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第1期の最終話となる第26話の副題は「決意」。大将戦「回らないルーレット」で、フクナガはコサカに「嘘をつくとき必ず 2、3回瞬きをする」というナオの癖を教える。だがそれは、ナオとフクナガが仕込んだ嘘だった。アキヤマの力を借りずに勝ち切ったナオは、負けたコサカに「私たちは あなたたち3人を救います」と告げる。騙される人を演じた嘘で、人を救う最終話。




最終話の副題は「決意」
第26話(最終話)の副題は「決意」。公式アカウントの放送前告知は「「回らないルーレット」第2ゲームでコサカが勝ったのは運ではなかった」と始まり、「模擬ゲームの最中、フクナガがコサカに接触し、大将戦で勝つ方法と引き換えに、協力関係を提案していたのだ」と続けている(出典: TVアニメ『LIAR GAME』公式X 第26話告知)。敗者復活戦の大将戦に決着がつき、第1期が幕を閉じる回である。
アキヤマ抜きの大将戦
大将戦「回らないルーレット」は、第2ゲームを終えた時点でチップの差はわずか32枚。この回の主役は、アキヤマではなくナオだ。これまでアキヤマの作戦に助けられてきたナオが、自分で考えた作戦で勝負に挑む。副題の「決意」は、その覚悟を指しているように読める。
「100%勝てる方法」
作戦タイムの間、フクナガはコサカに近づき「ズバリ 私と組まない」と持ちかける。「秋山と神崎についていけないとこ」がある「二人を見捨てたいと思ってる」。チップの総額は「約8億」、そのうち「3億」を渡せば勝つ方法を教えるという条件だった。「勝つも地獄 負けるも地獄ってことだ」と迫られ、コサカは話に乗る。
フクナガが教えた必勝法は「嘘をつくとき必ず 2、3回瞬きをするんだよ」というナオの癖だった。「それだけ」と拍子抜けするコサカに、フクナガは「突き詰めれば 相手の嘘を見抜くゲーム」だと説明する。小さな癖ひとつが勝敗を分けるという話が、この大将戦のすべての仕掛けの起点になっている。
1点張りの連続的中
癖を頼りにしたコサカは、ナオが親のゲームで次々と1点張りを当てていく。
「1点張りを2回連続で当てたのは 偶然じゃないですね」
第4ゲームでコサカは「2番にチップ100枚」の1点張りを当て、西軍が逆転する。ナオはすぐに「1点張りを2回連続で当てたのは 偶然じゃないですね」と切り出す。「確率論から言えば一点張りは損なんです」「なのに一点張りを2回続けたのは」「玉の場所が確実に分かる方法があるから」。
ところがコサカは「考えすぎよ」「秋山か誰かに教えてもらったんじゃないの」とかわし、ナオは「私 連敗のせいで 考え方がネガティブになってるのかな」と引き下がる。核心を突いたのに、言いくるめられて引き下がる。この場面のナオは、いつものお人好しに見える。見ている側も、また騙されてしまうのかとはらはらさせられる。
「64分の63」
第6ゲーム、親になったナオは確率を語り始める。「子が1点張りで勝つ可能性は4分の1です」「2連勝する確率は」「16分の1」、そして「1点張りの3連勝を回避して親が勝利する確率は」「64分の63になります」。そのうえで「90枚ずつ4点で勝負します」と宣言する。
コサカは心の中で「この子 正真正銘のバカだ」「確率論の根本がわかっていない」と笑う。目の前のゲームで子が1点張りで勝つ確率は、過去の結果に関係なく4分の1のままだからだ。ナオの確率論はたしかに間違っている。けれど、その間違いこそが相手を油断させるための見せ札だった。コサカは迷わず「2番1点に360枚」を張る。
コサカが「ライアーゲーム」を信じた理由
勝ちを確信したコサカの頭には、自分の過去がよぎる。
「世の中はライアーゲームなのよ」
大学を出てまもなく、父の会社を継いだコサカ。経営には素人だった彼女を多くの人が手助けしてくれたように見えたが、「でもそれは違ったわ」「私はカモだった」。約束を反故にされ、紙くず同然の手形をつかまされ、「私は一年で父の会社を潰した」。
そこでたどり着いたのが「世の中に救う神などいない」「上手に生きていく方法はただ一つ」「自分より弱い者を見つけ」「徹底的に騙し搾取する」という答えだった。騙される側だったからこそ、騙す側に回ることでしか生き残れないと思い込んでいる。コサカにとって「世の中はライアーゲーム」という言葉は、傷ついた経験から身につけた生き方そのものだった。
「そもそもそんな癖ないんです」
勝負の結果、玉が入っていたのは3番だった。
「それ 私が言わせたんです」
「なんで弾が3番に」と戸惑うコサカに、ナオは「ごめんなさい 私 わかってたんです」「小坂さんが2にかけること」と告げる。コサカが親のたびに番号を聞いて探っていたこと、そして「そもそもそんな癖ないんです」。瞬きの癖の話は「それ 私が言わせたんです」「小坂さんを騙すためにね」。
フクナガも「ナオが嘘つくとき瞬きするなんて嘘」「最初は負けてあんたを信用させ」「信用しきったところで裏をかき ごっそり回収」と種を明かす。そして「さすがバカ正直のナオ」「騙されてる人の演技だけは上手だったわ」。嘘が下手だと言われ続けたナオが、騙される人を演じることで相手を騙しきった。自分の弱みをそのまま武器に変えた、見事な作戦だった。
「もう逆転できません」
「まだよチップはまだ88枚残っている」と食い下がるコサカに、ナオは「いいえもう逆転できません」と答える。親の時は玉を入れた番号に1点張りをすればチップは減らない。コサカが残りの親のゲームで全部勝っても「チップは352枚」、ナオは「476枚」。「追いつけないんです」。
ナオが勝ちを計算で締めくくっている。確率論の間違いで相手を誘い込み、最後は正しい計算で逃げ道を塞ぐ。アキヤマから学んできたものが、ナオの中にきちんと根づいていることがわかる場面だった。
「私たちは あなたたち3人を救います」
負けを悟ったコサカは、自分を責める。
「損得じゃないんです」
「私がバカだった」「他人を救いたいなんて人間」「いるわけないのに」。そんなコサカに、ナオは「そんなことないです」「私たちは あなたたち3人を救います」と告げる。勝ち上がって、負けた西軍の負債を肩代わりするというのだ。「信じられない」と驚くコサカに、ナオは「損得じゃないんです」「自分が助かったら 代わりに誰かが苦しむ」「そう考えると 心が痛いんです」と答える。
さらに「小坂さん これ以上 自分を責めないで」「人を恨まないで」と続け、「人の苦しみを見たら 心が痛むものなんです」。「世の中に救う神などいない」と言い切ったコサカの前に、救うと言う人が現れた。コサカの号泣は、この回でいちばん胸を打つ場面だった。
敗者復活戦が終わり、場に残ったマネーは「8億2800万」。これで西軍3人とフクナガの負債は帳消しになり、ナオとアキヤマは「1億ずつ負債が増えた」。西軍の3人は「本当にすまない」と涙を流す。ナオは心の中で「できることなら今すぐにでもこんなゲームなくしてしまいたい」と思う。
アキヤマに内緒の作戦
実はこの作戦、ナオとフクナガの二人だけで進めたものだった。
「秋山さんの力を一切借りずに戦いたかったんです」
アキヤマは「無謀すぎる」「よりによって福永と組むなんて」「横谷との戦いでも俺はこんなにハラハラしなかったぞ」とこぼす。ナオの答えは「秋山さんの力を一切借りずに戦いたかったんです」。アキヤマに頼りきりだった自分から抜け出したいという思いが、この回の「決意」の中身だった。
アキヤマが「もし福永が裏切ったらどうするつもりだったんだ」と聞くと、ナオは「絶対に裏切らないっていう確信がありましたから」と言い、「理由は3つあります」と続ける。
裏切らない理由は3つ
1つ目は、フクナガが裏切ってもコサカに必勝法は生まれないこと。瞬きで「玉を入れてない番号が分かったところで」、残り3つのどこに入っているかはわからない。2つ目は、フクナガが「横谷さんとの再戦を心から望んでいます」ということ。ここで負け抜けしてリベンジを諦めるとは考えにくい。
そして3つ目が「最も重要な理由」。「福永さん 秋山さんのこと好きなんです」。女性らしい格好も「少しでも綺麗な姿を見せていたいという乙女心なんです」と言い、作戦を持ちかけたときの顔は「本当に恋する乙女の顔でした」。アキヤマは「気づくも何もそんなこと考えたこともねえ」とうろたえる。アキヤマの洞察力をもってしても見抜けなかったものを、ナオだけが見ていた。人の気持ちを信じるナオらしい読みで、最終話にふさわしい笑いどころになっていた。
事務局の思惑と、ヨコヤの影
物語は、次の戦いへの布石を置いて終わる。
「事務局は完全に破綻する」
フクナガに問われたアキヤマは、事務局の儲けの仕組みを語る。「事務局の儲けは勝者のドロップアウトによる返金と」「敗者が負った負債の取り立てから成り立っている」。ナオのような人間が勝ち続け、賞金を他人の負債の穴埋めに使えば、事務局には金が流れなくなる。トーナメントの最後の一人が負債を膨らませ続ければ、「事務局は完全に破綻する」。
フクナガは「なんであんたがそこまでやらなきゃならないの」と問うが、アキヤマの答えは描かれない。アキヤマがこのゲームに挑む本当の理由は、第2期へ持ち越された。
「連中の息の根を 止めてやりますよ」
最後に登場するのはヨコヤだ。事務局からの電話に「相変わらず訳のわからん連中だ」「だが勝ち上がってくれてよかった」と応じ、「今度は完璧に」「連中の息の根を」「止めてやりますよ」と言い放つ。ナオの勝利の余韻を断ち切るように、次の敵の不気味さを残して第1期は終わる。
まとめと考察
第26話は、ナオが自分の力で勝ち、救うと決めた相手を本当に救った最終話だった。
嘘が下手な人の、ついた嘘
ナオはずっと、嘘をつけない人として描かれてきた。最終話でナオがついた嘘は、自分を騙されやすい人に見せる嘘であり、その目的は勝った先で相手を救うことだった。人を騙すための嘘ではなく、人を救うための嘘。それがナオのライアーゲームの戦い方だと、はっきり示された。
第2期へ
第2期の制作も決まっている。アキヤマの本当の目的、フクナガの恋心、そしてヨコヤとの再戦。ナオが見つけた自分なりの戦い方が、次のゲームでどう試されるのかが楽しみだ。




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