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『野生のラスボスが現れた! 第2期』第17話「狩猟祭の参加者達が現れた!」は、ルファス一行が獣人の国ドラウプニルに立ち寄る回だった。自分に自信が持てないウィルゴの狩猟祭への挑戦、黄金のリンゴと黒い翼の秘密、そして父の教えを胸に進む勇者セイとウィルゴの思いがけない出会いまで、見どころがぎっしり詰まった第17話を、順に振り返っていく。




第17話「狩猟祭の参加者達が現れた!」 獣人の国ドラウプニルへ
腕にへばりつくスコルピウス
『野生のラスボスが現れた! 第2期』第17話は、前回仲間に戻ったスコルピウスが、ルファスの腕にべったりとくっついている場面から始まる。「ルファス様のためなら、わらわは血の果てまでお供しますわ」。寂しい思いをさせて暴走までさせてしまった手前、ルファスも強くは言えない。
そこへ割って入るのがリーブラだ。「マスターの迷惑となっております」、「これ以上は私が許しません」。ルファスをめぐって火花を散らす二人に、「やめよそなたら」と止めに入るルファス。女神の影響が解けたからか、再会で憎悪が晴れたからか、レベル800に戻ったスコルピウスの元気さが頼もしくもあり、騒がしくもある。
機械らしい冷静な口調で「戦えば粉々になるのはあなたの方です」と言い返すリーブラと、スクラップにしてやると息巻くスコルピウス。かつて同じ十二星天として並び立った二人が、200年ぶりの再会でこうして遠慮なくぶつかり合えるのも、ルファスのもとに戻ってきたからこそだろう。騒がしいけれど、どこか家族げんかのような温かさがある。
私みたいな低レベルがここにいてもいいのかな
そんなにぎやかな一行の中で、ひとりだけ浮かない顔をしていたのがウィルゴだった。「私みたいな低レベルがここにいてもいいのかなーと。」。周りはレベル800ばかりで、自分はその半分にも満たない。ルファスは「この世界では強者だ。」と励ますが、比べる相手が規格外すぎるのだから、ウィルゴが気後れするのも無理はない。
一行が向かう先にあるのが、七英雄のドゥーベが皇帝として建国した獣人の国ドラウプニル。種類の多い獣人を一つにまとめるため、王ではなく皇帝を名乗っているのだという。「ルファス様が築き上げた統治を横取りしただけだと断言します」と言い切る容赦のなさに、「お前本当にミザール以外の七英雄には容赦ないね」とツッコミが入るのも笑える。
そして、近々この国で狩猟祭が開かれるという情報をもたらしたのはスコルピウスだった。捕獲した魔物を一斉に放ち、誰が一番多く狩れるかを競う祭り。なぜそんなに詳しいのかと思えば、「攻め込む予定だったんですもの」。ルファスの「やべえスコルピウス回収してマジ正解だった」という心の声に、思わず吹き出してしまった。
狩猟祭の話を聞いたルファスは、「ウィルゴ参加してみるといい」と背中を押す。「そなたはあのパルテノスが見出した後継なのだ」、「気楽にやるといい」。仲間の実力を一番よく知っているからこそ、自信をつけさせる場を用意してあげるルファスの優しさがうれしい。解説役のディーナが出番を奪われていた点も含めて、微笑ましい導入だった。
勇者セイが選んだ道
黄金のリンゴと黒い翼
一方、勇者の南十字瀬衣は、ルファス・マファールに会うためドラウプニルを目指していた。その前に、ある人物から語られたのが、急速にレベルを上げる方法の正体だ。「それはアイテムとして存在する」、「黄金のリンゴだ」。そして、それを生み出せるのは「ルファス・マファールだけだ」という。
神話の時代、最初の天翼族はマナを集めて黄金のリンゴに変える力を持っていた。しかし翼ある民の誰かが禁断の実を口にし、女神の怒りに触れて翼を失い人間になった。残った天翼族もマナを集める力を失い、世界にはマナがあふれた。そして、女神の目を逃れた者の子孫が先祖返りを起こして生まれたのがルファスであり、「彼女の黒い翼はおそらくそれが原因だ」と語られる。あくまで推測だと前置きされてはいるが、ルファスの黒い翼に新しい意味が与えられる重要な場面だった。
銃口を向ける先を決して間違えるな
この世界の人には受け入れがたい真実を、それでも求めるのはなぜか。そう問われたセイが語ったのは、警察官だった父の話だった。「俺にとって父は誇りだった」。けれど父は、無実の人を捕まえてしまい、再捜査すべきだと考えながらも周りに流され、その人は自ら命を絶った。罪悪感から警察を辞めた父が、それでも何度も教えてくれた言葉がある。
「銃口を向ける先を決して間違えるな」、「たとえ周りに何と言われようと」、「正しい選択をしろと」。だからこそセイは、「俺は真実へと至る道を選びます」と答える。世間の評判だけでルファスを判断せず、自分の目で確かめようとする姿勢には、勇者として選ばれた理由がはっきりと表れていた。仲間を危険から遠ざけてでも真実を伝えた語り手の判断も、セイの覚悟を信じたからこそだろう。
セイの父の話は、ただの過去語りではなく、この物語全体のテーマにも重なっているように思う。女神に誘導され、多くの人が魔神族やルファスを敵だと思い込まされてきたこの世界で、銃口の向け先を間違えないという教えはとても重い。セイがこの先ルファスと向き合ったとき、どんな答えを出すのかが楽しみになった。
マスターの望む道を全力でサポートする
その夜、リーブラはルファスに率直な疑問をぶつける。200年前にはいなかったディーナという存在と、ルファスがその事実を仲間に隠していること。「彼女は危険です」と拘束を進言するリーブラに、ルファスは早まるなと首を振る。ディーナがルファスを誘導してきたのだとしても、今のところすべてルファスの利に働いている。その矛盾こそが、彼女の正体を考えるうえでの鍵になりそうだ。
「私はマスターの望む道を全力でサポートするのみ」、「たとえそれが間違いであろうとも」、「間違いごと打ち砕くのが私の役目です」。リーブラのこのまっすぐな忠誠には、思わずぐっときた。ルファスを信じて待つと決めたリーブラの覚悟が、静かな場面の中で強く光っていた。ディーナを疑いながらも、最後はルファスの判断に委ねる。その信頼の深さこそが、十二星天という仲間の強さなのだと改めて感じさせてくれる会話だった。
狩猟祭の開幕
現在そのトップを独走するのはウィルゴ選手
いよいよ狩猟祭が開幕する。ルールは単純で、放たれた魔物を狩り、強さに応じたポイントを制限時間内に最も多く集めた者が優勝。ルファスから剣を託されたウィルゴは、「もしかしてこの狩猟祭のモンスターってすごく弱い」と気づき、次々とポイントを重ねていく。
観客席からは、「その調子ですよー」と声援が飛び、物騒な作戦を口にする仲間たちもいて、応援の仕方まで一行らしい。「現在そのトップを独走するのはウィルゴ選手」。会場がざわつく中、同じく出場していたセイも「あの子は俺より圧倒的に格上だ」と、ウィルゴの強さに目を見張る。
一方で、ほかの出場者にもなかなか濃いメンツがそろっていた。「戦いの基本はマッスルだ」と言い放つ筋肉自慢たちの登場には、思わず笑ってしまう。シリアスな話と全力のギャグが同居しているのが、この作品の楽しさだ。
援護くらいはできる
ところが、狩猟祭の最中に、ターゲットではない巨大な恐竜が乱入するアクシデントが起きる。「恐竜いんのかよ この世界」というツッコミも束の間、出場者たちが次々と倒され、セイはひとりで足止めをすることになる。「俺はあの子に比べたら弱いけど」、「何もできないわけじゃない」、「援護くらいはできる」。
自分の力を冷静に見極めたうえで、できることを全力でやる。セイの援護を受けたウィルゴが恐竜を倒し、二人は初めて言葉を交わす。「あなたの援護すごく助かったよ」、「そう言ってもらえると嬉しいよ」。「俺はセイ」、「南十字セイだ」と名乗るセイに、「私はウィルゴ」と返すウィルゴ。勇者とルファスの仲間という立場を知らないまま出会った二人の、少し照れくさいやり取りがかわいらしい。名字と名前が逆なのだと説明するセイに、変わった名前だねと首をかしげるウィルゴ。恐竜がまだ変身するのではと身構えていたウィルゴの天然ぶりも含めて、戦いの後の空気がふっとやわらぐ名場面だった。
印象的だったのは、セイが自分の弱さを素直に認めていることだ。圧倒的に格上の相手を前にしても、ひがんだり張り合ったりせず、自分にできる援護に徹する。父から受け継いだ正しい選択をするという姿勢は、こうした小さな場面にもにじみ出ている。ウィルゴにとっても、レベルではなく行動で信頼できる相手に出会えたことは、大きな意味を持つのではないだろうか。
第17話のまとめ考察
自信と真実、そして謎の矢
第17話は、自信を持てなかったウィルゴが狩猟祭で優勝をつかみ、少しだけ胸を張れるようになる回だった。「これでウィルゴも少しは自分に自信が持てるだろう」というルファスの言葉どおり、仲間たちの祝福の中で笑うウィルゴの姿が本当にまぶしい。
一方で、恐竜を仕留めたのはリーブラの弾丸ではなく、何者かが放った矢だったことも明らかになる。「何者かが放った矢が対象の頭部を貫きました」。遠距離攻撃に特化した射手座のサジタリウスが近くにいるのではないかという推測は、十二星天の新たな合流を予感させる。人間と戦っているはずの彼が、なぜ狩猟祭の場でウィルゴたちを助けるような一矢を放ったのか。その意図も含めて、気になる要素が一気に増えた。
黄金のリンゴと黒い翼の謎、ディーナへの疑い、そして皇帝からの呼び出し。息抜きのつもりで立ち寄ったはずのドラウプニルで、ひと騒動起こりそうな気配が漂う。勇者セイとウィルゴの出会いが、ルファスとセイの関係にどんな形でつながっていくのか、この先の展開が楽しみだ。
祝勝会の席では、仲間たちがそれぞれのやり方でウィルゴを祝福し、スコルピウスも自分ならもっと楽に優勝していたと強がりながら輪に加わっている。そこへ届いた皇帝からの呼び出しに、「私でお役に立てるなら行ってみたいです」と自分の意見を口にしたウィルゴ。回の冒頭で低レベルの自分がここにいていいのかと悩んでいた彼女が、自分から一歩を踏み出したことこそ、第17話のいちばんの収穫だったと思う。




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