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『野生のラスボスが現れた! 第2期』の初回となる第13話の副題は「機動王都ブルートガングが現れた!」。女神への逆襲を誓ったルファスは、新たな乙女ウィルゴを仲間に加え、蠍の標的となった機動王都へ向かう。超巨大戦艦のようなブルートガング、おバカで忠実な蟹のカルキノス、そしてレベル900の蠍スコルピウスまで、にぎやかな第2期の幕開けを振り返る。




第13話の副題は「機動王都ブルートガングが現れた!」
『野生のラスボスが現れた! 第2期』の幕開けとなる第13話の副題は「機動王都ブルートガングが現れた!」。公式のあらすじは、パルテノスからこの世界の真実と真竜の存在を告げられたルファスが、女神への逆襲を誓うところから始まる。新たな乙女ウィルゴを仲間に加えた一行は、覇道十二星天の蠍スコルピウスが狙う機動王都ブルートガングへ向かう。第2期らしい新キャラクターの顔見せと、いきなりの大規模戦闘が詰め込まれた回だった。
「女神への逆襲だ」
冒頭は、これまでの旅のおさらいから始まる。ゲームのアバターであるルファス・マファールに憑依し、200年後のミズガルズに来てしまった主人公。配下の十二星天を集め、七英雄の中に自分と同じプレイヤーがいるかを確かめる旅は、魔神王オルムとの遭遇で大きく意味を変えた。「この世界は女神のシナリオによって」「女神の思い通りに動いていると」。
そこでルファスが見つけた最大の目的が、「この世界にいたルファスの目的と真意を探り」、女神を引きずり出してその真意を問うことだった。「俺を巻き込んだ女神への逆襲だ」。配下を集める旅が、世界の仕組みそのものに挑む旅へと変わったことを、第2期の最初にはっきり示す導入になっている。
本来のルファスに呑まれていく意識
一方で、公式のあらすじにもあるとおり、ルファスは自分の意識が本来のルファスに呑まれつつあることを自覚している。最近は穏やかになっていたはずの表情が、ふと昔のルファスのように見える。その変化に、仲間が気づき始めていた。
女神の手がかりにたどり着くには、本来のルファスに近づく必要がある。けれど近づくほど、今の自分は薄れていくかもしれない。目的に近づくほど自分を失うかもしれないという矛盾が、明るいやり取りの裏で静かに積み重なっている。第2期全体を貫く不安の種が、ここでまかれた形だ。
新たな乙女ウィルゴ
旅立ちの前に、ルファスたちは新しい仲間を迎える。
「代わりにウィルゴをつけましょう」
一緒に行けないことを詫びる声とともに、ルファスに託されたのはウィルゴだった。「しかしご安心を」「代わりにウィルゴをつけましょう」。ウィルゴ本人も「森に残ってもおばあちゃんに追い出されるだけですし」と言いながら、「これからよろしくお願いします」と一行に加わる。「おばあちゃんじゃあねー」「ルファス様を頼んだぞー」という別れのやり取りが、なんとも微笑ましい。
これで十二星天は4人。とはいえウィルゴはまだレベルの低い新人で、周りは規格外の仲間ばかりだ。最強の一行に、ごく普通の感覚を持った新入りが加わることで、この先の旅に新しい視点が生まれそうだと感じた。
「今までで一番やらかしてる奴来たよ」
次に向かう先として挙がったのが、魔神族に協力している蠍のスコルピウスだった。七英雄の一人が建国した国まで滅ぼしているという話に、「今までで一番やらかしてる奴来たよ」という声が漏れる。ルファスをあれほど崇拝していたスコルピウス。「あの崇拝がそのまま人類への憎悪に」「変換されたのだとすれば」「極めて危険な存在であると考えられます」。
「今の奴は我の言葉にすら耳を貸さぬ」「復讐の悪鬼です」。憎悪のあまり限界を突破し、レベル900に達しているという。ゲームでは上限だった800を超えていることに、ルファスは「何勝手に上限超えてるんだ」とつっこむ。アイゴケロスの話では、スコルピウスが次に狙うのは機動王都ブルートガング。そしてそこには、十二星天の蟹のカルキノスもいるという。「まさかサソリとカニを同時に回収できるとは」。
機動王都ブルートガング
一行がたどり着いたのは、想像をはるかに超える国だった。
「お前だけ世界観間違えてないか」
七英雄の鍛冶王ミザールが建国した、工業の盛んなドワーフの国。その正体は、ミザール最後にして最大の作品とされる巨大なゴーレムだった。目の前に現れた機動王都の姿に、ルファスは思わず叫ぶ。「おいミザール」「お前だけ世界観間違えてないか」「なんでファンタジーで超巨大戦艦作ってるんだよ」。
中に入れば「建物の中に空がある」。全15階層のうち8階までが居住エリアで、その上に商業施設や王室エリア、住人はおよそ10万人。最上階には操縦室まである。剣と魔法の世界に、突然SFの巨大要塞が現れる落差がこの回の大きな見どころで、ルファスのつっこみがそのまま視聴者の気持ちを代弁していた。
「弟のようなものですから」
ブルートガングについて淀みなく説明したのは、リーブラだった。解説役を奪われた形の「わ、私の解説が」という声には笑ってしまう。「やけに詳しいな、リーブラ」と聞くルファスに、リーブラは「ブルートガングは私にとって」「弟のようなものですから」と答える。同じミザールの手によるゴーレム同士だからこその言葉だ。
「でかい弟だなおい」というルファスの返しも絶妙だが、有事には人型に変形して殴り合いもできると聞いて「もはや何でもありだな」。ただし、ゴーレムのブルートガングには毒が通じなくても、中にいる国民が毒で全滅すれば実質的な敗北になる。毒の専門家スコルピウスとの相性は最悪という見立てが、このあとの戦いへの緊張感を高めていた。
蟹のカルキノス
リーブラがカルキノスを探す間、一行は腹ごしらえをすることにする。
「待って待って待ち続けておりました」
入った店で出迎えたのは、一見できる男風の店主だった。ところが口を開けば「ミーはこの日を」「この日をどれだけ待ちわびたことか」。ルファスは即座に「前言撤回」「これダメなタイプだ」と評価を改める。「夜も眠れず昼寝もそこそこに」「食事も喉を通らず」と言いながら、話は少しずつ怪しくなっていく。
店主の正体は、十二星天の蟹のカルキノスだった。ルファスの腰に手を回すカルキノスに、リーブラは「許可なくマスターの腰に手を回すのは」「グレーです」と即座に反応する。軽薄なカルキノスと堅物なリーブラの掛け合いは、200年たっても変わらない関係を感じさせてくれた。
「主従の赤い糸で繋がれているのです」
カルキノスは、ルファスが敗れたあともいつか復活すると信じて各国を巡り、情報が集まる場所を作るために店を開いたという。そこへルファス本人がやってきたのだから、「これぞ運命だと感じました」「主従の赤い糸で繋がれているのです」と大はしゃぎだ。ただ、カニスープの正体は別の食材で、「カニと偽ってさらっと詐欺行為働くなよ」とつっこまれる。
しかも、外界と遮断されたこの国に店を構えたせいで、肝心の情報はほとんど入ってこなかった。「うすうすそんな気はしてたんだ」「この国なんか外の情報入ってこないなって」。「いや気づこうよ」「相変わらずおバカなんだねカルキノスって」と、仲間からの容赦ない言葉が続く。
それでも、人間の中に紛れて暮らし、店を曲がりなりにも成功させた動機は、すべてルファスのためだった。「余は十二星天を手元に戻す旅をしている」「そなたは五人目だ」という呼びかけに、カルキノスは「変わらぬ忠誠をあなたに捧げましょう」と応える。おバカだけれど、忠誠心は本物。カルキノスの愛すべきキャラクターがよく伝わる場面だった。
スコルピウス襲来
一行の中で、ウィルゴは少し居心地の悪さを感じていた。
「焦る必要はない」
「私ってここにいていいのかなって」「皆さんすごい人ばかりですし」「私みたいな低レベルがいても」。不安を打ち明けるウィルゴに、ルファスは「焦る必要はない」と声をかけ、「そなたはあのパルテノスが見出した後継なのだ」「すぐにあやつらにも並び立てるほどになるさ」と励ます。ラスボスらしい威厳と、仲間を思いやる優しさが同居したルファスらしい言葉だった。
そのとき、ブルートガングに緊急の放送が流れる。スコルピウスとの戦闘が始まったのだ。ルファスは「いよいよだな」とつぶやく。一方のスコルピウスは、ルファスへの想いを口にしながら、閉ざされた国の中では毒の回りも早いだろうと笑みを浮かべていた。
「近づかれる前に決着をつけるのだ」
ブルートガングは「こちらから先手を打つ」と砲撃で迎え撃つ。しかし、何度砲撃してもスコルピウスには効かない。それでも周りの魔物の数は減らせたと見て、ゴーレム部隊を出撃させ、さらに主砲の発射を決める。味方のゴーレムが巻き込まれると止められても、毒を持つ相手に「近づかれる前に決着をつけるのだ」と譲らない。
「敵が600味方は100」。エネルギー充填の掛け声とともに放たれた主砲は、約600の敵を撃破する。まるで宇宙戦艦もののような砲撃戦に、作品の振り切り方を感じて思わず笑ってしまった。ところが、スコルピウスが少し本気を出しただけでゴーレムの反応は次々と消え、「このままでは全滅します」「化け物め」と戦況は一気にひっくり返る。
天秤部隊とスコルピウス
追い詰められたブルートガングは、ついに「天秤部隊を出す」「奴に対抗できるのはそれしかない」と切り札を投入する。同じころ、国の内部には魔神族が侵入していた。ルファスはアイゴケロスに侵入者を追わせ、アリエスとリーブラを内部に残し、「ウィルゴは魔物の大群で一気にレベル上げといくか」とディーナ、カルキノス、ウィルゴを連れて外へ向かう。「スコルピウスを止めるぞ」。
しかし、スコルピウスは天秤部隊の正体をすぐに見抜く。「ブラキウムを搭載してないどころか」「天秤もどっちか片方しか持ってないのね」。そして「あなたたちがリーブラのレプリカなら」「その属性は金」と、属性の相性まで突きつける。本物のリーブラとの違いを一瞬で見抜く、十二星天ならではの格の高さが際立っていた。
まとめと考察
第13話は、第2期の始まりとして、新しい仲間ウィルゴとカルキノスの合流、そして機動王都ブルートガングでのスコルピウスとの激突を描いた回だった。
にぎやかな再会と、ずれた忠誠
カルキノスもスコルピウスも、200年前と変わらずルファスを慕っている。けれど、その想いの向かう先は正反対だ。カルキノスはルファスのために人の中で生き、スコルピウスはルファスを失った怒りを人類への憎悪に変えた。同じ忠誠心が、まったく違う形にねじれてしまったという対比が、この回の芯になっていたと感じる。
十二星天の回収は、ただ仲間を増やすだけの話ではない。ルファスがいなかった200年の間に、それぞれがどう生きてきたのかを確かめる旅でもある。カルキノスのように笑って迎えられる再会もあれば、スコルピウスのように戦わなければ止められない再会もある。その両方を一話の中で見せたのがうまかった。
ルファスの意識と女神のシナリオ
もう一つ気になるのは、ルファス自身の変化だ。本来のルファスに呑まれつつあるという自覚は、仲間を思いやる今のルファスがいつまで続くのかという不安につながる。ウィルゴを励ました優しい言葉も、この先どう変わっていくのか。女神への逆襲と、自分を保てるかどうかという戦いが、これから並行して描かれていくのだろう。
機動王都という派手な舞台、カルキノスの軽妙さ、スコルピウスの圧倒的な強さ。第2期の初回から情報量もテンポも申し分なく、ルファスたちの旅がまた大きく動き出したことを実感させてくれる第13話だった。




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