『帰還者の魔法は特別です 第2期』第14話 感想|難民問題と次期作への期待が重なった

『帰還者の魔法は特別です 第2期』第14話 感想|難民問題と次期作への期待が重なった バトル・アクション

『帰還者の魔法は特別です 第2期』第14話「ジャッジメント」は、デジールたちが影の世界エバナーテンに残された難民問題に向き合う回。領民か難民かという苦しい二択を迫られる領主に対し、デジールはすべてを救う方法を探し始める。信仰よりも民を選んだ領主、あんたが育てたパーティーよという言葉、そして約束の梅のお茶まで、第14話を振り返っていく。

アニ
帰還者第2期第14話でござる
ラン
難民問題ってかなり重いテーマだね!
キャロ
デジールさんの答えが気になりますね。
アニ
ロマンティカとの再会に注目でござる

第14話「ジャッジメント」

『帰還者の魔法は特別です 第2期』第14話「ジャッジメント」は、エステバンとの争いを収めたデジールたちが、影の世界エバナーテンに残されたもう一つの問題、難民問題に向き合う回だった。領民か難民か、どちらかを選ぶしかない領主の苦悩。その二択を拒み、すべてを救う方法を探すデジール。そして離ればなれになっていた仲間との再会が、歴史を大きく動かしていく。場面ごとに振り返っていく。

信仰よりも民を選んだ男

物語は、領主ビルヘルムの過去から始まる。影の世界は女神が下した罰であり、彼の地の者たちは相応の罪を犯したのだと告げられたビルヘルムは、民を見殺しにすることに異を唱える。「信者を見捨てる神がどこにいる」。その結果、彼は地位を剥奪され、故郷へと戻ってきた。苦労して得たものをすべて捨てて、俺たちを守ろうとした大ばか野郎だと、彼を知る者は語る。

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帰還者の魔法は特別です第14話✨
エステバンとの争いを収めたデジールたちは、エバナーテンが抱えるもう1つの問題…難民問題に向き合うことになる
領民か難民かという苦しい選択を迫られる領主ビルヘルムに対し、デジールは『全てを救う方法を見つけ出す』と宣言❗️

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「信仰よりも民を選んだ男」。けれど、その名前は歴史には残っていない。この影の世界には、いったいどんな歴史が隠されているのか。冒頭のこの回想が、ビルヘルムという人物の本質と、この回で彼が迫られる選択の重さを、あらかじめ示していた。

神の決定よりも目の前の人々を選ぶ。その選択は、信仰の世界では罪とされても、人として最も誠実な判断だったはずだ。正しさのために地位を捨てた人物が、歴史から名前を消されているという事実が、この影の世界の不条理さを物語っている。デジールがこの世界で何を正そうとしているのか、その答えの手がかりが冒頭から置かれていた。

難民という問題

騎士団の副官が領主に申し出たのは、難民を領内から追放する決裁だった。難民の増加に伴い犯罪も増えている、すべてはエバナーテンのため。少々乱暴ではないかとためらいながらも、ビルヘルムは書状を受け取る。これが、この影の世界のもう一つの問題だった。

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本日のアニメお気に入りシーン⑧
#帰還者 #returnersmagic

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その頃、デジールはアゼストに梅を使ったお茶をふるまっていた。初めて飲む味だという彼女に、気に入ったのならまた入れるよと約束するデジール。「楽しみにしてる」というささやかな返事が、のちの場面で温かく回収されることになる。けれどその穏やかな時間は、城門へ急げという知らせで破られた。

領民か難民か

子どもだけでもいいから

城門の外には、おびただしい数の難民が押し寄せていた。中に入れろ、扉を開けろ、「子供だけでもいいから入れてちょうだい」。赤ん坊を抱えた母親の叫びが胸に刺さる。けれど、あの数を受け入れれば、「春を迎える前に」領民はすべて飢え死にするだろう。ただでさえ領内には難民があふれている。御領主様の慈悲を権利だとはき違えているのだと、副官は決断を迫る。

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この数は無理 #帰還者

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デジールは反論する。彼らを追い出すことは、ビルヘルムの信念を踏みにじることになる、難民もこの地に住む人たちに変わりはない、と。熱くなる議論を止めたのはビルヘルムだった。「冷静になりなさい」。デジール、君の言葉は正しい、私もそうありたいと願っていた、だが「現実を受け入れよう」。かつて信仰よりも民を選んだ男が、今度は民の中から誰かを切り捨てなければならない。その苦しさが、短い言葉ににじんでいた。

副官の主張も、決して悪意から出たものではない。領民を守るためには、限られた食料と治安を優先するしかないという現実的な判断だ。だからこそ、この問題には簡単な正解がない。誰かを救えば、誰かが飢える。その厳しい現実を前に、理想を語るデジールと現実を背負う領主の対立は、どちらにも一理があるだけに見ていて苦しかった。

三日の猶予

良くない方向に進んでいる、この歴史を正さねば。デジールは、必ず方法を見つけ出すと宣言する。領民も難民も、すべてを救う方法を。よかろう、「三日のうちに示してみせよ」。ビルヘルムが与えた猶予は、彼自身もまた、すべてを救う道を諦めきれずにいたことの表れだったのだろう。一人になったビルヘルムがつぶやく「私はなんと無力なのだ」という言葉が、領主の孤独を物語っていた。

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お仕事クビになった #帰還者

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食料を配る列を見回りながら、デジールは考え続ける。もともとここで暮らしていた人たちと、住む場所を追われてここに来ざるを得なかった人たち。いさかいが生まれるのは当然だ。そんな彼に、お仕事クビになったのと無邪気に声をかけてきたのが、難民の少女リリカだった。せっかくもらえた仕事だから、いっぱい働くよと笑うリリカ。難民もまた、ここに来るまでは何かの職に就き、生活していた。その気づきは、けれど食料が尽きるまでの時間には間に合わない。何もかも時間が足りない、とデジールは焦る。

リリカのような存在は、難民を数字ではなく一人ひとりの人間として見ることの大切さを教えてくれる。犯罪を増やす集団としてではなく、働き、笑い、生活してきた人々として。デジールが追い求めたのは、そうした一人ひとりを見捨てない方法だった。だからこそ、時間が足りないという焦りが、いっそう切実に伝わってくる。

ロマンティカとの再会

あんたが育てたパーティーよ

約束の3日が過ぎ、難民の追放が始まろうとしたそのとき、駆けつけたのはロマンティカだった。「やっと会えたわね」。影の世界で商人の役を与えられた彼女は、デジールたちがエバナーテンにいると知り、難民が集まっていて冬だから食料が足りなくなるだろうと、あるだけかき集めて慌ててやってきたのだという。どう、すごいでしょと胸を張るロマンティカに、デジールは心からありがとうと伝える。

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この無能が #帰還者

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あと1日遅れていたら難民たちは追い出されていたと聞き、危なかった、ナイス私と自画自賛するロマンティカがかわいらしい。そして彼女は見抜く。もしかして、一人で抱え込もうとしてた。ほんとそういうところ、「少しは頼りなさいよ」、「あんたが育てたパーティーよ」。何でも一人で背負おうとするデジールに、仲間がいることを思い出させる一言だった。頼られることを待っていた仲間の存在が、この回の大きな救いになっていた。

何から逃れてきたのか

食料の問題は解決した。だが、治安という問題が残っている。食料が届いたと知れ渡れば、さらに多くの難民が集まってくるかもしれない。領民も難民もすべてを救う方法、その答えを問われたデジールは、まず問いを立てる。そもそも彼らはどこから来るのか、何から逃れてきたのか。聖都ゴッドハイムでは重税が課され、子どもを狙った神隠しが頻繁に起きている。聖都を変えない限り、不幸な民は増え続ける。

それはつまり、反乱を起こせということか。この国に命と人生を捧げてきたビルヘルムに、デジールは問いかける。あなたのおっしゃる国とは、重税を課し民を苦しめる聖都のことか、それとも人々が幸せに暮らすことのできる場所のことか。ビルヘルム・エバナーテンが目指したものは、どちらなのか。難民を追い出すか受け入れるかではなく、難民が生まれる原因そのものを断つという発想が、二択の問題を根本からひっくり返していた。

目の前の問題に対処するだけでなく、その原因をたどっていく。これは、未来の悲劇を知るデジールだからこそできる考え方でもある。滅びる国の行く末を知っている者として、彼は表面の対立ではなく、その奥にある構造を見ている。難民問題という現実的なテーマを、ファンタジーの物語の中で真正面から描いたことが、この回を特別なものにしていた。

第14話のまとめ考察

もう一つの歴史

ビルヘルムの脳裏によみがえったのは、かつて聖都の外れの店で友人と交わした会話だった。みんなが笑っている、だからもっと多くの人間に食べさせてやりたい、「この国のみんなだ」。私はそのために剣を握ったのだ。ビルヘルムは戦士たちに呼びかける。罪なき子どもたちが犠牲となっている、「これは我らの国を取り戻す戦いである」。こうして影の世界の攻略は果たされ、ビルヘルムは新たな聖王となるもう一つの歴史が示された。

けれど、現実の歴史ではこの国は影の世界に飲み込まれて滅んでいる。「歴史にやり直しはない」。「たった一つの例外を除いて」。時間を巻き戻して戻ってきたデジールだけが、その例外なのだ。もしも立ち上がっていれば、という可能性を体験したことは、未来を変えようとするデジールにとって、大きな意味を持つのだろう。

影の世界で示されたのは、ありえたかもしれない歴史の姿だった。正しい選択をした人物がいて、その人物が立ち上がっていれば、国は滅びずに済んだかもしれない。歴史を変えるのは、たった一人の決断かもしれないという示唆は、未来を知る者として戦うデジールの物語そのものと重なって見える。だからこそ、この影の世界の攻略は、単なるクエストのクリア以上の意味を持っていたように思う。

約束のお茶

攻略を終えた祝いの席で、デジールはアゼストに梅のお茶を差し出す。「また入れるって約束しただろ」。急いで作ったからいまいちだったかと心配するデジールに、すごく美味しいと答えるアゼスト。一曲どうだと誘われ、踊りは苦手だと断るデジールに、ならば「教えてやろう」、「お前には教わってばかりだからな」と手を取るアゼスト。抜け駆けを許さない仲間たちの抗議まで含めて、ほほ笑ましい締めくくりだった。重い問題を描いたあとだからこそ、こうした温かな時間がいっそう心にしみる。

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本日のアニメお気に入りシーン⑦
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第14話は、二択を迫られる問題に対して、問いそのものを変えることで答えを見つけ出す回だった。すべてを救いたいという理想は、ときに無力さを突きつけられる。それでもデジールは諦めず、仲間に支えられて道を切り開いた。理想を語るだけでなく、そのための筋道を示すデジールの姿に、帰還者としての強さを改めて感じた。一人で抱え込まず、仲間を頼ることを覚えたデジールが、この先どんな戦いに挑んでいくのかも楽しみだ。そしてラストでは、捕らえられた男の上に立つ者たちの不穏な会話が描かれ、物語は次の戦いへと動き出していく。

アニ
もう一つの歴史が示されたでござる
ラン
ナイス私のロマンティカ、最高でしょ!
キャロ
梅のお茶の約束が素敵でした。
アニ
次の戦いを見守るでござる

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