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新シリーズの幕開けとなる第1話の副題は「日本代表・次なる戦い」。ドイツを破って決勝に進んだ日本代表に、三船監督は代表メンバーどうしで決勝メンバー決定戦を行うと告げる。金ちゃんとのダブルスを選ぶ白石、迷わずシングルス1に向かう真田、そして自信をなくしかけた丸井と組む木手。一方、スペイン代表にはアメリカ代表から移ったリョーガの姿があった。




第1話の副題は「日本代表・次なる戦い」
新シリーズの第1話の副題は「日本代表・次なる戦い」。あらすじは「世界No.1の強豪ドイツを破り、U-17W杯の決勝戦進出を果たした日本代表」と始まり、「平等院と鬼は、ドイツ戦で負った怪我により出場が絶望的な状況だった」と続く。スペインとの決勝戦を2日後に控え、三船監督が「日本代表内で決勝メンバー決定戦を行うという大きな決断を下す」までを描く回である。
ドイツ戦を終えて
冒頭は、準決勝ドイツ戦の振り返りから始まる。「勝つぞ」「全員の力でな」という声とともに、日本代表がドイツを破るまでの流れが駆け足で描かれる。そこから視線はすぐに、2日後に控えた決勝へと移っていく。「日本が頂上を目指す最後の一戦」「覚悟はできているな」という問いかけに、「当然っすよ」と返す声が頼もしい。
「徳川」「そして越前」「日本を任せたぞ」。ドイツ戦で限界まで戦った者たちから、次の世代へ日本の未来が託される。決勝戦には「ボルクをしのぐかもしれない怪物どもがいる」とも言われ、それでも「コートの向こう側にいる」相手を全員倒すと言い切る姿に、このシリーズらしい熱さが詰まっていた。
スペインからの謝罪
決起会の直前、日本代表の前にスペイン側の人物が現れる。「決勝進出 見事だ」「私は日本の力を過小評価していたようだ」「あのドイツを破るとは」「君に対して言った失言を取り消そう」。
これまで日本を軽く見ていた相手が、正面から認めて頭を下げる。ドイツを破った日本代表が、もう挑戦者ではなく警戒される側になったことが伝わる場面だった。一方で、徳川を「カズヤ」と呼ぶ相手が現れ、「カズヤと戦えるのを楽しみにしている」と告げる。「徳川さん知り合いなんすか」という問いに返ってきたのは、「行くぞ」の一言だけだった。決勝に向けて、徳川の過去にも何かありそうだ。
三船監督の大きな決断
決勝メンバーをどう選ぶのか。三船監督の答えは、誰も予想しないものだった。
「お前らの強さは試合の中で成長することだ」
翌朝、三船監督は代表メンバーを全員集める。決勝進出をたたえつつも、まだ頂点ではないと釘を刺したうえで、「お前らの強さは試合の中で成長することだ」「強敵と戦いながら己を追い詰め」「ギリギリの中で壁を打ち破り相手を撃破してきた」と語る。
だからこそ、決勝の前にやることは一つ。「決勝メンバー決定戦を行う」。試合の中で強くなるチームだから、決勝の前にもう一度試合をさせるという理屈は、いかにも三船監督らしい。練習でもミーティングでもなく、仲間どうしの本気の試合でメンバーを決めるという発想に、思わず笑ってしまった。
「勝てば日本代表」
ルールは明快だった。「シングルス1から3の3枠」「ダブルス1と2の2枠」から好きなブロックを選んでエントリーし、それぞれの枠でトーナメントを行う。「勝てば日本代表」。エントリーの締め切りは「明朝7時です」。
「つまり俺たち全員誰にでもチャンスがあるってことや」という白石の一言が、この決定戦の意味をよく表している。三船監督の「代表の座は己の力でつかまんかい」という言葉どおり、これまで試合に出られなかった選手にも、等しく道が開かれた。誰がどの枠を選ぶのか、そこから駆け引きが始まる。
それぞれのエントリー
締め切りまでの一晩、代表メンバーたちはそれぞれの枠を選んでいく。
金ちゃんとの約束
金ちゃんは「スペインの一番強いやつとやったるで」と意気込み、越前に「ワイと戦うの怖いんか」と絡む。越前の答えは「わけないじゃん」。このやり取りだけで、二人の関係がよくわかる。中学生のころから続くライバル関係が、世界大会の決勝を前にしても少しも変わっていないのが微笑ましい。同じ枠に入れば、決定戦の中でいきなり二人がぶつかる可能性もある。金ちゃんが本気でスペインの強敵と戦うつもりでいることも含めて、この二人の行方は見逃せない。
一方の白石は、種ヶ島に誘われても迷っていた。四天宝寺の部長としてやり残したことは、「金ちゃんのことです」。「俺はまだ金ちゃんに本当のテニスの」。そして「せやから俺今回は金ちゃんとダブルス」。自分が勝ち上がることより、後輩に本当のテニスを伝えることを選ぶ。白石の部長としての顔がよく出た場面だった。
真田の真っ向勝負
立海では、真田がシングルス1にエントリーしたことが話題になる。「マジかよ絶対シングルス2に来ると思ったのに」と悔しがる赤也は、「副部長を倒して決勝戦行き決めたかったのによ」とこぼす。
「相変わらず真っ向勝負とは、真田らしいや」。いちばん厳しい枠を迷わず選ぶところに、真田の真っすぐさが表れている。黙々と練習に向かう姿が、その覚悟を物語っていた。
二人の先輩から誘われた木手
意外な人気者になったのが木手だった。「複数の先輩方からのお誘いがありましてね」。大曲にも君島にもダブルスに誘われ、「キテレツが先輩二人からラブコール」「明日絶対雨だろ」と丸井に茶化される。
けれど話を聞くうちに、丸井の本音がこぼれる。「俺はまだこの大会試合に出られてねえだろ」「正直自分のテニスが世界に通用するのか」「このメンバーの中から自分が選ばれるわけない」。それでも「でも自分なりに準備はしてきたぜ」。自信をなくしかけた丸井に、木手が差し出したのは「もう一度ガムもらえますか」という一言だった。言葉少なに組むことを決める二人のやり取りが、なんとも心地よかった。
戦えない者たちの思い
エントリーの裏では、コートに立てない者たちの姿も描かれる。ドイツ戦で傷を負った二人は、「骨に異常はなかった」「筋を痛めただけだとよ」と言い合い、「このゴリラが」「お前に言われたくねえ」と軽口をたたく。そして明日の試合について「奇遇だな 俺も同じ話をしようとしていた」。何を話そうとしていたのかは、まだ明かされない。
別の場所では「俺は決勝は辞退するぜ」「この手首じゃみんなに迷惑かけちまう」と身を引く選手がいて、「一緒に世界を取りたかった」という声が返される。さらに「このままじゃ死んでも死にきれない」「あと一つで世界が取れるこの時」と、出場を願い出る者もいた。決定戦に出られる者と出られない者、その両方の思いが重なって、決勝への道ができている。明るい導入回の中に、こうした場面が差し込まれることで、ドイツ戦の代償の大きさが改めて伝わってきた。
スペイン代表に加わったリョーガ
決勝の相手、スペイン代表の側でも動きがあった。
「それが条件でここに来た」
「決勝戦、君にも出てもらう」と告げられたリョーガは、「まあ、当然っていうか」「それが条件でここに来たっていうか」と答える。アメリカ代表から移ってきたリョーガに、スペインの選手たちは「アメリカ代表を裏切って俺らスペイン代表にいきなり入るなんて」「正気じゃねえ」と反発する。
越前兄弟が、決勝では敵と味方に分かれることになる。ドイツ戦の前から張られていた兄弟の因縁が、決勝でどう決着するのか。第1話にしてもう、決勝への期待が高まる。
狙われたリョーガ
スペインの一部の選手は、リョーガを力ずくで排除しようと動く。「テニススナイパー」が遠く離れた地点から狙い、「距離36.45メートル」「アディオス」。ところがその狙撃は、別の人物に阻まれる。「スナイパーならもっと離れなさい」「私なら200メートルだって狙えるわ」。
スペイン代表も一枚岩ではなく、個性の強い選手ばかりのようだ。決勝の相手がどんなチームなのかが、この短い場面だけでよく伝わってくる。テニスの試合の前から、コートの外で火花が散っていた。リョーガを守ったのが誰なのか、その狙いも含めて、スペイン代表の内情はまだ謎が多い。
決定戦、開幕
エントリーの結果、各ブロックは4組ずつに分かれた。
発表された組み合わせ
ダブルス2の第1試合は、丸井と木手のペアが、種ヶ島と白石のペアに挑む。シングルス2では切原と不二、シングルス1では徳川と真田がぶつかる。「2回勝った奴らが決勝に出る」。
いきなり日本代表の中心メンバーどうしが当たる組み合わせで、どの試合も決勝さながらの顔ぶれになった。三船監督の「開戦じゃ」という声とともに、決定戦の幕が上がる。
手塚への答え
決定戦を前に、手塚に向けて語られる言葉もあった。「道しるべは 自分で作るんだ」。そして「日本代表として僕がやるべきことは一つ」「それが、僕が見つけた道しるべだよ」「そして、僕は道しるべのその先へ」。
決勝メンバーを決める戦いは、それぞれが自分の道しるべを見つける戦いでもある。勝ち負けだけでなく、選手一人ひとりが何のためにコートに立つのかが問われていく。そんなシリーズになりそうな予感がした。
まとめと考察
第1話は、ドイツ戦の余韻から決定戦の開幕までを一気に駆け抜けた導入回だった。
全員にチャンスがある決定戦
この決定戦のいちばんの魅力は、誰にでもチャンスがあることだ。これまで出番の少なかった丸井のような選手が、自分のテニスが世界に通用するのかを試す機会を得た。キャラクターの多い作品だからこそ、一人ひとりにもう一度光を当てる構成は理にかなっている。白石と金ちゃん、真田と赤也、丸井と木手と、それぞれの関係性が短い場面の中でしっかり描かれていたのもよかった。
決勝への布石
一方で、リョーガのスペイン代表入りや、徳川と因縁のありそうな相手など、決勝に向けた布石もいくつも置かれた。決定戦の熱戦と、その先に待つスペイン戦の両方を楽しみにできる第1話だった。誰が代表の座をつかむのか、次の試合から目が離せない。
三船監督は、日本代表の強さを試合の中で成長することだと言い切った。その言葉が正しければ、この決定戦そのものが、スペイン戦に向けた最後の特訓になる。仲間どうしで本気でぶつかり、勝った者も負けた者も一段強くなって決勝を迎える。そんな流れを期待したくなる第1話だった。





















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