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エルファリアの待つ偉大なる塔へ、ついに足を踏み入れるウィル。塔の第一階節“無色の庭”で、各派閥から色の祝福を受ける儀式「開祭」が始まる第18話「ファースト・ブルーミー」。だが派閥に選ばれぬ者を待つのは“杖の墓場”——剣士ウィルに突きつけられた最初の試練を振り返る。




塔への、旅立ち
ハイメイジの衣、カラーレスグロリア
塔へ登る資格を得た50人は、ハイメイジの証である無色の衣カラーレスグロリアを身にまとう。軽く動きやすく、魔法耐性まで備えたこの一着は、仕立て屋ブランタールの見事な仕事だ。シオンやコレットたちが真新しい衣に袖を通し、旅立ちの実感を噛みしめる。
一方、塔からのスカウトが唯一届かなかったユリウスは、どこか元気がない。コレットが誤ってぶつかっても激昂するほど、その胸には焦りが渦巻いていた。
ドナンが打ち直した、新しい剣
旅立ちの前、ウィルは鍛冶のドワーフ・ドナンのもとを訪ねる。折れてしまった愛剣を、魔力を増幅する宝玉を加えて打ち直した新しい剣を受け取るのだ。
「代金はいらねえ。俺たちを救ってくれたお礼だ。頑張れよ、剣の魔法使い」——テルミナリアで共に戦ったドワーフたちの温かな餞(はなむけ)が、ウィルの背中を押す。
塔の中に広がる、もう一つの世界
無色の庭、カラーレスガーデン
塔の中へ入った一行を待っていたのは、驚きの光景だった。天井が開き、足場が浮上し、そこには空も地平線も広がっている——塔の第一階施設カラーレスガーデン(無色の庭)は、エルフの幻想魔法で作られた巨大な別世界だった。
菜園も、魔法生物の実験場も、クレープ屋まである。「本当にここが塔の中なのか」と一行は目を丸くする。夢のような光景に、ハイメイジになれた実感がじわりと湧いてくる。
探究の楽園、研鑽の地獄
アテンド役のクレイルイが、新たなヒナたちを迎える。「探究の楽園、そして研鑽の地獄へようこそ」——この地は、新たな魔法を生み出す最高学府でもあった。
塔を下から支える人々は“乗員”と呼ばれ、生活と生産、研究の基盤を担う。華やかな光景の裏に、厳しい実力の世界が広がっていることが、少しずつ見えてくる。
色の祝福と、杖の墓場
派閥に選ばれし、ヒナたち
塔の入学式にあたる儀式「開祭」が、マギアヴェンデ臨席のもとで始まる。土・風・闇・炎・氷・雷——各派閥からスカウトされた者たちが、次々と「色の祝福」を授かっていく。
だが、この祝福には残酷な裏があった。派閥に属せぬ者は先へ進めず、第一階節に永住して塔を支える“歯車”になるしかない。エドワルドが口にした「杖の墓場」とは、まさにこのことだった。
無色のまま――ウィルの試練
剣士という異端のウィルには、どこからも色の祝福が届かない。エルファリアが引き抜けば角が立つと、彼女はあえてスカウトを控えていた——「まず塔全体に認めてもらう必要がある」からだ。
スカウトの手紙(恋文)がウィルに届かなくても、ウィルはその想いを心で理解している。「自分の足で、君のところへ行く」——エルフィへの約束を胸に、彼は無色のまま前を見据える。
ファーストブルーム、価値を示せ
塔の番人、ゾクトニア
開祭のメインイベント「ファーストブルーム」。資格を示せなかった者に与えられる、最後のチャンスだ。現れたのは塔の番人モンスターゾクトニア——二つの盾で生半可な魔法を弾く、中層域の魔物に匹敵する強敵である。
「価値を示せ」。それが塔のただ一つのルール。学生上がりのメイジには攻略困難な相手を前に、ヒナたちの魔法は次々と弾かれてしまう。
敵を見切る、剣の魔法使い
だが、ウィルは違った。ドナンの剣と軽やかなグロリアを得た彼は、ゾクトニアの動きを完全に見切り、盾ごと両断してみせる。「前より敵の動きがよく見える。今なら何でもできる気がする」——見違えるような戦いぶりだ。
その活躍に、雷のゼオも「良くも悪くも注目を集めている者がいる」と目を留める。大食いのリアーナの豪快さも健在で、ウィルはついにエルファリアの前で堂々と力を示してみせた。
まとめ――自分の足で
ユリウスの、隠された本心
「私は天才。分身魔法も使えるし、美男子で貴公子だ」と嘯くユリウス。だがその強がりの奥にあるのは、「エルファリア様、私を見てください」という切実な承認欲求だった。
スカウトされなかった焦りと、認められたいという願い。ウィルとは違う形で“無色”に苦しむユリウスの内心が、次回への大きな伏線となっていく。
もう下を向かない
無色のまま塔に立つウィルは、それでも下を向かない。スカウトという“色”がなくとも、彼には自分の足で歩き、エルフィのもとへ辿り着くという確かな意志があった。
次回・第19話のタイトルは「もう下を向かないと彼は言った」。杖の墓場で立ち止まるのか、それとも道を切り拓くのか——ウィルの塔での戦いが本格化していく。




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