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『ブラッククローバー』2nd Seasonの第1話の副題は「開戦」。冥府の門が開くまで残り3日、クローバー王国の魔法騎士たちはヤミとヴァンジャンスを取り戻すための準備を進めていた。ナハトとの修行でつかんだアスタとリーベのユナイト、ユノとランギルスの特訓、そしてメレオレオナが立つ開戦の瞬間まで、待望の新シリーズ初回をじっくり振り返る。




第1話の副題は「開戦」
『ブラッククローバー』2nd Season第1話の副題は「開戦」(公式表記はページ171)。漆黒の三極性(ダークトライアド)に連れ去られたヤミとヴァンジャンスを取り戻すため、クローバー王国の魔法騎士たちは最後の準備を進めていた。アスタとリーベは悪魔同化(ユナイト)の習得に挑み、ユノも特訓を重ねる。そしてついに、スペード王国での決戦の幕が上がる。久しぶりのテレビシリーズの再開にふさわしい、熱量の高い第1話だった。
冥府の門が開くまで3日
スペード王国では、魔導学者モリスが冥府の門を開く準備を着々と進めていた。悪魔が住む冥府とこちらの世界をつなぐクリフォトの木。それを生み出すために必要なのが、捕らわれたヤミとヴァンジャンスだという。「3日後冥府の門が開かれる」。
クローバー王国の作戦は、その前に二人を取り返し、クリフォトの木を消滅させること。「今度はこちらが攻める番だ」。その裏では「こんな時に魔法帝として何もできないとは」という悔しさも語られる。残された時間はわずか3日という緊迫感が、冒頭から物語を引き締めていた。
敵の目的と期限、そして味方の作戦が最初の数分で整理されるので、久しぶりに見る人でも状況をつかみやすい。捕らわれた団長たちを救う戦いであると同時に、冥府の門という世界そのものを揺るがす危機に立ち向かう戦いでもある。この二重の重さが、第2期全体の緊張感の土台になっていると感じた。
ナハトとの修行
アスタとリーベの修行の相手は、黒の暴牛の副団長ナハトだった。
「その悪魔と同化して」
「君たち二人で」「俺を倒してみろ」。ナハトがアスタに突きつけた課題は、「その悪魔と同化して」「アンチ魔法の力を100%引き出すしかない」というものだった。ところがアスタが力を受け取ると、リーベは小さくなってしまう。しかもリーベ本人も、自分の本当の力の使い方がわからないという。
ナハトは自身の悪魔とのユナイトで、それぞれの悪魔の特性を影魔法に付与して戦う。「ギモデロのその一つは」「群れだ」。対するアスタの状態は「君のそれはユナイトじゃない」「ただ悪魔の力が垂れ流されているだけだ」と切り捨てられる。それでも「悪魔を使役しない君がその力を100%すんなり使いこなせないのも当然だ」という言葉には、悪魔と対等な契約を選んだアスタへの理解がにじんでいた。
「9割バカ」の合体作戦
何度挑んでもナハトに勝ち筋が見えないアスタは、差し入れのお菓子を食べてひらめく。「甘いもん食べてひらめいた」「ちょっと付き合ってくれリーベ」。その答えは「合体だ」。リーベを肩に乗せて戦うという、まさかの作戦だった。
差し入れのお菓子で体力を回復しながら、アスタは休む間もなく修行を続ける。冥府の門が開くまでの限られた時間の中で、少しでも強くなろうとするひたむきさが伝わってくる。倒れても倒れても立ち上がる姿は、第1期から変わらないアスタの魅力そのものだ。
「こういう時のこいつは1割の確率でとんでもねえ正解を引き当てる」という期待もむなしく、結果は9割のダメな方。「こんなんで一つになったら苦労しねえんだよ」。シリアスな修行の合間に、アスタらしい無茶苦茶な発想が入るのがブラッククローバーらしい。ふたりの掛け合いは、文句を言い合いながらも息が合ってきているように見えた。
ナハトの冷静な指導と、アスタの体当たりの発想。この対照がこの修行パートの面白さだと思う。理屈で道を示すナハトに対して、アスタはいつも自分なりのやり方でぶつかっていく。たとえ失敗しても、その積み重ねがやがて答えにつながっていくのが、これまでのアスタの戦い方そのものだった。
ユノとランギルスの特訓
一度ゼノンに敗れたユノも、決戦に向けて腕を磨いていた。
「元は余計だね」
ユノの特訓の相手は、金色の夜明けのランギルスだった。「修行に付き合っていただき」「ありがとうございました」「ランギルス元副団長」。「元は余計だね」と返すランギルスと、「相変わらず嫌味な奴だな君は」「あなたには負けますよ」とやり返すユノ。
ランギルスは、かつてアスタやユノとぶつかり合った人物でもある。そのランギルスがユノの特訓に付き合い、皮肉を交えながらも力を認める。短い場面ではあるが、それぞれの登場人物がこれまでの物語を経て変わってきたことが伝わってくる。
かつては敵対もしたふたりが、同じ団長を救うために肩を並べている。精霊の力を使わずに戦ったユノに、ランギルスは「精霊の力なしでここまでやれるとはね」と認める。嫌味の応酬の裏にある信頼が、短い場面からも伝わってきた。
一瞬のユナイト
集合の時間が迫るなか、ナハトは最後の試練を課す。
「どうせダメならここで死ね」
「もう二日経ったんすか」と慌てるアスタに、ナハトは「仕方ないね」「どうせダメなら」「ここで死ね」と本気の攻撃を仕掛ける。闇の中で気配すら感じられない状況に追い詰められたとき、リーベの叫びが重なる。「俺とアスタの気持ちは一つのはず」「なんでユナイトできねえんだ」。
その瞬間、アスタとリーベはついにユナイトを果たす。ナハトの腕のユナイトを解除し、実体のない影の魔法まで消し去る力。「アンチ魔法」「フル出力を発揮すれば」「やはり」「最強だ」「俺の負けだ」。何度も負け続けた末につかんだ一瞬の勝利に、思わず拳を握った。
何度挑んでも勝てなかった相手に、ふたりが同じ気持ちになれた一瞬だけ届く。この展開は、ユナイトが技術ではなく心の問題であることを示しているようだった。アスタとリーベが互いを本当の意味で受け入れたとき、その力は完全なものになるのだろう。
「俺は正しい人間には報われてほしい」
しかし、ナハトはすぐに出発を許さなかった。「ほんの一瞬だけね」「まだ完全にはユナイトを物にできていない」「今の状態で敵地に行っても」「最終的には結局死ぬことになる」。そして、影魔法でずっとアスタを見てきたことを明かす。
「君は魔力を持たず生まれ」「過酷な運命に翻弄された」「君はずっと正しかった」。修行の始めに「正しい人間が報われるとは限らない」と言ったナハトが、「俺は正しい人間には報われてほしい」と言い直す。厳しい言葉の奥にあったナハトの本心に胸が熱くなった。ナハトはギモデロだけを置いていき、「だからちゃんと仕上げて」「必ず来い」と言い残して先に向かう。
魔力を持たずに生まれ、それでも諦めずに進んできたアスタを、ナハトはずっと見ていた。ナハトの言葉は、アスタへの評価であると同時に、ナハト自身の生き方への問いかけのようにも聞こえる。正しくあろうとする人が報われる世界を願う気持ちが、この先のナハトの戦いにどうつながっていくのかも気になるところだ。
決戦の始まり
ついに、クローバー王国の精鋭たちがスペード王国へ乗り込む。
漆黒の三極性とレジスタンス
集結した魔法騎士団の面々を前に、スペード王国のレジスタンスも漆黒の三極性に正面から立ち向かう。17年前に王と多くの同胞を殺され、国民を虐げられてきた彼らは、勝てないと分かっていても王とは認めないと声を上げる。しかし漆黒の三極性は「圧倒的な力の前では」「思いも執念も何もかも無意味だ」と言い放ち、魔人の力で城下町の人々ごと殲滅しようとする。
「お前たちはスペード王国民ではない」「我々強者だけがスペード王国民なのだ」。力のない者を国民と認めない冷酷さが、漆黒の三極性という敵の恐ろしさをはっきり示していた。そして「クリフォト降臨の儀を始めるぞ」という声とともに、儀式が動き出す。
「よくぞ吠えた」
その窮地に現れたのが、メレオレオナだった。「よくぞ吠えた」「このクローバー王国王族メレオレオナヴァーミリオンが力添えしてやろう」。たった一人で魔人の前に立つ姿は、まさに頼れる姉御そのものだ。
メレオレオナは悪魔とも精霊とも契約していない。それでも魔人を前にまったく怯まない姿は、強さとは何かを改めて考えさせる。レジスタンスの覚悟を「よくぞ吠えた」と受け止めるところに、王族としての誇りと、弱い者を見捨てない気概がよく表れていた。
作戦は、降臨の儀を動かす3人の発動者、つまり漆黒の三極性を同時に叩くこと。「発動者たるトライアドを全て倒し」「儀式を機能不全に追い込む」「そこで3手に分かれ」「奴らを同時襲撃し撃破する」。反撃の作戦がいよいよ動き出すところで、第1話は幕を閉じる。
魔法騎士団、レジスタンス、そして漆黒の三極性。三つの勢力がそろったところで物語が区切られ、続きが気になる引きになっていた。誰がどの相手と戦うのか、捕らわれたヤミとヴァンジャンスはどうなるのか。決戦の舞台がようやく整ったという印象だ。
まとめと考察
第1話は、決戦前の修行と準備、そしてスペード王国での開戦までを一気に描いた回だった。
ユナイトが描く対等な絆
この回の中心にあったのは、アスタとリーベのユナイトだ。悪魔を使役するナハトとは違い、アスタはリーベと対等な契約を結んだ。だからこそ、ユナイトはすぐには使いこなせない。主従ではない関係だからこそ難しいという設定が、ふたりの絆の特別さを際立たせている。文句を言い合いながらも同じ目的を見つめるふたりが、一瞬だけ一つになった場面は、この先の戦いへの大きな期待につながった。
それぞれの戦いへ
ユノとランギルス、ナハト、そしてメレオレオナ。それぞれが自分の役割を持ってスペード王国へ向かい、物語は一気に決戦モードへ突入した。まだ合流していないアスタが、どのタイミングで戦場に駆けつけるのか。「必ず来い」というナハトの言葉がどう回収されるのかが楽しみでならない。
久しぶりのテレビシリーズの第1話として、見せ場も情報量も申し分なかった。久しぶりのアスタの叫びと、仲間たちの熱いやり取りに、ブラッククローバーが帰ってきたことを実感した。




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