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商店街で初めて開かれるハロウィンイベントの日、あんなたちは母親とはぐれた女の子ひなのと出会う。おジャ魔女どれみが大好きなひなのが、お母さんと作ったほうきを魔女に変装したアゲセーヌに奪われ、あんなたちはおジャ魔女姿になって追いかける。名乗りや呪文まで再現された特別な回だった。手作りの仮装、おジャ魔女への変身、そして一回だけの魔法まで、第39話を振り返る。




第39話 初めての商店街ハロウィン
第39話「おジャ魔女なハロウィン♪」は、商店街で初めて開かれるハロウィンイベントを舞台にした、おジャ魔女どれみとのコラボ回だった。迷子の女の子ひなのとの出会い、魔女に変装したアゲセーヌに奪われたほうき、そしておジャ魔女姿になったあんなたちの大活躍。懐かしさと楽しさがぎっしり詰まった第39話を振り返っていく。
手作りの仮装
冒頭、ジェット先輩のもとに現れたのは、思い思いの仮装をしたあんなたち。プリキッドグロスを使えば簡単に仮装できるのに、わざわざ衣装を手作りしたのだという。死神に悪魔、吸血鬼、キョンシー。本や映画を見て調べるのが楽しかったという声もあり、準備の時間そのものを楽しんでいる様子がほほえましい。
お化けが苦手だったはずのみくるも、「怖いよりはみんなで仮装したり」準備をするほうが楽しいから大丈夫だと笑う。みんなと一緒だから怖くないという気持ちが、そのままハロウィンの楽しさにつながっている。最後に飛び出した「本物も来ちゃったりして」という一言が、この回の展開を予感させるようで面白かった。
手作りの衣装には、それぞれの好みや調べたことがしっかり反映されていて、見比べるだけでも楽しい。キョンシーの動きを実際にジャンプして見せる場面もあり、仮装を通して新しいことを知る楽しさがよく伝わってきた。ハロウィンを単なるお祭りではなく、みんなで何かを作り上げる時間として描いているのが、この作品らしいところだと思う。
商店街のイベントは、あんなが商店街の会長に直談判して実現したものだった。「この時期にもみんなで楽しめるお祭り」があることを知ってほしい。そんなあんなの思いが、商店街を仮装した人たちでにぎわう光景につながっている。お店を回ってお菓子をもらい、その場で仮装グッズまで売られているあたりには、「商売上手」と思わず感心してしまった。
迷子のひなの
にぎやかな商店街の片隅で、あんなたちは母親とはぐれて泣いている女の子に出会う。名前はひなの。「私たち探偵だからすぐ見つけるよ」と声をかけるあんなたちに、ひなのは「ありがとう探偵さん」と笑顔を見せる。探偵として困っている人に手を差し伸べる姿は、ハロウィンの仮装姿でもいつもどおりだった。
母親はすぐに見つかったが、赤ちゃんの弟が泣き止まず、一緒に回るのは難しそうだった。そこであんなたちは、ひなのを後で家まで送り届けることにして、「一緒にハロウィン楽しもう」と誘う。迷子になって心細かったはずのひなのが、うれしそうにうなずく姿に心が温かくなった。
ひなのにとって、初めて会ったお姉さんたちと回るハロウィンは、少しどきどきする冒険だったはずだ。それでも安心して一緒に歩けたのは、あんなたちが最初から目線を合わせて話しかけ、困っている気持ちに寄り添っていたからだろう。依頼人の不安を取り除くことから始めるのは、探偵としてのあんなたちのいつものやり方でもある。
おジャ魔女どれみに憧れて
日曜日の朝のアニメ
ひなのの衣装は、カラフルな魔女の格好。聞けば、大好きなおジャ魔女どれみのどれみちゃんの衣装だという。うっかりしゃべってしまったマシュタンを腹話術だとごまかす場面も、ひなのを楽しませる小さな見せ場になっていた。おジャ魔女どれみを知らないあんなたちに、「日曜日の朝にやってるアニメよ」と教える一言には、思わず笑ってしまった。
どれみちゃん、はづきちゃん、あいこちゃん、おんぷちゃん。4人の「魔女見習い」が、魔女になるために「困ってる人を助けたり」試験を受けたりしながら頑張る物語だと、ひなのは目を輝かせて説明する。困っている人を助けるという点では、探偵として依頼人の力になるあんなたちとも重なるところがあり、コラボの組み合わせとしてとてもしっくりきた。
ひなのが持っているほうきは、「お母さんと一緒に作った」大切なもの。どれみちゃんみたいにほうきで「飛んでみたいんだ」という夢を語るひなのの姿は、作品を心から愛する子どもそのもので、見ていて胸がいっぱいになる。
おジャ魔女どれみが日曜日の朝のアニメとして紹介され、シュシュタンたちが毎週楽しみに見ているという設定も心憎い。作品の中に別の作品が自然に溶け込んでいて、両方を知る視聴者にとっては思わず頬がゆるむ仕掛けになっていた。
奪われたほうき
そこへ現れたのが、魔女の格好をした人物。ほうきを見せてほしいと言って自分のほうきと交換すると、そのまま逃げてしまう。正体はアゲセーヌだった。マコトジュエルはひなのが作ったほうきに宿っていたのだ。商店街でお菓子をもらい、ハロウィンを満喫していたアゲセーヌの姿もどこか憎めない。
泣き出しそうなひなのに、あんなたちは「絶対取り返す」と約束する。ジェット先輩にひなのを任せ、アゲセーヌを追いかけるが、足跡は途中で消えてしまう。別の変装をしたのかもしれない。それなら自分たちも、気づかれないように別の仮装をしよう。ここから物語は一気におジャ魔女どれみの世界へと飛び込んでいく。
ほうきは、お母さんと一緒に作ったひなのの宝物だ。マコトジュエルが宿るほど大切にされてきたものを奪われる悲しさは、子どもにとって計り知れない。あんなたちが迷わず追いかけたのは、探偵としての使命感だけでなく、ひなのの夢を守りたいという気持ちがあったからだと思う。
おジャ魔女に変身
「ハロウィンといえば魔女」。ひなのを助ける魔女といえば、もちろんあの4人しかいない。プリティスマイルをたっぷり注いだプリキッドグロスで、あんなはどれみちゃん、みくるははづきちゃん、くれあはあいこちゃん、るるかはおんぷちゃんの姿に。名乗りのポーズまで再現されていて、往年のファンにはたまらない瞬間だった。
るるかのポーズが、おんぷちゃんの見せ場をなぞっているのも細かい。シーズンごとの違いまで意識されたこだわりに、制作陣のおジャ魔女どれみへの愛を感じた。
衣装の違いにまで目を配っているのが、ファンとしてはうれしいところだ。どのキャラクターに誰が変身するかという組み合わせにも、それぞれの性格がよく表れている。
はづきちゃんになっても、みくるはどこまでもみくるらしい。慣れない衣装に戸惑いながらも楽しそうにしている姿が、見ていて愛らしかった。メガネをかけたはづきちゃんの姿が、みくるには不思議なほどよく似合っている。
そしてマシュタンのこだわりの強さも、この回の大きな見どころだった。ほうきの乗り方ひとつにも口を出し、作品への愛を全身で表現する姿には笑わされっぱなしだった。
マシュタンの熱量が、おジャ魔女姿のあんなたちをいっそう本物らしく見せていたように思う。
第39話のまとめ考察
空飛ぶほうきと魔法の呪文
アゲセーヌに追いつくと、ひなののほうきは「交換しただけだし」と開き直られ、さらにアゲセーヌはほうきで空へ。ところが、おジャ魔女になったあんなたちもほうきで空を飛べてしまう。「空とぶほうき一度は乗ってみたかったんだよね」と喜ぶ声に、こちらまでうれしくなった。ほうきの乗り方を教わる場面では、「横座り」こそはづきちゃん流だと説明され、細部まで抜かりがない。
「なんで飛べるわけ」、「意味わかんないし」と慌てるアゲセーヌを前に、ついには魔法の呪文ピリカピリララポポリナペペルトまで唱えてみせる。ところが魔法玉がなければ魔法は使えない、というお約束のオチ。それでもほうきの乗り方を覚えたあんなたちはアゲセーヌに追いつき、プリキュアに変身してハンニンダーを浄化する。
戦いの後には、働いたご褒美として魔法玉が現れる。「一回だけ」魔法が使えると知ったあんなたちが願ったのは、「ひなのちゃんの夢を叶えて」ということだった。自分たちのためではなく、ひなののために魔法を使う。困っている人を助けるおジャ魔女の姿と、依頼人に寄り添う探偵の姿が、ここできれいに重なった。
魔法玉がなければ魔法は使えないというオチも、きちんと戦い抜いたからこそ最後に魔法が使えるという流れも、おジャ魔女どれみらしさを大切にした作りだった。魔法は困っている人のために使うもの。その考え方が、プリキュアとしてのあんなたちの姿とも自然に重なっていて、二つの作品の良さが一つの物語の中で生きていた。
ひなのの夢
ほうきにまたがり、空を飛ぶひなの。「お姉さんたち本物のおジャ魔女なの」と尋ねるひなのに、4人がそろって「ナ・イ・ショ」と返す場面は、おジャ魔女どれみを見ていた世代にはたまらない演出だった。迷子から始まったひなののハロウィンが、一生忘れられない思い出に変わった瞬間だ。
ひなのが空を飛ぶ姿を見守るあんなたちの表情も、とても晴れやかだった。誰かの夢が叶う瞬間を一緒に喜べること。それはおジャ魔女にとっても、探偵にとっても、何よりの報酬なのかもしれない。ハロウィンの夕暮れに広がる温かい空気が、画面越しにも伝わってきた。
敗れたアゲセーヌも「でもあのカラフルな魔女服超かわいかったし」と、おジャ魔女どれみを見てみる気になっている。敵まで作品の魅力に引き込んでしまうのが、なんともこの回らしい。おしゃれにこだわるアゲセーヌだからこそ、カラフルな魔女服に心をつかまれたのだろう。悔しがりながらも素直に認めてしまうところに、彼女の憎めなさがよく出ていた。
そして最後は「ハッピーラッキーみんなにとーどけ」の決め台詞で締めくくられた。最初から最後まで、おジャ魔女どれみへの敬意と愛情があふれたコラボ回だったと思う。
振り返ってみると、第39話は誰かの夢を大切にすることを描いた回だった。お母さんと作ったほうきで空を飛びたいというひなのの夢を、あんなたちは探偵として、そしておジャ魔女として全力で叶えてみせた。ハロウィンという特別な日に、世代を超えて愛される作品同士がつながったことも含めて、見ていて心から楽しい一話だった。




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