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前回から続く、地球の運命をかけたウーロンとビルスのジャンケン。破壊の危機という窮地の中で駆けつけた悟空は、ビルスが探し求めるスーパーサイヤ人ゴッドの存在を神龍に尋ねることを提案する。神龍が明かしたのは、サイヤ人の神話に登場する神を生み出す方法だった。あいこが続くジャンケン、伝説の書の儀式、そして6人目のサイヤ人まで、第4話を振り返る。




第4話 地球の運命をかけたジャンケン
第4話「サイヤ人の神」は、前回の終わりに始まった地球の運命をかけたジャンケンの続きから幕を開ける。ウーロンが勝てばビルスはおとなしく帰り、ビルスが勝てば地球は破壊される。「最初はグー」、「じゃんけん」の掛け声とともに始まった勝負は、いきなりあいこ。「破壊神と豚が引き分けか」という一言が、この勝負の奇妙さを端的に言い表していた。
宇宙の命運を左右するはずの勝負が、子どもの遊びそのものの形で進んでいく。そのギャップこそがこの場面の面白さだ。あいこになるたびにビルスはウーロンの遅出しを疑い、ウーロンは必死に否定する。破壊神と一般人が真剣な顔でジャンケンを繰り返す光景は、何度見てもおかしい。
あいこが続く勝負
勝負は一度では終わらない。「最初はグー じゃんけんぽん」と何度も仕切り直すうちに、周りで見守る仲間たちも気が気ではなくなっていく。「もう見てらんねえだ」と顔を覆うチチの姿に、会場の緊張がそのまま表れていた。
あいこが続くうちに「君頑固だね」、「イライラしてきちゃった」と苛立ちの声まで漏れはじめ、見ている側もいつ勝負が終わるのかとじれったくなってくる。手の内を読み合う心理戦のような空気もあり、ジャンケンひとつでここまで引っ張れるのはある意味すごい。
そして決着の瞬間、会場全体が声を上げて固まった。結果は地球側の負け。「ま…負けた…」という声に続いて、「どうして3回も同じものを出すんだよ」、「3度目の正直って言うだろうが」、「そういうのをバカのひとつ覚えって言うんだよ」と、仲間内での言い争いまで始まってしまう。地球が終わるかもしれないというのに、どこか間の抜けたやり取りが続くのがこの作品らしい。
振り返ってみれば、このジャンケンは前回のプリン騒動から続く一連の流れの締めくくりでもある。食べ物の恨みから始まった危機が、最後はジャンケンという誰もが知る遊びで決まりかける。宇宙最強クラスの破壊神が相手でも、深刻になりきらずに笑いへ転がしていく語り口は、昔からこの作品が大切にしてきた持ち味だと改めて感じた。
お土産を抱えたウイスが戻ってきて、いよいよ「地球の諸君」、「永遠にさようなら」という別れの言葉が告げられる。破壊が実行されようとしたまさにその瞬間、駆けつけたのが悟空だった。
待ったをかけた悟空
界王星から戻った悟空の第一声は、なんとブルマへの「誕生日おめでとう」。地球が消えるかどうかの瀬戸際に、のんきに誕生日を祝う悟空。「このタイミングで言うことじゃないでしょ」と返されるのも当然だ。プレゼントを忘れたと謝り、ついでに年齢まで聞いて「どうでもいいの」と一蹴される。この間の抜け方こそ、昔からの付き合いの二人らしい。
緊迫した場面でもいつもの調子を崩さない悟空と、それに律儀にツッコむブルマ。物語の始まりから一緒に旅をしてきた二人の掛け合いを見ていると、どんな危機でもなんとかなりそうな気がしてくるから不思議だ。
悟空はビルスに向き直り、スーパーサイヤ人ゴッドを「探し出せっかもしんねえんだ」と持ちかける。「ちょっとだけ時間くれよ」と食い下がる悟空に、返ってきたのは「本当にちょっとだけだぞ」という答え。ゴッドに会うために目覚めたビルスにとって、この提案はやはり無視できないものだったのだろう。「でもこれが本当に最後だ」と念を押し、だめなら地球どころか太陽系ごと破壊すると言い切るあたりに、破壊神の本気がのぞいていた。
神龍が語るスーパーサイヤ人ゴッド
ドラゴンボールに託した望み
悟空の作戦は、神龍の力を借りることだった。ビンゴの特等の景品として用意されていたドラゴンボールが、船の中に7個そろっている。「ドラゴンボール使わせてもらうぞ」と言う悟空に、ブルマは「遠慮なく使ってちょうだい」と即答する。前回ビルスにぶたれたブルマにとって、相手を懲らしめるためなら景品のひとつくらい惜しくはない。もっとも悟空は、大バカ者呼ばわりしてはいけないとたしなめ、相手は「宇宙で一番強い」、「破壊の神様だ」と説明する。
ドラゴンボールを目にしたビルスが「あれ願い玉に似てるな」とつぶやく場面も面白い。記憶にある願い玉はもっと大きかったらしく、「地球の願い玉は小さいようです」と説明が入る。地球の神がナメック星人であることに触れる会話もあり、ドラゴンボールの成り立ちを知る視聴者にはうれしい小ネタだった。
呼び出された神龍は、「どんな願いも叶えてやる」、「さあ、願いを言え」とおなじみの口上を述べる。対する悟空の願いは「スーパーサイヤ人ゴッドって知ってっか」、「知ってたらそいつを呼び出してほしいんだけど」。願いというより、まるで知り合いに道を尋ねるような気軽さで、悟空らしさが全開だった。
伝説の書の儀式
ところが神龍は、ビルスの姿に気づくなり「これはどうもビルス様」、「こんな高いところから申し訳ありません」とかしこまる。どんな願いも叶える神龍でさえ頭が上がらない相手。ビルスの格の高さを、これほど分かりやすく示す場面もないだろう。
神龍によれば、スーパーサイヤ人ゴッドは「サイヤ人の神話に登場する神でして」、「今現在は存在しておりません」。ただし作り出す方法なら教えられるという。「ナメック星の伝説の書にはこう記載されています」、「五つの正しい心を持つサイヤ人が手を携え」、「もう一人の正しいサイヤ人に心を注ぎ込めば」、「サイヤ人の神となると」。超サイヤ人ゴッドとは、神話に語られる神そのものだったのだ。
去り際の「またお会いできることを心より楽しみにしております」まで、神龍は終始ビルスへの低姿勢を崩さない。いつもの威厳ある姿とのギャップに思わず笑ってしまった。それと同時に、願いを叶えるだけでなく、ゴッドを生み出す手がかりまで授けてくれた神龍の存在の大きさも改めて感じた。
6人目のサイヤ人
ベジータの正しい心
方法は分かったものの、問題は人数だ。「ここには正しい心を持つサイヤ人は」、「地球人とのハーフを含めて4人しかいない」。数に入っていなかったのはベジータだった。かつて地球を襲った過去を持つベジータを、正しい心の持ち主と数えていいのか。そこに異を唱えたのは、地球人たちだった。
「ベジータも今はすっかり正しい心を持っておる」。さらにピッコロへ向けて偏見はいけないとたしなめる声が上がり、「良いお父さんしてるだぞ」と続く。長い付き合いの中でベジータの変化を見てきた仲間たちだからこそ、迷いなく言い切れたのだろう。
ここで差し込まれるのが、ベジータが家族を旅行に連れて行った思い出の場面だ。ブルマとトランクスと一緒に買い物を楽しみ、山盛りのアイスを手にはしゃぐトランクスの横で、ベジータもしっかりアイスを食べている。仏頂面のまま家族サービスをこなすベジータの姿は、戦いの場で見せる顔とはまったく違っていた。
当のベジータは「どうしていつも」悟空ばかりが主役なのかと不満げだが、「次はおめえにやらしてやっからよ」と言われると「本当だな」と確かめるあたりがかわいらしい。ライバルとして張り合いながらも、地球を救うために手を取り合う二人の関係が心地よかった。
主役の座を譲れと言いたげなベジータの不満も、裏を返せば、自分もゴッドの力を手にしたいという強さへの渇望の表れだ。家族を大切にする父親の顔と、誰にも負けたくない戦士の顔。その両方をのぞかせたこの場面は、今のベジータという人物をよく表していた。
お腹の中の命
ところが、いざ始めようとしたところで、5人が1人に心を注ぐのだから「合計すると6人必要なんじゃありませんか」という指摘が入る。数え直してみれば、ここにいるサイヤ人は5人しかいない。「運も尽きたようだね」という言葉に、一同は再び追い詰められる。
そこで名乗り出たのがビーデルだった。「そのお腹の中にいるサイヤ人じゃダメでしょうか」、「多分なんですけど」。突然の告白に、悟飯は「それってお腹に僕たちの赤ちゃんが」と言葉を詰まらせる。地球の危機のさなかに明かされた新しい命。張り詰めていた空気が、一瞬でやわらかくなった。
悟飯が父になると知る場面が、こんな形で訪れるとは思わなかった。それでも、家族や仲間がそろったこの場所だからこそ、喜びを分かち合えたのだろう。お腹の子も含めた6人で輪をつくり、「さあ集中して心を注ぐんです」の声とともに儀式が始まる。
第4話のまとめ考察
超サイヤ人ゴッドの誕生
輪の中心に立つ悟空に、5人の心が注ぎ込まれていく。待つこと十数分。光に包まれた悟空の髪は赤く染まり、静かな表情の中に神々しさをたたえていた。「どうやら待った甲斐があったようだね」。破壊神が待ち望んだスーパーサイヤ人ゴッドが、ついに地球に誕生した瞬間だ。
これまでの超サイヤ人のように髪が逆立って金色に輝くのではなく、むしろ落ち着いた姿になっているのが印象的だった。力をむき出しにするのではなく、内側に秘める。神と呼ばれる戦士にふさわしい変身だと感じた。
笑いと温かさの回
第4話は、ジャンケンの長い攻防に始まり、悟空とブルマの軽口、神龍の低姿勢、ベジータの家族サービス、そしてビーデルの告白と、笑いと温かさが詰まった回だった。地球が破壊されるかどうかという大きな危機の中で描かれていたのは、家族や仲間とのつながりそのものだ。
スーパーサイヤ人ゴッドは、一人の力では生まれない。正しい心を持つ仲間たちが手を取り合い、心を注いで初めて誕生する神の姿。そこにベジータや、まだ生まれていない命までが加わったことに、この作品が長い年月をかけて描いてきた絆の重みを感じた。
ついにゴッドとなった悟空と、それを待ち続けたビルス。破壊神が求めた存在がいよいよ目の前に現れ、物語は大きな山場を迎える。悟空がこの新たな力で破壊神とどう向き合うのか、その行方を見届けたい。




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