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第7話のサブタイトルは「開幕!裏超闘球大会!」で、会場は東京デスデスランドというテーマパークだった。前半はそこで遊ぶプチ総集編にあてられていて、雰囲気が変わるのは地下へ案内されてからである。見どころは、この大会に高額な会費と莫大な賭け金が動いていると明かされる場面と、第1試合で蘭が月に出した指示、そして一つ30キロのプロテクターを合計270キロぶん外すという切り札だった。




公式サブタイトルは「開幕!裏超闘球大会!」。会場はテーマパークだった
「ひらがなはやめてってば」から始まる前半
冒頭のナレーションが煽るだけ煽ってくる。「全国の化け物が集結する」「人知れず地下で開催されるというこの大会は全てが謎に包まれている」「ただ一つ明らかなのは、勝ち残った者こそが最強であるということ」。そして会場として示されるのが東京デスデスランドである。
ところが着いた先はどう見てもテーマパークで、弾子たちはさっそく「向こうも面白そうよ」「よーし行こうぜ」と散っていく。止めに回った珍子が「私たちは遊びに来たわけじゃないのよ」と言うと「珍子は固いな」と返され、本人が「ひらがなはやめてってば」と抗議する。第6話で土佐弁に「ひらがな以外で頼むわ」と言っていたのと同じ形で、今度は自分の名前が槍玉に上がっている。
「裏スーパードッジ大会の会場がテーマパークだなんて驚いたな」「もしかして楽しい大会なのかも」まで出て、開始5分の空気は完全に遠足だった。煽り文句と画面の落差でわざと拍子抜けさせにきているので、このあとの落とし方が読めていても効いてしまう。
プチ総集編で確認される、7人が揃うまで
前半のかなりの尺が回想にあてられる。「球川闘球部はずいぶん前に廃部になったんだって」から始まり、入部テストの「あなたたち5人は、見事私たちの期待に応えてくれた。よって正式な闘球部への入部を認めます」までが一気に流れる。「これで7人揃ったな」で締まるので、何を振り返っているのかがはっきりしている。
「彼女は超柔らかボディの江袋」ともち子が紹介され、羽仁衣の「我の力じゃなくてドローンのおかげだけど」や、はこと颯美の「私は球川闘球部副キャプテン」「キャプテンの三笠はこよ」も差し込まれ、ここまでのメンバーの役割がひととおり確認できる作りになっている。総集編と呼ぶには短く、次回への助走としてはちょうどいい分量だった。
締めが平子なのがうまい。「僕たちは永遠のライバル」と言ったあとに続くのが「だが君の全力が裏スーパードッジ大会の怪物たちにどこまで通用するかな」で、回想の役割が思い出話から前振りへ切り替わる。遊園地で遊んでいた場面のすぐあとにこれを置くので、温度差がきれいに出ていた。
「身の安全は一切保証しません」という案内と、参加4チーム
地下へ降りる前に告げられる二つの条件
空気が変わるのは案内係が現れてからである。「裏スーパードッジ大会の会場はこちらになります」に続けて言われるのが、「ここから先の出来事は他言無用です」「そして我々はあなたがたの身の安全は一切保証しません」の二つだった。
そのうえで「それでどうぞ」と促される。断る選択肢を示したうえで進ませる形になっているのが地味にこわい。降りた先の会場を見た弾子たちの反応は「こんな会場があったなんて」で、テーマパークの地下にこれだけの設備が隠されていたことになる。
観客席の側も普通ではない。「ずいぶんひ弱そうなのが出てきたじゃねえか」「迷子はお家に帰りな」と球川を値踏みし、「普通の戦いでは、この大会を開催した意味がない」と言い切る。客が求めているものが勝敗ではないと、入場の時点で示されている。
参加4チームの顔ぶれ
紹介はまず球川闘球部から。次が「スポーツ大国アメリカからの刺客」「超フィジカルモンスター集団、USバッファローズ」で、入場だけで会場を沸かせる。
三番目が土佐アタッカーズで、紹介文が「生まれたときから共に生活をして、一心同体のチームプレーを見せ」だった。第6話で明かされた「うちらはこんまい頃からいつも一緒」がそのまま公式の売り文句になっている。土佐弁で挨拶され、球川側が「早く私たちと戦いたいって」と訳すやりとりも健在で、「一緒に特訓した仲だが、大会では容赦しないからな」「決勝で会えるといいな」と握手して別れる。
最後がブラックアーマーズである。紹介の文句は「闇を背負いし漆黒の闘球戦士」で、登場した瞬間に珍子が反応し、球川の全員が身構える。三チームは友好的に紹介が済んだのに、四チーム目だけ空気が違うという並べ方で、誰が今回の脅威なのかを説明抜きで通してきた。
挨拶代わりの無差別攻撃と、珍子の反撃
自己紹介がいきなり実力行使
ブラックアーマーズの第一声が「さあ、強い奴はいるかな?」で、次の瞬間には会場へ球を投げ込んでいる。実況が「おっと! 無差別攻撃だ!」「デンジャラスすぎだろ!」と叫ぶのだから、大会の運営としては明らかに事故である。
それでも止まらないのがこの大会で、「一度に大量のボールを超破壊力で投げ、さらに斬撃まで!」と実況が続ける。取れた者もそれなりにいた、という言い方をされるので、集まっている面々のほうも相当な水準らしい。
この巻き添えで珍子が眼鏡を飛ばされる。挨拶代わりと言いながら実際には最初の一撃を入れられた形で、球川側にはっきり火がついた。導入からここまで、台詞での説明が驚くほど少ないのに状況が分かるのがよかった。
「漢字で頼むわ」と、合宿で編み出した必殺技
面白いのは相手側にデータ班がいることだ。珍子について「彼女のデータはありませんが」と前置きしたうえで父親の戦績まで挙げ、最後に「それに名前の付け方がひどいです」と余計な一言を添える。評価は「気合いだけのハッタリだな」「でも所詮、サルマネです」だった。
その直後に珍子が投げ返す。相手は「球筋は違うが、確かにうちの球だ」と自分たちの技だと認めるのだが、珍子の答えが「いいえ、これは強化合宿でハニーちゃんと編み出した必殺技よ!」である。羽仁衣の解説が「ベルヌーイの定理で球に揚力を発生させれば威力がアップしますよ!」で、そこへ「あなたの技のエッセンスを足したの!」と重なる。見て覚える力と理屈で組み立てる力を足した技なので、真似で片付けられないのが気持ちいい。
名を問われた珍子の返しが「珍子! 漢字で頼むわ!」で、冒頭の「ひらがなはやめてってば」がここで回収される。相手が「そうか、珍子か」「少し舐めていたようだな」と言い直すので、ギャグの形をしたまま実力を認めさせる場面になっていた。
高額な会費と、莫大な賭け金
蘭の一投と、デスマッチ用の壁
収まりかけたところへ出てくるのが蘭である。「そっちは収まっても、こっちは仲間をやられて怒ってるんだぜ」と絡み、名乗ったうえで「これを喰らっても、珍子とやらは立っていられるかな?」と投げる。珍子のほうは「私は弾子ちゃんみたいに怒りが長続きしないの」と一度引いていたので、完全な後出しだった。
投球フォームを見た球川側が「なんてフォームだ!」と驚き、「あいつが一番ヤバいオーラを出していた!」と続く。しかも本人の見立ては「10%ってところか」である。そのうえ球が飛んだ先にはデスマッチ用のトゲトゲ壁があり、試合前の小競り合いのはずが命に関わる場面になってしまう。
弾子が「珍子! 絶対助ける!」と飛び出すところで、会場の設備そのものが危険だという事実がはっきりする。アトラクションの延長のような外見で、中身は一切ふざけていない。前半の遠足気分をここで完全に回収してきた。
主催者が止めに入った、本当の理由
割って入ったのは主催側なのだが、その言い分がひどい。「この大会には、高額な会費を払って見ている視聴者様が世界中にいるのです!」「ちゃんと試合してもらわないと困りますよ!」。選手の安全ではなく、商品として成立しないことを問題にしている。
さらに念押しで「それと、莫大な賭け金も動いているのですから!」まで出る。聞いた球川側の反応が「私たちの試合にお金が…」「もしかして、この大会めちゃくちゃヤバいんじゃ?」だった。ここでようやく、自分たちが何に参加してしまったのかを本人たちが理解する。
この一連が今回いちばん効いていると思う。強敵が出てきたことよりも、試合が見世物として売られていると分かったことのほうが後味が悪い。「身の安全は一切保証しません」の理由が、遅れて説明された形になっている。
第1試合、土佐アタッカーズ対ブラックアーマーズ
下馬評は劣勢、それでも回り続けるパス
トーナメントは「各地から選りすぐられた4チームで優勝を争っていただきます!」という形式で、第1試合が土佐アタッカーズ対ブラックアーマーズに決まる。土佐側の返事は「うちらに任しちょき!」で、はこが「球川闘球部キャプテンとして応援していきますよ!」と声をかけると「はこキャプテン、大きに!」と返ってくる。
実況が伝える事前の評価は「下馬評によるオッズは、ブラックアーマーズがかなり優勢!」だった。賭けの話が出た直後にオッズが読み上げられるので、この一言が単なる前評判ではなくなっている。
始まってみると土佐のパスは速い。「ダイレクトパスが早すぎて、ボールが見えないぞ!」と実況が追いつかず、ブラックアーマーズ側も「パス回しは早いけど、ボールにパワーはない!」と分析を口にする。第6話で球川が苦しめられたパス回しが、今度は相手を翻弄する側に回っているのが見ていて楽しい。
「あたし一人で全員ヒットだ!」と言った小柄な月
ここで蘭が出した指示が今回の見出しになっている。「いけるな。こんな雑魚チーム、お前一人で十分だろ」と言われた相手が月で、返事が「もちろん」「あたし一人で全員ヒットだ!」だった。念のため書いておくと、蘭も月もブラックアーマーズ側で、掃討される側が土佐アタッカーズである。
公式のあらすじでは月と書かれているが、劇中で蘭が呼びかけるときの呼び名は「ルナ」だった。最も小柄という紹介どおり見た目は完全に格下扱いで、土佐側も「一人でやるじゃと? うちらをなめすぎや!」と怒る。
実際、序盤は土佐が押していた。観戦側からも「ハッタリだけのおチビちゃんは時間の問題ね」「バランス能力も体力もないわ」と言われてしまう。そこへ土佐が「うちらの絆が生む究極技!」「ドッキングフォーメーション!」を繰り出すので、このまま押し切るかと思わされる。その振りがあるぶん、次の一手が効いた。
「開幕!裏超闘球大会!」まとめと考察
一つ30キロ、合計270キロ
追い込まれた蘭の判断が「少し侮っていたようだな。こうなったらしょうがない」で、続く指示が「脱げ」の一言だった。言われた側も周りも「え?」となり、実況席まで「世界中に配信中なので、あまり刺激的なことは…」と慌てる。
外れたのはプロテクターで、種明かしが「プロテクターの重さは一つ30キロ、合計270キロだ」である。重りを着けたまま戦っていたという古典的な仕掛けなのだが、直前まで下ネタの気配で引っ張っておいてから数字で殴ってくるので、落差が大きい。
外した直後の一撃は土佐に決まる。それでも土佐は「どんなピンチでも、チームワークで乗り切るのが土佐アタッカーズ!」と立て直し、合同特訓で手合わせした側からも「僕の全力の球だって受け止めた!」「その強さを私たちは知っている!」と声が飛ぶ。第6話で一緒に汗をかいた相手が、こういう形で援護に回るのはうれしい。決着は次回へ持ち越しになった。
サブタイトルの「裏」がかかっている先
今回は「裏」の意味が段階的に開かれていく回だった。最初は単に非公認で地下開催という程度に見える。次に「身の安全は一切保証しません」が出て、危険の話になる。最後に会費と賭け金が出てきて、選手が知らないうちに商品として値をつけられていたことが分かる。
順番がよくできていて、前半をまるごと遠足とプチ総集編にあてたのも、この落差を作るためだったのだと後から分かる。総集編に見せかけて中盤から様子が変わる、という感想が多いのも納得だった。
気になるのは、ここまで会場の危険と賭博性を強調しておきながら、球川の面々が誰も帰ろうと言い出さないことだ。廃部から始まって7人を揃え、名門の復活には全国最強になるしかないと決めた以上、この場所を通るしかない。大会の異常さを描くほど、そこへ来てしまった弾子たちの覚悟が浮かび上がる作りで、USバッファローズがまだ何も見せていないことも含めて、次回以降の引きは十分だった。




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