『ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~』第8話 感想|帰還は安らぎと、拭えぬ過去の

『ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~』第8話 感想|帰還は安らぎと、拭えぬ過去の ファンタジー

第8話「アーティ伯爵家の悲劇」は、第7話で記憶を改ざんされたロベルトが、祖国の実家へ帰り着くところから始まる回だ。父は騎士として断じたうえで「よく生きて帰った」と迎え、本人は「僕は騎士として正しいことをしたはずだ」を三度くり返す。そして記憶が戻るのが処刑の瞬間で、しかも誰も聞かない。第7話の「鐘」が第8話で「のろし」に言い換えられているところまで追う。

アニ
今週も始まるわね!第8話「アーティ伯爵家の悲劇」、いよいよ副題から重いんだわね…
ラン
ロベルトさんが荒野で拾われて実家に帰ってくるの!記憶がところどころ抜けてるのね…
キャロ
うんうん、ご家族はちゃんと迎え入れてくれるんですけど、そのぶん先が怖いんですよね。
アニ
そうよね!エリーさんの腕の傷も気になるし、しっかり見届けるわね!

父は騎士として断じ、そのうえで父として迎え入れる

荒野で倒れていたところを拾われている

目を覚ましたロベルト・アーティに、使用人のアーニャが伝えるのは「アーティ家のお屋敷です」「荒野で倒れていたところを、行商人が見つけたそうです」だ。帝国に投降したはずの人間が、なぜか祖国の実家で寝ているという始まり方をする。

待っていた父の言葉は容赦がない。「国王陛下の許可もなく勝手に軍を動かした上、帝国領土に侵攻し兵を失い、おめおめ指揮官のみ生き残るとは」から始まり、「もはや貴様に騎士の資格はない」「今日付けで騎士団から除名し、下級兵として編入させた」「一兵卒からその根性を叩き直せ」まで一息で言い渡される。

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TVアニメ
#ブチ切れ令嬢 は報復を誓いました。
ご視聴ありがとうございました✨
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第8話「アーティ伯爵家の悲劇」
ABEMA、dアニメストアにて
このあと2時30分より独占配信開始❗️

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「だが」で始まる二行目

続く一行がこの回の重さを決めている。「騎士として私は貴様のことを恥じている」「だが」「父としてこれだけは言っておく」「よく生きて帰った」だ。裁く役と迎える役を、同じ人間が順番にやっている

母も「お父様はあなたのことをとても心配していたのよ」と補い、「あなたならもう一度やり直せるわ」「幸運にも生きて帰ってこられたのだから」「今はゆっくり体を休めなさい」と続ける。アーニャの「家の者は皆ロベルト様を信じております」まで含めて、この家は帰ってきた息子を一度も追い出していない。副題の「悲劇」が指しているのは、ここから先だ。

「正しいことをした」が、三度くり返されている

一度目は建国記念パーティーの回想

回想で示されるのは、フリードがロベルトを使った経緯だ。「エリザベート嬢が俺の可愛いシルビーに嫉妬して陰湿な嫌がらせをしているそうだ」と吹き込み、出どころを問われると「忠実なる民が知らせてくれた」とだけ答える。当のロベルトも「そこまで愚かとは思えません」と一度は疑っている。

それでも「今度の建国記念パーティーの場であの女を糾弾し告発する」という計画に、「お前がやるべきことは分かっているよな」と振られると「もちろんです」「私は殿下に忠誠を誓った騎士なのですから」と即答する。結果として父から「公衆の面前で暴力をもって令嬢を組み伏せ、恥をかかせるのが、お前の言う騎士だと」と詰められ、返すのが「私の剣は殿下に捧げたもの」「騎士として忠誠こそが正義」だ。

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このあと22:30から
『ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~』第8話
AT-Xで【最速】放送!

<キャスト>
大西沙織
長谷川育美
小倉 唯
上原あゆみ
芹澤 優
石上静香
阿座上洋平
水中雅章
高野麻里佳

番組情報
https://www.at-x.com/program/detail/?id=21301

#ブチ切れ令嬢
#at_x

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二度目と三度目は、独白と弁明で出る

体が回復してからの独白が二度目だ。「僕は騎士として正しいことをしたはずだ」「殿下の暴走を止めるためには帝国に投降するしかなかった」「あれは正しい選択だった」と自分に確認し、「一からやり直そう」「そしていつの日かまた騎士として殿下にお仕えしよう」と結ぶ。裏切った相手のところへ戻る前提で、やり直しを組み立てている。

三度目は牢の中で、フリード本人に向けて出る。「あれは決して私の意思では」と言いかけて「あれだけのことをしておいて、今さら言い訳か」「見苦しい奴め」で潰される。三度とも、言っている中身は同じで、相手だけが変わっている。そして三度とも通らない。

記憶の穴のほうが、先に鳴っている

「部下たちはどこで死んだ?」

妹が「お兄様そろそろ時間よ」「午後のお茶を一緒にしましょうって?」と呼びに来た場面で、ロベルトは自分の中の矛盾に気づく。「僕は部下たちと共に帝国に投降し帝都へ向かったはず」「なぜ今ここにいる」から始まり、「部下が全員死んで自分だけが生き残った?」へ進む。

追いかける問いが「部下たちはどこで死んだ?」「いつどんな風に?」「僕は?」で、最後が「何か恐ろしいことを忘れているんじゃ」だ。暗示にかかっている本人が、暗示の穴を自力でほぼ埋めかけている。この作品が丁寧なのは、記憶を奪われた側をただ操り人形として描かないところにある。

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『ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~』8話、やらかした騎士ロベルト・アーティが帰還。父のお叱りもあったが家族は暖かく迎え入れてくれました。兄を慕うロワリーゼちゃんはお母様とのお茶の誘いに来ますが、その瞳に映ったのは…そしていきなり斬首!! #リョナ

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そこへ第7話の詠唱の後半が入る

思い出しかけたところに割り込むのが「赤き雨を降らせよ」だ。第7話でエリザベートがグリモア・アスモデウスに与えた詠唱の後半で、あのとき示された効果も「相手の記憶を改ざんし、強力な暗示を与えることができるわ」だった。起動の合図が、思い出しかけたことそのものになっている

直後の台詞が「体が勝手に」「な、なんなんだこれは」で、以降ロベルトは自分の体を止められない。公式サイトのあらすじも「頭のなかに響く声に命じられるまま」と書いており、この回で起きたことの主語は最初から本人ではない。それでも罪に問われるのは本人だけだ。

国王の一言が、この国の裁きの基準を説明してしまう

「なかった罪をエリザベートに着せることで」

被害の報告は「ご家族、使用人以外に、市井の民85名、兵士21名、騎士2名が死亡」「その他、重軽傷者が多数出ております」と読み上げられる。動機の調べも「話を聞こうにも支離滅裂でして」「自分じゃない、こんなことをするはずがないと繰り返すだけだとか」で終わり、「不明ということか」で片づく。

そこで国王が父に告げる一言がこの回の急所だ。「建国記念パーティーでフリードが起こした騒ぎは、なかった罪をエリザベートに着せることで、フリードと騎士団長の息子の行いを不問にできた」。続けて「だが、こたびはこれだけ民に被害が出ている」「さすがに恩情を与えるわけにはいかんのだ」「すまぬ」と来る。裁く基準が、罪の中身ではなく被害の規模と、罪を着せられる相手がいるかどうかだったと、王自身が認めている

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#ブチ切れ令嬢 8話

「冤罪」で自身を捕縛したロベルトに対して、「罪なき者」を滅する凄惨さを経験させる意図が、エリザベートにあったのだろうか。所で、原作勢で特に話題になっていた回だが、確かにロベルトの妹を始め、未来の明るい子供までも死するのは実に惨たらしい。
#buchigire

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父が求めたのは、減刑ではなかった

謝罪を受けた父の返しは「もったいないお言葉」で、そこから「こたびのことは愚息がしでかしたこと」「その責は愚息とこの私にあります」「何卒、厳正な処罰を」と願い出る。王が言い訳の余地を残したのに、家のほうから閉じている

下る沙汰が「ロベルト・アーティ、大量殺人の罪により死罪とする」だ。その一年前、同じ王家は無実の令嬢に罪を着せて身内を守っていた。同じ制度が、今度は身内を切り捨てる側に回っているという並びになっている。

同じ一年を、王子とシルビアの側から見ると

「最後にその命を使って、俺の汚名を雪いでおけ」

牢に現れたフリードの第一声は「やってくれたな、ロベルト」で、続くのが「貴様がやらかしてくれたおかげで、俺にまで非難の声が上がってるんだぞ」だ。自分に飛んできた火の粉の話しかしていない。「貴様のような極悪人を騎士などに取り立てた俺が間違っていた」「お前には失望した」と重ねる。

最後に「まだ何か言いたいことがあるのか?」と促されて、ロベルトが口にするのは自分の弁明ではなく「シルビア嬢は」だ。返ってくるのが「シルビーをこんなところに連れてくるわけがないだろ」で、締めが「最後にその命を使って、俺の汚名を雪いでおけ」死ぬ直前まで用途を割り当てられている

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ブチ切れ令嬢 8話

うわぁ…

かなりハードな展開になってきましたわ

#ブチ切れ令嬢

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「ほとんどあの人のこと知りませんもの」

場面が変わり、フリードがシルビアに「そういえば、ロベルトとは親しかったのか?」と尋ねる。答えが「ほとんどあの人のこと知りませんもの」で、フリードも「そうか」「そうだろうな」で流す。

ところが同じ回に、学生時代の回想が置かれている。エリザベートに完敗した直後のロベルトへ剣術の練習を申し出る声がかかり、「構わないけど」「君、名前は」と返した相手が「私はシルビア」と名乗る。先に声をかけたのはシルビアのほうだった。二つの場面を同じ回に入れているのは、明らかに読ませるためだ。

思い出すのが、処刑台の上だった

直前の独白は、終わりを望んでいる

刑の宣告を聞いたロベルトの独白が「これでやっと終わりにできる」から始まる。「愛する妹や母」「家族同然の使用人たち」「守るべき民を」「この手で殺してしまった」と数え、「誇り高い騎士を夢見たはずなのに」で止まる。この時点では、自分がやったことだと信じたまま死のうとしている

そこへ届くのが「最後くらい役に立ってね」「騎士モドキさん」だ。第7話の締めと同じ台詞で、公式のあらすじにも明記されていた一行が、ここで解除の鍵として戻ってくる

▼ ネットの反応

【#ブチ切れ令嬢 第8話】
原作既読だけど覚えてなかったか読み飛ばしてたか
ロベルトが家族を惨殺した記憶無かったよ
暴走する様に呪いをかけただけだからどうなったのかは知らなかっただろうけど、妹とかは可哀想だったな
国の民やロベルトの家族がエリーに何したか不明だけど「悪役という嘘に騙されて踊らされてエリー叩きした」だけで殺されたならエリーの方が悪役になりそうだね
民に全ての真実を確認して間違いないと判断してから行動しないと殺される罪になるなんて不可能だもの
私は今エリーがちゃんと罰されてくれないかなって方に傾きつつある

#アニメ感想 #アニメ好きと繋がりたい

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「僕の話を聞いてくれ!」に、誰も応じない

戻ってくる記憶の順番が細かい。「なぜ忘れていたんだ?」から「簡単に破壊された大切な神器」へ飛ぶ。第7話でエリザベートに一撃で砕かれたクレスト・オブ・ナイツのことで、失った物のほうを先に思い出している。そこから「そうだ」「何もかも」「あの女」「エリザベート・レイストンが」「仕組んだ」と繋がる。

叫ぶ言葉が「僕の話を聞いてくれ!」「あの女!」「エリザベート・レイストンが!」で、返ってくるのは「おとなしくしろ!」だけだ。取り調べで「自分じゃない」と繰り返したときに支離滅裂で片づけられた人物が、答えにたどり着いた瞬間に刑を執行される。真相を知っている状態がいちばん短く、いちばん届かない。

まとめ|「鐘」は「のろし」に言い換えられている

エリザベートの側にも代償がある

冒頭に戻ると、帰宅したエリザベートの腕には傷がある。隠しきれずに「代償よ」「神器を使うための」と認め、「結構痛みもあるのよ」とも言う。ミレイの「あまり無茶はなさらないでください」に「ええ」とだけ返す。報復の側も無傷では進んでいない

もう一つ挟まるのが夢の場面だ。かつて婚約者の相手に礼儀を教えていた頃の記憶で、「殿下のおそばにいるのなら、ふさわしい在り方を教えてあげないと」に対し、侍女が「お嬢様がなぜ殿下の浮気相手の世話まで」と漏らす。答えが「構わないわ」「これも私の務め」で、目覚めての一言が「うんざりな夢ね」だ。世話をしていた相手が、いまは「ほとんどあの人のこと知りませんもの」と言う側に立っている

▼ ネットの反応

#ブチ切れ令嬢 は報復を誓いました。

第8話ご視聴ありがとうございました!✨
来週もよろしくお願いいたします!❄

illustration:伊東愛華

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「私が始める報復の」で第8話が閉じる

処刑の報を受けたエリザベートの言葉は「騎士モドキが死んだみたい」「時間と手間をかけた分、王国での騒ぎは大きなものになったでしょうね」で、ミレイが「それよりも、エリー様の腕が元に戻って安心いたしました」と返す。結果の確認より先に、身内の心配のほうが口に出るのがこの主従だ。

締めはルーカスとの会談で、「帝国に下ったはずのロベルト・アーティがなぜか王国内で大量殺人を起こし処刑されたそうだ」「詳細はわからんが君の仕業だろ」に対する答えが「彼にはのろしとなってもらいましたわ」「私が始める報復の」だ。第7話でこの役目は「報復の始まりを知らせる鐘を鳴らすのよ」と告げられていた。鐘は音が消えるが、のろしは遠くから見える。言い換えたぶんだけ、狙いが祖国の外にも向いていることになる。

アニ
8話、見終わったわね…お父様の「だが」から先の一行がいちばん刺さっただわね…
ラン
思い出すのが処刑の瞬間なんて残酷すぎるの!しかも誰も聞いてくれないのね…
キャロ
うんうん、国王様の一言でこの国の裁きの基準まで見えてしまいましたね。
アニ
そうよね!第7話の鐘が今回はのろしになってるし、来週も見逃せないわね!

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