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ビッグオーガから助けたエルフの少女ルーシーに迫られ、ソロにこだわっていたマコトに初めての仲間ができる。ところがルーシーの火魔法は、強すぎてまったく制御できなかった。修行の日々を経て、二人は新人冒険者のジャンたちと暴れバイソン討伐に挑む。ルーシーとのパーティー結成、森を燃やした火魔法、そして即席パーティーの連携まで、第3話を振り返る。




第3話 ルーシーとのパーティー結成
第3話は、前回ビッグオーガから助けた赤い髪のエルフの少女ルーシーが、マコトの初めての仲間になる回だった。強力な火魔法を持ちながらまったく制御できないルーシーと、マナは少ないのに熟練度だけは飛び抜けたマコト。正反対の二人が修行を重ね、新人冒険者のジャンたちと挑んだ暴れバイソン討伐の先で、思わぬ強敵が姿を現す。凸凹コンビの誕生を振り返っていく。
命の恩人と無詠唱の魔法
ギルドの酒場で声をかけてきたのは、さっき助けた少女だった。ルーシーと名乗った彼女は、マコトを命の恩人だと言い、マコトが詠唱なしで魔法を使っていることに驚く。それは熟練度50以上ということで、そこまで上げるのはとても大変なはずだ、と。魔法を覚えてから1年ちょっとだと答えるマコトに、ルーシーはもしかして異世界人なのかと目を丸くする。
異世界人はみんな強力なスキルを持っている、あなたも勇者の一人なのね。そう勘違いするルーシーに、マコトは「俺は最弱スキルしか持ってませんよ」と苦笑いする。それでもルーシーは引かず、「私とパーティー組まない」と顔を近づけて迫ってくる。すかさずダメという声が割って入るのが、なんともこの作品らしい。
ソウルブックを見せられたルーシーは、ステータスの低さに思わず一般人かと口にする。けれど魔法の熟練度が90だと知ると、ビッグオーガをわざわざ水辺まで誘い出した理由にも納得する。「使えるマナが少ないから 使い方を工夫するしかないんだよ」というマコトの言葉は、この作品の戦い方そのものを表しているようだった。
強制仲間イベント
ソロでのんびりやりたいマコトに、周りの冒険者たちはソロはきついと口をそろえる。ルーシー自身も、自分のスキルは役に立つはずだと猛アピール。ついには「RPGの強制仲間イベント」、はいを選ばないと先に進まないやつかと、マコトはゲーマーらしい例えで観念する。試しに組んでみろという周囲の後押しもあって、二人はパーティーを組むことになった。
そこへ現れたのは、オーガの前でルーシーを見捨てて逃げた元の仲間たちだった。頼りにならないリーダーはいらないと突っぱねるルーシーに、言い返す声も上がる。周りがその場を収めると、マコトには助けてくれてありがとうという感謝の言葉が向けられた。あの場面なら誰でもそうすると返すマコトの懐の深さに、周りも感心しきりだった。
「こうして 初めて仲間ができた」。ソロにこだわっていたマコトにとって、それは思いがけない一歩だった。強引で、少し子どもっぽくて、でも憎めないルーシー。その押しの強さがなければ、マコトはきっとこの先も一人で戦い続けていただろう。
初めての冒険
水面歩行と霧の中のゴブリン狩り
翌朝、待ち合わせ場所での二人の会話は、まるで恋人同士のよう。「ってこれカップルの会話だよな」と自分でツッコむマコトがおかしい。ルーシーがエルフの里の出身で、純粋なエルフではないと知ったマコトは、どこまで踏み込んでいいものかと悩む。「コミュ障には難易度高い」という心の声に、思わず共感してしまった。
向かったのは、いつもの魔の森の近く。歩けば半日かかる距離を、マコトは水面歩行と水流の魔法を組み合わせて一気に移動してみせる。手を離さないでね、魔法の効果が途切れるから。水の上をふわふわと滑っていく二人の姿は、冒険の始まりにふさわしい軽やかさだった。
森では霧の魔法で身を隠し、40匹ほどのゴブリンに囲まれながらも、マコトは隠密で一匹ずつ確実に倒していく。血を凍らせて返り血を避けるという細かな工夫まで、すべて詠唱なし。とんでもないことをさらっとやってのけるマコトに、ルーシーは驚きを隠せない。「俺 マナが少ないから セコい戦法しかできないんだけどね」と謙遜するマコトに、「セコくないわよ」と返すルーシーの言葉には、素直な尊敬がこもっていた。
ルーシーの火魔法
いよいよルーシーの魔法の出番。詠唱には最低でも3分以上かかるため、ゴブリンが来たらマコトが倒すと約束し、ルーシーは詠唱に専念する。マコトにいいところを見せないと、と張り切って放たれた火の玉は、たしかにすさまじい威力だった。ところが、あまりに大きすぎた。
森に燃え広がる炎に、二人は大慌てで水だと叫ぶ。消火作業をすべてマコトに任せたうえ、こっぴどく叱られてしまったルーシーは、マコトが怒っているのではと不安になる。パーティー解散とか言わないかと尋ねるルーシーに、「まだ初日だから」と返すマコトの間の取り方が絶妙だった。
次はもっと威力を抑えて撃てばいいと助言するマコトに、ルーシーは「あれが一番小さいの」と打ち明ける。強すぎる力を持て余すルーシーと、少ない力をやりくりするマコト。二人の正反対ぶりが、ここではっきりと浮かび上がった。
修行と二人の目標
火魔法・王級と精霊使い
マコトがルーシーのソウルブックを見せてもらうと、ユニークスキルは火魔法・王級に精霊使い。さらに火、水、木、土の4属性が使えるはずのスキルまで持っていた。ところがルーシーは、火魔法の修行ばかりしてきたから、ほかの属性は使えないという。精霊使いのスキルも、精霊のマナを借りるため制御が難しく、使いこなせていない。
そもそも自分のマナすら満足にコントロールできていない。そう落ち込むルーシーに、マコトはまずそこから始めようと提案する。熟練度を上げて火の大きさを制御する修行、さらにコントロールを良くする練習。「焦らず行こうよ」という言葉には、自分自身が地道に熟練度を積み上げてきたマコトならではの重みがあった。
それでもルーシーは、熟練度50までは程遠いし、マコトが修行に付き合ってばかりで稼げていないと気にかける。早朝のゴブリン狩りは続けているから心配ないと答えるマコト。相手に負担を感じさせないその気遣いが、二人の関係を少しずつ近づけていく。
母と海底神殿
元気のないルーシーをどう励ませばいいのかと悩むマコトに、ルーシーは自分の目標を語る。目標は母。「とんでもなく強い魔法使いなのよ」と誇らしげに話すルーシーの姿からは、その母への強い憧れが伝わってくる。
マコトの目標を尋ねられて返ってきた答えは、海底神殿の攻略だった。最高難易度のラストダンジョンだと驚くルーシーに、マコトは「目標は高いほうがいいだろ」とさらりと言ってのける。第2話でノアに託された目標を、マコトはまっすぐに見据えていた。その言葉に背中を押されたルーシーは、明日からまた頑張ると元気を取り戻す。結果的に励ませてよかったとほっとするマコトが微笑ましい。
暴れバイソン討伐
ノアの忠告
そんな二人のもとに、ジャンが暴れバイソン討伐の依頼を持ちかけてくる。自分とエミリーだけでは許可が下りないクエストで、この前助けてもらったお礼がしたいのだという。場所は草原。水場がないとマコトは力を発揮しにくく、ルーシーも乗り気でないなら断っていいと言うが、ジャンの一言が流れを変える。大森林では火魔法が禁止になったが、草原なら思いきり火魔法が使える、と。
「修行の成果 見せてやるわ」と張り切るルーシーを見て、マコトは依頼を引き受ける。ノアはなぜ引き受けるのかとあきれながらも、マコトのそういうところは嫌いじゃないと認める。そのうえで「命を大切にしなさい」、「死んだりしたら許さないんだからね」と念を押すノア。わがままな女神のようでいて、たった一人の信者を本気で心配しているのが伝わってくる。
即席パーティーの連携
草原に着くと、マコトは千里眼で1キロほど先の暴れバイソンを見つける。作戦は、マコトが囮となっておびき出し、ルーシーの魔法で弱らせ、ジャンの魔法剣でとどめを刺す流れ。エミリーはルーシーとジャンに攻撃の補助魔法を、マコトには防御の魔法をかける。即席とは思えない、役割のはっきりした作戦だった。
ところが暴れバイソンは予想より速く、焦ったルーシーの魔法は外れてしまう。マコトはとっさにアイスフロアで地面を凍らせ、ジャンのウィンドブレイドが足を止める。その隙にルーシーが改めて詠唱を完成させ、放たれた炎がついに暴れバイソンを仕留めた。修行の成果が、ここでしっかりと形になった。
平原では不利なはずの水魔法でも、足元を凍らせれば十分に役に立つ。マナの少なさを工夫で補うマコトの戦い方が、ここでも生きていた。仲間と力を合わせることで、ソロでは届かなかった獲物に手が届く。パーティーを組んだ意味が、この戦いではっきりと示されていた。
喜び合う中で、マコトは「なんとかなるもんだなと思って」とつぶやく。ところがその直後、空に影が差す。危険度上位の魔物、グリフォン。勝利の余韻は一瞬で吹き飛んだ。
第3話のまとめ考察
正反対の二人だからこそ
振り返ってみると、第3話は力を持て余すルーシーと、少ない力をやりくりするマコトが、互いを補い合う仲間になった回だった。強すぎる火魔法を制御できないルーシーと、マナが少なくても熟練度と工夫で戦うマコト。どちらか一人では足りないものを、二人でなら埋められる。
ソロにこだわっていたマコトが仲間を得たことは、物語にとっても大きな転機だろう。ルーシーの押しの強さ、ジャンとエミリーとの即席パーティー、そしてノアの心配。マコトの周りには、少しずつ人が集まり始めている。
一方で、ルーシーが純粋なエルフではないことや、とんでもなく強い魔法使いだという母の存在など、気になる要素も残された。ルーシーが母という目標にどう近づいていくのか、その成長も楽しみだ。今はまだ一番小さな火の玉しか撃てないルーシーが、いつか自在に炎を操れるようになったとき、このパーティーはきっと大きく化けるはずだ。
そして最後に現れたグリフォン。暴れバイソンとの戦いを終えたばかりのマコトたちは、この強敵にどう立ち向かうのか。マコトの工夫とルーシーの火力が、今度はどんな形で噛み合うのかに注目したい。




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