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受付嬢から依頼されたオーク退治は、数匹程度のはずが待ち受けていたのはオークの大群だった。前衛のハルは上から降ってきた木の実に当たって戦闘不能、さらにアモナがオークたちに連れ去られてしまう。取り乱しながらも、神官見習いのロニはアモナを救うために一人で立ち上がる。オークの大群、意外な歓迎パーティー、そしてロニの突撃まで、第4話を振り返る。




第4話 オーク退治のはずが
第4話は、受付嬢から依頼された簡単なはずのオーク退治が、思いもよらない大騒動へと発展していく回だった。数匹程度という報告とはまるで違うオークの大群、木の実に倒れるハル、そして連れ去られてしまったアモナ。アモナを救うために立ち上がったロニの奮闘と、オークたちの意外な素顔まで、笑いどころの多い第4話を振り返っていく。
数匹程度のはずが大群
今回のクエストはオーク退治。街道で行商人が襲われる被害が出ていて、報告では数匹程度の群れだという。ところが現地に着いてみると、待ち受けていたのはオークの大群だった。「どこが」、「数匹程度だ」というツッコミが、この回の幕開けにふさわしい。
依頼の内容と現場の状況がまるで違うのは、冒険者ものの定番ともいえる展開だ。けれどこの作品では、そのピンチがシリアスな戦いではなく、とんでもない方向へ転がっていく。最初の一言から、すでにそんな予感が漂っていた。
しかも前衛のハルは、上から降ってきた木の実が頭に当たって戦闘不能に。パーティの柱であるリーダーがまさかの理由で倒れてしまう展開には、思わず声を出して笑ってしまった。シリアスなピンチのはずなのに、どこか間の抜けた空気が漂うのがこの作品らしい。
これまでの回でも、このパーティは大事な場面ほど締まらないことが多かった。それでも最後にはなんとかなってしまうのが、このパーティの不思議な強さでもある。今回もまた、その法則が発揮されることになる。
態勢を立て直すために逃げようとした矢先、アモナがオークたちに連れ去られてしまう。アモナを助けられなかったと落ち込むロニに、あの状況ではどうしようもなかったと声がかかる。オークなら女性をすぐに殺すことはないはずだから、助けるチャンスはまだある。仲間を取り戻すための作戦が、ここから動き出す。
リーダーのハルが倒れ、アモナが連れ去られる。パーティにとっては文字どおりの絶体絶命だ。それでも、残されたロニとエウリィが冷静さを失わずに次の手を考えようとするところに、このパーティの結束の強さが表れていた。
ロニの動揺
アモナが連れ去られたことで、ロニはすっかり取り乱してしまう。仲間がピンチなのに何をしているのかと叱られたロニは、違うのだと必死に言い訳をする。神官見習いとしての建前と、アモナを思う気持ちが空回りしている様子がなんともおかしい。
それでも、「アモナ… 無事でいてくれる」とつぶやくロニの声には、本気の心配がにじんでいた。第1話では加入に反対していたロニが、今ではアモナのためにここまで取り乱す。二人の関係がどれほど変わったのかが、この慌てぶりからもよく伝わってきた。
堅物を気取っていても、大切な人のことになると冷静ではいられない。ロニのこの不器用さこそが、アモナとの関係をこじらせつつも深めていく原動力なのだろう。
第3話の怪盗騒ぎでも、ロニはアモナとの関係を周囲にからかわれては否定してきた。けれど、アモナがいなくなった途端に本音があふれ出してしまう。言葉ではいくら否定しても、行動がすべてを物語ってしまうのがロニという人物なのだ。
オークたちの歓迎パーティー
意外と陽気なオークたち
一方、オークの巣に連れて行かれたアモナを待っていたのは、まさかの「アモナちゃんの歓迎パーティー」だった。オークたちは陽気に盛り上がり、もっと野蛮で荒々しい印象があったというアモナに、そういう偏見があるよねと口をそろえる。同じにされたくない、と。
「純粋にアモナちゃんのことは いろいろ知りたいんだよね」。すぐに何かされるわけではなさそうだと判断したアモナは、話を合わせて時間を稼ぐことにする。インプが助けを呼んでくるまでの辛抱だ。凶悪なはずのオークたちが、まるで合コンのような空気でアモナを質問攻めにする光景は、この回いちばんのシュールな見どころだった。
ところで、助けを呼びに行ったインプは、オークに化けて抜け出していた。道中で怪しまれたときにとっさに語った物語が、思いのほかオークたちに受けてしまったという。インプのたくましさと適当さが、どこまでもこの作品らしい。ハルが目を覚まし、オークの巣を探しに向かうパーティに、ようやく反撃の糸口が見えてきた。
魔法を使うときに召喚される悪魔でありながら、アモナの危機には自分で動いて助けを呼びに行く。二人の関係をいつも面白がって焚きつけているインプだが、いざという時にはちゃんとアモナの味方なのだと感じられた。
ロニの評判
オークたちとの会話は、いつの間にかロニの話題になっていく。アモナから話を聞いたオークたちは、そのロニという男はだらしない、堅物を気取っているくせにバニー好きで、昔の女に騙されるし、と散々な言いようだ。同じ男としてドン引きだ、とまで言われてしまう。
そしてオークたちは、ロニもアモナの魅力に気づくべきだ、こんなにかわいい子を放っておくなんて、と熱く語り出す。「その… 私も多くのことを誤解してたよ」と打ち解けかけるアモナ。オークたちの言葉は、アモナ自身が言葉にできずにいるロニへの不満を代弁しているようにも聞こえた。
敵であるはずのオークたちに背中を押されるような形で、アモナは自分の気持ちを少しだけ整理していく。誰かに話すことで、自分が何に不満を感じていたのかが見えてくる。オークたちの歓迎パーティーは、アモナにとって思いがけない相談の場にもなっていたのかもしれない。
とはいえ、オークたちが本当に紳士だったわけではない。打ち解けたと思った矢先に、オークたちが本性をのぞかせ、アモナは一転して窮地に立たされる。期待させてから突き落とす、この落差の使い方が見事だった。
陽気なパーティーの雰囲気から一気に危機へと転じるこの流れは、コメディでありながらしっかりと緊張感を生んでいた。アモナが時間を稼いでいた意味が、ここでようやく生きてくる。
ロニの突撃
アモナを取り戻すために
アモナの悲鳴を聞いたロニは、制止も聞かずに一人で突っ込んでいく。「一人で突っ込むな」という声も届かない。オークたちは魔法を撃ってくるが、魔導者なしではそれほどの威力もない。入り口の見張りは何をしていたのかと慌てるオークたちの前で、ロニは次々と敵をなぎ倒していく。
あまりの勢いに、オークたちのほうがドン引きして逃げ出してしまう。逃げろと叫ぶオークたちの姿は、冒頭の大群の迫力が嘘のようだ。アモナのために我を忘れたロニの強さは、もはや神官見習いの域を超えていた。
仲間の制止も聞かずに一人で飛び込んでいくのは、決して賢いやり方ではない。けれど、計算抜きで動いてしまうところにこそ、ロニの気持ちの強さが表れている。冷静なふりをしていても、アモナのことになると理屈が吹き飛んでしまうのだ。
ようやくアモナのもとにたどり着いたロニは、奴らに何かされなかったかと真っ先に尋ねる。間一髪だったというアモナの無事を確かめたロニの安堵は、それだけでロニの気持ちを物語っていた。
普段は口げんかばかりの二人だからこそ、この再会の場面には特別な温かさがある。どれだけからかい合っていても、相手がいなくなることだけは耐えられない。その思いが、ロニの一言に凝縮されていた。
安堵と照れくささ
ところが、無事を喜ぶ空気は長く続かない。ロニの頭の中を見透かしたアモナは、いつもの調子でロニをからかい始める。必死に否定するロニと、それを楽しむアモナ。「このしれ者め」と叱られながらも、二人の間にはいつものやり取りが戻っていた。
ピンチを乗り越えたあとに、照れ隠しのような軽口を交わす。アモナのからかいも、ロニの慌てぶりも、無事に再会できたことへの安心の裏返しなのだろう。言葉にはしなくても、互いを大切に思っていることがしっかりと伝わってくる、心温まる場面だった。
助けられたアモナが素直にお礼を言うのではなく、からかいで返すのもまたアモナらしい。互いに素直になれないまま、それでも離れずにいる二人の関係は、もどかしくも心地よい。
第4話のまとめ考察
決意の第一歩
やがてハルたちも合流し、「よかったアモナちゃんが無事で」と胸をなで下ろす。「僕もアモナも」大事ない、と答えるロニに、「無事なのかこれは」とツッコミが入るのがおかしい。オークに囲まれ、魔法を撃たれ、それでも最後は笑いで締めくくられる。いかにもこの作品らしい、にぎやかで温かい結末だった。
振り返ってみると、第4話はアモナを失いかけたことで、ロニの本気が見えた回だった。普段は堅物を気取り、アモナとの関係を素直に認められないロニが、アモナのためなら一人でオークの巣に突っ込んでいく。そのまっすぐな行動こそが、ロニの本当の気持ちを何よりも雄弁に語っていた。
オークたちが語ったロニの評判は散々だったが、そのロニが誰よりも早く駆けつけた。口で言われることと、実際の行動は違う。アモナが一番よくわかっていたのは、きっとそのことだったのだろう。
一方のアモナも、オークたちとの会話の中で、ロニへの不満と同時に、ロニを気にかける自分の気持ちを再確認していたように見える。助けに来てくれたロニに対して、からかいながらもどこか嬉しそうなアモナの表情が印象的だった。
パーティのみんなも、二人の関係にはとっくに気づいている。それでも、当の本人たちだけが素直になれずにいる。この少しずれた距離感が、作品のコメディとしての面白さを支えているのだと思う。
ドタバタの連続でありながら、二人の関係は確かに一歩前へ進んでいる。素直になれない神官とダークサモナーが、この先どんなふうに距離を縮めていくのか。にぎやかなパーティの冒険を、これからも楽しみに見守りたい。
次はどんなクエストが、このにぎやかなパーティを待っているのだろうか。笑いと少しの胸の高鳴りを運んでくれる二人の物語から、今後も目が離せない。




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