはずがない」と決めつけ、「考えてみればかわいそうなやつ」、「仕方ない少し優しくしてやるか」。お互いに相手をかわいそうだと思い込んだまま、「同じ女に惚れた同志だ」、「俺様が友達になってやろう」、「ありがとう」と友情が成立してしまう。勘違いから始まる友情という形が、この作品らしくて微笑ましい。
駿河も、本当は「ここで俺がゴルドライオスに乗っていると教えてやってもいいんだが」と思いながら、「じっちゃんに口外するなと言われているからな」と黙っている。どちらも正体を言わない理由を持っているからこそ、すれ違いが続いていく。
学校では、ひそかにアポスドールのファンクラブまで開かれていた。「この会合のことは極秘だぞ」と言いながら、手作りのアポスドールの模型で盛り上がるメンバーたち。「かっこいいしかわいいと断言する」と言い切る女子の姿に、戟刃も驚きを隠せない。人々を脅かすアポスドールに、こんなファンがいるという設定がちょっと面白い。
じっちゃんとチーフ
「じっちゃんに友達ができたら紹介しろと言われているんだ」と、駿河は戟刃をお寺へ連れていく。駿河は父を亡くしてから、じっちゃんに面倒を見てもらっていた。そこへ現れたのが勇作で、じっちゃんは20年前にアポスドールと戦っていたころの上司、つまりチーフだった。「早い話が俺の上司だ」。
駿河は勇作に「お前ばかり美味しい思いをして 父さんをないがしろにしやがって」、「どれだけ父さんが悔しがっていたか」と食ってかかる。駿河の父もまた、勇作と同じ時代を戦っていたことが見えてくる。
戟刃が「アポスドールって一体何なんですか」と尋ねても、返ってきたのは「知らん」。「結局わかったことはわからないということだけだ」、「ただ言えるのはアポスドールは倒すべき相手ということだ」。正体不明の敵という謎は、まだ深いままだ。
そして駿河の興味は、やはりダンデヴァインのパイロット。「それは恋のライバルだからだ」と言う駿河に、勇作は戟刃を指して「ほらこいつだ」と本当のことを言うのに、「適当なこと言うな」と信じてもらえない。戟刃の「意外と単純でわがままで自分勝手のような気がするけど」というゴルドライオス評に、駿河が「あんな根性なしの軟弱野郎よりはな」と言い返すのも、本人同士が目の前にいると思うと笑ってしまう。最後に勇作は「いいだろお前ら明日4時に公園に行ってみろ」、「待ち望んでる相手に会えるはずだぜきっとな」と仕掛ける。「だいぶ鈍いようだな」と見抜かれている二人が、どうなるのか。
公園の待ち合わせと共闘
ここにいるけど
翌日、公園で待ち合わせた二人。「来ないな、ダンデヴァインのパイロットは」、「うん、ここにいるけど」。「ゴルドライオスの人も来ないね」、「ああ、ここにいるけどな」。声に出す言葉と心の声がそのまま並ぶこの場面は、今回いちばん笑ったところかもしれない。お互いに相手が来るのを待ちながら、実は目の前にいるという構図がきれいに決まっていた。
何のために戦うのかという話になると、戟刃は「それは… 好きな人を守るためにかな」と答え、駿河も「うん 俺も同じだ」と返す。そこから「それで 真のヒーローになって みんなにチヤホヤされ」、「全国をパレードするんだ」、「きっと父さんも喜ぶ」と続く駿河の夢。少し俗っぽいけれど、最後に父の名前が出てくるところに駿河の本音が見える。
そこへ、冒頭の少女たちが「ねえねえ 私たちペットにしてにゃー」と現れ、二人は完全に固まってしまう。「お 俺には理解できない この状況は」という駿河の困惑ぶりもおかしいが、直後にフェノミナルフェノミナンが起こり、空気は一変する。
同じ言葉が明かした正体
二人とも相手の前で正体を明かすわけにはいかない。「ごめん 僕ちょっとお腹の調子が悪くて」、「すまん 俺はちょっと小腹が空いてきた」と、苦しい言い訳でそれぞれその場を離れていく。
戦場でも、ゴルドライオスは「出たなダンデヴァイン」、「会いたかったぜ」とダンデヴァインに向かってくる。「言ったはずだ 僕は君とは戦わない」、「僕は 僕は 好きな人を守るために戦うんだ」。その言葉を聞いた駿河は「お前 まさか」と気づき始める。そして「一体君は何のために戦っているんだ」という問いに返ってきたのは、「俺も同じだ 好きな人のために」、「みんなにチヤホヤされて全国をパレードする」。公園で聞いたばかりの言葉に、戟刃もまた「まさか 君は」。
公園での会話が、そのまま正体を知るきっかけになる流れは見事だった。名乗り合うのではなく、戦う理由として口にした言葉で相手が誰なのかわかってしまう。二人の戦う理由が同じだったことが、ここで意味を持ってくる。
そこからは、ようやく二人の共闘だ。「ゴルドライオスは遠距離攻撃が苦手だ」、「まずはお前の武器で突破口を開け」。「くそ ゴルドライオスにも遠距離の武器があれば」という場面では、「そのブーメランを俺の言う通りに投げろ」、「わかった」と息を合わせて大技につなげていく。ついさっきまで攻撃し合っていたとは思えない連携だった。けれど勝利の余韻に浸る間もなく、悲鳴とともに戦いは不穏な形で幕を閉じた。
第5話のまとめ考察
似た者同士の二人
第5話を通して見えてきたのは、戟刃と駿河が正反対に見えて実は似た者同士だということだ。どちらも茜を想い、どちらも好きな人を守るために戦い、どちらも正体を言えない理由を抱えている。違うのは、戟刃が茜に自分自身を見てほしいと願い、駿河がヒーローとして認められたいと願っていることくらいだろう。
互いをかわいそうだと思い込んで友達になり、互いの言葉で正体に気づく。勘違いとすれ違いを笑いに変えながら、最後にはきちんと二人の関係を一歩進めてみせた構成がうまかった。勇作が仕掛けた公園の待ち合わせも、結果的には二人を近づけるきっかけになっている。正体を知らないまま育った友情だからこそ、肩書きではなく相手そのものを見て結ばれた関係だと言えるのかもしれない。
駿河の父と勇作の過去、アポスドールの正体、そして謎の少女たちの目的。物語の奥にある謎はまだ多いが、戟刃と駿河という二人のパイロットがようやく並び立ったことで、物語は新しい段階に入ったように思う。正体を知った二人が、これからどんな関係を築いていくのか見守りたい。




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