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『オールワークスメイド』第11話の副題は「彼女達の選択肢」。マイカが学園で見たのは、恋愛の筋を一度も通らないまま完成していた関係だった。そしてルシアナは、身に覚えのない罪で糾弾される。ところがその疑いを決定づけたのは、庇ってくれた友人の弁護のほうだった。手がかりになるのは、図書館に一冊しかない本。妬みの中身が成績でも財産でもなく順番だったことまで、全部この回で言葉になる。




マイカの初出勤は、攻略対象が全員すでに攻略済みだと知るところから始まる
第10話の幕でマイカが自分から学園行きを申し出て、この回はその翌日から動き出す。ゲーム知識で事件を先回りするつもりだった人が、学園に着いた瞬間から知識の使いどころを失っていく。
出勤初日から、使用人に避けられている
学園に着いた二人は、ほかのメイドや使用人からあからさまに避けられる。理由はマイカの内心で説明され、自分たちがルトルバーグ家のメイドだから、それくらいルシアナの悪い噂が広まっているのだ、と続く。噂の広がり具合が、本人の周りではなく本人に仕える側の職場で先に測られている。
第三の攻略対象は、もう名前で呼ばれている
助手として向かった先にいたのがレクトで、学園で騎士道の臨時コースを受け持っている。第9話からの続きだ。「よく来てくれたメロディ」と迎えられ、メロディも「今日もよろしくお願いします」と返す。マイカにとっては初対面の攻略対象が、初対面の時点で名前呼びの間柄として現れている。
口調が崩壊したことで、ズレの大きさが測られる
マイカの内心が「完全に攻略済みやんけ」と崩れ、「ヒロインやらんといて、なんでキャラクターを攻略済みやねん」まで一気に落ちる。そこへ語り手が「混乱するあまり、マイカの口調は崩壊してしまった」と説明を入れる。崩れた口調そのものが、ゲームと現実がどれだけ離れたかの目盛りとして使われている。
第二の攻略対象は、愛称で呼ばれている
続いて現れるのがマクスウェルで、「やあ、こんにちは、メロディ」と声をかけてくる。メロディの返しは「マックスさん」だ。マイカの内心は「なんで愛称で呼んでんねん」「だからヒロインやっとらんのに、なんで攻略キャラと面識持ってんねん」と重なる。呼び方ひとつが、踏んでいないはずのイベントの証拠として扱われている。
攻略対象筆頭のイベントまで済んでいる
疑ったマイカが確かめに出る。入学式の日に学園の通路で黒髪の美少年とぶつかったりしていないか、と尋ねると、メロディは「どうしてそれを」と驚く。マイカの結論は、攻略対象者筆頭である王太子クリストファーとのイベントもきっちりこなしている、というものだ。先回りするために持ってきた知識が、確認するたびに手遅れを知らせる道具になっている。
恋愛の筋を通らないまま、関係だけが完成している
ここが第11話の入口で、メロディの側には攻略した自覚がまるでない。仕事として人と会い、仕事として頼まれごとを引き受けてきた結果が、外から見ると全部イベント消化に見えている。手順を知っている人ほど読めなくなる、という形でゲーム知識が空振りしている。
この回でいちばん強い言葉は「とても大切な友人ですよ」だった
学園編の人間関係が、事件とは別のところで一度整理される場面がある。三人の距離が、たった一語で確定してしまう。
レクトの贈り物は、五日前から用意されていた
レクトがメロディに差し出すのが「子供のための初めての魔法基礎」で、以前図書館で目にしたと言っていたが、あくまで仕事で行ったのだから借りなかった、という話を覚えていたからだ。ところがルシアナはもう魔力を自覚している。覚えていた側の善意が、ちょうど一歩ぶんだけ遅れて届いている。
本の希少さが、わざわざ二度説明される
レクトが付け加えるのが、結構古い本でもう絶版だそうだ、図書館にも一冊しかないらしいから気をつけてくれ、貸し出し期間は一週間だ、という三点だ。この時点では親切な注意にしか見えない。後半の決め手になる条件が、贈り物の注意書きとして先に読み上げられている。
突っ込み役が語り手からマイカへ移る
この場面でマイカが漏らすのが「レクトさんの片思いかな」「メロディ先輩って恋愛よりメイドって感じだし」という見立てだ。第10話まで語り手が引き受けていた役目を、この回はマイカが代わりに担っている。視聴者と同じ位置に立って解説する人物が、初めて画面の中に置かれている。
捜査側の人間が、噂の出所を不思議がる
マクスウェルがメロディに尋ねるのがルシアナの様子で、噂を知っているのかと驚かれると、生徒会も捜査に関わっているからね、と答える。そのうえで「だが、ルシアナ嬢が犯人とは思えない」「なぜあんな噂が広まっているのか」と続ける。調べている側が、事件よりも噂の広がり方のほうを気にしている。
「親しいのか」に返ってきた答え
レクトが我慢しきれずに、メロディは彼とは親しいのか、と聞く。返ってきたのが「はい、とても大切な友人ですよ」で、マクスウェルも「そうだね、俺と君は間違いなく友人だね」と受ける。レクトの反応は「友人」「そうか」だけだ。同じ一語で片方が安心し、片方が沈むという場面が、説明なしで成立している。
マイカの総括は「私、何しに学園まで来たんだっけ」
事件調査を口実に学園へ来た人が、半日かけて把握したのは人間関係のほうだった。この一言が、前半をまるごと締めくくる要約になっている。
図書館に一冊しかない本が、この回の証拠になる
学園の外側でも捜査は進んでいて、そちらの人物配置がこの回で一度に見える形になる。同時に、あとで効いてくる小道具が静かに配られていく。
変装したアンネマリーが学園に来ている
語り手が説明するのが、ヴィクティリウム公爵家に仕えるメイドのアンナ、その正体はヴィクティリウム公爵令嬢アンネマリーその人である、嫉妬の魔女事件を捜査するため変装しているのだ、という設定だ。捜査のために身分を隠している人が、そのまま次の事件の被害者になる。
メロディが引き合わせた相手が、そのまま事件の側にいる
メロディがアンナに紹介するのが、インヴィディア家の使用人サーシャとブリッシュ、そしてゲルマン家の使用人ウォーレンだ。第8話でメロディが友達になった面々である。第8話でルシアナとメロディが友達ができたと喜び合った相手が同じ一軒の家だったことは、この時点でもまだ二人とも知らない。
その日のうちに、調査の中身が別の屋敷で報告されている
場面が変わると、サーシャが主人筋の人物にアンネマリーの指示で例の事件について調べていたと報告している。相手の返しは「まあ、そんなことが」で、続けて、もう少し詳しく教えてくれる、私も興味あるわ、と促す。捜査の内容が、その日のうちに外へ流れている。
ビュークは自我を取り戻しつつある
語り手が第四の攻略対象ビューク・キッシェルの現状を説明する。哀れな少年に見えるが実際は十八歳の青年で、襲撃に失敗した際に魔王の力のほとんどは剣から解き放たれ、残ったわずかな力では完全に従えることができずにいる、という整理だ。第5話の襲撃の後始末が、この回になってようやく言葉で説明されている。
支配されている人物が、支配を拒む言葉を口にする
マイカがスラム街で助けられた相手がビュークで、感謝を伝えられた本人は固まってしまう。名前と仕える家を尋ねられると「俺は誰にも仕えたりしない」と返し、誰かに命令されたり強制されるなんてまっぴらごめんだ、絶対にお断りだ、と続けて苦しみ出す。今まさに操られている人物の口から、操られることへの拒絶が出てきている。
借りた本の返却期限が今日だった
一方でルシアナは、図書館で借りた本の返却期限が今日だったと気づく。その本が、この間教えてもらった「子供のための初めての魔法基礎」で、わかりやすい本だったがいまだに魔法は使えない、と付け加える。誰から教えてもらったのかを、この場面ではまだ誰も確かめていない。
弁護がそのまま告発になった
昼休みの終わりに事件が起きる。ここからの十分ほどが、この回の中心にあたる。
アンネマリーが頭から水をかけられる
教室に戻ったルシアナを待っていたのが「とうとうしでかしてくれたな、ルシアナ・ルトルバーグ」という詰問で、何者かがアンネマリーに頭から水をかけたのだと告げられる。証言は、三階の窓の中に逃げるように揺らめく金色の髪が見えた、というものだ。目撃されたのは人物ではなく髪の色だけで、その色に合う生徒を探す作業がそのまま犯人捜しになっている。
アリバイに、ちょうど必要なだけの空白ができる
メロディが昼休みの間ずっと一緒にいたと証言するが、本当にずっとか、少しの時間も間違いないか、と念を押される。図書館に本を返すために少しだけ席を立った、と認めた瞬間に「ほら、やっぱりそうじゃないか」が返る。その本を借りるよう勧めたのが誰だったのかは、まだ誰も口にしていない。
被害者本人が、最初に弁護する側に回る
割って入るのがアンネマリーで、憶測だけで犯人を決めつけるものではありませんわ、と止める。バケツに汲んだ水を投げるのか、それで三階から正確に狙えるのか、と条件を潰したうえで、これを実行するには水を操る魔法を使ったと考えるのが妥当でしょう、と結論だけを置く。被害者が犯人の条件をきれいに絞り込んで、次の一言の受け皿を作ってしまっている。
ルーナの弁護が、その条件をぴったり満たす
そこへルーナが入る。確かにルシアナは水の魔法を使いますけど、三階の窓から狙い撃つなんて無理ですよ、という庇い方だ。教室が受け取ったのは後半ではなく前半で、返ってきたのが「ルシアナさん、あなた魔法が使えるの」だった。無理だと言うために、できると先に言っている。
本人の正直な申告が、追い打ちになる
慌てたルシアナが説明するのが、一度に出せるのは頑張ってもティーカップ一杯分くらいだ、という限界だ。ところが教室に届いたのは量ではなく可否のほうで、やっぱりお前が犯人だろう、白状しろ、と声が重なる。できる範囲を正確に申告した言葉が、できるかできないかの一点に切り縮められている。
第9話から積み上げてきた稽古が、ここで裏目に出る
ルシアナが魔法を使えるようになったのは、第9話でメロディに魔力を測ってもらい、第10話で一人のときに水を出せたからだ。二話かけて描かれた前進が、そのまま容疑の根拠として提出されている。努力が実った事実を、教室は動機ではなく手段として読んでいる。
疑う側は、三度続けて外している
この事件をいちばん熱心に追っているのはアンネマリーで、そのアンネマリーが誰を疑っていたかも同じ場面で明かされる。
アンネマリーはオリヴィアを疑っていた
水をかけられた直後の内心が「やはり、あなたが嫉妬の魔女なの」であり、名指ししているのはオリヴィアだ。続けて、ゲームでは水を被る被害者だったというのに、まさか私にこの役が回ってくるなんてね、と自嘲する。役が入れ替わっているという第9話の見立てを、自分が被害者になった事実で裏づけてしまっている。
ところがオリヴィアが口にしたのは、検分そのものだった
そのオリヴィアが並べるのが、これまでの事件で狙われたのは学年トップの成績を収めた自分たちのクラスそのもの、次が成績優秀で裕福な平民の生徒、最後に舞踏会でルシアナと注目を分けたヴィクティリウム家の令嬢、という三段だ。三件を一本の線で結ぶ整理として、これ以上ないほど筋が通っている。
その糾弾は、ゲームのアンネマリーの台詞だった
続く言葉が、優秀で将来性のある皆様を妬んでこんな犯行を重ねたのですね、なんて見苦しいこと、即刻自らの罪を認め私たちに謝罪なさいませ、という糾弾だ。聞いたアンネマリーの内心が「今のはゲームでのアンネマリーの台詞」である。責める役を取られた人が、台詞の出どころのほうで役の交代に気づいている。
結論は「じゃあ嫉妬の魔女は誰なのよ」になる
そこから、ということはオリヴィアが今回の悪役令嬢役なのか、じゃあ嫉妬の魔女は誰なのよ、と続く。第9話の代役ヒロイン、第10話の代役中ボスに続いて、この回でも配役表が書き換えられている。三度書き直しても、まだ答えの席だけが埋まらない。
オリヴィアは、四回続けて割を食っている
第4話の舞踏会では見せ場を奪われ、第8話では使用人の空気の理由にされ、第9話では生徒会の席を筋の通った理由で外された。そして第11話では、疑いをかけたのが捜査の中心人物だった。四回続けて疑われる側に置かれながら、本人はいまだに一度も意地悪をしていない。
家名は、第8話から答えを書いていた
ルシアナが落ち込んで帰った夜、メロディが本を一冊持ってくるところから、この回の答え合わせが始まる。
気づいたのは、贈られた側だった
メロディが差し出すのが「子供のための初めての魔法基礎」で、図書館から借りたもので、しかも図書館に一冊しかないそうです、と説明する。そのうえで、これはレクトが五日前に借りてきてくれた本です、と付け加える。ルーナが返却した本を借りたつもりでいたのに、その一冊は五日前から別の家にあった。
「この本をお持ちのところは見ましたか」
メロディの確認は一つだけで、ルーナがその本を持っているところを見たか、と尋ねる。ルシアナの返事は「いえ」だ。持っていない本を返しに行くと言った、という一点だけで、席を外した理由が丸ごと消える。
同じ場面を並べ直すと、結論が反転する
メロディが順番になぞる。ルーナはルシアナの無実を訴えたのに、それが結果的に疑いを強めた。アンネマリーは水の魔法を使えなければ犯行は難しいと言った。そしてルーナは、水魔法が使えることを周囲に伝えたうえで、お嬢様には無理だと主張した。新しい情報を足さずに、順番を確認しただけで庇護が誘導に変わっている。
なくし物の説明も、ここで片づく
メロディが続けるのが、私から鉛筆やハンカチを盗む機会はいくらでもあった、という一言だ。第10話でルシアナが漏らした、一週間で二回もなくし物をするなんて、がここで回収される。隣の席の友達なら、盗む機会をわざわざ作る必要がない。
家名は第8話に出ていた
ルーナは第8話でインヴィディア伯爵家の長女として登場し、寮では隣室、教室では隣の席になった相手だ。メロディが仲良くしているサーシャとブリッシュも、同じインヴィディア家の使用人である。インヴィディアはラテン語で妬みを指す語と同じ形の名前で、嫉妬の魔女という呼び名は家名をそのまま訳しただけになっている。
メロディの側にも、気づけなかった理由がある
第8話でルシアナが友達ができたと報告し、メロディも同じ日にインヴィディア家のメイドと友人になったと返して、二人で「お揃いですね」と喜んでいる。あの時点で家名は揃っていた。三話ぶんかけて仲良くなってきた相手の家が、そのまま事件の側だったことになる。
妬みの中身は、成績でも財産でもなく順番だった
確かめに行くと決めたルシアナと、待っていたルーナが向き合う。ここでルーナが並べる理由が、どれも意外なほど小さい。
最初に出てくるのは、入場の順番
ルーナが切り出すのが、春の舞踏会で社交界デビューした自分が何番目に入場したか知っているか、という問いだ。答えは「あなたの一つ前よ」で、続けて「知らなかったでしょう」と刺す。すぐ隣に並んでいたのに、覚えられてすらいなかったという話から始まっている。
理由は「インパクトが強すぎて」
続くのが、あなたのインパクトが強すぎて私のことなんか誰も覚えていない、という一文だ。第4話でルシアナが妖精姫と讃えられ、舞踏会いちばんの注目を集めた場面の、ちょうど裏側にあたる。あの夜の称賛を誰がどう受け取っていたかが、七話ぶんの時間を置いて言葉になっている。
努力が届かなかった話が続く
次が「抜き打ち中間試験でも勝てなかった」「あんなに勉強したのにね」だ。第9話の結果はルシアナが三位、ルーナが十位だった。順位を配役として読んでいた人たちの隣で、順位を順位のまま受け取っていた人がいた。
生徒会も家格も、同じ調子で並べられる
さらに、マクスウェルから生徒会に誘われたのもあなただ、と続く。家についても、同じ伯爵家だけれどあなたの家は狭いながらも領地持ちの貴族で、たとえ貧乏貴族だろうと私の家より格は上だ、と言う。不名誉な通り名で知られてきたはずのルトルバーグ家が、それでも上に見えている。
好きだったことは、否定されない
ルシアナが、出会った時から仲良くやってきたじゃない、と食い下がると、ルーナは「ええ、そうね。私もとても好きだったわ」と認める。そのうえで、でもねそれと同じくらいあなたのことが妬ましくて、とっても、と続ける。好きだった気持ちと妬ましさが、打ち消し合わずに同じ強さで並んでいる。
力の出どころだけは、説明されない
攻撃に移る直前にルーナが口にするのが、手に入れた力であなたを排除する、という趣旨の宣言だけだ。どこで手に入れたのかは語られない。第10話で誰にも気づかれなかった邪悪な魔力を宿した雨と、この力がどう繋がるのかは、この回では伏せられている。
選択肢を突きつけられたのはメロディで、答えを出したのはルシアナだった
副題の「彼女達の選択肢」が誰の何を指しているのかは、終盤の二つの場面で別々に示される。片方は問いの形で、もう片方は答えの形でだ。
ルシアナは「そこにあなたは不要なのよ」と言って出ていく
屋敷に帰らないと決めたルシアナが告げるのが、私はルーナに確かめなくちゃいけない、もし彼女がそれを認めるというなら真意を知らなくちゃいけない、という理由だ。そして「そこにあなたは不要なのよ、メロディ」と続く。主人から不要だと言われたメイドが、この回の後半の主役として置き去りにされる。
マイカの詰問が、副題をそのまま言葉にする
立ち尽くすメロディにマイカが迫る。お嬢様はその選択肢を提示しました、ですがメロディ先輩はまだ選んでいません、私が聞いているのは先輩がどうしたいかです、と押したうえで、待ち続けるのか、後を追いかけるのか、それとも他に選択肢があるのか、と三つ並べる。乙女ゲームの選択肢という形式が、そのまま生き方の問いとして差し出されている。
問いの締めくくりが「あなたの選択肢を選んでください」
最後にマイカが置くのが、メイドとしてルシアナお嬢様のために何がしたいんですか、という一問だ。第9話でメロディが見失った、世界一素敵なメイドとは何だったのか、という迷いに正面から重なる。後から来た見習いが、先輩の抱えていた宿題を言い当てている。
ルーナの攻撃は、ルシアナに届かなかった
直撃したはずのルシアナが無事で、本人が言うのが、さっきの攻撃は舞踏会の会場がこっぱみじんになるほどではなかったってことね、という一文だ。第5話でメロディが自分のドレスにかけた守りの魔法を説明したときと、ほとんど同じ言い回しである。言い回しが一致していること自体が、誰の魔法に守られたのかを示している。
断ったはずの守りが、ずっと身についていた
第8話でルシアナは守りの魔法を断り、やめておくわ、と答えている。ところが第9話では、メロディにもらった指輪について、こんなの、ついてたっけ、と首をかしげている。断られた側が別の形で置いていったものが、二話後にちょうど必要な場面で働いている。
結論が「私、全然一人じゃなかった」になる
ルシアナが導き出すのが、一人で行くなんてカッコつけてきたものの私は全然一人じゃなかった、という答えだ。不要だと言い切って出てきた人が、置いてきたはずの相手に守られていたことに気づく。
そのうえで、喧嘩を買う
最後にルシアナが返すのが、ルーナの気持ちはよくわかった、でも私にも言い分はあるし、あなたの気持ちをそのまま受け入れるだけの度量はまだない、という言葉だ。そして、あなたのその喧嘩をこの私ルシアナ・ルトルバーグが買ってあげる、と宣言する。受け止めたと認めたうえで、受け入れないとはっきり分けている。
メロディが選んだのは、待つでも追うでもない三つ目だった
幕では、マイカがゲームでは魔力を含んだ雨が降って学園全体が軽い洗脳状態になる、魔力が高いものは抗える、と説明しながら、どこかの令嬢に取り次ぎを求めている。同じ頃メロディはレクトのもとにいて、細かい説明はしてられないんですけど、助けてください、と頼み込む。二人とも自分で行くのをやめて、動かせる人を集めに走っている。
制作陣も、この回で入れ替わっている
公式サイトの担当者表によると、第11話は脚本が根元歳三、絵コンテが石平信司、演出が高橋こう平、総作画監督が谷津美弥子と無錫極速蝸牛動畫の張欣伊、劉剣だ。演出の高橋こう平はこの回が初登場で、総作画監督の谷津美弥子は第5話以来ちょうど六話ぶりの復帰になる。
絵コンテだけは、十一話ずっと変わらない
一方で絵コンテは、第1話から第11話まで総監督の石平信司か監督の村川直哉のどちらかしか担当していない。石平信司が第1話、第3話、第5話、第6話、第7話、第9話、第10話、第11話で、村川直哉が第2話、第4話、第8話だ。十一話やって、外部のコンテマンが一人も入っていない。
副題の「彼女達」が誰なのかは、最後まで割り切れない
選択肢を提示されたのはメロディで、選ばされる形になったのもメロディだ。だが実際に選んだ結果が画面に出たのは、確かめに行くと決めたルシアナ、喧嘩を売ったルーナ、詰問したマイカ、そして助けを呼びに走ったメロディの四人ぶんある。複数形の副題が、誰か一人に絞れないまま終わっているところに、この回の作りが出ている。



























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