『LV999の村人』第8話「Lv8 相容れない」感想|噛み合わないのは味方どうし

『LV999の村人』第8話「Lv8 相容れない」感想|噛み合わないのは味方どうし ファンタジー

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第8話の公式サブタイトルは「Lv8 相容れない」で、これはパルナの台詞「魔族と人間は決して相容れない」から取られている。ところが実際に見ると、この回で噛み合っていないのは、どれも同じ側にいる者どうしだった。鏡がいる地下と、事件が起きる地上。同じ気持ちから正反対のことをするデビッドとパルナ。そして「あなたが何者かなど関係ない」と言った人と、何者かだけで処分を決める人である。

アニ
今週のLV999、副題が「相容れない」だわね!誰と誰のことかしら?
ラン
その間に地上ではアリスの正体がバレちゃうんだよね?大丈夫なのかな…
キャロ
うんうん。呼ばれている人がいちばん遠くにいる、という作りになっていますね。
アニ
デビッドさんとパルナさん、どっちもクルルを思ってるのに真逆なのだわね!

副題「相容れない」が指しているのは、敵と味方のことではない

公式サブタイトルは「Lv8 相容れない」(※1)。これは本編の台詞から取られていて、口にするのはパルナである。「魔族と人間は決して相容れない」。つまり字面のうえでは、魔族と人間のことを指している。

ところが実際に見ると、この回で噛み合っていないのは、どれも同じ側にいる者どうしだった。魔族と人間が争う場面より、味方どうしがすれ違う場面のほうが多い。以下、その三組を順番に見ていく。

一組目は、場所そのもの

この回は、二つの場所を交互に見せる作りになっている。片方は地下で、鏡とメノウがダークドラゴンを探して九十階層より深くまで潜り続けている。もう片方は地上で、アリスの正体が衆目の前で暴かれ、公爵まで乗り込んでくるこの二つは、最後まで一度も合流しない

▼ ネットの反応

僕は今、『Lv999の村人(The Villager of Level 999)』第8話を見ています。
先週で最終回まであと半分を切ったこのアニメも来週からいよいよ後半戦に入ります。
終盤にかけてますます盛り上がります。
#TheVillagerofLevel999 #LV999の村人 #突入
#1週間前 #7日前
#1週間後 #7日後

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呼ばれている人が、いちばん遠くにいる

効いているのは距離である。地上でアリスを逃がす場面で言われるのが「早く鏡様のもとへ」だった。ところが当の鏡は、地上の騒ぎをまったく知らない場所にいる。しかも降りていく途中で階段を数えていて、戻るのに何段登ればいいかまで計算している状態である。助けを求められている人物が、この回でいちばん遠い場所にいる

地下の空気も、それを強めるように作ってある。鏡が口にするのが「腹は減らないし、眠くもならない」という感想で、のんきに稼ぎの話をしている。「六日で二百八十四ゴールドは稼いでる」「無限に湧いてくれれば、一気に稼げるのだが」。同じ時間、地上では全員が捕らえられている。

地下の稼ぎと、地上の期限が同じ通貨でつながっている

金の話が、両方の場面に出てくるのも良い。地下では現れるのは二千シルバー以上のモンスターばかりで、金も運ぶのが大変になってきたという贅沢な悩みになっている。一方の地上では、告発したパルナに向かってレックスが「せめて一万ゴールドを集めるまでは待ってもよかったはずじゃないのか」と言う。

同じ通貨で、片方は稼ぎ、片方は締め切りを数えている。ダンジョンの一日は、地上の猶予が一日減ることでもある。金勘定を前面に出しているこの作品らしい繋ぎ方になっていた。

第8話「Lv8 相容れない」で起きたこと(要点だけ)

公式のあらすじは「鏡とメノウは、幻の怪物ダークドラゴンを求め、聖の森の地下に広がるダンジョンへと潜入する。(中略)レックスたちが捕らえられ、さらにミリタリア公爵が迫るなか、デビッドとタカコはアリスを守るため反撃へと打って出るのだった。」(※1)。本編で起きる順に並べるとこうなる。

  • 地上。アリスたちが魔法の練習をしている。アリスが最初に選んだのは回復の魔法
  • デビッドがアリスに「あなたが何者かなど関係ないのですよ」と伝える。
  • 地下。鏡が「お前との旅、全然楽しくない」と言い出す。十日でほぼ会話が無い。
  • 入り口が見つからないので穴を掘る。掘った先が塞がる現象からダンジョンを発見する。
  • ダンジョンは一直線の道と螺旋階段の繰り返し。鏡が「何かの試験を受けてるみたいだ」と言う。
  • 地上。アリスが六日で炎・爆発・回復の三つを覚える。一方の勇者は十日やって一つも使えない。
  • デビッドがまもなく任を解かれて王都へ戻ると告げる。
  • そこへパルナが現れ、アリスの正体を衆目の前で暴く。
  • ミリタリア・リモート公爵が登場。デビッドの報告が虚偽だったことが明かされる。
  • 公爵の裁定。魔族の子供は、もう一人をおびき出したうえで二人まとめて始末する
  • デビッドとタカコが反撃し、アリスとタカコだけが逃がされる
  • 地下。九十九階層の先は階段が無い。飛び降りた先でダークドラゴンが口を開く

▼ ネットの反応

ほかいま
今夜はLV999の村人8話
他にもまだ見てないのはありますが…
さて今回は鏡さんとアリスちゃんなどまたどんな活躍が見れるのか楽しみ

#LV999の村人
#鏡浩二
#アリス・バルネシオ
#クルル・ヘキサルドリア

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二組目。副題を口にしたパルナ自身が、デビッドと相容れていない

この回でいちばん良かったのは、裏切った側と守った側が、動機のところで同じになっていることである。どちらもクルルのためにやっていて、やり方だけが逆を向いている。「決して相容れない」と言った当人が、味方と相容れていないという置き方になっている。

パルナは、告発することで守ろうとしている

パルナの側から見ていく。レックスが「なぜだ、パルナ。お前も師匠の話を聞いたはずだ」「魔族も人間もない」と詰めるのに対して、返ってくるのが「私がそれを望んでいないからよ!」である。

続く理屈がはっきりしている。「魔族と人間は決して相容れない」「いつか絶対に裏切られ、大切な人を失うことになる」、だから「誰かが悲しみを背負う前に、私が終わらせるのよ!」これは憎悪ではなく、先回りの理屈である。いずれ誰かが傷つくのなら、その前に自分が悪役をやる、という組み立て方をしている。

副題はここから取られている。つまりこの回のタイトルは、作品の総意ではなく、一人の登場人物の主張をそのまま掲げたものである。そう思って残りの場面を見ると、掲げた本人がいちばん先に反証されていく作りになっている。

▼ ネットの反応

今日もフォロワーの皆様お疲れ様でした!
この後はLV999の村人8話
さて今回はどんな内容になっているのか楽しみですね
パルナさんの過去が壮絶だったようで…
ではおや海なさい

#おやツイ
#LV999の村人
#パルナ・ビオーレ

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デビッドは、嘘をつくことで守っていた

対するデビッドは、そもそも監視役として送り込まれた人物だった。「クルル様を見守るためにここへ来たというのは…」という問いに、公爵が「嘘です」と答え、報告を偽っていたことが本人以外の口から明かされる。

連れて行かれる直前、クルルが一つだけ聞く。「どうしてお父様の命に背いてまで、虚偽の報告を?」。答えが「あなたが、また昔のように笑うようになったから」である。理由がそれ以上でもそれ以下でもない。職務と経歴を全部差し出したうえで、返ってくるのが笑顔一つ、という重さの置き方をしている。

並べると構図が見える。パルナは告発することで守り、デビッドは嘘をつくことで守った。どちらもクルルが大切な人を失わないようにと動いていて、先に潰すか、続かせるかで割れている。どちらか一方を悪役に仕立てていないのが、この回の書き方の良さだった。

三組目。「あなたが何者かなど関係ない」の直後に、何者かを理由に殺すと言われる

順番が容赦ない。アリスが自分の正体について不安を打ち明ける場面が、公爵の裁定のすぐ前に置いてある。

デビッドの答え

アリスの不安は「僕が、その、普通とは違う存在ってこと」、そして「スタッフのみんなも、あったらすぐ助けてくれる」「でもそれは、みんなが僕を人間だと思ってるからなんで」「倒さなくちゃいけない敵なのに」である。優しくされていることそのものが、この子には不安の種になっている。

デビッドの答えが長い。最初に知ったときは自分もそう思った、と正直に認めたうえで、「魔族という一言で片付けるには、あまりにも惜しい人格者だ」「私から見てもあなたは優しく、誰よりまっすぐだ。私が知る多くの人間よりもです」、そして「あなたが何者かなど関係ないのですよ。アリス様はアリス様なのですから」

▼ ネットの反応

Lv999の村人 8話
なんで魔法使いに裏切ったんだよって言われてたけど最初から最後まで魔族に敵意ガンガン向けてたしそんな納得してなかったよね
男どもの探索パートはガチでいらないので大人しくティナ、アリス、クルルを見せてくれ

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その直後に、何者かだけで裁かれる

ところが同じ回の後半で、ミリタリア・リモート公爵の口から出るのがこれである。「魔族の子供は、もう一人の魔族をおびき出した後、二人まとめて死んでもらいます」。名前も人格も出てこない。魔族の子供、という属性だけで処分が決まっている

クルルとレックスの扱いも同じ調子で、「魔族に洗脳された可能性がありますからね」という理屈がつく。レックスの「毒されてなどいない!」という否定は、洗脳されているという前提の中では反論として成立しない。関係ないと言った人と、それだけで決める人が、同じ回に並んでいる

アリスが最初に選んだのは、回復の魔法

魔法の練習の場面も、後半を知ってから見ると意味が変わる。

「みんなが苦しんでいたら助けてあげたいんだ」

助言として出てくるのが「まず一つだけ使いたい魔法を覚えるのです」「そこからコツをつかめば、きっと道が広がるでしょう」である。どんな魔法を使えるようになりたいかと聞かれたアリスの答えが回復で、理由が「みんなが苦しんでいたら助けてあげたいんだ」だった。

結果として六日で炎・爆発・回復の三つを覚えてしまう。覚えたそばから「せっかく掴んだコツを忘れないうちに、皆さんの治療もなさっては」と促され、実際に旅人の傷を治している。倒されるべき敵とされている子が、最初に選んだのが治すほうの魔法だった、という並びになる。

▼ ネットの反応

おはようございます
本日水曜放送アニメは
「オールワークスメイドです!(誇)第8話
「片田舎のおっさん剣聖になるⅡ」第7話
「LV999の村人」第8話
「Reゼロ奪還編」第79話✨

今日も暑くなりそう
汗をかく前に水分補給を
週の真ん中、今日もよろしくお願いします
#アニメ好きと繋がりたい

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勇者のほうは、十日やって一つも使えない

対比として置かれているのがレックスである。「僕、才能ないのかな」「もう十日も練習してるのに」とぼやいており、アリスが三つ覚えた話を聞いても「どうして僕にはできないんだ」と落ち込む。理由の解説が何でも剣技と合わせようとするからで、勇者としての強みがそのまま足かせになっている。

勇者が覚えられない魔法を、魔族の子が助けたい一心で覚えている。役割で強さが決まる世界の話なので、役割の外にあるものだけが伸びているという書き方になる。魔法を教えていた側が「魔族だからこそなんでしょうが」と種族で説明してしまうところまで含めて、この作品の主題がきちんと出ている場面だった。

「何かの試験を受けてるみたいだ」が、最後の一言で当たる

地下パートは探索の描写が長いのだが、観察していることが全部あとで効く作りになっている。

降りながら、規則性を数え上げている

鏡が挙げるのは四つである。腹は減らないし、眠くもならない一直線の道の終わりには必ず螺旋階段があって、降りるとまた一直線の道で折り返すモンスターはある一定の地点まで辿り着くと出現し、それ以降その階層からは出てこない。そして現れるのは二千シルバー以上の相手ばかり

そこから出てくる感想が「何かの試験を受けてるみたいだ」だった。入り口の見つけ方からしてそうで、掘った穴が勝手に塞がるという現象を「ここには何かある!」という根拠に読み替えている。以前もっと深い穴を掘ったことがあるが、そのときは塞がらなかった、という比較まで付く。

九十九階層の先には階段が無く、「行き止まりなのか? 落ちろということなのか?」と迷ったうえで飛び降りる。待っていた第一声が「よくぞ全ての試練を乗り越え、我が元にたどり着いた」である。試験みたいだ、という当てずっぽうが、そのまま正解だった。探索の描写を全部伏線にして回収したことになる。

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一言しか喋らない相手に、公式がキャストを立てている

公式アカウントが第8話の台本プレゼントを告知していて、そこにデビッド役の速水奨、ミリタリア役の上田燿司、ダークドラゴン役の稲田徹の三名が並んでいる(※2)。この回のダークドラゴンは、最後に一言喋るだけである。それでも配役を出しているということは、次から本格的に喋る相手だということでもある。

ちなみにデビッドとミリタリアの二人がここに並ぶのも分かりやすい。今回いちばん長く喋ったのが、この二人だった。アリスへの長い肯定と、公爵の淡々とした裁定。台本を配るならこの回だ、という選び方になっている

まとめと次回予想:帰り道の段数だけが数えてある

この回は、どちらの場面も途中で切れている。地上は全員が捕らえられ、アリスとタカコだけが逃げた状態。地下は、ようやくダークドラゴンが口を開いたところで終わる。助ける側と助けられる側が、まだ一度もつながっていない。副題どおり、この回は何一つ噛み合わないまま終わる

十日ほぼ無言だった二人が、最後だけ噛み合う

地下の二人は、道中ずっと会話が無い。鏡が「お前との旅、全然楽しくない」と切り出し、「この十日間、必要最小限の会話しかしてないぞ、俺たち」とぼやくのに対して、メノウの返しが「特に喋ることもなかったのでな」「今更聞きたいこともないし」、そして「私は割と楽しんでいたのだが」である。

それが最後の階層で変わる。確認してくると言って一人で行こうとする鏡に、メノウが「独りで行かせられるわけないだろ」と付いていき、「たまには私の言うことを聞いてくれてもいいだろうに」とこぼす。会話が無いまま、関係のほうだけができている。十日ぶんの無言が、この一往復のために置いてあったことになる。

次回予想:戻る段数を数えてあることが効くはず

予想として書けるのはここまでだ。地上の状況は、逃げただけでは終わらない。公爵の狙いはもう一人の魔族をおびき出すことだとはっきり言われているので、逃げたアリスがそのまま囮になる筋が用意されている。

地下のほうで気になるのは、降りながら階層を数えていたことである。数えていた理由は「戻るときのことも考えなくてはならないしな」だった。帰り道の段数だけが、この回で唯一きちんと計算されている。地上がこれだけ崩れている以上、その帰り道をどれだけ短縮できるかが、次に見るところになるはずである。

▼ ネットの反応

僕は今、『Lv999の村人(The Villager of Level 999)』第8話を見ています。
先週で最終回まであと半分を切ったこのアニメも来週からいよいよ後半戦に入ります。
終盤にかけてますます盛り上がります。
#TheVillagerofLevel999 #LV999の村人 #突入
#1週間前 #7日前
#1週間後 #7日後

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出典

※1 テレビアニメ公式サイト/lv999-anime.com

※2 テレビアニメ公式Xアカウント(第8話サイン入り台本プレゼントの告知。デビッド役 速水奨、ミリタリア役 上田燿司、ダークドラゴン役 稲田徹)/@lv999_anime


アニ
記事読んだ?デビッドが嘘の報告をしてた理由、泣かせるわね!
ラン
そうなの!「また昔のように笑うようになったから」って言うんだよね…
キャロ
うんうん。パルナも守るために告発した側なんですよね。守り方が逆なだけで。
アニ
鏡の「試験を受けてるみたいだ」、最後の一言で当たってたわね!

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