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狩猟祭での活躍が認められ、ドラウプニルの皇帝に呼ばれたウィルゴと瀬衣。依頼されたのは、霊峰に眠る伝説の霊薬エリクサーの入手だった。一方リーブラは、カルキノスを連れて、ついにサジタリウスと対面する。七曜の水のメルクリウスの出現、一族の未来を背負ったサジタリウスとリーブラの決裂、そしてマナを消し去ったウィルゴの力まで、第18話を振り返っていく。




ドラウプニル皇帝からの依頼
霊峰に眠るエリクサー
『野生のラスボスが現れた! 第2期』第18話「十二星天サジタリウスが現れた!」は、ルファスの指示から始まる。ドラウプニルの皇帝に呼ばれたウィルゴはそちらへ向かい、リーブラたちは手分けしてサジタリウスを捜索する。「サーチしてキャッチですね」というリーブラの返事が頼もしい。そしてアリエスには「そなたには別件をやってもらう」。この別件の中身が、終盤で効いてくる。
狩猟祭の上位入賞者を迎えたのは、ドラウプニルの戦士長。猫の獣人で、名乗りの最後に「ネコである」と付け加えると、すかさず「見ればわかります」と返される。「おかしいと思ってるのは俺だけなのか」という心の叫びまで含めて、冒頭から笑わせてくれた。
依頼の中身は、霊峰に赴き、そこに保管されているエリクサーを持ち帰ること。200年前に失われた伝説の霊薬ではないかと驚く声が上がる中、戦士長は「霊薬はまだ実在する」と断言する。七英雄のドゥーベが保管していたのだという。国の守りの要である守護竜が突然重い病にかかり、このままでは国が攻め落とされてしまう。報酬は100万エルに加えて、エリクサーのわずかな分け前だった。
「エリクサーで動かなくなった足を治すことは可能ですか」という問いに、「可能だ動かない程度ならわずかな量でも確実に治るだろう」。七英雄の一人を復活させられるなら危険に首を突っ込む価値はある、という思いが語られる。ゲームの定番の回復アイテムが、この世界では国の命運を左右する宝になっているのが面白い。
水のメルクリウス、現る
ところが、話を聞きつけた敵がすぐに現れる。「驚きだ まさかまだエリクサーが現存していたとは」、「そんなものがあっては」、「七英雄の傷が癒えてしまう」。襲いかかってきた相手は、「誰かは知らんが一人」、「厄介なのが紛れ込んでいるようだな」と言い残して、あっさりと引いていった。
物理攻撃を受け付けない流動体の体に、強力な水魔法。「奴が七曜の一人」、「水のメルクリウスにゃのか」。語尾に猫らしさが出てしまう戦士長はさておき、七曜という言葉に場の空気が凍りつく。一部の冒険者は「冒険者に頼むような仕事じゃねえぜそんなの」と離脱してしまった。
兵士を送れない理由も明かされる。霊峰は聖地で、魔物除けの聖なる結界が張られている。「その結界は我ら獣人に効果があるのだ」。そして、敵の側にも効果がある。獣人の国の兵士は入れないからこそ、冒険者を募ったのだ。逆に言えば、敵もすぐには立ち入れない。とはいえ存在が知られてしまった以上、何らかの手段で奪いに来るのは間違いない。
兄は父親似、弟は母親似
ここで瀬衣が、自分の仲間たちを呼んでくる。「国の一大事だ!」、「俺たちで良ければ協力させてくれ!」。駆けつけた仲間の団長と戦士長は、久しぶりの再会に話を弾ませる。「そんなに心配ならさっさと告白してしまえ」、「いつまでも待たせるものではないぞ」と、何やら団長の恋の話まで飛び出していた。
周りが「副団長さん俺たちにも分かる言葉でお願いします」と頼むと、「どうやらあの猫の獣人は団長の実の兄のようです」。小さな猫と大きな虎が兄弟だったという事実に、「一体どういう夫婦からこんな兄弟が生まれるのだろう」という心の声が漏れるのも当然だ。兄は父親似、弟は母親似という字幕のおまけまで付いて、思わず吹き出してしまった。
戦士長は「貴殿があの勇者だったとはな」と、勇者一行に同行を頼む。ウィルゴも「あの、私も一緒に行かせてください」と名乗り出て、一行は霊峰へと向かうことになった。勇者とその仲間、そして天翼族の少女。狩猟祭で出会ったばかりの顔ぶれが、国の命運を背負って同じ山を目指す。
リーブラとサジタリウス
今の俺にはルファス様に会わせる顔がない
一方、リーブラはカルキノスを連れてサジタリウスの痕跡をたどっていた。至る所に、しかも意図的に痕跡が残されている。「相手は私をご指名のようです」。待っていたのは、狩猟祭で実況をしていた青年の姿をした男だった。だが、それは魔法で作り出した幻影。「さすがお前には」、「魔法で作り出した幻影の姿は効かぬか」。正体はサジタリウスだった。
サジタリウスは「今の俺にはルファス様に会わせる顔がない」と言い、だからリーブラを呼んだのだと語る。そして明かされたのは、「俺は今レオンと行動を共にしている」という事実。リーブラは、レオンがルファスへの忠義の欠片もなく、虎視眈々と玉座を狙っていた男だと断じる。「200年前にルファス様を失った後は、完全に野生に帰った裏切り者」。
二足歩行ではないから
サジタリウスが語ったのは、ケンタウロス族の事情だった。「俺たちケンタウロス族は魔物として扱われる」。その理由をリーブラは「二足歩行ではないからです」と即答する。人間の形から逸脱せず、人と共生できるものを人類と定義する。「それだけの理由で俺たち一族は魔物に分類されて敵視されている」。人と共生できるのに、形が違うというだけで敵とみなされる。その理不尽さには心が痛んだ。
だからこそサジタリウスは、レオンに賭けたのだ。魔物に分類された多くの亜人たちがレオンのもとに集っていて、「奴が世界を制せれば、魔物の権利は向上する」。レベル1000に戻った今のレオンなら、それも可能だという。けれどリーブラは「いいえ、レオンに王は務まりません」、「それはルファス様が目指す世界ではありません」と切り捨てる。
「悪いが俺はもう決めてしまったのだ」、「あの子たちの未来のためならば」、「どんなことでもすると」、「それがたとえ」、「ルファス様と敵対する道であろうとも」。一族の未来を背負ったサジタリウスの覚悟は本物で、単純な裏切りとは言い切れない重さがあった。
カルキノスバリアと必中の矢
交渉は決裂し、戦いが始まる。サジタリウスの矢を防いだのは、リーブラが盾にしたカルキノスだった。「カルキノスバリア」。抗議するカルキノスに、「盾しか能がないあなたに見せ場を与えているのです」、「我慢しなさい」。カルキノスの扱いのひどさには笑うしかない。
サジタリウスが放つのは、必ず敵を貫く必中の矢。「避けることができないならば あなたに合わせて攻撃を放ちます」と、リーブラは右腕のリミッターを解除して迎え撃つ。ところが光が収まると、サジタリウスの姿は消えていた。映像を再生して分かったのは、発射した直後に自分の矢をつかんでいたこと。遠く離れた場所を攻撃対象にし、矢ごと飛んでいったのだ。「私の記録にない矢の使い方です」、「やられましたね」。あのリーブラを出し抜いた弓の使い手の実力に、背筋が伸びた。
第18話のまとめ考察
普通の天翼族ですけど
霊峰では、マナの結晶が辺り一面に広がっていた。仲間の女性を獣人と間違えられて「彼女は獣人じゃなくて人間だ」、「確かにゴリラみたいな顔してるけど」というやり取りに和んだのもつかの間、大量の水が一行を襲う。「この水は自然に発生したものではありません」、「誰かが私たちに放った水の魔法です」。敵は結界を強引に通過して、すでに侵入していた。
その大量の水を一瞬で消したのが、ウィルゴだった。「おばあちゃんに教わった護身術役に立った」と本人はけろりとしている。けれど、それは「今のは紛れもなくマナの消去」、「女神と彼女が認めた存在しか使えぬという世界の管理者の力」だった。「ウィルゴさんあなた一体何者なのです」と問われても、「何者って最近まで森で暮らしていた普通の天翼族ですけど」。普通という言葉の意味を考えさせられる場面だった。
自信を持てお前さんは強い
進むか戻るかで意見が割れる中、決断を託されたのは勇者の瀬衣だった。「進もう」。姿を見せずに攻撃してくるのは出て行ってほしいからで、結界の中に無理やり入った敵にも影響はあるはずだ。「むしろ追い詰めてるのは俺たちの方で」、「今苦しいのはあいつの方だ」。冷静に状況を読む瀬衣が、少しずつ勇者らしくなっていくのがうれしい。仲間たちが迷わず彼の判断に従うのも、ここまで積み重ねてきた信頼があるからだろう。
第2波の水も、ウィルゴが打ち消す。仲間たちは口々に彼女を称えた。「強い奴ってのは思わぬところにいるもんだ」、「僕たちは君のおかげでこうして生きてるんだ」、「自信を持てお前さんは強い」。前の話で自分は場違いではないかと悩んでいたウィルゴが、仲間の言葉で自信を取り戻していく。この場面が、第18話でいちばん温かかった。
アリエスに託された別件
ここで、冒頭の別件の中身が明かされる。ルファスがアリエスに頼んだのは、ウィルゴのサポートだった。「最初から強かったみんなにはきっとウィルゴの気持ちはわからない」、「でも僕なら痛いほどに今のウィルゴの気持ちがよくわかる」。どのタイミングで手を貸すかは、アリエスに任された。自分も弱かった頃を知るアリエスだからこそ、陰から見守る役目にふさわしい。
山頂にたどり着いた一行の前に、七曜のメルクリウスが立ちはだかる。「私の魔法をかき消しここまでたどり着いた」相手を、「その術を使える者を生かしておくわけにはいかん」と狙い定める。片付けてしまえば早いと考えつつも、「それだと、ウィルゴのためにならない」と踏みとどまるアリエス。「大丈夫、君なら乗り越えられる!」という声援とともに、ウィルゴと七曜の対決が始まろうとしていた。
第18話は、ウィルゴの成長とサジタリウスの決断という、二つの物語が並行して描かれた回だった。一族の未来のためにルファスと敵対する道を選んだサジタリウスと、仲間の言葉で自分の強さを信じ始めたウィルゴ。誰のために力を使うのかという問いが、両方の物語に通っている。七曜との戦いで、ウィルゴがどんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。そして、カルキノスの扱いが今後少しでも良くなることも、ひそかに願っておきたい。




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