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サイレン世界から戻ったアゲハたちに、八雲祭がゲームのルールとPSIの仕組みを教える。雨宮の部屋で始まった特訓、テレビの生放送で倒れた人気俳優の望月朧、そして予想より早く鳴り響いたベル。準備が整わないまま、命がけの次のゲームが目の前に迫っていた。PSIの正体、朧とエルモアの対面、そしてアゲハの危険なバーストまで、第4話を振り返る。




第4話 サイレンのルールとPSIの正体
第4話は、八雲祭がアゲハたちにサイレンのルールとPSIの仕組みを教える修行の回でありながら、人気俳優の望月朧、霊能者の天樹院エルモア、そして霧崎兜と、新たな人物が次々と姿を見せた回だった。雨宮の部屋での特訓、アゲハのPSIの危うさ、そして予想より早く鳴り響いたベル。次のゲームへ向かう準備の一話を振り返っていく。
東へ向かう旅
冒頭、祭はこれまでのゲームのルールをおさらいする。ネメシスQのベルが鳴ったら、その場にある電話を取る。電話を取ったサイレンドリフトはスタート地点の近くに飛ばされ、公衆電話の指示に従ってゲートを目指す。無事にゲートへたどり着いた者だけが現代へ帰れる。ベルを無視すれば、次第に大きくなる音に脳が耐えられなくなって死ぬのだという。
ゲームの状況は毎回異なり、カードの消費度数もそれによって変わる。カードの度数をゼロにすればゲームは終わる。なぜこんなゲームを強制させるのかと問うアゲハに、祭は本人に聞いても答えてはくれなかったと答えつつ、手がかりならあると続ける。
前回のゲートは静岡県静岡市の市街地で、次のスタート地点はその数キロ圏内の公衆電話になる。祭が初めて参加したゲームは当時住んでいた九州で、回を重ねるごとにスタート地点は広島、兵庫へと移っていった。サイレンドリフトたちは「未来の日本を東に向かって旅しているんだ」。
ゲームの舞台が少しずつ東へずれていくという事実は、ネメシスQの目的を探る大きな手がかりになりそうだ。ネメシスQもあの未来を変えたいのか、というアゲハのつぶやきも含めて、謎の輪郭が少しずつ見えてきた。
PSIの正体とコーヒーの試験
続いて祭が語ったのはPSIの正体だった。「サイとは脳の潜在能力」。人の全脳細胞を瞬間的に限界まで活性化させることで発揮できる思念の力だ。PSIは脳を酷使するため、人は進化の過程で脳にリミッターをかけてきた。けれどサイレン世界の大気に感染したことで、アゲハたちのリミッターは外れてしまったのだという。
祭の指示で、雨宮がコーヒーの表面にクリームで模様を描いてみせる。一般的に超能力と呼ばれる力も、すべてPSIによるもの。PSIは個人の資質と訓練でいくらでも応用がきき、サイレン世界の謎を解く鍵でもある。未来の世界はPSIの力に満ちた異界に変わり、タヴーの誕生にもPSIが関わっている。PSIに対抗するには、より強力なPSIしかない。
祭はアゲハと飛龍に、同じ模様をクリームで描いてみせろと課題を出す。目を閉じ、頭の中にコーヒーカップを思い浮かべ、イメージを現実に変える。見事に成功したのは飛龍だった。「初めてでここまでとは」と祭を感心させる飛龍に対して、アゲハはうまくいかない。次の呼び出しはおそらく2週間以内。祭は「サイの力を磨き必ず生き残れ」と二人を送り出す。
ただ、祭はアゲハから一瞬だけ感じたPSIの波動が気のせいだったのかと引っかかっていた。結果だけ見れば飛龍が一歩リードしているが、アゲハの中にも何かが眠っている。その予感が、後半の展開へとつながっていく。
コツを教えてやろうかと声をかける飛龍に、アゲハは「俺はこのゲームを企んだ奴をぶっ飛ばすって決めたんだ」と言い返す。こんなところでつまずいていられない。負けず嫌いなアゲハらしい強がりだった。
雨宮の部屋での特訓
雨宮の打ち明け話
雨宮が二人を連れて行ったのは、自分の部屋だった。急に邪魔していいのかと戸惑うアゲハに、雨宮は一人暮らしだから気にしないでと答える。父は新しい相手と暮らし、母はずっと前に出て行った。「二人ともあんなに私に興味ないとは思わなかったな」と淡々と語る雨宮の言葉には、これまで一人で抱えてきた孤独がにじんでいた。
第1話から氷の女王と呼ばれてきた雨宮だが、その冷たさの裏には、誰にも頼れずに生きてきた日々があったのだろう。だからこそ、アゲハと飛龍を自分の部屋に招き入れたことには、小さくない意味があるように思えた。
三つの力とバースト
本格的な訓練の前に、雨宮はパペットのキャラクターになりきってPSIについて教えようとする。そのキャラはもう終わりなのかとツッコまれ、私のペースでやらせてよとむくれる雨宮が、なんともかわいらしい。第3話までの雨宮とは別人のような姿に、思わず笑ってしまった。
PSIは三つの力から成り立っている。内なるPSIを物理的な波動に変えて外へ放つバースト、テレパシーのように人の内側へ働きかけるトランス、体の感覚や筋力、治癒力を高めるライズ。PSIの使い手はみな、この三つの力を持っている。
この日の訓練はバースト。その場から動かずに、どこでもいいから雨宮の体にタッチしてみてと言われ、アゲハは勢いよく力んでみせる。ところが雨宮に触れることばかり考えて、コーヒーカップの時のアドバイスをすっかり忘れてしまう。「馬鹿だ 清々しいほどの馬鹿がいる」というツッコミがぴったりの場面だった。
一方の飛龍は、数メートル先の雨宮に触れるイメージを作り、それを現実に投影する。正解だと告げられ、飛龍はまた一歩先へ進む。頭がゆで上がりそうだと言いながらもやり遂げる飛龍の冷静さと、空回りするアゲハの対比がはっきりと描かれていた。
飛龍の回想には、サイレンの力があれば自分の体も治ると信じていた少年の姿もあった。一緒に行こうと誘われても信じなかった飛龍が、今は自らサイレンの力に向き合っている。その胸の内にある思いも、少しずつ明かされていくのかもしれない。
望月朧と天樹院エルモア
生放送のサイレン特番
テレビ局では、サイレンの謎に迫る緊急生放送の特番が始まろうとしていた。シャワーを浴びても体が冷たいと震える望月朧は、マネージャーにせかされながら準備をする。あのカードを拾ってから頭から離れない、きっととても危険な代物だと言いながらも、「危険だからこそ人生は美しい」と語る朧。「僕は面白いものに巻き込まれたと思っているよ」という言葉に、ただの人気俳優ではない底知れなさが漂う。
その頃アゲハは、サボりと門限破りで姉に叱られ、反省させられていた。結局自分のPSIは雨宮に少しも届かなかったと悔しがるアゲハの姿が、飛龍との差をいっそう際立たせる。
番組では、ネメシスQの目撃談や、公衆の面前で男が姿を消した話が紹介され、サイレンの謎に5億円の懸賞金をかけた霊能者、天樹院エルモアの名前も挙がる。そして朧は、ロケで静岡に来たときに鳴った公衆電話に出て、噂のテレホンカードを手に入れたと語り始める。ところがその瞬間、朧は「息ができない」と苦しみ出してしまう。
エルモアの警告
気がつくと、朧の前にはエルモア本人が立っていた。少し眠ってもらっているだけだと言うエルモアは、ネメシスQのルールに逆らえば命はないと告げる。「もうテレビでサイレンの話をしようなんて」馬鹿な真似はよすんだね、と。
目の前の小柄な老婦人に驚いた朧が思わず本音をこぼすと、「心の声が全部出とるわこのたわけ」と返される。緊迫した場面なのに、このやり取りには笑ってしまった。エルモアはサイレンの謎を解けば5億円を出すと言い、なぜネメシスQが秘密を隠すのか、それも謎の手がかりだと語る。
もう抜けられない泥沼に片足を突っ込んだのだと覚悟を迫られた朧は、「僕は退屈な人生を送るために生まれてきたわけじゃない」と笑ってみせる。エルモアの側も、朧にはPSIの素質があり、かなりの使い手になるかもしれないと見抜いていた。子猫のふりをした大トラ。エルモアのその評が、朧という人物をよく表している。
霧崎兜の登場
もう一人の新顔が霧崎兜だ。女性に手を出した相手に食ってかかったかと思えば、すぐに土下座してみせる軽さ。戦場カメラマンだった叔父には、命がいくつあっても足りないと心配される。それでも兜は「自分のハートに正直に生きてたら」こうなってしまうのだと笑う。お調子者でありながら、どこか憎めない人物として描かれていた。
運命の女神が背中についているのかもしれない、と大きなことを言う兜。朧と兜という個性の強い二人が、これからのゲームにどう関わってくるのかが楽しみになる。
暴走するアゲハのPSI
感情の爆発
雨宮の制止も聞かず、アゲハは家でも訓練を続けていた。飛龍にできて自分にできないはずがない。限界を超えて脳を酷使するアゲハに、雨宮は集中なしに感情に任せてPSIを使えば脳が潰れてしまうと必死に止める。
ところがアゲハが放ったバーストは、雨宮の想像を超えていた。PSIの基本は集中、想像、動作。けれどアゲハのバーストはまるで違う、「純粋な感情の爆発」だった。本人にもコントロールできない「とてつもなく危険なサイ」。その爆発は、雨宮の部屋の壁に大穴を開けてしまう。
すげえぞ俺の力、と浮かれるアゲハに、雨宮は部屋に大穴を開けられた女の子に謝らないのかと詰め寄る。素直にごめんなさいと謝るアゲハの姿には、思わず頬がゆるんだ。祭が感じた波動の正体は、このアゲハだけの力だったのだろう。
早すぎるベル
そのとき、ベルが鳴り響く。予定では2週間ほどのはずが、「まだ1週間じゃねえかよ」。予想はあくまで予想だと、雨宮はすぐに気持ちを切り替える。祭に電話をかけ、サイレンに行ってきますと告げる雨宮。二人のPSIは間に合わなかったかと悔しがりながらも、祭は「無事を祈ってる」と送り出す。自分も一緒に行けたら、という歯がゆさがにじむ一言だった。
向こうに着いたら、まず私と飛龍を探して。雨宮の指示に、アゲハは力強くうなずく。PSIを完全には使いこなせないまま、三人は再びサイレン世界へと呼び出されていく。
第4話のまとめ考察
制御できない力の行方
振り返ってみると、第4話はPSIという力の仕組みが明かされ、アゲハの力の危うさが浮かび上がった回だった。冷静に力を扱える飛龍に対して、アゲハのPSIは感情の爆発そのもの。威力は飛び抜けているが、使い方を誤れば脳が潰れてしまう。その危うさは、命がけのゲームにおいて大きな武器にも、致命的な弱点にもなりうる。
一方で、ゲームの舞台が東へ移っていくという事実や、PSIとタヴーの関係、ネメシスQが秘密を隠す理由など、サイレンの謎も少しずつ形を見せ始めた。朧とエルモア、そして兜という新たな人物が加わったことで、物語の広がりもぐっと大きくなっている。
雨宮が一人で抱えてきた孤独が明かされたことも印象に残った。部屋に招き入れ、訓練に付き合い、危ない時には本気で止める。氷の女王と呼ばれた少女が、アゲハたちの前では少しずつ素顔を見せている。その変化が、この修行回を温かいものにしていた。
準備が整わないまま呼び出された三人は、再びあの荒廃した世界で生き残ることができるのか。アゲハの制御できない力が、仲間を救う鍵になるのか、それとも新たな危険を呼ぶのか。息つく暇もない展開から、これからも目が離せない。




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