2nd Seasonの最終回、第25話の副題は「はじまりの召喚士」。レーゼルの二つ目の心臓を潰したドゴラが力尽き、打つ手がなくなったところに現れたのは精霊王ローゼンだった。ステータスの底上げとクールタイムの解除で、仲間たちはもう一度エクストラスキルを放つ。魔神を倒したあと、ローゼンはクレナを星5つの剣王に転職させる。最後にヘルミオスは、アレンをはじまりの召喚士と呼び直した。




副題「はじまりの召喚士」と、公式のあらすじ
あらすじが止めた場所
2nd Seasonの最終回、第25話の副題は「はじまりの召喚士」。公式サイトのあらすじは、「エクストラスキルを発動し、全身全霊の一撃でレーゼルの2つめの心臓を破壊したドゴラ」から始まる。しかし「反撃を受けたドゴラは力尽きてしまう」と続き、「打つ手が無くなり勝利は絶望的」という状況で「その時、戦場に降臨したのは!?」と結ぶ。あらすじは誰が現れるかを伏せたまま止めていて、最終回はその答えから一気に動き出す。
前回の最後の一撃
第24話は、仲間に頼りにされながら自分を弱いと言っていたドゴラが、最後に前へ出るところで終わっていた。その一撃が、今回レーゼルの二つ目の心臓を潰す。エクストラスキルを使えなかった男の、最初で最後になりかけた一撃から最終回が始まる。
力尽きたドゴラと、終わらない魔神
一撃の代償は大きかった。
「心臓はいくつあるんだ」
倒れたドゴラに「起きろ ドゴラ」と呼びかけるが、返ってくるのは「脈が…」という言葉だった。すぐに蘇生魔法をかけるよう指示が飛ぶ。一方、レーゼルは「馬鹿な あんな雑魚に心臓を潰されたというのか」と驚きながらも倒れない。「2個目の心臓を潰した それでも死なないのか」「心臓はいくつあるんだ」という声に、絶望が混じる。仲間の命と引き換えに与えた傷でさえ、決定打にならないという展開が、あらすじの言う絶望をそのまま画面にしている。
「なんとしても みんなを逃がすんだ」
アレンは「なんとしても みんなを逃がすんだ」と撤退を考えるが、返ってくるのは「全員で一緒に」という声だった。勝つための手段を選ばないはずのアレンが、最初に考えるのが仲間を逃がすことだという点に、この2nd Seasonで積み重ねてきた関係が表れている。
精霊王ローゼンの降臨
その時、ソフィーが祈る。
「さあ 僕に何を望む」
「お願いします 大精霊様」「何卒お力を」という祈りに応えて現れたのは、精霊王ローゼンだった。ローゼンは「さあ 僕に何を望む」と問いかける。レーゼルの抗議には「先に理を破り神域を犯したのはお前じゃないか」と返す。あらすじが伏せていた降臨の主は、ずっと小さな姿でそばにいた精霊王だった。
「全員のステータスが3割上がってるぞ」
ローゼンの力で、「全員のステータスが3割上がってるぞ」「力が湧いてくる」と、戦況が一変する。ローゼンは「世界中を血で汚そうとするなら」「僕は何度でも現れるよ」とレーゼルに言い放つ。ステータスという数字で奇跡が語られるのが、ゲーム的な世界を描くこの作品らしい。
「アレン君は強欲だな」
それでも魔神を倒すには足りないと考えるアレンに、ローゼンは「もう アレン君は 強欲だな」「言ったでしょ 心が読めるって」とあきれる。「エルメア様に怒られそうなんだけど」と渋りながらも、アレンの「エルフのためです 怒られません」という強引な説得に折れ、「精霊王の祝福は」クールタイムを一回だけなくすというヒントを出す。そこでアレンは「みんな エクストラスキルがもう一度使えるようになったぞ」と気づく。神に近い存在にまで遠慮なく注文をつけるアレンの貪欲さが、ここでは勝ち筋を引き出している。
クレナのエクストラスキル
再びエクストラスキルが使えるようになり、反撃が始まる。
「できる 絶対できる」
ドゴラへの蘇生がもう一度試みられる中、アレンはクレナにエクストラで追い詰めろと指示する。しかしクレナのスキルはなかなか発動しない。アレンは「あのドゴラだってエクストラを使えたんだぞ」と叱咤し、クレナは「できる 絶対できる」と自分に言い聞かせる。ついに発動すると、「クレナすごいわ」と声が上がる。ドゴラの一撃が、ここでクレナの背中を押す言葉として使われている。
勇者と魔導士の一撃
「魔人にダメージが通ってる」という状況に、ヘルミオスは「いやー 君たちは本当面白いな」と笑い、「行くよ クレナ君」と並んで攻める。逃げようとするレーゼルには、セシルのエクストラスキルが放たれる。「ダメよ みんなが巻き込まれるわ」とためらうセシルに、アレンは大丈夫だと言い切り、セシルは「やっと私の出番ね」と応える。最後は、ヘルミオスが「今なら きっと」と狙いを定め、「見つけた」と一撃を放つ。それぞれが自分の切り札を出し切る流れが、最終回の決戦らしい高揚感を生んでいる。
起きないドゴラ
魔神を倒した後、一行はドゴラのもとに集まる。
「なのになんで起きないんだよ」
「おい ドゴラ 俺たち魔人倒したんだぞ」「なのになんで起きないんだよ ドゴラ」と呼びかけ、「ドゴラ 起きてドゴラ」と泣く声が重なる。しかしアレンは、「体力は全回復してる 起きないと置いてくぞ」と言う。蘇生は成功していたのに、目を開けないドゴラという構図で、悲しい場面が一転して笑いに変わる。
「お前 そう言ったよな」
起き上がったドゴラは、「あのドゴラだってエクストラを使えたんだぞ」「お前 そう言ったよな」とアレンに詰め寄る。クレナを励ますための言葉が、本人にしっかり聞こえていたのである。命がけの一撃を放った男が、最後は「あのドゴラ」扱いに怒るという締め方が、この仲間たちの関係らしい。「二人とも優秀なエクストラスキルだったね」という言葉で、ドゴラとクレナの二人がそろって報われる。
レーゼルの最期と、キュベル
しかし、戦いはまだ終わっていなかった。
「約束の地で死ねるのなら」
「魔人のログが流れない」「魔人はまだ生きている」と気づいた一行が追うと、レーゼルは世界樹のそばで崩れかけていた。「約束の地で死ねるのなら」「悪くない」とつぶやき、「覚えておくがいい」「我が死んでも」「第二」「第三の」と言いかけて、「いや もうよい」と言葉を止める。最後の言葉は「お前に見せてやりたかった」だった。ダークエルフの魔神の最期が、呪いの言葉ではなく、誰かに世界樹を見せたかったという願いで終わっている。
上位魔人キュベル
そこへ現れたのは、道化のような姿のキュベルだった。「上位魔人だ」「あの絶対勝てないって魔人か」と緊張が走る中、キュベルは「魔王軍の幹部として敗北の理由を確かめにね」と言い、レーゼルについては「素質はあったのに結局一番大切なものは捨てられなかったんだよね」と評する。あれほどの魔神ですら幹部の駒の一つにすぎなかったと分かる場面が、魔王軍の大きさを一気に広げている。
「この中にアレン君がいますよね」
キュベルが「はいはいこの中にアレン君がいますよね」「手を挙げてください」と呼びかけると、仲間は「アレンさんはここにいません」「僕らのために自らを犠牲にして魔人を倒してくれました」とごまかす。しかし「お前がアレンだろ」「黒髪はお前しかいないし」と見抜かれ、「だったら聞くな」と返される。緊迫した場面を、全員でとぼける茶番で乗り切るのが、この作品の呼吸である。去り際のキュベルは「君と会えるのを楽しみにしてるんだから」と言い残していく。
46日後と、ローゼンのお礼
「こうしてローゼンヘイムでの戦いは終わった」とナレーションが語り、ネストに到着してから「46日後のことだった」と続く。
「勇者ヘルミオスが倒したってことで」
女王から感謝を伝えられたアレンは、「魔人については勇者ヘルミオスが倒したってことで」と念を押す。理由は「英雄とか持ち上げられて自由に動けなくなったらどうするんだ」だった。手柄を譲る判断が、名誉よりも自由を選ぶアレンの価値観をよく表している。女王は、ダークエルフの王オルバースとは「500年前より休戦協定を結んでいるのです」と明かし、今後は外交で話し合う考えを示す。
「モード変更はしないよ」
精霊神となったローゼンは、お礼として仲間たちを転職させる。アレンは例によってさらに要求するが、ローゼンは「モード変更はしないよ」と釘を刺す。アレンは「できないじゃなくてしないってことは方法はあると」と受け取る。ヘルモードという題名そのものに関わる話を、聞き逃さずにヒントとして拾っていくアレンの抜け目なさが光る。
一人だけの星5つ
ローゼンは「星5つの才能に転職できるようにしてあげる」と言うが、それは「一人だけ」だった。アレンが選んだのはクレナで、理由は「クレナはもともと星3だから1回しか転職できない」ので、それが平等だというものだった。転職の結果、クレナは剣王に、ほかの仲間たちもそれぞれ上位の職になる。最も強くなる機会を、最も伸びしろが限られていた仲間に回す判断に、アレンの公平さがある。
英雄王ヘルミオス
さらに創造神エルメアが現れ、「ヘルミオスよ ここまでよく戦いました」「苦難に満ちた道を歩むあなたにも 転職の機会を与えます」と告げる。ヘルミオスは星6つの英雄王になる。勇者でさえまだ上に行けるという事実が、この世界の天井の高さを示している。
「はじまりの召喚士」
最後に、次の目標が示される。
「バウキス帝国のS級ダンジョンだ」
アレンは「次なる目標はドワーフの国」「バウキス帝国のS級ダンジョンだ」と言い、「メルルに会いに行こう」と続ける。戦いを終えた直後に、もう次の攻略先の話をしているのが、やり込み好きのゲーマーらしい。
「絶望なんて何度でも越えていきます」
ヘルミオスは「前に君が言ってた言葉 今なら信じられるよ」と言い、それは「絶望の先を越えてみせるって」という言葉だった。アレンは「絶望なんて何度でも越えていきます」「あの手この手で楽しみながら」と答え、ヘルミオスは「楽しみながらか」「君らしいよ アレンくん」と笑って、はじまりの召喚士と呼び直す。副題は、勇者から召喚士に贈られた呼び名として回収されている。
まとめと考察
第25話は、ドゴラの犠牲と蘇生、精霊王の降臨、仲間たちのエクストラスキル、そして転職と次の旅立ちまでを描いた2nd Seasonの最終回だった。公式サイトでは、3rd Seasonとなる『S級ダンジョン攻略編』の制作決定が発表されている。
一人の天才ではなく、パーティーの勝利
ローゼンヘイム編の決着は、アレン一人の力ではなく、ドゴラの一撃、クレナの覚醒、セシルの魔法、ヘルミオスの剣がそろって初めて届いた勝利だった。召喚士であるアレンが、最終回では仲間の力を引き出す側に回っている。はじまりの召喚士という呼び名は、その役割を指しているようにも読める。
絶望を楽しむ
「絶望なんて何度でも越えていきます」「あの手この手で楽しみながら」という言葉は、ヘルモードという過酷な設定を楽しむこの作品の姿勢そのものである。絶望的な戦況でも、最後には楽しみながらと言える主人公だからこそ、次のS級ダンジョンへの旅立ちも軽やかに見える。











































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