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冬樹にひそかな想いを寄せる同級生・西澤桃華と、彼女のもとで暮らすケロン人・タママ二等兵が登場。桃華は冬樹に急接近するため、西澤家の全面協力で南の島のバカンスを計画する。ケロロたちも同行した島には、奇妙な噂があった。二つの顔を持つ桃華とタママ、空回りする恋の大作戦、そして島に伝わる奇妙な現象の真相まで、笑いと少しの切なさが詰まった第3話を振り返る。




第3話は西澤桃華とタママ二等兵の登場回
『ケロロ軍曹☆【完全新作】』第3話は、冬樹にひそかな想いを寄せる同級生・西澤桃華と、彼女のもとにいたケロン人・タママ二等兵が登場する回だった。前半は二人と日向家の出会い、後半は西澤家が全力で支える南の島のバカンス。恋の大作戦と、島に伝わる奇妙な現象の真相まで、笑いどころがぎっしり詰まった一話になっていた。
伝えられない桃華の想い
物語は、学校で冬樹に声をかける桃華の姿から始まる。お話があって、私、日向くんのことを、と勇気を振り絞ったところで、冬樹は急いでいるからとその場を離れてしまう。どうしていつも好きと言えないのか、と落ち込む桃華。その胸の内に潜むもう一つの顔が、強烈なインパクトとともに描かれていた。
一方そのころ、学校に忍び込んでいたケロロは、リュックに入っていた乾燥剤のせいですっかり干からびかけていた。そんなケロロが受け取ったのは、仲間からのSOS。ケロロ以外にも地球に宇宙人がいる。冬樹とケロロは急いで仲間のもとへ向かう。二つの秘密が同じ学校で交わろうとしている導入に、思わず引き込まれた。
タママ二等兵との再会
森の中で見つかったのは、地面に埋まっていたケロロの部下・タママ二等兵。そしてシャベルを手にした桃華だった。慌てて徳川埋蔵金を探していたとごまかす桃華がおかしい。「会いたかったです 軍曹さん」とケロロとの再会を喜ぶタママ。冬樹の家にも宇宙人がいると知った桃華は、日向家を訪れることになる。
久しぶりの再会に大はしゃぎのタママと、まだ状況が飲み込めない冬樹たち。表の顔と裏の顔をあわせ持つ桃華と、かわいらしい見た目に別の顔を隠したタママ。どちらも二つの顔を持つ二人という組み合わせが、この作品らしい楽しさを生んでいた。
日向家で明かされる秘密
宇宙お好み焼きと二つの顔
日向家に招かれた桃華は、日向くんの家の匂いに感激する。ところが冷蔵庫で寝かせていた宇宙生物ミックスの宇宙お好み焼きが暴れ出し、家の中は大騒ぎに。夏美はやっぱりあんたの仕業ねとケロロを責め、騒ぎの中でタママが目からビームを放つ場面まで飛び出した。
冬樹にとって、桃華がコンタクティだったというのはうれしい驚きだった。野良犬に埋められそうになっていたところを助けた、両親にも内緒で暮らしている、と出会いの経緯を聞き出していく冬樹。オカルト好きの冬樹らしい質問攻めに、桃華も戸惑いながら答えていく。
夏美とタママのひと悶着
夏美はボケガエルと違ってかわいいとタママをかわいがる。ところが、ケロロへの言い方がきついと見るや、タママの表情が一変した。軍曹さんになめた口をきくな、とすごむタママ。そこへケロロが割って入り、夏美殿は我が輩の上官だと口を慎ませる。かわいい顔から一瞬でドスの利いた声に変わるタママの二面性は、まさにこのキャラクターの真骨頂だった。
ケロロはタママを部屋に呼んで説教する。まずは小隊全員をそろえるのが急務で、残り3人からの接触を待つ。そして恩人である冬樹たちに迷惑をかけてはならない。侵略とはまた別の話だ、と語るケロロの姿には、隊長らしい一面もちゃんとあった。
二人だけの秘密
帰り際、冬樹は桃華に一つの提案をする。勝手な思い込みかもしれないけれど、軍曹たちは結構いい宇宙人だと思う。だから軍曹たちを守るためにも、「このことは僕らだけの秘密にしよう」。その言葉に、桃華の心は舞い上がった。日向くんと私だけの秘密。二人で育む尊い秘密。
けれど、学校で話があると言っていたけど、と冬樹に聞かれた桃華は、結局その想いを口にできないまま。秘密は共有できたのに、肝心の気持ちは伝えられないもどかしさが、桃華の恋をいっそう応援したくさせた。
冬樹がケロロたちを守るために秘密にしようと言ったことは、冬樹の優しさをよく表している。宇宙人を見つけても騒ぎ立てず、相手を一人の存在として尊重しようとする。オカルト好きでありながら、相手の気持ちを大切にできる冬樹だからこそ、ケロロもタママも安心して地球で暮らせるのだろう。
南の島のときめきツアー大作戦
西澤家の完全バックアップ
後半の舞台は、南の島。冬樹に急接近するため、桃華は西澤家の完全バックアップのもと、恋の大作戦を兼ねたバカンスを計画する。島はまるごと貸し切り。西澤さんってお金持ちだったんだ、と驚く冬樹に、桃華はそんなことないと謙遜するが、規模はまるで違っていた。
島へ向かう飛行機の中から、西澤家の執事も同行し、作戦はすべて桃華のために用意されている。二人だけの南の楽園という桃華の思い描いた計画と、家族総出のにぎやかな旅行という現実。そのずれが、この後の展開をいっそう面白くしていく。
家族みんなでついてきてしまってごめんなさいね、という秋の言葉にも、桃華は考えようによっては親公認では、と前向きにとらえる。思いきり遊ぶわよとはしゃぐ夏美に対し、ケロロは海の水には塩分が多く含まれていると聞いて、侵略したら埋め立ててやると息巻く。けれど地球の表面の70%は海だと冬樹に教えられ、侵略をやめようかなと弱気になるのがおかしかった。楽しめば軍曹も海を好きになるよ、と声をかける冬樹の優しさも含めて、家族旅行のようなにぎやかさが画面いっぱいに広がっていた。
干からびるケロロと大人の特権
海辺で遊ぶうちに、ケロロとタママはまたもや干からびてしまう。もう落ち着いたかと気づかわれる中、ケロロが口にしたのは、「過ちを気に病むことはない」という言葉だった。ただ認めて、次の糧にすればいい。それが大人の特権だという。干からびながら語る名言めいたせりふに、思わず吹き出してしまった。
ラブラブサルベージ大作戦
一方の桃華は、せっかくの作戦がこのままでは失敗すると焦っていた。そこで発動したのが、ラブラブサルベージ大作戦。溺れたふりをして冬樹に助けさせ、さらに人工呼吸で既成事実を作る、という二段構えの作戦だ。「絶対にマネをしないでください」という注意書きまで添えられる念の入れようがおかしい。
ところが、助けに飛び込んだのはスポーツ万能の夏美だった。さらに人工呼吸を施されそうになる桃華の前に現れたのは、ケロロが用意した宇宙タコ。作戦がことごとく裏目に出る展開に、桃華の内なる叫びが聞こえてくるようだった。夕焼けの中でようやく想いを伝えようとした瞬間も、バーベキューの呼び声にかき消されてしまう。
島に伝わる奇妙な現象の真相
手をつないで
夜、冬樹は島の噂を確かめに行こうと桃華を誘う。無人島なのに人影が見えたり、第三種接近遭遇の噂もあるという。暗い森の中で、冬樹は「手をつないで行こう」と手を差し出した。その方が安全だよ、と。まずかったかなと気にする冬樹に、そんなことはないと答える桃華。ついに日向くんと手をつないだ、と喜ぶ桃華の姿がほほえましかった。
作戦ではなく、冬樹の思いつきから生まれた二人きりの時間。恋の大作戦はことごとく空回りしたけれど、冬樹の自然な優しさが、桃華にとって何よりのごほうびになったように見えた。計画どおりにいかないからこそ、ふとした瞬間の喜びが大きくなるのかもしれない。
カエレン星のタテゴト軍曹
一方、ケロロとタママは星空を見上げて故郷のケロン星を思い出していた。帰りたいと漏らすタママに、いずれこの星を侵略して故郷に凱旋する日が来ると励ますケロロ。そこへ現れたのが、カエレン星のペコポン偵察部隊、タテゴト軍曹だった。この島に不時着し、もう故郷に帰れないと途方に暮れていたところを、いろいろな地球人に助けられたのだという。
帰る手段はもうない。けれど「生き甲斐があれば」、どこでも故郷と同じくらい好きになれる。そう語るタテゴト軍曹の生きがいとは、島を訪れる人を驚かせることだった。島の噂の正体は、故郷に帰れなくなった宇宙人のささやかな楽しみだったのだ。笑えるのに少し切ない真相が、ケロロたちの姿と重なって心に残った。
侵略者として地球に来たはずが、地球人に助けられ、地球で生きがいを見つけたタテゴト軍曹。その姿は、日向家に居候しながら侵略をたくらむケロロの未来の姿のようにも見える。けれど、ケロロにはまだ帰る場所も仲間もいる。故郷を思うタママを励ますケロロの言葉には、隊長としての責任感と、仲間を思う気持ちがにじんでいた。
第3話のまとめ考察
恋する桃華のまっすぐさ
第3話は、桃華とタママという強烈な二人が加わったことで、物語が一気ににぎやかになった回だった。冬樹に想いを伝えたい一心で、島を貸し切り、作戦を練り、何度も空回りする桃華。そのまっすぐさは、ときに暴走しながらもどこか憎めない。
桃華の魅力は、なんといっても表と裏の二つの顔だ。冬樹の前ではおしとやかで控えめなのに、思いどおりにいかないと内なる激しい感情が噴き出す。そのギャップが笑いを生む一方で、どちらの顔も冬樹を想う気持ちから生まれているのが伝わってくる。好きな人の前で素直になれない不器用さは、誰もが少しは身に覚えのあるものかもしれない。
最後に明かされたのは、島そのものを買ってホテルまで建ててもらったという事実。冬樹と急接近する作戦は、ちょっぴり成功。経費総額は約500億円という締めくくりには、思わず笑ってしまった。スケールの大きさまで含めて、桃華らしさが全開の一話だった。
故郷を離れた者たちの居場所
一方で、タテゴト軍曹のエピソードは、地球にいるケロン人たちの姿とも重なる。本隊に置き去りにされたケロロ、桃華のもとで暮らすタママ。故郷に帰れなくても、生きがいや大切な人がいれば、そこが居場所になる。
侵略を口にしながらも、冬樹たちと過ごす日々を楽しんでいるケロロたち。恋と秘密と故郷への想いが交差した南の島で、それぞれの関係が少しずつ深まっていく。残る小隊メンバーとの合流も含め、これからの日向家のにぎやかな日々を見守っていきたい。




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