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マグナがダンテを倒し、クリフォト降臨の阻止へ大きく一歩近づいた黒の暴牛。一方、ヴァニカと呪いに操られたロロペチカの前に、ついにノエルが姿を現す。母の仇との因縁の戦いが、ここでついに始まった。ウンディーネが明かした聖域、スピリットダイブで覚醒した聖なる戦乙女ノエル、そして最後に姿を見せたメギキュラそのものまで、第6話を振り返っていく。




マグナの勝利と残るダークトライアド
先輩なめんなよ
『ブラッククローバー 2nd Season』第6話「聖なる戦乙女」は、前の話でダンテを倒したマグナを、アスタたちがたたえる場面から始まる。「すげえっす マグナ先輩」と目を輝かせるアスタに、「たりめえよ 先輩なめんなよ」。ラックの「いつかやり合うのが楽しみだよ」には「俺が勝つぜ ラック」と即答する。魔力の低さを根性と工夫で覆したマグナの勝利に、もう一度心が熱くなった。
一方、敵の側でもこの結果は想定外だった。「悪魔の力100%のダークトライアドは」、「最上位悪魔とほぼ同等だったはず」。それでも、「どんどん悪魔が溢れ出る」という不気味な言葉が、戦いがまだ終わっていないことを告げている。
トライアドを一人倒したことでクリフォトの機能は落ちたはずだが、「残り2人も倒さなければ」、「クリフォトを完全に停止させることはできない」。そして「この戦いで俺がヤミさんを助け出すぜ」、「いいえ俺だ」、「いいや僕だね」と、黒の暴牛の面々は団長の救出をめぐって張り合う。ボロボロのはずなのに、いつもの調子を崩さないのがこの団らしい。団長を慕う気持ちが、そのまま彼らの原動力になっているのがよく分かる場面だった。
マグナの勝利は、才能や魔力の量だけでは決まらないというこの作品の根っこにある考え方を、改めて示してくれた。平民の出身で、魔力も決して多くない。それでも長い時間をかけて自分だけの戦い方を磨き、最上位悪魔に匹敵する相手を倒してみせた。その姿は、魔力を持たないアスタが魔法帝を目指す物語とも重なっている。残る二人のダークトライアドとの戦いでも、こうした積み重ねがきっと鍵になるはずだ。
ウンディーネとノエル
約束通り来てやったわよ
舞台は、シャーロットとヴァニカの戦場へ。呪いで操られたロロペチカの圧倒的な魔力に、シャーロットたちは追い詰められていた。ヴァニカは「私たちのタッグのほうが 強かったよね」、「ねえ ロロペチカちゃん?」とはしゃぎ、「全力で暴れるのって すっごく気持ちいいでしょ?」と、優しいロロペチカに戦いを強いる。
そこへ現れたのがノエルだった。「約束通り来てやったわよ」。「ノエルちゃん ちゃんと強くなってきた?」と挑発するヴァニカに、「私たちがあんたを絶対に倒してやるから」と言い切る。母を奪った相手を前にしても、冷静さを失わないノエルの姿に成長を感じた。
ノエルにとってヴァニカは、母を呪い殺した仇でもある。ハート王国での修行を経て、ノエルは何度もこの相手を倒すことを誓ってきた。強大な魔力に振り回されていた頃から、ここまで堂々と仇の前に立てるようになったこと自体が感慨深い。仲間を背にして立つその姿には、黒の暴牛で過ごした時間の重みがにじんでいた。
あなたの優しさは私の誇りよ
ノエルの前に現れたのは、ロロペチカについていたはずの水の精霊ウンディーネだった。「呪符魔法で私の力は衰え」、「ロロペチカとの契約が一時的に解かれたの」。そして力を取り戻すために移った先が、ノエルのグリモワールだった。「あなたは水の精霊守になれる資格がある」。ヴァニカにとどめを刺す可能性は、反魔法以外にもある。それが、精霊守だけがたどり着ける、「邪気を払い 悪魔を滅する領域 聖域」だという。
それならなぜ、膨大な魔力を持つロロペチカに聖域で戦わせなかったのか。ノエルの問いに、ウンディーネは昔話を始める。ロロペチカは幼い頃から膨大な魔力を持ちながら、一切攻撃する魔法を覚えられなかった。「この子は 優しすぎる」。「攻撃魔法を覚えられないなんて 女王失格だよね」と落ち込む幼いロロペチカに、ウンディーネは「そんなことないわ ロロペチカ」、「あなたの優しさは私の誇りよ」と語りかけた。
だからこそ、聖域のことは誰にも口外しなかった。「なんとかしてロロペチカを戦いから遠ざけたかった」、「優しいままでいてほしかった」。その結果、ロロペチカは呪われ、さらわれてしまった。「私は間違っていたんだわ」と悔やむウンディーネに、ノエルはきっぱりと返す。「けどそれは あなたの優しさでしょ」、「優しさが誰かを慈しむ気持ちが」、「間違いになっていいわけがないじゃない」。
ウンディーネの選択は、守りたい相手を戦いから遠ざけたいという、ごく自然な愛情から生まれたものだ。けれど世界はそれを待ってくれず、結果としてロロペチカは最も望まない形で戦場に立たされてしまった。正しさと優しさがすれ違う、この作品らしい苦い構図だと思う。
そして「私たちお互い仲は良くないけど」、「目的はがっちり同じよね」、「私と手を組みなさい」。王族として傷つき、悩んできたノエルだからこそ、ウンディーネの後悔を責めずに受け止められたのだと思う。優しさを否定しないノエルの言葉に、この回でいちばん心を動かされた。
聖なる戦乙女
我慢、ならないわ
ヴァニカは、ロロペチカに攻撃させながら「二人が一緒に気持ちよくなれるよ」と笑う。ここでノエルの怒りが爆発する。「悪いのは…」、「あんたでしょう!」。「あんたみたいな奴が 勝手してバカみたいに笑って」、「優しい人間が 傷ついて涙するなんて」、「我慢、ならないわ」。そして叫ぶ。「スピリットダイブ」。
水の精霊と一体になったノエルの姿は、まさに聖なる戦乙女。ヴァニカの血液魔法の赤い獣の群れを一瞬で消し去る力に、「見た目も力もハート王国の時と全然違う」と驚きの声が上がる。シャーロットの「ノエル1分以内に倒してちょうだい」に、「いいえ30秒でけりをつけるわ」と返すノエルの頼もしさといったらない。鎧のような水の装束をまとって舞う作画も、ため息が出るほど美しかった。
これまでのノエルは、膨大な魔力を持ちながらも、それを思いどおりに扱えないもどかしさと戦ってきた。少しずつ自分の魔法を形にしてきた積み重ねが、ここで精霊の力と結びついて一気に花開いた印象だ。精霊と心を通わせて力を借りるという形も、力ずくで悪魔と契約するヴァニカとは対照的で、二人の生き方の違いがそのまま戦い方に表れていた。
子を守る母親よ
戦いの中で、ヴァニカの記憶がよみがえる。かつて最強とうわさされた女のもとへ、遊びに行った日のこと。それはノエルの母だった。「なんで子供なんか産んじゃったの?」、「疲れるし邪魔だし、あなたみたいな強い女に必要ないじゃん」と笑うヴァニカに、母は答えた。「この世で最も強いものを教えてあげるわ」、「子を守る」、「母親よ!」。
「あの時 致命傷を負った私は」、「メギキュラに言われて逃げたんだ」。かつて母に追い詰められたヴァニカが、今度はその娘に追い詰められている。母が守った命が、母と同じ強さでヴァニカの前に立ちはだかる構図に、心の奥が震えた。「好き勝手にやったその報いを今」、「受けなさい」。そして「あんたの負けよ ヴァニカ」。
敗れたヴァニカは、「これがもしかして」、「友情ってやつ?」、「これってライバルってやつじゃない?」と、どこまでも自分本位だ。ノエルの「そんなわけないじゃない」、「あんたはここで終わりよ ヴァニカ」という返事が痛快だった。
戦うことだけを楽しみに生きてきたヴァニカには、相手を思いやる気持ちも、誰かを守るために戦う理由もない。だからこそ、ノエルが見せた強さの正体が最後まで理解できなかったのだろう。友情でもライバルでもなく、ただ許せない相手として突き放すノエルの態度に、彼女がもう迷っていないことがはっきりと伝わってきた。
第6話のまとめ考察
メギキュラそのもの
ところが、とどめを刺そうとしたその瞬間、ヴァニカの体から異様な魔力があふれ出す。「やっぱり君は面白いよ ヴァニカ」、「でも そういうわけにはいかないんだよ」。現れたのは「メギキュラそのもの」だった。
メギキュラの本命は、生贄を必要とする呪符魔法による顕現だった。クローバー王国の王族であるノエルの母を呪い殺したことで、ヴァニカの体に半分顕現できた。「お母様」とつぶやくノエルの声が痛ましい。さらにヴァニカが死にかけたことで、「不完全ながらこうして出てこられた」。そして「ヴァニカとロロペチカがこのまま死ねば」、「私はこの現世に完全に顕現する」。ロロペチカには「呪符を少しいじって」、「悪魔に変えてあげただけだよ」と平然と言い放つ。
「ふざけるんじゃないわよ」と立ち向かうノエルだったが、スピリットダイブは時間切れで解けてしまう。シャーロットにも「私の呪いに対抗できたのは」、「君が初めてだ」、「素晴らしかったよ」、「茨の女王」と余裕の言葉をかけるメギキュラ。ヴァニカとは比べものにならない圧倒的な力の差に、絶望的な空気が漂ったまま幕を閉じた。覚醒したばかりのノエルの力が時間切れで失われ、頼みのシャーロットも呪いの前に押されている。残された仲間たちに、この窮地を覆す手立ては残っているのだろうか。黒の暴牛の仲間や、ほかの団長たちの合流にも期待したくなる。
聖域という希望を手にした直後に、より大きな絶望が突きつけられる。この落差こそが、今シーズンの戦いの厳しさを物語っている。ヴァニカを倒しても、その奥にいるメギキュラを倒さなければ何も終わらない。しかもヴァニカとロロペチカが死ねばメギキュラが完全に顕現するという条件は、ただ敵を倒せばいいという単純な話ではなくなったことを意味している。
第6話は、ノエルが母の強さと精霊の優しさを受け継いで、聖なる戦乙女として覚醒する回だった。優しさは間違いではないと言い切り、子を守る母の強さを体現して、ついに母の仇を追い詰める。その流れは、ノエルというキャラクターがここまで積み重ねてきた成長の集大成のようだった。それだけに、最後に現れたメギキュラの絶望感は大きい。この最悪の敵に、ノエルたちがどう立ち向かっていくのかを最後まで見届けたい。




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