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第7話は、なぜかインドア組で武功山へ登山する一日と、プラネタリウムで宇宙を語る一日の二部構成。いぶきの好物武功正宗、宇宙を思って造られたビール、そして「牡丹だけを誘った」といういぶきの言葉。ぼたんは「ビールもいいけど、いぶきさんのこともっと理解したい」とこぼす。星空のように、それぞれの関係が静かに広がっていく一話である。




インドア組の、武功山登山
アクティブ枠、まさかの留守番
第7話は、寮の面々で武功山へ登山。ところが、いつもアウトドアを牽引するアクティブ枠の面々は、体調不良やレンタカーの返却で全員留守番。残ったのは、まさかのインドア枠という珍しい組み合わせだ。
市街地に近い山でも、秩父だけあって熊も出る。遭難対策の紙に名前を書き、ペットボトルに水を汲んで山頂まで運ぶ——ちょっとした冒険気分の登山が始まる。
いつもの役割が入れ替わる面白さで、キャラクターの新しい顔が引き出される。苦手なことに挑む面々の、ぎこちない足取りが微笑ましい導入だった。
山の音と、武功正宗
いぶきは、実は山が好き。「山っていろんな音が聞こえて楽しい」と、耳を澄ませて小さな音を拾っていく。人里の刺激に慣れた耳が、少しずつ山の静けさに開かれていく描写が美しい。
道中で出会ったお婆さんが大切に運ぶ水。それは、武功の湧き水で造られる地酒「武功正宗」への感謝の気持ちだった。武功正宗はいぶきの大好きなお酒で、ぼたんもまた「私も好きなんです」と声を上げる。
土地の水と地酒への敬意を通じて、二人の“好き”がまた一つ重なる。登山という行為が、そのままお酒への愛おしさに結びついていく構成が心地よい。
プラネタリウムと、宇宙の話
牡丹の宇宙、いぶきの宇宙
もう一つの舞台は、プラネタリウム。ぼたんにとっての宇宙は、故郷・長野で家族と眺めた星空だった。美ヶ原高原の空、肉眼で見える天の川——「星の一つ一つ、色も輝きもみんな違う」と語るぼたんは、根っからのロマンチストだ。
対して、いぶきは「ちゃんと星を見たことがない」という。「天の川なんて本当に見えるの?」と半信半疑の彼女に、ぼたんの世界がまぶしく映る。知らないものを教え合える、二人の関係の対等さがうれしい。
牡丹だけを、誘った理由
「他に誰か誘わなかったんですか?」というぼたんの問いに、いぶきは短く答える。「牡丹だけだよ」——。その一言に、ぼたんの胸は静かに高鳴る。
「二人の時は、いぶきって呼んでいいから。その方が距離が近い感じしない?」。名前で呼び合う関係へ、二人はまた一歩踏み出していく。
宇宙を思って造られた、ビール
宇宙ブルーイングの、一本
いぶきが寮から持ってきたのは、宇宙ブルーイングという山梨のマイクロブルワリーのビール。IPAをメインに造る醸造所の、宇宙創生シリーズの一本だ。ラベルには、ブラックホールとホワイトホール、無限の先の永遠を謳うポエムが刻まれている。
「宇宙を思って造られたビールだから、私も宇宙に思いを馳せて味わいたい」。そうすれば、このお酒をもっと深く理解できるかもしれない——味わうことと、理解することを重ねるいぶきの姿勢が、しみじみ効いてくる。
いぶきのことも、もっと理解したい
「宇宙について最も理解しがたいことは、それが理解可能だということである」。アインシュタインの言葉を引くいぶきに、ぼたんはそっと寄り添う。
「私、ビールもいいけど——いぶきさんのことも、もっと理解したいな」。宇宙の話に事寄せて放たれたその一言が、二人の距離をまた静かに縮めていた。
郡上先輩、ジンランと、美容の時間
古酒の深みと、琥珀色の日本酒
一方その頃、ジンランたちは美容とお酒の話題で盛り上がっていた。ジンランが手にする琥珀色の日本酒は、二十六年も熟成させたヴィンテージ。海外のコンペで賞も取ったというそれは、いぶきから贈られたお返しの一本だった。
話題は古酒(こしゅ)へ。シェリー樽などで熟成させた古酒は、まるでウイスキーのように深みがあり、アルコールの刺激も和らいで二日酔いしづらいという。お酒の奥深さが、また一つ語られていく。
酒粕の、リップバーム
さらに登場するのは、酒粕を使ったリップバーム。酒造メーカーがスキンケアグッズを手がけているという、お酒好きにはたまらないアイテムだ。「塗って」とねだる場面まで、この作品はお酒を生活のすみずみまで行き渡らせる。
飲むだけでなく、肌に塗り、香りを楽しむ。お酒との付き合い方の幅広さを見せてくれる、遊び心のある一幕だった。
まとめ——ED が明かす、大切な色
やえかの、ペディキュアの由来
この回のエンディングで描かれるのは、やえかのペディキュア。第4話で“触れられたくない大切な色”とされたそれは、ケースが同じであることから、やえかが昔憧れた人から貰い、今も愛用しているものらしいと示唆される。
何気ない小物に、キャラクターの過去と想いをそっと忍ばせる。本編で多くを語らないぶん、ED が雄弁に物語る演出が心憎い。
宇宙のように、広がる関係
武功正宗を分け合い、宇宙を語り、それぞれのお酒に想いを馳せる。第7話は、星空のように少しずつ広がっていく関係を、静かに描いた一話だった。
飲むこと、味わうこと、理解すること。そのどれもが誰かへの想いと結びついていく。宇宙のロマンにも似た余韻を残して、物語は次章へと進んでいく。




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