『天は赤い河のほとり』第18話「無罪の証明」感想|ギュゼル姫の真実と皇太后が放った追手

『天は赤い河のほとり』第18話「無罪の証明」感想|ギュゼル姫の真実と皇太后が放った追手 ファンタジー

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操られたジュダの証言によって、皇帝暗殺の犯人にされてしまったユーリ。カイルはハッティ族にユーリを託してアリンナへ逃がし、元老院の場で無実を証明しようと動き出す。ところが追い詰められたナキア皇太后は、思いもよらない手でカイルを押し返し、ついにユーリへ刃を向けた。ギュゼル姫の真実、皇太后の脅し、そしてユーリの決意まで、第18話を振り返る。

アニ
天河第18話でござる
ラン
ギュゼル姫がよかった
キャロ
ユーリさんがかわいそうでした。
アニ
順に見ていくでござる

第18話 無罪の証明

第18話「無罪の証明」は、皇帝暗殺の濡れ衣を着せられたユーリが王宮を追われ、カイルが元老院の場でその無実を証明しようと動く回だった。ギュゼル姫の口から語られた真実、ナキア皇太后が突きつけた戦争の脅し、そして皇太后の過去と、ユーリへ向けられた刃。息をつく間もない第18話を振り返っていく。

ジュダの証言

前回の最後、元老院に呼ばれたジュダの瞳はどこか様子がおかしかった。その不安は最悪の形で的中する。皇帝陛下が亡くなられたときの様子を問われたジュダは、「ユーリ様が皇帝陛下を殺しました」、「僕 確かに見ました」と証言したのだ。

「違う 私じゃない 私 やってない」と訴えるユーリの声は届かない。「イシュタルと呼ばれる方が皇帝暗殺とは恐ろしい」という声まで上がり、元老院はユーリの身柄を拘束しようとする。カイルはジュダが操られていると見抜き、「監視なら私の手元で十分だ」と言い切って、「道を開けろ」とユーリを連れ帰る。あの夜、ユーリと一緒にいてユーリをかばってくれたジュダが、今度はユーリを追い詰める側に立たされている。その残酷さに胸が痛んだ。

一方の皇太后は、カイルを「だが裏工作のできぬ男だ」と評し、「法を盾に責めれば小娘をかばい切れはしまい」と読む。そしてそばにいるジュダに、「もう少しお飲み」と杯を勧める。帝位はもうすぐお前のものだと言い聞かせながら、我が子を操り人形にしていく姿が恐ろしかった。

ハッティ族に託された身柄

宮に戻ったユーリに、ウルスラは「私が余計なことをしたばかりに」と謝る。けれどユーリは「ウルスラのせいじゃないよ」、「私がいつも考えなしだから」と首を振る。そしてカイルに、自分を元老院に引き渡してほしいと頼むのだ。「ちゃんと調べてもらえば私が犯人じゃないってわかるよ」。

その考えに返ってきたのは「甘いですな」という一言だった。王宮に拘束されれば、ユーリの身は皇太后の思うまま。皇帝不在の今、王宮の中でひそかに命を奪うことなどたやすい。そしてユーリが命を落とせば、「カイル殿下も無事では済まないのです」。ジュダまで使ってきた皇太后のやり方を、カイルは「本格的な宣戦布告と考えていいだろう」と受け止める。

カイルが選んだのは、ハッティ族にユーリを託すことだった。忠誠の言葉をどこまで信じてよいかと問われたハディは、「その質問は心外にございます」、「私たちをお疑いなら死ねとお命じください」、「この場で胸を差し貫いてご覧に入れます」と迷いなく答える。第4話ではユーリの命を狙っていたハディたちが、今は命を懸けてユーリを守ると言い切っている。その変化に胸が熱くなった。カイルの「ハッティ族の命運預からせてくれ」という言葉にも、彼女たちへの深い信頼がこもっていた。

知らなかった

それでもユーリは引き下がらない。「私を逃したら王子だってさらに元老院を敵に回すことになる」。けれどカイルは「私のことはいい」、「お前は自分を守ることだけを考えろ」と譲らない。「私また王子と離れるのは嫌」とすがるユーリに、カイルは「お前を手放すことを」、「私が喜んでいると思うのか」と返す。

ユーリの心の声が切ない。カイル王子に会うまで、「こんなに人を恋しいと思う気持ち」、「知らなかった」。春には自分の国へ帰ると決めていたはずのユーリが、ここまではっきりとカイルへの想いを言葉にしている。「すぐに迎えに行くから」、「無事でいてくれ」というカイルの言葉を背に、ユーリはハッティ族の本拠地アリンナへと向かった。

ハディたちは「今さえ乗り切ればカイル殿下が皇帝におなりです」と明るく励ます。けれどユーリがアリンナへ逃げたと知った皇太后側はすぐさま追手を差し向け、兵たちは元老院の命令を盾に「逆らうなら武力でぶち破るぞ」と迫る。皇太后の包囲網は、着実に狭まっていた。

▼ ネットの反応

天は赤い河のほとり第18話✨
ユーリは皇帝暗殺の犯人として疑われてしまう
カイルによって王宮から逃がされた彼女は、ハッティ族のもとに身を隠す✋
一方、ハットゥサではカイルが元老院を前に、ギュゼルやジュダが何者かに操られていた事実を突き止め、ナキア皇太后の陰謀を暴こうとしていた❗️

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じっとしてるのが一番苦手

アリンナでユーリを迎えたのは、ハディたちの父タロスだった。迷惑をかけてしまったと謝るユーリに、タロスは「休養だと思ってゆっくりしとってください」と笑う。それでもユーリの心は休まらない。「私が疑われてる限りカイル王子の立場は悪いまま」、「私が犯人じゃないって証明されないと」。

「これ以上王子の足は引っ張れないから」、「おとなしくしてる」と言いながら、ユーリが思い出していたのは亡き皇帝の言葉だった。カイルのそばにいる者の責任は重い、「お前はその重圧に耐えられるか」。そして「カイル王子のそばにいるのって本当に難しい」、「じっとしてると思いばかりが募って苦しくて」、「私 こういうのが一番苦手だよ」とこぼす。前回、皇帝が最期に残した問いが、こんな形でユーリの胸に響き続けている。いつも自分から飛び出していくユーリだからこそ、待つことしかできない時間が何よりつらいのだろう。

ギュゼル姫の真実

元老院では、イシュタルを連れ戻すよう求められたカイルが、「ユーリは言い出したら聞かない奴だし」とかわす。皇太后は「公の場できちんと説明できず逃げ回っているなんて」と追い打ちをかけ、カイルが側室の潔白を証明できなくても、この国にはまだジュダがいると言い放つ。

そこでカイルが切り出したのが、「要はユーリの無実を証明できればよいのだろう」という一言だった。カイルはアイギル議長に頼み、ギュゼル姫を呼び寄せる。「姫 もう一度あなたの口から伺いたい」、「あなたの産んだ子が 私の息子だというのは本当か」。ギュゼル姫はもちろんだと答え、「どうか小さなカイルを 抱いてあげてくださいませ」と願う。

ところが、カイルが姫に近づいた次の瞬間、ギュゼル姫は崩れ落ちる。目を覚ました姫は、「なぜここに」と戸惑うばかり。そして自分が口にしていたことを振り返り、「この子が殿下のお子であるはずなどないのに」、「ただ、殿下のお子であったらどんなに嬉しいかと」と打ち明ける。子どもの父親は、当時屋敷に滞在していた旅の学士だった。

姫は偽りを言いたくて言ったわけではない、「操られていただけだ」。カイルの言葉に、元老院の中からも、ジュダは初め「ユーリ様は何もしていないとおっしゃっていたぞ」という声が上がる。「偽りを言う前に何か口にしたか」と問われたギュゼル姫の答えは、「そういえばワインを」、「皇太后様からいただいたものです」。ここでつながったワインの線に、思わず声が出た。カイルは皇太后に向き直り、「そろそろその座を降りる覚悟をしてもらおうか」と告げる。

何かやましいことがあるから

アリンナに届いた知らせに、ユーリはもう帰れるのかと喜ぶ。けれど返ってきたのは、もう少しここに留まってほしいという言葉だった。「まだ帰っちゃいけないの」。ギュゼル姫が操られていたことは証明できた。けれど、ジュダが操られていることはまだ証明できていなかったのだ。

ジュダを調べようとする者たちに、皇太后は「お前たちが調べることなど許さぬ」と激しく拒む。そこでカイルが返したのが、「身に覚えのないことならきちんと証明した方が良いのでは」、「何かやましいことがあるからだとおっしゃったのはあなただ」という言葉だった。ユーリを責めるために皇太后が使った理屈を、そのまま皇太后に返している。見事な切り返しだった。

「元老院としてもうやむやにできないのです」と迫られた皇太后は、ついに本性をあらわにする。「兵を向けるというのか この私に」、「私がバビロニアの王女であったのを忘れたのか」、「私の後ろにはバビロニアがいる」、「兵を向けるつもりなら 戦争を始める覚悟で来るがいい」。帝国の中の争いを、国と国との戦争にまで広げてしまう脅しだった。

この知らせを聞いたユーリは「戦争 冗談じゃない」、「またあんなこと 起こしちゃダメだ」とつぶやく。ミタンニとの戦いをその目で見てきたユーリにとって、戦争は決して言葉だけのものではない。

殿下は探していた方を見つけられた

元老院の後、ギュゼル姫は「私ごときの証言では」皇太后を追い詰められなかったと詫びる。カイルは「謝るのは私の方だ」と返し、あのような場所に引き出したことをわびる。けれど姫は、どんな場所でも「殿下にまたお目にかかれて嬉しゅうございました」と微笑むのだ。

「姫 私はあなたに残酷なことをした」、「本当にすまない」と頭を下げるカイルに、ギュゼル姫は「殿下は探していた方を見つけられたのですね」と語りかける。以前、他の姫たちのもとに通っていた頃のカイルは「殿下は皆を平等に扱ってくださいました」。「でも今は一番大切な方がお出来になった」、「だから他の者には残酷になってしまうのですわ」。

「殿下のお心を乱すことは誰にもできなかった」と振り返った姫は、最後に「ユーリ様が早くお戻りになれるよう」、「お祈りいたします」と結ぶ。操られ、偽りを語らされた被害者でありながら、カイルの想いを誰よりも正確に言い当て、ユーリの無事まで祈ってみせた。ギュゼル姫の品のある引き際が、この回でいちばん心に残った。

一人になったカイルは、「愛しい愛しい愛しい娘よ」とユーリを想う。「本当に他の者は何も目に入らなくなりそうで恐ろしい」、「政務も地位も放り出して迎えに行きたいんだ」。皇太子として動けない立場と、今すぐ駆けつけたい気持ち。その板挟みが痛いほど伝わってきた。

バビロニアの王女の誓い

追い詰められた皇太后は、側近と向き合う。「皇帝の胸に剣を突き立てたのはお前ではなかったか」、「はい 皇太后様のご命令で」。自分を元老院に差し出して身を守るのかと問われても、皇太后は「お前が私の側近なのは周知だ」と取り合わない。そして「諦めぬ 私は諦めぬぞ」と、この国に嫁いできたときの誓いを語り始める。

故郷バビロニアは、「あらゆる富と知恵を集めた世界の頂点」だった。それを「ヒッタイトは破壊した」。父王は「ミタンニの侵略から我が国を守るためには」、「ヒッタイトと手を結ぶしかないのだ」と語り、ナキアは「私に国のために身を売れとおっしゃるのですね」と返す。拒めないのならば、この国にバビロニアの血を残してやる。「必ず王子を産んで この国を私の血で支配してみせる」。

国のために差し出された一人の王女が、その国そのものを支配することで復讐しようとしている。皇太后の執念の根っこが初めて見えた気がした。だからこそ、「次の皇帝になるのはジュダだ」、「それ以外は認めぬ」という言葉が重い。皇太后は皇帝暗殺の犯人を差し出せば事態は収まると考え、「犯人はあの小娘だ」と決めつける。ユーリを犯人として処分すれば、「それで収まるではないか」。

そんなの趣味じゃない

皇太后がユーリに兵を差し向け、「皇帝暗殺犯として殺せと命じたようです」という知らせが届く。すぐにアリンナへ向かおうとするカイルを、側近たちが止める。「今 殿下が兵を動かせば内戦が起こります」、「隣国は常に我が国の領土を狙っています」。それでもカイルは「だからといってユーリを見殺しにできるか」、「ユーリが皇太后に殺されれば私も生きていられないのだぞ」と叫ぶ。対策があると言いかけた者には、その先を口にすればたとえお前でも許さないと言い放った。その先に何が続くのかは、口に出されなくても想像がついてしまう。

アリンナでも、皇太后の兵が迫っていた。「本格的な軍備で襲われたら守りきれないわよ」。けれど「殿下はいらっしゃらないだろう」。カイルが動けば国の守りが手薄になり、「それを他国は見逃さない」からだ。

ユーリは「私が自分で死ねばいいんだよ」と口にする。「もともと私は王子を呪い殺す生贄としてここに連れてこられた」。第1話から続いてきたユーリの立場を思えば、あまりにも重い言葉だった。けれどユーリは、そこで終わらない。「だけどそんなの趣味じゃない」。カイルが動けないなら、自分の力でハットゥサに帰ってみせる。「行くよ アスラン」と愛馬にまたがるユーリの姿に、このヒロインの強さが詰まっていた。

第18話のまとめ考察

証明された無実と、証明できなかった無実

振り返ってみると、第18話はギュゼル姫が操られていたことは証明できたのに、ジュダの証言だけは覆せなかった回だった。副題の「無罪の証明」は、半分だけ果たされたことになる。皇太后がジュダを調べさせなかったのは、そこが崩れればすべてが明るみに出るからだろう。

▼ ネットの反応

『#天は赤い河のほとり』第18話、皇帝暗殺の嫌疑をかけられたユーリ。カイル皇子の子供騒動の時の娘が操られていたことは証明したけどジュダ皇子の方は皇妃のガードが固く手が出せない。皇妃が軍を動かした以上、内戦化する前に一刻も早く事態を収拾する必要がある。鍵はエジプトか?#アニメ天河

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印象的だったのは、カイルが皇太后自身の理屈を使って追い詰めた場面だ。公の場で説明できないのはやましいことがあるからだ、という言葉は、ユーリを責めるために皇太后が口にしたものだった。それを返された皇太后は、理屈ではなくバビロニアという後ろ盾と戦争の脅しで押し返した。帝国の内側の争いが、国と国の争いにまで広がろうとしている。

ギュゼル姫の場面も忘れられない。操られ、利用された姫が、最後にはカイルの心を正確に言い当て、ユーリの無事を祈ってみせた。ユーリの「知らなかった」という心の声とあわせて、カイルとユーリの想いがはっきりと形になった回でもあった。

そして、ナキア皇太后の過去。国のために嫁がされた王女が、その国を自分の血で支配しようとしている。許されることではないけれど、その執念の出発点が見えたことで、皇太后という人物がより深く見えてきた。自分の力でハットゥサへ帰ると決めたユーリが、この窮地をどう切り抜けるのか。見届けたい。

アニ
皇太后の執念よ
ラン
戦争まで持ち出すとはな
キャロ
ユーリさんの無事を祈ります。
アニ
この先を見守るでござる

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