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『野生のラスボスが現れた! 第2期』第16話は、暴走したスコルピウスとの戦いを終えたルファスたちが、ブルートガングの中枢で、人格を移したゴーレムとなった鍛冶王ミザールと久しぶりに再会する回だった。テラに正体を見抜かれたディーナ、ミザールが語る200年前の真実、そして魔神族の正体まで、物語の核心に迫った第16話を場面ごとに振り返っていく。




第16話 魔神族の中のディーナ
『野生のラスボスが現れた! 第2期』第16話は、スコルピウスとの戦いを終えたルファスたちがブルートガングの中枢へ招かれ、七英雄の一人、鍛冶王ミザールと再会する回だった。200年前の戦いの真実、魔神族と女神の関係、そして魔神族の正体。物語の核心に一気に踏み込んだ第16話を、場面ごとに振り返っていく。
テラの問い
冒頭、魔神族の側では、テラが七曜の一人として潜り込んでいたディーナを問い詰めていた。天と魔、二つの素質がなければ発動しない古の秘術を使える者が、魔神族であるはずがない。テラはルーナを伴い、これまでの不可解な出来事を一つずつ突きつけていく。
アリエスの存在をマルスに教え、先走らせたこと。ギャラルホルンの火種をユピテルに吹き込み、アイゴケロスを連れて行くよう誘導したこと。ルーナのブルートガング潜入に合わせてスコルピウスを動かし、事を大きくしたこと。「どこの世界に潜入任務を派手にする奴がいるか」というテラの怒りはもっともで、ここまで並べられると、これまでの事件の多くが一本の糸でつながっていたことに驚かされる。
そしてテラは、そもそもの始まりにまで踏み込む。「勇者召喚の儀でルファス・マファールが誤って召喚されたというのがおかしい」。召喚に割り込みをかけ、さらにルファスを誘導して父と衝突させたのではないか。ディーナはその問いにだけ答える。「私があの戦いを演出しました」。ルファスの復活そのものが誰かに仕組まれていた可能性が示され、背筋が寒くなった。
お人形のルーナ
何を企んでいるのかと迫るテラに、ディーナは、あなたになら教えてもいいが彼女の前では話せないと言う。「ルーナは俺が信頼する唯一の部下」とテラが返しても、答えは変わらない。「あなたがNPC お人形だからです」。
「お人形であることを自覚していない」、「かわいそうなルーナ」。自分が玩具であることにも気づいていない、と言われたルーナの表情が痛々しい。テラは「黙れ」と一喝し、「これ以上ルーナを侮辱することは許さん」と部下をかばう。魔神族の王子でありながら、部下を一人の存在として扱うテラの誠実さが際立つ場面だった。
正体を見破られたディーナは、「そろそろ演ずるのにも飽きたところですし」と言い残し、敵として会う日までごきげんよう、と姿を消す。ディーナのどこまでが本心で、どこからが演技なのか。ルファスの参謀として見せる顔とはまるで違う冷たさに、改めてこの人物の底知れなさを感じた。
一方で、テラがルーナをかばう姿には、魔神族という存在の見え方を変える力があった。これまで魔神族は、人類を襲う得体の知れない敵として描かれてきた。けれどテラは、信頼する部下を侮辱されて本気で怒る。敵側にも守りたいものがあると示したこの場面は、のちに明かされる魔神族の正体と重ね合わせると、いっそう切なく響いてくる。
七曜をクビになったディーナ
ルファスのもとに戻ったディーナは、七曜はクビになっちゃいました、と軽い調子で報告する。さっきまでの冷たさがうそのような口ぶりだ。余裕ぶっていたが実際は危なかった、テラは自分と同じレベル1000で、ステータスも妙に高い、HPはルファスより高い、と次々にまくしたてる。
ルファスは、これからはダブルスパイもできないな、と受け流しつつ、内心ではこいつのスパイ行為が役に立ったことはあったか、と首をかしげている。ディーナを疑いながらも手放さないルファスの姿勢は前回から変わらない。テラとのやり取りで明かされた事実を、ルファスがどこまで知っているのかも気になるところだ。
鍛冶王ミザールとの再会
量産型リーブラ
街中の魔神族を片づけて戻ってきたリーブラに、ルファスは目を見張る。リーブラが三人いる。現れたのは「量産型リーブラ3号機と申します」と名乗るゴーレムたちだった。オリジナルを前に、ようこそブルートガングへ、と礼儀正しく歓迎する。
ところが当のリーブラは、「これはどうもご丁寧にリーブラと申します」とあいさつを返すだけ。「えっリアクションそれだけ」、「驚くほどに淡白だな」とルファスが突っ込む。自分そっくりの量産型が三体並んでいても動じないリーブラの淡白さが、いかにも彼女らしくて笑ってしまった。
アイゴケロスの失態
一方、アイゴケロスは大きなヤギの姿で黄昏れていた。「申し訳ありませんでした我が主」。七曜を生け捕りにする任を果たせなかったのだ。リーブラは「とても信じられない失態ですね」、「腕が落ちたんじゃないですか」と容赦がない。
けれどルファスは、魔神王の息子まで出てきたのを読めなかった自分のミスだと言い、「まあ気にするな失敗は次に生かせばよい」と部下をかばう。感激するアイゴケロスと、その横でまた皮肉を言うリーブラ。十二星天どうしの小競り合いと、それをまとめるルファスの器の大きさが、ほほえましく描かれていた。
ゴーレムとなったミザール
ブルートガングの軍部を任されている人物に案内され、ルファスたちは都市の中枢へ向かう。そこにあったのは巨大なクリスタルだった。「これゴーレムなのか」。このゴーレムこそがブルートガングの中枢であり頭脳、そしてあの方のすべての記憶と人格を複製し移植した偉大なる王だという。
来たか、久しいの。「我が娘よ」、「そして我が友」。ルファスと再会したのは、ゴーレムとなった鍛冶王ミザールだった。ブルートガングは彼が残した守りであると同時に、彼自身でもあったのだ。ゴーレム好きも大概だな、と呆れるルファスに、「それは褒めてるのか」と返すミザール。二人の軽口から、かつての友情の深さが伝わってくる。
200年前の真実
ミザールは語る。「あの時のミザールは何かに動かされていた」。人格を移したコピーである自分のほうが本当のミザールに近く、本物のはずのミザールが別人になってしまった。日に日におかしくなっていくオリジナルを見ているのは苦痛だった、と。おかしくなったのは、ルファスと一緒に女神の聖域から帰ってきた頃からだという。
アリオトやメグレズたちも、その頃からルファスに敵愾心を抱くようになった。ただしベネトナシュだけは、もともとルファスに執着していたので、女神が何もしなくても勝手に喧嘩を吹っかけた気がする、と。「ほんとどこに行ってもあいつへの意見だけはぶれないな」というルファスの一言には笑ってしまった。
「けど殺しちまおうなんて考えるのは異常だ」。だからオリジナルは、まだまともなうちに人格をゴーレムに移した。ルファスを倒したあと、つきものが落ちたように元に戻ったが後の祭り。償いとして魔神王に挑むも惨敗し、両腕を失った。「ミザールは友も腕も平和な世界も何もかもを失っちまったのさ」。七英雄もまた、女神に人生を狂わされた被害者だったという事実が、とても重く響いた。
第16話のまとめ考察
魔神族の正体は魔法
ミザールが伝えたのは、女神の情報だった。魔神族と女神はつながっている。そして魔神族の正体は、と言いかけたところで、ルファスが先に答える。「魔法だな」。魔神族は生き物ではない。生き物であるかのように作られた魔法であり、だから疑いもなく人類を襲う。「あれは女神から放たれた人類への攻撃魔法なのだ」。
例外もいる。テラもまた魔法だが、魔神王が作り出した魔法だからこそ、魔神王の息子なのだという。「女神が生み出した魂なき人形なのです」という説明に、ルファスは「まるでNPCだな」とつぶやく。冒頭でディーナがルーナを「お人形」と呼んだ意味が、ここでつながった。魔神族は自分の意思を持っていると思い込んでいるだけの魔法。この設定が明かされたことで、テラとルーナの関係がいっそう切なく見えてくる。
さらにもう一人、女神が生み出した意志を持つ魔法がいる。人類に対する考えの違いから女神のもとを離れ、魚の姿で海へ逃げたというその存在の名を聞いて、ディーナが驚く。それはルファス配下の十二星天の一人の本名だったのだ。「というか俺、女神の息子捕獲してたの」、「ゲームでは説明なかったし」とうろたえるルファスがおかしかった。
リーブラ アストライア
最後にミザールは、壊れたゴーレムや量産型リーブラの修理を頼む。「そのまま処分じゃ報われねえ」。ルファスは、ばらばらになった量産型のパーツを流用した久方ぶりの共同制作を持ちかけ、ミザールも「そいつは面白え」と乗り気だ。200年の時を越えて、友と再び何かを作る。その喜びが画面からあふれていた。
完成したのは、リーブラの新たな武装アストライア。火力最大、全攻撃一点集中の一撃は、山を一発で消し飛ばしてしまう。「これを打ち込める敵はどこですか」と目を輝かせるリーブラに、ルファスは「こいつ火力与えちゃダメなタイプだ」と頭を抱える。田中もミザールの素材でレベル400にパワーアップし、ひと回り大きくなった。次の目的地はアルフヘイムに決まる。
カストールと魔神王
ラストでは、十二星天のカストールが魔神王と対峙する。魔神王が求めるのは、船に隠された「天へ至る鍵」。カストールは「天へ至るのは我が主一人だけ」と退け、英霊たちの軍勢を呼び出して魔神王を迎え撃つ。「これはいつか帰還する主のものなのだ」。200年たっても揺らがない、ルファスへの忠誠が胸を打つ。
第16話は、ミザールとの再会を通して、200年前の悲劇の裏に女神の手があったこと、そして魔神族が女神の放った魔法だったことが明かされる回だった。友を失い、両腕を失い、泣き続けたというオリジナルのミザールの姿は、七英雄もまた女神の駒にされていたことを物語っている。量産型リーブラやアストライアの笑いの裏で、物語は確実に核心へ近づいている。ディーナの思惑と、天へ至る鍵を狙う魔神王の動きから目が離せない。ルファスとミザールの久しぶりの共同制作が、これからの旅でどう生きてくるのかも楽しみだ。




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