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タヴーに追い詰められた飛龍と雨宮。絶体絶命の窮地で、目を覚ました雨宮がPSIの力を見せる。ゴールにたどり着いたアゲハたちを待っていたのは、あの荒野が未来の日本だったという衝撃の事実と、雨宮を迎えに来た謎の女だった。サイレンとは何なのか、その答えがついに語られ始める。雨宮の覚醒、飛龍との再会、そして八雲祭が語るPSIの正体まで、第3話を振り返る。




第3話「PSI【サイ】」は雨宮の力とサイレンの正体が明かされる回
『PSYREN -サイレン-』第3話「PSI【サイ】」は、タヴーに追い詰められた飛龍と雨宮の絶体絶命の場面から始まり、ゴールの公衆電話、現代への帰還、そして世界的ピアニスト八雲祭の登場まで、物語の土台が一気に明かされた回だった。あの荒野は未来の日本だったという衝撃と、PSIという力の正体。ここからいよいよ本格的に物語が動き出すことを感じさせる、密度の濃い一話だった。
雨宮の覚醒とアゲハの一撃
冒頭、衰弱した雨宮を連れてゴールを目指す飛龍の前に、タヴーが立ちはだかる。深呼吸しただけで体がきしむほど消耗していた飛龍は、自分のことはいいから早く逃げろと叫ぶしかない。ここで終わりなのかと思われたその時、目を覚ました雨宮が動いた。私が時間を稼ぐ、あなたは逃げなさい。PSIの力でタヴーに立ち向かう雨宮の姿は、これまでの冷たく見える彼女とはまるで別人のように頼もしかった。
それでも、長くは持たない。その限界ぎりぎりのところへ駆けつけたのがアゲハだった。アゲハの一撃がタヴーの弱点を貫き、一同は窮地を脱する。そこを狙って大正解だったという声が上がり、ようやく安堵が広がった。殺人モンスターと、それに立ち向かう女。目の前で起きたことが信じられないという戸惑いは、見ている側の気持ちそのものだった。
ゴールの公衆電話と、生きていた男
あの化け物は何なのかと問うアゲハに、雨宮はみんなはタヴーと呼んでいたと答える。様々な種類がいて、この世界を徘徊している。どこから来るのか、何が目的なのかは雨宮も知らない。詳しく聞かせろと迫るアゲハを、ここは安全じゃないと制する雨宮の冷静さが、この世界を何度も生き抜いてきた経験を物語っていた。
たどり着いたゴールの公衆電話。俺が1位でいいだろと浮かれる声に、うざいとあきれる声が返る。そんなやりとりに、ようやく少しだけ肩の力が抜ける。ところがそこへ、崖から転げ落ちた後ずっと後ろについてきていたという男が現れる。けがをした少年は遅かれ早かれ死んでいたと言い放つ男に、場の空気は一気に険しくなる。喧嘩は後と止める雨宮の一言で、全員がテレフォンカードを取り出し、元の世界へと帰っていった。
戻ってきたのは現代、あの荒野は未来
帰ってきた。そう実感した瞬間、浮かない顔の雨宮に、笑えよと声がかかる。ガサツで無神経で、たまに優しい。そう返す雨宮の表情が少しだけ和らぐこの場面が好きだった。けれど、戻ってきたはずの場所にはどこか違和感がある。建物や置いてあるものは新品になっているが、さっきまでいた場所とそっくりなのだ。
そこで雨宮は告げる。戻ってきたのよ、現代に。私たちは今、未来から戻ってきたの。あの荒廃した世界は、自分たちの世界の未来だった。第2話で荒野が日本だと分かった時点で嫌な予感はあったが、こうして言葉にされると改めて背筋が冷える。そんな話は信じられないと言い残して帰っていく男の反応も、ある意味では当然だろう。
暴走バイクの女と、飛龍の正体
雨宮を迎えに来た女
現代に戻った直後、雨宮は話が止まらなくなるほど不安定な状態に陥る。そこへかかってきた一本の電話。相手の女は、サイを使いすぎたな、その子には特別な治療が必要だ、私が今から迎えに行くと告げる。電話の女はサイレンのことを知っていた。そして現れたのは、ものすごい勢いで突っ込んでくる暴走バイクだった。
雨宮桜子を迎えに来たと名乗る女に、雨宮は相変わらず無茶しますね、祭先生と声をかける。女はアゲハたちに、お前たちはネメシスQに選ばれたサイレン世界の放浪者、サイレンドリフトだと告げ、次の着信に備えて体を休めておけと言う。さらに、サイレンでの出来事を軽々しく第三者に話すのはやめておけ、家族にもだと忠告する。それでも名乗らない相手に、言わないなら雨宮は渡せないと立ちはだかるアゲハ。威勢のいいガキだなと笑い、ひよっこと一蹴して去っていく女の強者感が、短い登場でも強烈だった。
泣き虫飛龍との再会
女が去った後、飛龍はアゲハに声をかける。白滝第一小学校5年2組。小学5年の時に半年間だけ一緒だったクラスメイトが、実は飛龍だったのだ。4年半ぶりくらいかという言葉に、ようやく思い出すアゲハ。あの泣き虫だった飛龍と、目の前の大柄な男が同じ人物だとは、すぐには結びつかないのも無理はない。
じゃあまたな、チビ。もっと牛乳飲んだほうがいいぞ。俺はもう泣き虫飛龍じゃねえ。そう言い残して去っていく飛龍の背中には、この4年半の間に何があったのかを想像させる重みがあった。幼なじみ同士の再会という形で、アゲハと飛龍の関係が一気に深まったのがうれしい。身長差をからかわれるアゲハの悔しそうな顔にも笑ってしまった。
八雲祭が語るサイレンの秘密
テレパシーで呼び出されたアゲハ
翌日、アゲハの目はひどく充血していた。昨日の出来事が現実だったのかを確かめたくて会った仲間と、もし雨宮の言うことが本当なら、俺たちの日本は崩壊するということだと言葉を交わす。雨宮が見つかったと聞かされても驚かないアゲハ。たった一日で、友人たちに話せないことがたくさんできてしまった。この一言に、アゲハがもう元の日常には戻れないことがにじんでいる。
そんなアゲハの頭の中に、突然雨宮の声が響く。学校近くの展望台公園で待っている。通信終わり。テレパシーで呼び出されるという、これまでにない体験に慌てふためくアゲハの姿がおかしい。展望台で待っていた雨宮は、サイレンのテレフォンカードを手に入れたのは去年の冬、何もかも嫌になって大阪まで家出した時の道端の公衆電話だったと打ち明ける。そこでネメシスQに出会い、以来あの世界を何度も旅してきたのだという。
雨宮のためだけのピアノコンサート
雨宮がアゲハを連れて行ったのは、まだ開演前のコンサートホールだった。サイレン世界で、自分はただ泣いて隠れて逃げるだけの存在だった。そんな自分に生き残る術を教えてくれたのが、PSIの先生である八雲祭。ステージで迎えてくれたのは、元気に帰ってきた雨宮のためだけに開かれたソロコンサートだった。
クラシックには興味も知識もないというアゲハが、それでも何かを感じ取り、クラシックも悪くないと思うまでの流れがいい。そして演奏を終えた祭の正体に、アゲハは驚く。世界中が注目する有名なピアニストが、あの暴走バイクの女だったのだ。祭先生はいつも素敵と目を輝かせる雨宮の明るい一面も新鮮で、マネージャーの菊池に追いかけ回される祭のマイペースぶりも含めて、一気に場がにぎやかになった。
カードの裏に書かれた真実
屋上に移った祭は、自分は元サイレンドリフトで、ネメシスQのゲームをクリアした人間だと明かす。カードの残数をゼロにしたことで、もう呼び出されることはない。言われるままにカードを額にかざすと、浮かび上がったのは48という数字。それはアゲハたちのカードの残数だった。
さらにカードの裏には、初回のゲームを生き延びた者だけに開示される情報が書かれていた。サイレンのことはドリフト以外の者に決して話してはならない、塔は危険、力なき者は近寄るべからず。そして一番下に記されていたのは、ネメシスQと共に時を飛び越え、未来を変える旅をするという一文だった。サイレンは未来を変えるための旅。これが最初に分かっていればとアゲハが憤るのも当然だった。
祭は2年以上前から、あの世界と現代を何度も行き来してきたという。なぜ未来の世界は崩壊したのか、いつ、どんな原因で日本に何が起こったのか。その謎の一つがタヴーであり、世界の崩壊とあの凶暴な生命体の大量発生には必ず関係があるはずだと語る。奴らは何者かによって作られた生命体であり、それを作り出した人か組織か、もっと別次元の何かがサイレン世界にはいる。雨宮もまた、祭とともに世界崩壊の元凶を探り出すと決めていた。
PSIという力の目覚め
最後にアゲハが尋ねたのは、あの夜に出た40度の熱と止まらない鼻血のことだった。飛龍も同じ目にあっていたらしい。祭の答えは、サイレン世界の大気を吸い込んだことによる感染症状。それは二人に素質があったという証であり、力の目覚めだった。本来人間に備わっていながら眠り続けている力、それがPSI。サイレン世界の汚染された大気には、眠った脳内の力を超覚醒させる作用がある。タヴーに対抗するための最大の武器を、今日から磨くのだ。できる限り強くなれ。次の戦いが来るまでに。祭のこの言葉で締めくくられるラストは、物語が新しい段階に入ったことをはっきりと告げていた。
第3話のまとめ考察
謎が明かされ、物語が本格的に動き出す
第3話は、ここまでの2話で積み上げてきた謎に、一気に答えを出していった回だった。あの荒野は未来の日本であり、サイレンは未来を変えるための旅であり、PSIは眠っていた脳の力だった。情報量はかなり多いが、雨宮の覚醒、暴走バイクの女の登場、飛龍との再会、そして祭による種明かしと、見せ場を次々に重ねていくことで、最後まで一気に見せてくれた。
特に印象に残ったのは、雨宮という人物の見え方が大きく変わったことだ。冷たい氷の女王のように見えていた彼女は、サイレン世界で泣いて隠れていた過去を持ち、祭のもとで生き残る術を身につけ、世界崩壊の元凶を突き止めようとしている。祭の前で見せる無邪気な笑顔と、タヴーに立ち向かう強さ。雨宮の素顔が見えたことで、アゲハと雨宮の関係にも新しい意味が生まれた。
また、飛龍がアゲハの小学校時代の同級生だったと分かったことで、三人の関係にも深みが出てきた。世界の謎を追う雨宮と祭、そこに加わることになるアゲハと飛龍。PSIという力をどう磨き、未来の崩壊という巨大な謎にどう立ち向かっていくのか。物語の方向性がはっきりと示された今、ここからの展開がますます楽しみになった。




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