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『テムパル~アイテムの力~』第4話「アイテム製作対決」は、鍛冶場の存続を懸けた短剣対決から、地下監獄のフロイを救うS級クエストへと二転三転する回だった。敵同士だったはずの二人が、監獄で手を組む展開も熱い。カンの技術をコピーするエリナ、Lv21で騎士に挑むグリード、そして史上初の第二職業の誕生まで、場面ごとに一つずつ振り返っていく。




第4話 アイテム製作対決
『テムパル~アイテムの力~』第4話「アイテム製作対決」は、鍛冶場の存続を懸けたグリードとエリナの短剣製作対決から、地下監獄のフロイを救い出すS級クエストへとなだれ込む回だった。伝説の鍛冶職人の力と、複製術士の力。ぶつかり合うはずだった二つの力が、思わぬ形で手を組むことになる。場面ごとに振り返っていく。
運営が見守るクエストB408
冒頭は運営の会議から。クエストB408、フロイがグリードに救出される確率は、実はゼロパーセントなんじゃないのか。クエストの共有でシナリオが書き換わり、正確な成功率が出せないという。それでも、グリードがどんな結果を導き出すのか期待しようじゃないかという声もある。レジェンダリー職業なのにレベルはまだ21。運営すら結末を読めないプレイヤーという位置づけが、グリードらしい。
運営側がシナリオの書き換わりを把握しきれていない、という設定は、この作品の世界が単なるゲームではなく、プレイヤーの選択で動く生きた世界であることを示している。救出確率が低いほど、グリードがそれを覆したときの爽快感も大きくなる。冒頭から結末への期待をあおる導入だった。
3時間の短剣対決
対決のテーマは短剣。3時間でより質の高い短剣を作った方の勝ちだ。「負けてたまるかよ」と気合いを入れるグリードに対し、エリナはまずスキル観察で技術を盗もうとする。ところが、スキル観察のレベルが低すぎて失敗。上級鍛冶職人のNPCをコピーしたことだってあるのに、と驚くエリナは、まさかエピック転職者かと疑うものの、エピッククラスは自分を含めて3人だけのはずだと首を振る。
そこで打った別の手が、師匠と弟子ならば共に製作するべきだ、という提案。カンがステージに呼ばれ、2対1の形になってしまう。師匠なら腕前も確かなはず、「その力 貸してもらうわ」。エリナはカンの技術をコピーし、道具まで揃えて勝負に挑む。相手の力を借りて戦う複製術士のやり方は、ずるくもあり、見事でもあった。
一方のグリードは、2対1にされても文句を言いながら手を止めない。鉄の感覚も完璧に伝わってくる、いい手応えだと、作業に没頭していく姿は職人そのものだ。口は悪くても、鍛冶に向き合うときは真剣。そのギャップが、グリードという主人公を応援したくなる理由なのだと思う。
エピックの短剣と伝説の息吹
エリナの短剣は、製作者のように美しいと紹介される見事な一本。性能を見ればエピック級で、これはもう勝負ありだろうという声も上がる。グリードも「悔しいけど すげえアイテムなのは確かだな」と認めるほどだった。クエストクリアのために投資したミノタウロスの角まで使って、グリードも負けじと仕上げにかかる。
若いのに大したもんだ、しかしお前さんには到底かなわない、だろうグリード。カンの信頼を受けて、グリードは伝説の鍛冶職人の息吹を発動し、製作アイテムのモデルチェンジを行う。師匠と弟子の絆が、対決の行方を変えようとしていたその瞬間、場の空気が一変する。
衛兵の乱入とS級クエスト
反逆者として拘束
動くな、と衛兵がなだれ込む。フロイが吐いた、お前もステイム伯爵に逆らう反逆者だ、と。対決の前から手を回していたのか、と問われたヴァルモンは「私は用意周到だからな」と言い放つ。自分を信用していなかったのかと詰め寄るラビットにも、「飼育小屋のウサギが飼い主に噛みついてみせるか」と冷たい。
カンは鍛冶場を手放すしかないと告げられ、グリードは「俺はただの鍛冶屋だ」と叫びながら連行されていく。正々堂々の勝負を最初から踏みにじるつもりだった相手のやり口に、見ていて腹が立った。
ラビットがヴァルモンの手下として動きながら、どこかで距離を感じていたことも、この場面で見えてくる。主人に使い捨てられる側の悔しさが、のちの裏切りへの伏線になっていた。悪役の側にも温度差がある描き方が、物語に厚みを与えている。
正義の使徒S
ところが、システムガイドが告げたのはクエストの変更だった。新たなクエストは正義の使徒S。フロイと共に遂行する連携クエストで、報酬はフロイから共有されたものと同じ。「鍛冶対決の裏にクエストが隠されてたってわけか」。とはいえ、グリード自身も捕まっている。どうやって救出しろというのか、ペナルティもえぐすぎる。「なんで俺ばっかこんな目に」という叫びに、思わず同情してしまった。
一方、残された会場では、グリードの短剣が改めて評価されていた。20年間メロ商会で数多くのアイテムを見てきたからこそ分かる、「大陸最高の腕前といっても過言ではない」。完敗だ、という言葉まで漏れる。エリナもクエストをクリアして称号を手にしながら、「邪魔が入らなければ負けてたわね」と認める。グリードの腕前は、勝負が流れても本物だった。対決そのものは衛兵の乱入でうやむやになったが、見ていた人たちの評価は揺るがない。結果ではなく作ったアイテムで認められるという流れに、職人の物語としての熱さを感じた。
地下監獄からの脱出
幸運の女神
運営の試算では、救出の確率は1%未満。それでも、グリードはこれまでも想定を超えてきた、ここは彼に賭けてみようという声がある。クエストの制限時間は残り1時間。「もし幸運の女神がいるなら」、「その面ぶん殴ってやりてえ」と毒づくグリードの前に現れたのは、なんとエリナだった。
助けてほしいなら条件がある、あんたの能力を見込んで作ってほしいアイテムがある。牢から出してもらったグリードがチビと呼ぶと、「私 ユーフェミアって かわいい名前があるの」、「チビって呼ばないで」と返される。エリナの正体はユーフェミア。鍛冶職人ではなく、エピック職業の複製術師で、対決ではカンの技術をコピーして使っていたのだという。
Lv21の鍛冶屋と騎士
脱獄に気づいた兵士たちが迫るなか、短剣だけで戦えというのかと嘆くグリードだが、新しいスキルも生まれて反撃に出る。そして立ちはだかったのは、ウィンストーンの騎士。「騎士ってことは少なくともレベル180」、「俺は21だぞ」。絶望的な差に見えた戦いを、グリードは自分の作ったアイテムで覆してみせる。
騎士を倒して称号と監獄の鍵を手に入れ、「俺のアイテムなめんなよ」。レベルは一気に45まで上がった。レベル差を装備の力でひっくり返すという、テムパルという作品の気持ちよさが詰まった場面だった。第1話から積み上げてきた、アイテムこそがグリードの強さだという作品の軸が、ここでもぶれずに描かれている。レベル21で騎士に挑むという無茶を、無茶のまま押し通してしまう爽快さがあった。
史上初の第二職業
ぼろぼろのフロイを見つけ出し、クエストクリア。「あなたはサティスファイで初の第二職業を獲得しました」。こんなにも満たされるなんて、と感激するフロイは、グリードを様付けで呼び、恩に必ず報いると誓う。追っ手を前に、二人は先に逃げてください、ここは僕が食い止めます、「あなたへの恩は 一生かけて返すと誓ったんです」。
そしてユーフェミアも、ここでならとっておきをぶちかましてやると強力な魔法を放ち、追っ手を一掃する。もっと早く助けに来なさいよ、と悪態をつく姿まで含めて、口は悪いが頼れる仲間としての存在感が一気に増した。
火炎系の魔法は建物ごと崩しかねないから使えない、と迷っていたユーフェミアが、開けた場所に出た途端にとっておきを放つ。強すぎて使いどころを選ぶスキルという設定が、ここで生きていた。グリードに足止めを任されて文句を言いつつも、きっちり役目を果たすあたりに、彼女の律儀さも見える。
第4話のまとめ考察
ラビットの告発と大富豪の夢
脱出の先で待っていたのはラビットだった。「ヴァルモン あなたを告発します」。あなたのやり方にはもうついていけない、それに利益を重視したまでのこと、「私は商人ですから」。ユーフェミアがグリードを助けたのも、ラビットの頼みだった。飼育小屋のウサギと呼ばれたラビットが、最後に主人へ噛みついてみせた形だ。商人としての損得勘定と、ヴァルモンへの反発。その両方が、ラビットを裏切りへと動かしたのだろう。
ラビットはグリードに、自分と手を組めば新たな商会での成功を約束すると持ちかける。「大富豪にして差し上げますよ」。大富豪という言葉に目を輝かせるグリードと、オーブの約束を忘れないでよと念を押すユーフェミア。新しい商会はカンの鍛冶場から始めるつもりだという話に、ようやく報われる日が来たかと思った。
ところが、世界では史上初の第二職業を持つユーザーの誕生が大きなニュースになる一方、グリードのもとに届いたのは、ラビットも捕まって懲役10年という知らせ。メロ商会の悪行に関わった者は許されないらしい。じゃあ新しい商会は、できるわけないだろ。大富豪には、「なれるわけねえだろ」。新たな歴史を刻んだ本人だけが、まるで自覚のないまま夢を絶たれるオチが最高だった。
振り返ると、第4話は鍛冶対決という分かりやすい勝負が、陰謀によってひっくり返され、さらにS級クエストとしてひっくり返る、二転三転の回だった。グリードの腕前は本物で、それを認める人たちが確かにいる。それでも報われそうで報われないのが、グリードという主人公の味なのだと思う。
敵として出会ったユーフェミアが、オーブという約束を通じてグリードとつながったことも大きい。伝説の鍛冶職人と複製術師という組み合わせが、これからどんなアイテムを生み出していくのか。第二職業を得たフロイの今後も含めて、楽しみが広がる一話だった。グリードが次にどんなアイテムを作り、どんな騒動を起こすのか、その一手にも期待したい。ステイム伯爵が村の管理を強めるために新たな指導者を派遣するという話も出ており、ウィンストーンの村をめぐる物語はまだ続いていきそうだ。




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