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正式にダンデヴァインのパイロットとなった戟刃だが、心は茜への未練でいっぱいのまま。叔父の無責任な応援に押されて、何度も告白に挑んでいく。その一方で、三姉妹は新たなアポスドールの召喚をたくらんでいた。絶対記憶で語った初デートの思い出、パワーアップしたアポスドール、そしてライオンのマシンと間に合わなかった約束まで、第3話を振り返る。




第3話は、正式なパイロットと三度の告白の回
『獣王武神ダンデヴァイン』第3話は、正式にダンデヴァインのパイロットとなった戟刃が、茜への未練を断ち切れずに何度も告白に挑む回だった。叔父の無責任な応援、家族の温かすぎる反応、そして三姉妹が仕掛ける新たなアポスドール。告白の結果を聞くはずだった約束の時間に、戟刃は出撃することになる。コメディとロボのバトルが同居した一話を、場面ごとに振り返っていく。
ダンデヴァインに選ばれた男
冒頭、ダンデヴァインの活躍を見届けた三姉妹は、人間界って最高だね、もっといじめたいとはしゃぎ、アポスドールのパワーアップを企てる。一方、玩具会社では合体の映像に社長が大喜び。最高のダンデヴァインのおもちゃを作ってこそ真の繁栄につながると、現場でのドローンによる3Dスキャンまで計画されていた。敵も味方も、それぞれの思惑で次の戦いを待ちわびている。おもちゃが売れることを第一に考える大人たちと、もっと遊びたいと無邪気に笑う三姉妹。どちらも戦いそのものを楽しんでいるように見えるのが、この作品らしい皮肉でもある。
家では、母親が叔父の活躍をたたえるが、叔父はあれは俺じゃない、戟刃だと明かす。お前は正式にダンデヴァインのパイロットになったんだ。ダンデヴァインのAIにはパイロットを選ぶ機能があり、認めない者が操縦しても指一本動かすことはできない。なぜ自分なのかと戸惑う戟刃に、理由の一つとして挙げられたのが、一度見たものは何でも記憶できる絶対記憶の能力だった。母親も妹も知らなかったというのがおかしい。
パイロットであることは秘密に
それだけではない、最大の理由は今にわかると含みを持たせた叔父は、パイロットであることは秘密にしておけと忠告する。20年前、パイロットだとばれたせいでひどい目に遭ったという回想は、マスコミにちやほやされた挙句に歌手デビュー、都内で派手なパレード、群がる美女とビッグマネー。どう聞いても楽しそうという家族の反応に、思わず笑ってしまった。
話題は茜のことへ。振られてみると頭から離れなくてと打ち明ける戟刃に、叔父はなさけねえな、それでもダンデヴァインのパイロットかとはっぱをかけ、もう一度付き合ってくれと告白しろとけしかける。ああいうタイプは押しに弱い、断られても何も失うものはないだろうが。無責任な応援に背中を押され、戟刃の告白作戦が始まった。
第2話で別れを告げられたとき、戟刃はうんわかったとあっさり受け入れていた。それが今になって頭から離れなくなっているあたりに、何事にも普通の反応しかしなかった戟刃の中で、ようやく何かが動き始めたことが感じられる。失ってはじめて大切さに気づくという、ありふれているからこそ共感できる心の動きだ。
三度の告白
一度目と二度目
一方の茜は、友人たちとダンデヴァインのかっこよさを語っていた。戟刃のことでしょと冷やかされ、違うってと慌てる姿からは、まだ気持ちが残っているようにも見える。そこへ現れた戟刃は、あのちょっといいかなと声をかけ、僕はやっぱり君が好きなんだ、もう一度付き合ってくれないかと告げる。うれしい、待っていたんだと喜ぶ茜。けれどそれは、戟刃の都合のいい想像だった。
現実の茜の答えは、あんたなんかまっぴらごめんよ。物陰で見守っていた叔父や妹たちから、それでも男か、妹として情けないと散々に言われ、翌日も再挑戦。ところが今度は緊張のあまり、僕はやっぱり君がなんだと大事なところが抜け落ちてしまう。君が、君は、君を、君にと言語能力が崩壊していく戟刃に、茜はこれから塾だからと去っていく。告白のたびにどんどんポンコツになっていく戟刃の姿に、笑いが止まらなかった。それでも、惜しかったな、よく頑張ったと声をかける者もいれば、話にならんもう一度行けと送り出す者もいて、家族総出で一人の恋を応援しているにぎやかさがほほえましい。茜の側も、塾があるからと去りながら、完全に突き放しているわけではないように見えるのが、また気をもませる。戟刃が三度も立ち上がれたのは、この騒がしい応援団のおかげでもあったのだろう。
絶対記憶の告白
それでも叔父は、お前はダンデヴァインに選ばれし男だ、自信を持てと励ます。三度目、言いたいことがあるならはっきり言ってと促された戟刃が語り出したのは、初めてのデートの記憶だった。マカロンブルーのワンピースに、胸元にさくらんぼをあしらった白いブラウス、ポニーテール、白いソックスに赤と黒のチェック柄のシューズ。アイリスという名前の喫茶店で、自分はカフェオレ、茜はアイスティーを注文した。
店には他に8人の客がいて、窓の外を大音量で音楽を流して爆走していった黄色い車のナンバーまで覚えている。こんな時に絶対記憶を使うなという叔父のツッコミと、キモいと断言する妹の声が重なる。けれど茜は、そんな細かいことまで覚えていてくれたんだと受け止め、言いたいことはわかったから少し考えさせてと答える。明日の日曜日、3時にここで。返事を約束した茜の表情に、ようやく希望が見えた瞬間だった。
絶対記憶という能力は、本来ならパイロットとしての武器のはずだ。それを最初に使った相手が茜だったというのが、なんとも戟刃らしい。言葉ではうまく気持ちを伝えられなくても、一緒に過ごした時間を一つ残らず覚えていることが、何よりの告白になる。不器用だけれどまっすぐなその方法は、周りから見ればキモいかもしれないが、茜にはちゃんと届いていた。
約束の時間とアポスドール
三姉妹の誘い
その頃、三姉妹は一人の男性に近づいていた。一緒に遊びましょうと誘われるまま、鬼ごっこやレースゲームに興じる男性。レースゲーム機なんて学生以来だよと楽しそうに遊ぶ姿は、あらすじによれば戟刃の父である醍醐の心の隙を突いた、アポスドール召喚のための罠だった。楽しみと笑う三姉妹の無邪気さが、かえって不気味に穏やかな日常に影を落とす。
そして約束の日曜日。今日で僕の運命が決まると意気込む戟刃の周りで、モニターやスマホの文字が次々とおかしくなっていく。叔父によれば、それはアポスドール出現の前兆。強力なアポスドールは、なぜかこの現象を伴うようになっているという。敵も本気になってきたということだ。現れたのは、パワーアップしたアポスドールだった。
個人的に時間がない
今そいつが認めた正式なパイロットは俺じゃない、お前だ。叔父にそう言われ、戟刃は一人でダンデヴァインに乗り込む。リングとビーストが発進し、合体。けれど戟刃の頭にあるのは、明日の日曜日3時にここでという茜の言葉だけだった。個人的に時間がない、一気に決着をつけると焦る戟刃。邪魔をするな、何か武器はと叫びながら奇妙な動きを繰り返すダンデヴァインに、司令室もトラブルを疑い始める。
頑張れ僕、茜ちゃんに会うんだ。文字化けは絶対記憶でカバーできると持ち直したのもつかの間、戦況は一気に不利になっていく。危ない、という声とともに戦場に割って入ったのは、ライオンのような姿をしたもう一体のマシンだった。味方なのかと見つめる戟刃の前で、そのマシンはアポスドールを倒し、姿を消してしまう。
間に合わなかった約束
あれは一体誰なんだ。戦いが終わって我に返った戟刃は、茜との約束を思い出す。けれど約束の時間は、とうに過ぎていた。間に合わなかったか、そ、そんな。三度目の告白でようやくつかんだ希望が、パイロットとしての初めての単独出撃と引き換えに手からこぼれ落ちていく。ヒーローの使命と恋の板挟みという、ロボアニメの王道をなぞるような幕引きだった。
叔父が言っていた、戟刃が選ばれた最大の理由とは何なのか。そして突然現れたライオンのマシンのパイロットは誰なのか。茜は約束の場所で、何を思って待っていたのか。いくつもの謎と、取り返しのつかないすれ違いを残して、物語は次へと続いていく。パイロットであることを秘密にしておけという叔父の忠告が、ここで重くのしかかる。正体を明かせない以上、戟刃は約束を破った理由を茜に説明することもできない。ヒーローであることと、普通の高校生として恋をすることの両立がいかに難しいかを、この結末ははっきりと突きつけていた。
第3話のまとめ考察
絶対記憶という武器
第3話は、戟刃の絶対記憶という能力が、告白と戦いの両方で鍵を握る回だった。初めてのデートの細部まで覚えている記憶力は、茜の心を動かす一方で、周囲からはキモいと言われてしまう。戦場では文字化けを補う武器にもなる。普通の高校生だと思われていた戟刃に、少しずつ特別な面が見え始めている。
一方で、告白の行方はまたしてもすれ違いに終わった。家族ぐるみで告白を見守り、口々に好き勝手なことを言う叔父や妹たちのにぎやかさは、本作のコメディパートならではの楽しさだ。そのにぎやかさがあるからこそ、最後に一人で約束の時間に間に合わなかったと気づく戟刃の姿が、いっそう切なく映る。
ロボのパートでも、初めての単独出撃で焦りから空回りするダンデヴァインと、そこに颯爽と現れる新たなマシンという、定番の展開がしっかりと押さえられていた。告白の約束が気になって戦いに集中できないという、パイロットとしてはあまりに未熟な戟刃の姿は、彼がまだ戦う理由を見つけられていないことの表れでもある。茜のためでも、街のためでもなく、自分は何のために戦うのか。その答えが見つかったとき、戟刃は本当の意味でダンデヴァインのパイロットになるのだろう。
パワーアップしたアポスドール、三姉妹の新たな企み、そしてライオンのマシンという新たな味方の登場。ダンデヴァインの戦いは、ここから一段と大きな局面を迎えそうだ。茜への想いとパイロットとしての使命の間で揺れる戟刃が、次にどんな選択をするのか、そして茜との関係がどうなっていくのかを見届けたい。




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