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街の顔役・鋭利華姉から持ち込まれたのは、万引き犯を捕まえてほしいという依頼。しかも頼まれたのは警備ではなく、人手不足のコンビニの店員だった。コンビニ大好きな超条は大はしゃぎで、交番の面々の前代未聞の潜入捜査が始まる。コンビニの便利を支える仕事の重さ、ローボくんが見抜いた違和感、そして透視能力を求める伴平助まで、第5話を振り返る。




第5話 鋭利華姉の依頼
第5話は、交番の面々がなぜかコンビニの制服を着て「いらっしゃいませ」と頭を下げる場面から始まった。前半は万引き犯を捕まえるための潜入捜査、後半は超能力を教えてほしいと押しかけてきた中学生・伴平助の騒動。笑いどころが次々に押し寄せる、にぎやかな第5話を振り返っていく。
街の顔役
交番に仕事を持ち込んできたのは、街の顔役・剣崎鋭利華。知り合わないほうが幸せだと言われるほどで、街のワルと飲んだくれが全員一度はどやされる相手だという。まだ若いお姉さんなのにという驚きに、「俺がガキの頃からまだ若いお姉さんだったけどな」という余計な一言が飛び出し、すかさずにらまれる。
依頼の中身は、「ズバリ万引き犯を捕まえろだよ」。近くのコンビニの店長に泣きつかれたものの、この街では万引きなど珍しくもなく、警察も本腰を入れてくれない。しかも今回の犯人は、店員総出で防犯カメラを確認しても尻尾をつかめない厄介な相手だった。
頼むのは警備じゃなくて店員
カメラにかじりついていた店長までダウンし、店は人手不足。そこで鋭利華姉が交番に頼んだのは、「警備じゃなくて店員だよ」。警察官は副業禁止だと抗議すれば、返ってくるのは「無給だよ無給」。強引に押し切られた交番の面々は、変装してコンビニの店員になることになった。
正体がばれないようにと念を押しつつ、鋭利華姉は「あんたは昔からやるときゃやる子だ」と言い残して去っていく。毎度強引なババアだとぼやく声が上がっても、誰も逆らえないのがよく分かる。交番の面々をここまで振り回せる人物の存在は、なんだか新鮮だった。
コンビニ初日の洗礼
超テンション上がんね
一種の潜入捜査と思えばいいとまとめる一本木の横で、超条はすっかり浮かれていた。日頃からコンビニをめちゃくちゃ使うという超条にとって、コンビニで働くのは「超テンション上がんね」。スイーツを自腹で買っていいのか、漫画も最速で読めるのかと夢を膨らませる姿に、「職業体験の前日とか眠れなかったろうなこの人」という心の声が漏れる。
「一人目のお客さん 俺のだから」と言い出す超条を見て、心の声は「ダメだこいつ 心が子供の職業体験所にある」。親の手前むすっとしながら内心うきうきしている子どものようだというたとえが、あまりにも的確で笑ってしまった。
ガス料金とたばこの番号
ところが最初のお客さんは、ガス料金の支払いだけ。「美味しいものもあるんで」と弁当やスイーツを勧める超条に、お客さんは困惑して「変な店」とつぶやいて帰っていく。支払いのやり方を知らない超条に代わって、マニュアルを検索してもらう始末だった。
その後も、たばこを銘柄で頼んでくるお客さんに番号での注文をお願いしても通じなかったり、タイムサービスに追われたりと、にわか店員への洗礼は続く。ピークを過ぎる頃には、一同はすっかり満身創痍。「たばこは番号で言えというのが なぜわからない」というローボくんの一言には、全国のコンビニ店員の思いが詰まっていた気がする。
この世の便利はすべてコンビニが支えてた
へとへとになった超条は、ここで大きな気づきを得る。漠然と世の中便利になったなと思っていたけれど、違った。各種サービスもインフラも、「この世の便利はすべてコンビニが支えてた」。コンビニのすべてを知った気になって浮かれていた自分を、「ぶん殴りたい」とまで言い出す。
すかさず「今からでも拳貸しますけど」と返されるのもおかしい。「俺は心を入れ替えるぞ」、交番に戻るのは一人前の店員になったときだと誓う超条に、「万引き犯捕まえた時でしょ」と突っ込みが入る。目的を見失っているのに、本人はいたって真剣なのがこの作品らしい。
神速の接客と万引き犯の正体
進化した接客術
超条の決意は、修羅の道へと続いていた。ラッシュ時の混雑に苦戦しながらも、その過酷さが素人3人を急成長させていく。お箸とフォークの数まで先読みして袋に入れる超条の早業に、お客さんも目を丸くする。読心術を使った先読みで、「これが進化した俺の接客術よ」。超能力の使いどころとしては、ある意味いちばん平和だ。
ローボくんも負けていない。お客さんをサーマルスキャンして、冷え気味の人にはおでんをおすすめする。いつの間にか二人そろって異名まで名乗り始め、「警察に戻る気あります」と頭を抱える声が上がる。陳列にまで「ギチギチに詰め込めばいいってもんじゃないぞ」と先輩風を吹かせ始めるあたりで、もう完全にコンビニの人だった。
お客様に全部伝わってっからな
冷え冷えの情熱で熱々のホットスナックが出せるのかと説教する超条は、「何らかの思想に染まってます」と言われるほど。「全部見てんだお客様」という台詞の熱量がすごい。おでんの保温機能が壊れれば、念動力ならぬ発火能力でおでんを温める。「もしかして、コンビニのほうが天職なのか」という声に、思わず同意しそうになった。
体温のない腕
万引き犯は、店員が変わったせいか様子を見ているようだった。やるなら人混みに乗じるだろうからラッシュの時は用心しろと言い残して、鋭利華姉は去っていく。そのラッシュの最中、機材トラブルが重なって手が足りない。人混みでは超条の読心術も弱い。そんな中、ローボくんが何か違和感を覚える。
確証がないまま店の業務を止めれば、最悪賠償責任まで負いかねない。打つ手がないかと思われたそのとき、超条が一人の客の腕をつかむ。「あんたはお客様じゃねえし」、「こいつは腕じゃねえ」。ローボくんの違和感の正体は、体温のない腕。犯人は作り物の腕を隠れみのにして、本物の腕で商品を取っていたのだ。防犯カメラで見ても分からないはずだった。
何者だと問う犯人に、超条は「こういうものだよ」と警察手帳を見せる。コンビニの研修中の名札と警察手帳という組み合わせが、なんともシュールでかっこよかった。こうしてコンビニ勤めは終わり、「大変だったけどいい経験でしたね」と振り返る一同。翌日、ついいつもの癖でコンビニに出勤してしまう超条の姿が最高のオチだった。
透視能力を求める伴平助
師匠と呼ばせていただきます
後半、交番に飛び込んできたのは一人の中学生。「師匠と呼ばせていただきます」、「僕に超能力を伝授してください」。中学2年の伴平助と名乗った少年は、尊敬する超条に弟子入りしに来たのだという。能力者に憧れる年頃なのかなと微笑ましく見る声もあれば、「どうせスケベなことでも企んでんじゃねえのか」と疑う声もある。
何も聞かずに、たった一つの能力でいいから教えてほしい。そう頼み込んだ伴が求めたのは、「透視能力を伝授してください」。「スケベじゃねえか」という即答が、あまりにも気持ちいい。とぼけてみせる伴の内心を読めば、「エロとスケヴァが高速で浮かんでは消えてる」状態で、「最悪の音ゲーかよ」という突っ込みに大笑いした。
念動力で手を打ちましょう
透視を断られた伴は、「念動力で手を打ちましょう」と食い下がる。それも結局スケベ目的だと見抜かれ、さらに一本木が超条に催眠術をかけられたことがあると知ると、「それめちゃくちゃエロくないっすか」と食いつく。何を話しても絶好球として打ち返してくる伴の勢いに、超条のステータスがどんどん焼き尽くされていくのがおかしかった。
一本木が、先輩は透視ができるのかと確かめるくだりも面白い。「できるけど」、「しねえよ透視なんて」、「神に誓って」と慌てる超条。これまでエロを避けてきた理由が、まさに今の状況そのものだったというのが笑える。
顔色うかがってんすか BPOの
翌日から、伴は毎日交番に通い詰める。とっとと失せろと追い返されても、「それはこのアニメからということでしょうか」と返し、自分は「コンプラ的に望ましくない存在」なのかと詰め寄る。いい子ぶる超条に向けた「顔色うかがってんすか BPOの」という一言は、今回いちばん攻めた台詞だった。
さらに伴は、大人たちは「平成のすけべが許されてた時代の人間だろ」と迫り、画面には平成の漫画のコマまで飛び出す。自分は力なきエロガキ、師匠はたやすくタブーを破る力を持った超能力者、「我々は等しくコンプラ的に危うい者同士」、「いわば鏡合わせの存在なのですよ」。屁理屈なのに妙に説得力があるのが、伴という少年の恐ろしいところだ。
力の正しい使い方
事故の現場で
押されっぱなしの超条を見かねて、助け舟が出されようとしたそのとき、外で大きな音がする。交番のすぐ裏で車が突っ込む事故が起き、子どもが車の下に挟まれていた。超条は道路を封鎖させ、「俺が念動力で救出する」と動く。
下手に動かせば内臓を傷つけるかもしれないという心配に、超条は「それはこれから確かめる」と透視で状態を見極める。内出血も骨折もないと確かめてから、念動力で車をどかし、一本木が子どもを引っ張り出す。さっきまでスケベの道具として話していた透視と念動力が、ここでは人の命を救うために使われる。この落差の作り方が見事だった。
力を他人のために使っちゃう人
子どもは命に別条がなかった。一本木は伴に、先輩の活躍を見たかと声をかける。「あの人確かにルール違反上等のいけすかない」人だけど、「だけど結局は力を他人のために使っちゃう人なの」。「私はね先輩がそんな人だから超能力を授かったんだと思うんだ」。普段はぶつかってばかりの一本木の口から出たこの言葉に、二人の信頼関係がにじんでいた。
伴も「師匠は力を手にしたその先を見ていた」と感動し、初心に戻ると誓う。ところが続く言葉は、「まずは透視能力からご指導をお願いします」。「この子目がまだエロスを失ってない」という声と、超条の「帰れ」で締めくくられる流れまで、最後まで笑わせてくれた。
感動的な話でまとめかけて、きっちり笑いに落とす。この作品の持ち味が、前半のコンビニ回と後半の伴平助回の両方でしっかり発揮された回だった。新たに加わった伴が、これから交番をどれだけかき回していくのか楽しみだ。




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