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『メビウス・ダスト』第10話の副題は「バリア・ブレイク」。ディアボリック・ゴーストで暮らすアラキのもとへ、ショウセイが手料理を持って会いに来る。アラキの答えは、いていいよって言ってくれるチームにいたほうがいい、というものだった。勝負に負けたショウセイの口から出たのは、リーダーを譲るべきだという本音だった。そして第9話で投げられた「アラキらしいって何」に、アラキ本人が答える。




副題「バリア・ブレイク」は、第8話「ディープ・ディバイド」と対になる
公式サイトのSTORYで、第10話の副題は「バリア・ブレイク」と出ている。公式アカウントも同じ副題で放送を告知し、原案の品川一による描き下ろしアイキャッチとして、湯田真理と干水龍門の二人を出している。
分けた回と、壊す回
これまでの副題は、ファースト・ライト、アドレナリン・ゲーム、ディアボリック・メテオ、オーバー・ヒート、ガールズ・ロアー、シン・シンコイワ、リストアド・メモリー、ディープ・ディバイド、エンプティ・クラウンと並んできた。第8話の「ディープ・ディバイド」は深い分断を指し、この回の「バリア・ブレイク」は壁を壊すことを指す。分かれた側と側のあいだにあるものを、題の上でも壊しにいく回になっている。
題は、そのままゲームの中身になった
この回の野良ゲームは、近々取り壊される予定の廃団地を、どちらが早く壊せるかの勝負だった。ポリスホッパーの側は、まず壁を全部壊す、という作戦から入る。副題の「壁を壊す」が、ゲームの中では文字どおりの作業として出てくる。そのうえで、壊れるのは建物だけではない、というのがこの回の作りになっている。
脚本は、冨田頼子の単独に戻った
公式サイトのスタッフ欄では、脚本が冨田頼子、絵コンテがおぎ原まこと、演出が中村侑登、総作画監督が動画工房と曾我篤史になっている。第9話で初めて連名だった脚本は、冨田頼子の単独に戻った。おぎ原まことの絵コンテは第7話、第9話に続いて三本目で、二話続けての担当になる。演出の中村侑登は、第5話以来の二本目だ。
アイキャッチは、ゲームを用意してきた大人たち
公式アカウントの告知では、描き下ろしアイキャッチとして湯田真理と干水龍門が並ぶ。子どもたちが博士の用意した場の外で勝負を始める回に、ゲームを用意してきた側の二人がアイキャッチで出てくる。本編でも、回の序盤に博士の部屋での研究の話が出てくる。
兄の居場所が分かる妹と、「返すつもりはない」兄
前半は、ディアボリック・ゴーストの側から始まる。アラキと話すのは、クルスの双子の妹のスピカだ。
兄がどこにいても、居場所は分かる
今日はクルスといないんだね、と聞かれたスピカは、呼ばれたらすぐに行けるようにはしてる、兄がどこにいても居場所は分かるから、と答える。ラムスのおかげかと聞かれると、分からない、そうかもしれないし、双子だからかもしれない、と返す。この回で「居場所」という言葉が最初に出るのは、兄の居る場所を指す意味としてだった。
同い年だけど、双子ではなかった
スピカは、あなたのところは違った気がする、と話を向け、アラキは、同い年だけど、双子とかではなかった、と答える。同じ年の兄妹でも、アラキとステラのあいだには、スピカとクルスのような「居場所が分かる」つながりはない。何かあった、妹さんと、という問いには、思いっきり殴られてた、という一言が続く。
兄は、あなたの妹に遠慮していた
スピカが明かすのは、ああ見えて、兄はあなたの妹に遠慮していた、あなたが妹と一緒にいる時、兄はあなたに声をかけない、意外と臆病なの、というクルスの一面だった。アラキに執着してきたクルスが、ステラのそばにいるアラキには近づけなかった。ずっと欲しかったあなたをここに入れた、というところから、アラキとステラに何かあったと察したあと、話は、踏み込む気はない、悪かった、と引っ込められる。
返すつもりはない
博士の部屋から戻ったクルスは、アラキが僕のそばにいるようになって何か分かったことがあったかなって、と、研究を盗み見てきたことを話す。アラキが僕の供給を受けてると、親が共鳴してより多くのダストを降らしてるって、博士は見てるみたいだけど、と続け、外に出たいのかとアラキに探りを入れる。だって喧嘩したんでしょ、あの子と、と言ったあとの締めは、言っとくけど、返すつもりはないからね、だった。
兄から離れたいのなら、協力してもいい
クルスの初めての友達の話も、スピカの口から出る。隕石が落ちたその日、兄はその子と遊びたくて探していて、やっと見つけたところに隕石が落ちてきた、兄にとって初めての友達だった、と語られ、その子は引っ越した、と締められる。そのうえでスピカは、本当にこのまま、ここでやっていくの、兄から離れたいのなら、協力してもいい、とアラキに持ちかける。
「いていいよって言ってくれるチーム」
公式のあらすじが書くとおり、ショウセイは手料理を持ってアラキに会いに来る。ここで出てくるアラキの言い分が、この回の出発点になる。
泣くほどかよ
差し入れを口にしたアラキは泣き出し、泣くほどかよ、と言われて、だって、ショウセイのおやつ、久しぶりで、と答える。ポリスホッパーで当たり前にあった味が、今は久しぶりのものになっている。
向こうでも、ご飯は作ってもらっている
ディアボリはどうだ、いじめられたりしてないか、と心配するショウセイに、アラキは、向こうでもご飯を作ってもらっていると答える。しかも本格的なお粥で、ほっこりするやつだと聞いて、ショウセイは、しかも中華かぶりかよ、とこぼす。心配して来たのに、向こうでもちゃんと食べさせてもらっていると分かって、張り合う相手が料理になってしまう。
戻れないから、ここにいる
うまくやってるならよかったよ、と言うショウセイに、アラキは、ポリスには戻れないし、俺はこのまま、ディアボリでやっていくしかないんだろうな、と返す。「やっていく」ではなく「やっていくしかない」という言い方で、アラキは今の場所を自分で選んだとは言っていない。
いていいよって言ってくれるチーム
お前はポリスにいたいのか、ディアボリにいたいのか、どっちなんだよ、と問われて、アラキは、戻りたくても戻らせてもらえない、だったら、いていいよって言ってくれるチームにいたほうがいいじゃないか、と答える。居場所の決め方が、自分がどこにいたいかではなく、どこなら許されるかになっている。公式のあらすじは、これを、自分を受け入れてくれる場所だから、とまとめている。
いっぺん俺と勝負しろ
ショウセイの返事は、は、の一音だった。続いて、なあ、アラキ、いっぺん俺と勝負しろ、と言い出す。説得の言葉を探すより先に、勝負を持ち出している。公式のあらすじは、ここでショウセイが苛立ちを見せると書いている。
廃団地崩しは、ポリスホッパーに不利な勝負だった
ショウセイの挑戦に、ハルトとカイも加わり、三人とディアボリの野良ゲームになる。ゲームの中身は、ディアボリの側に選ばせた。
博士のセッティング関係なく
どうして勝負なんか、と聞かれたショウセイは、リベンジだよ、と答え、その前に、博士のセッティング関係なく俺たち同士でやりたいんだ、と続ける。博士の実験の場ではない勝負を、子どもたちが自分で始めている。
選ばせたのは、フェアのため
何をするのかと聞かれ、ショウセイは、それはそっちで決めてくれ、こっちで決めるのはフェアじゃないだろ、と返す。ディアボリの側が出したのが、あの廃団地を壊すのはどう、近々取り壊される予定のもの、どちらが早く壊せるか、という案だった。公式のあらすじも、どう見てもディアボリが有利なうえ、アラキ抜きでは勝ち目も薄い、と書いている。
手加減はいらない
心配するアラキに、余計な心配いらねえから、いくらでもやってやる、手加減はいらない、いつも通り本気で、という言葉が返る。解体の基本は屋上からぶち抜いた後、上の階から順に壊していくけれど、という説明も入り、厳しい戦いになると思うが、負けるつもりはない、と続く。勝ち目の薄さは、最初から全員が分かったうえで始めている。
壁を壊し、柱を一本おきに折る
ポリスホッパーの作戦は、まず壁を全部壊す、だった。カイ、一本おきに柱を破壊してくれ、という指示が続き、鉄の柱に行き当たると、駆けつけた仲間が、私がやる、と割って入る。お前は関係ないだろ、と止められても、なんで仲間外れ、と言い返し、ショウセイ君がふっかけるなんてよっぽどのこと、と加わってくる。
作戦はよかったが
ポリスホッパーの側は倒壊に成功するが、ディアボリの側から、おめーら遅ぇんだよ、とっくに終わってんぞ、こっちはよ、と声がかかる。一気に倒壊を狙ったのは作戦としてよかったけれど、やっぱりこっちのが強かったねー、と続く。作戦では並んでも、力の差で負けている。
負けたあとに出てきたのは、ショウセイの本音だった
勝負のあとは、もみ合いになる。そのあとで、ショウセイがなぜ勝負を挑んだのかが、本人の口から語られる。
この前のお返しだ
やめとけやめとけ、とからかう声のなかで、何やってんだよ、お前、イカれちまったのか、と騒ぎになり、この前のお返しだ、という声も上がる。何が起きたのかがよく分からないまま、もみ合いが始まってしまう。視聴者の感想にも、よくわからんまま喧嘩した、という受け止めが出ていた。
分かってるつもりで、分かってなかった
もみ合いのあと、なんなんだよ、アラキ、という声に続いて、俺、いろいろショックだったんだからな、お前がいなくなったことも、お前のことを分かってるつもりで、分かってなかったってことも、という言葉が出る。第9話で、アラキの何を知ってたっていうの、と突きつけられた問いへの、ポリスホッパーの側からの答えにも聞こえる。
自分の居場所が戻ってきた、と思ってしまった
ショウセイは、お前が力を発揮するようになったから、リーダーを交代した方がいいんじゃないか、と思ったと打ち明ける。自分がリーダーなのはみんなより一つ年上だからで、ラムスも地味だし、大した活躍もできない、と続く。そして、お前が抜けた時、自分の居場所が戻ってきたって思ってしまったんだ、と一番言いにくいことを口にする。
そんな俺が嫌で
続きは、でも、そんな俺が嫌で、だからお前に戻ってきて欲しくて、だった。ポリスに必要なのはお前なんだ、俺じゃない、お前なんだ、と言い切り、勝負を挑んだのは、ちゃんと白黒つけるために、だったと分かる。勝負は、アラキを連れ戻すためであると同時に、自分がリーダーを降りる理由をはっきりさせるためのものだった。
居場所が、二人のあいだで入れ替わる
アラキが抜けたことで、ショウセイは自分の居場所が戻ったと感じた。アラキのほうは、戻れないから、いていいよと言ってくれる場所にいると言っていた。一人の居場所が空くと、もう一人の居場所が戻ってくる、という形で、二人は同じ席を取り合っていた。
リーダーは、指示を出して活躍する人のことではなかった
ショウセイの本音に、ポリスホッパーの側が一斉に言い返す。ここで出てくるリーダーの定義は、第9話の「最強」と対になっている。
ポリスのリーダーはショウセイだよ
アラキは、違う、違うよ、ポリスのリーダーはショウセイだよ、と返し、みんなのことをいつも思って、誰よりも優しく見守って、こんな俺にも声をかけてくれて、と理由を並べる。ショウセイがリーダーじゃなきゃ、誰がリーダーだって言うんだよ、とアラキは言い切る。
いてくれるから、安心していられる
続いて、ショウセイ君がいてくれるから、安心してポリスにいられるんだよ、ショウセイのおかげで、いつも思いっきり暴れることができる、という声が上がる。リーダーの価値が、何をしたかではなく、いてくれることで説明されている。
何もしなくても、必要だ
活躍できてなくて、と言いかけるショウセイに、そんなことない、それに、たとえショウセイが何もしなくても、俺たちにはショウセイが必要だよ、と返る。一つ年上で、ラムスも地味で、大した活躍もできない、というショウセイの自己評価を、仲間は一つずつ打ち消すのではなく、条件ごと外している。
ついていきたいって思えないと、リーダーじゃない
決め手は、指示を出して活躍するだけがリーダーじゃない、ついていきたいって思えないとリーダーじゃない、それが俺たちにとってはショウセイだから、だからポリスは、いいチームなんだよ、という言葉だった。第9話でアラキが「最強」と呼ばれたのとは違って、ここでのリーダーは力で決まっていない。
離れろ、やだよ
抱きつく仲間に、お前ら離れろ、と照れるショウセイと、やだよ、こうやってとどめておくんだから、と離れない仲間のやりとりが続く。勝負を挑んだ本人が、最後は仲間に引き止められる側に回っている。
「アラキらしいって何」に、アラキ本人が答えた
最後に、アラキが自分から、聞いてほしいことがある、と切り出す。第9話で答えの出なかった問いに、ここで答えが出る。
ポリスのみんなとやるゲームが好きだった
アラキは、ポリスのみんなとやるゲームが楽しかった、今だけじゃない、実験の前も、ポリスのみんなとやるのが好きだった、と話す。ポンコツでも、わがままでも、いつも一緒にいてくれて、ケンカもして、それでも、みんなといるのが楽しかった、と続く。力が上がった今の話ではなく、実験の前からの話として語っている。
俺が俺らしくいられるのは
そして、俺が俺らしくいられるのは、みんなといる時だけだ、と言い切る。第9話で、アラキらしいって何、と投げられた問いに、アラキ本人が、誰といるときの自分かで答えている。
許される場所から、自分でいられる場所へ
前半のアラキは、いていいよって言ってくれるチームにいたほうがいい、と言っていた。終盤のアラキは、許される場所ではなく、自分らしくいられる場所で居場所を決め直している。公式のあらすじが書いた、自分を受け入れてくれる場所、の中身が、ここで入れ替わる。
戻ってこい
アラキが、もう一度ポリスホッパーに戻りたいと頼むと、本当だな、うん、というやりとりのあとに、じゃあ、戻ってこい、また一緒にやろうぜ、と返る。戻りたくても戻らせてもらえない、と言っていた場所が、ここで戻ってこい、と言う側に変わる。
ステラにもちゃんとするから
アラキは最後に、俺、ステラにもちゃんとするから、嘘じゃない、約束する、と付け加える。公式のあらすじが、ステラにしたことはショックだった、と書いていた件は、ここではまだ約束のまま残っている。前半でクルスが言った、返すつもりはないからね、とこれがどうぶつかるのかも、この回ではまだ描かれない。




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