『コードギアス 奪還のロゼ』第10話「紫瀾 -Purple Surf-」感想|人類と自分を分ける男

『コードギアス 奪還のロゼ』第10話「紫瀾 -Purple Surf-」感想|人類と自分を分ける男 SF

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『コードギアス 奪還のロゼ』第10話「紫瀾 -Purple Surf-」で、世界中に放たれた正体不明機ロキは、敵も味方も区別しない。敵を識別するプログラムを入れるはずだった技術者は、その直前に「用は済んだ」と切り捨てられていた。地上では敵同士が銃を下ろし、白のクイーンがお飾りの皇帝に道を開ける。その中でただ一人、人類と自分を分けていたのがノーランドだった。シャルル・ジ・ブリタニアの器として作られた男は、目的を「人間の駆除」と言い切る。

アニ
第10話の副題は「紫瀾 -Purple Surf-」でござる
ラン
正体不明の機械が、世界中に出てきたのね!
キャロ
ノーランドさんの正体も、本人の口から明かされました。
アニ
人類と自分を分ける男の話でござる

「同じではない」と言う男は、シャルルの器だった

第10話の締めで、ノーランドの正体が本人の口から明かされます。この回で起きたことを全部並べてみると、その正体がいちばん大きな答えになっていました。

「おじいさま」と呼ばれる理由

ギアスをかけようとしたロゼに、ノーランドは「全て対策済みだ」「お前のギアスは効かない」と返します。ロゼが「人を飲み込む機械を作ったのは」「あなたね」と問うと「そうだ」。目的は「人間の駆除だ」。そして「そういえばお前は」「ブリタニア王家の血を引く者だったな」と言われたロゼの口から出るのが、「おじいさま」でした。

「本当におじいさまなの」に、答えは「遺伝子的検知では同一人物だ」。「私はシャルル・ジ・ブリタニアの新たなる器として 人間に作られた」「奴の頭脳を私に移し替えるプロジェクトだったが」「シャルルはその前にこの世を去り」「器たる私が残った」。

器として作られ、中身を移されないまま残った。ノーランドは、自分が何者かを「器」という言葉でしか説明していません。シャルルそのものでもなく、シャルルと無関係でもない。その中途半端な立ち位置が、このあとの問答にそのまま出てきます。

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SEEDで見たぞこの展開www #geassp #奪還のロゼ

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「敵意は正しくない」

ロゼは「恐怖での支配を再現するつもりなの」と問い、「そうではない」と返されます。「駆除と」「すなわち全人類の抹殺」。「あなたも同じ人間じゃない」に、答えは「同じではない」。ロゼは心の中で「この人 人類と自分を分けて」とつぶやき、「なぜ人類へ敵意を」と問う。返ってきたのは「敵意は正しくない」でした。

ロゼは動機の候補を次々に挙げていきます。壮大な無理心中、行き過ぎた文明批判、自然崇拝、快楽主義、破滅主義、人間への復讐、憧れ、認められなかったのか。どれも当たらず、ロゼは「理解できない」と漏らします。問答の最後に聞こえてくるのは、「すべての情報がファウルバウトを通して」「私の中に入ってくる」という言葉でした。

憎しみなら、話し合う余地も、止める理屈もあります。けれど、虫を駆除するのに敵意は要らない。ロゼが「人間を虫みたいに」と言ったとおり、ノーランドにとって人類は相手ではなく対象でした。ロゼの挙げた候補がすべて人間の感情の名前だったことが、かえって距離を浮かび上がらせています。

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ギアスリアタイ実況民「これでようやく眠れそうだ…」 #geassp #奪還のロゼ

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敵味方を見分けるはずの仕組みは、入れられないまま世界に出た

冒頭は、白のビショップ・スタンリーの作業から始まります。ここで起きたことが、第10話の混乱の出発点でした。

「用は済んだ」

スタンリーは楽しそうに「これでロキとファウルバウトの同期は完了」「楽しいなー」「自分の研究が日の目を浴びる瞬間は」と作業を進め、「あとはネオブリタニアの敵を自動で識別し」「殺害するプログラムを起動すれば」と次の手順を口にします。そこへかかる声が、「用は済んだ」「消えるがいい」。

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スタンリーーーーーッ
彼は至って真面目な技術者で、上司からの命令に従って淡々と開発業務を遂行していただけなのに…。

実際、敵味方識別プログラムをインストールしようとしていたので無差別攻撃するつもりなかったんですよねこの人…。
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敵を識別するプログラムが入る前に、作った本人が消されました。放たれた機械は、敵と味方を分ける仕組みを持たないまま世界に出たことになります。放送後にも、あの技術者は敵味方識別プログラムを入れようとしていたのに、と悼む投稿がありました。締めでノーランドが語る「人間の駆除」を聞いたあとだと、識別の手順を省いたのは手違いではなかったように見えます。

無差別の攻撃が、ネオ・ブリタニアにも向く

ナタリアの治めるルクセンブルク領にも正体不明機が多数現れ、ロゼはナタリアと連絡を取ります。「ねえ そっちは大丈夫なの」「ええ 軍のシェルターでなんとか」「この様子だと 無差別に攻撃している感じね」「まさか ネオブリタニア軍以外の勢力が」。公式サイトのあらすじのとおり、魔の手はネオ・ブリタニアの人々にも向けられていました。

ネオ・ブリタニアの領地が襲われていることが、「ネオ・ブリタニア以外の勢力」を疑わせる。無差別であることが、かえって作った者の顔を隠している。締めの問答を知ったあとでは、この取り違えがいちばん皮肉に聞こえます。

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【放送情報】
「コードギアス 奪還のロゼ」第10話
MBS・TBS・CBC にて
ただいま2:03~放送開始⚡
※通常より10分遅れての放送開始となります。

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世界中で、敵味方の区別がほどけていく

正体不明機の出現で、世界各地の戦士たちが一斉に動きます。敵が誰かを決めないまま戦う、という状況が、あちこちで人の振る舞いを変えていました。

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マジで総出演になってきたな #geassp #奪還のロゼ

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「責任は全て私が取る」

各地の報告は厳しく、「ナイトメアフレーム配備の薄い地域は 壊滅状態にあります」。指揮をとる側は「PMC」「それから退役軍人にも協力要請を」「少しでも多くナイトメアに乗れる人間をかき集めるんだ」と命じ、独断は憲章に反するという制止に「そんなこと言ってる場合か」「敵の正体が分からない以上 災害への自衛として」対処すると返して、「責任は全て私が取る」と押し切ります。

正体の分からない相手に、戦争ではなく災害として向き合う。敵が誰かを決めないまま戦うという判断が、この回の世界全体の空気になっています。ノーランドが人類を区別なく「駆除」の対象にしたのと、ちょうど裏返しの向きです。

銃を下ろせ、と言う側

別の戦場では、ネオ・ブリタニアのヴォーン卿に「ブリタニアの仕業か」と銃が向けられます。止めるのは、向けた側の味方でした。先ほどのヴォーン卿の行いを見ていなかったのかと問い、「団員の命を救った礼に銃口を向けるとは」「和平など遠い未来だ」。ヴォーン卿は「お心添え感謝いたします」「私が貴官らの敵ではないことは」「今後の行動を見てご判断ください」と応じました。

第9話では、和平の申し入れそのものが相手を縛る手として警戒されていました。その和平という言葉が、今度は銃を下ろさせる理由として使われている。交渉の席では進まなかったものが、戦場の一場面で一歩だけ進んでいます。

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本日のアニメお気に入りシーン⑥
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ロゼの「わがまま」を、仲間は「ミッション」と呼ぶ

皇宮が危ないと知ったロゼは「こんな時に自分のわがままで動いていいのかな」と迷います。返ってくるのは「大事なミッションだ」の一言と、皇帝の救助に直ちに向かえという指示、そして「案ずるな」「ルクセンブルクは我々に任せてほしい」。仲間は「俺がバッチリカッコよく救ってきてやるよ」「たまにはいいとこ見せないとね」と軽口を叩き、「二人は気にせず 皇帝陛下を救ってきてよ」「そちらは任せたぞ ロゼ」と送り出しました。ロゼの返事は「ありがとう みんな」「それじゃあ 行ってきます」。

皇帝として立っているのは、サクヤの名を背負った影武者のサクラです。第9話のロゼは「どんな作戦を立てたところで意味がないんじゃないかな」と投げやりになっていました。今回は、わがままかもしれないと迷う側に回り、仲間がそれを任務と呼び直してくれる。一話で、ロゼの立ち位置がずいぶん戻っています。

お飾りの皇帝が、白のクイーンに「本当の強さ」を言い直す

皇宮では、サクヤの身代わりとして皇帝の座にあるサクラが、自分にできることを探していました。そこで出くわすのが、白のクイーン、キャサリン・サバスラ卿です。

「私は お飾りの皇帝かもしれません」

ノーランドを問い詰めたいサクラを、そばの者は「君はサクヤ様の身代わりとはいえ この国の最高権力者だ」「立場としてできる 他のやり方を考えろ」と止めます。避難の途中で出会ったキャサリンは「あら まだ生きてたんだ」「あなたと会うなんて最悪」「うざいから 早くどっか行ってくれる」と冷たい。

それでもサクラは頭を下げます。「どうか私たちに 協力してはいただけないでしょうか」「お願いします」。「いざ自分が死にそうになったら 助けてくださいって」「これだから 弱い人間は」と返されても、「私は お飾りの皇帝かもしれません」「ですが 今私が動けば 少しでも多くの民が救えるかもしれない」「私は 私にできる使命を果たしたい」「いえ 果たさなければならないのです」。キャサリンは「あんた 少し変わったね」と言い、「ついてきなよ」と道を開けました。

第9話では「お飾りはお飾りらしく」と言われていた呼び名を、サクラは自分から名乗り、そのうえで動く理由にしている。見下す言葉を先に引き受けてしまうと、相手はもうそれで押さえつけられません。

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マジでこんなのが世界中とかイカれてるな #geassp #奪還のロゼ

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第9話の口論の答えが、ここで出る

キャサリンの心には、ノーランドへの憧れとサクラの言葉が交互に浮かびます。「最高にクールだった」「あの時のノーランド様」、そして「寂しい強さなのです」「私は本当の強さを知っています」。「今まで絶対的な力が最高の強さって感じてたのに」「分かんなくなっちゃった」。

そしてキャサリンは聞きます。「あんた 言ってたよね」「本当の強さを知ってるって」「あんたが言う強さって」。サクラの答えは「私は弱いかもしれません」「たとえ小さな力でも」「自分以外の誰かのために 何かをできる心」「それが本当の強さだと 私は思っています」。

第9話で交わされた「寂しい強さ」と「本当の強さ」のやりとりは、キャサリンが「あんた 言ってたよね」とサクラに問い返したことで、二人の口論だったとはっきりします。第9話では言い切りで終わった「本当の強さ」の中身が、ここで初めて言葉になった。弱いかもしれない、と先に認めてから言うところが、サクラらしい強さの示し方でした。

「面倒なのよね 子供のおもりって」

キャサリンは「なるほどね」とだけ言い、クイーンの権限で出口を開けて、「じゃあね」「どこに行こうが私の自由でしょ」「あとは勝手にやってちょうだい」「面倒なのよね 子供のおもりって」と去っていきます。

助けたのに「子供のおもり」と言い捨てる。強さの定義が揺らいだことを、キャサリンは言葉では認めません。認めないまま、敵の皇帝を出口まで連れていった行動のほうが、答えになっています。

アッシュとアーノルド、「最後に勝った方が勝者だ」

ノーランドの部屋へ向かう途中で、アッシュはアーノルドに呼び止められます。ロゼとアッシュは、ここで二手に分かれました。

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判断が早い #geassp #奪還のロゼ

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「その時は耳を塞いでね」

皇帝の屋敷は破壊されていて、二人はノーランドの部屋へ向かいます。ロゼは「中にノーランドがいたら すぐにギアスをかける」「その時は耳を塞いでね」とアッシュに頼み、アッシュは「ああ」とだけ返しました。ロゼは続けて「この下に ノーランドがいるかもしれない」「サクラもそこに」と叫びます。

ギアスの仕組みごと明かし合ったあとの二人だから言える一言です。ギアスが二人のあいだで隠し事ではなく、段取りの一部になっている。短いやりとりに、第8話からの変化がよく出ていました。

「最後に勝った方が勝者だ」

「ずいぶんとうろたえてるじゃないか」と挑発されたアッシュは、ロゼに「先にノーランドの元へ向かうんだ」「すぐに追いつく」と言い、「剣を取れ」と一騎打ちになります。アーノルドは「二人きりになれたな」と喜び、戦いの最中に「いいことを教えてやろう」と前置きして「最後に勝った方が勝者だ」と叫びました。

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【悲報】アー君、「最後に勝った方が勝者だ!」なんて小泉構文を叫んだ途端に死亡してしまう
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言葉だけ取り出すと、当たり前すぎて意味が消えてしまう一文です。放送後には、これを「小泉構文」と呼んで、叫んだ直後の結末を嘆く投稿もありました。サクラの「本当の強さ」と同じ回に置かれると、強さを結果でしか測らない言葉の寂しさが際立ちます。第9話の「寂しい強さ」が、ここでは剣を持った男の口から聞こえてきました。

まとめ:区別をやめた人たちと、自分だけを分けた男

第10話では、多くの人が敵味方の区別をいったん脇に置きました。その中で、ノーランドだけが別の線を引いていました。

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分ける人と、分けない人

災害として戦うことを選んだ指揮官、ヴォーン卿に銃を下ろさせた声、敵の皇帝を出口まで案内したキャサリン、わがままを任務と呼び直した七煌星団。どれも、相手が敵か味方かをいったん問わずに動いています。その一方で、敵を識別する仕組みを持たない機械を世界に放ったノーランドは、自分と人類だけははっきり分けていた。「同じではない」。

副題の紫瀾は、大きな波を指す言葉です。波は相手を選ばない。選ばないことを、自分で選んだのがノーランドでした。器として残った男が、人類の外側に自分を置いた理由は、まだ語られていません。

この先の見どころ(予想)

ここからは予想です。ノーランドは、器として残った自分を「同じではない」と言いました。サクラの言った「自分以外の誰かのために 何かをできる心」が、中身のない器にどう届くのかが焦点になりそうです。アッシュが追いつけるのか、ギアスの通じない相手にロゼがどう向き合うのかにも注目したいと思います。

アニ
区別をやめた人たちと、自分だけを分けた男でござった
ラン
サクラちゃん、かっこよかったのね!
キャロ
本当の強さの中身が、やっと言葉になりました。
アニ
器の中身を問う戦いになりそうでござるな

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