『帰還者の魔法は特別です 第2期』第15話「イエローオーシャン」感想|ロマンティカとの約束

『帰還者の魔法は特別です 第2期』第15話「イエローオーシャン」感想|ロマンティカとの約束 バトル・アクション

影の世界エバナーテンの攻略を終え、夏休みを迎えたデジールたち。イエローオーシャン・チャンピオンシップに参加するため、ロマンティカの故郷フリレチア王国を訪れる。黄金に輝く海は、デジールの胸に封じていた過去の記憶を呼び覚ましていく。本気のビーチバレー、黄金の海で交わした逃げろという約束、そして聖女プリシーラとの対話まで、第15話を振り返る。

アニ
帰還者第15話でござる
ラン
夏休みにビーチバレーってマジ!
キャロ
デジールさんの記憶が気になります。
アニ
黄金の海に注目でござる

第15話「イエローオーシャン」

『帰還者の魔法は特別です 第2期』第15話「イエローオーシャン」は、影の世界エバナーテンの攻略を終えて夏休みを迎えたデジールたちが、ロマンティカの故郷フリレチア王国を訪れる回だった。イエローオーシャン・チャンピオンシップを前にしたつかの間の休暇、黄金に輝く海、そしてデジールの胸に封じ込められていた過去の記憶。にぎやかな夏の一日と、その裏に潜む重い影を、場面ごとに振り返っていく。

燃える空と、守れなかった場所

冒頭で描かれるのは、燃える空と波の音、そして破滅の悪魔という言葉だった。荒い息をつきながら目を覚ましたデジールの脳裏には、ロマンティカの、そして敵という断片的な記憶がよぎる。デジールが一度目の人生で経験した、取り返しのつかない過去の一場面なのだろう。明るい夏休み回の幕開けとは思えないほど重い導入が、この回の本当のテーマを暗示していた。

一方、現在のパーティーでは、なぜかプラムたちがしくしくと泣いていた。せっかくの夏休みなんだから、もうちょっと楽しくしないかと言うデジールに、お前のせいだろと返される。この温度差の理由は、少し前のやりとりにさかのぼる。

イエローオーシャン・チャンピオンシップ

デジールが提案したのは、フリレチア王国で開かれるイエローオーシャン・チャンピオンシップへの参加だった。参加条件は20歳以下で、剣士も魔法使いも問わない。フリレチア王国は私の故郷よと胸を張るロマンティカによれば、将来の騎士団長や魔塔の職員として期待される人材がごろごろ参加する、レベルの高い大会だという。大丈夫でしょうかと不安がる声に、俺たちならやれるさとデジール。大会までの間に最後の追い込みをしようと意気込む。

ところがその直後、デジールは魔塔主ジョードに呼び出され、ちょうど大会の時期に予定を空けておいてくれと頼まれてしまう。なーにが俺たちならやれるさ、とロマンティカ。魔塔主の依頼なら断れないと理解しつつも、デジールさんは僕たちよりも魔塔主様の方が大事なんですね、結局男は権力に弱いのよ、僕たち捨てられちゃったんですねと散々な言われよう。プラムが言うと重いから冗談でもやめてくれと音を上げたデジールは、何が望みだと降参する。にやりと笑う仲間たちの姿に、思わず笑ってしまった。

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こうしてパーティーは、ロマンティカの実家を訪れる。おかえりなさいませロマンティカお嬢さまと出迎えられる屋敷に、お金持ちなんですねと驚く声。フリレチア王国でもトップクラスの家だという。そしてデジールは、今日一日特訓なしで思いきり遊ぼうと約束する。仲間たちのイエーイという歓声に、夏休みらしい空気が一気に広がった。

本気のビーチバレー

遊びといっても、このパーティーが手を抜くはずがない。ビーチバレーでは、魔法の展開速度も精度も向上している、ランクが上がってますます強くなったなと、デジールが仲間の成長を認める。逆算されるのであれば力でこじ開けると魔法を使い始めたデジールに、さすがですデジールさん、さすデジですという声が上がる。時間差攻撃に強化魔法まで飛び出す本気の試合に、これまでの猛特訓の成果がしっかりと表れていた。

二人とも強くなったな、手加減はいらないなと笑うデジール。楽しい遊びの中にも、仲間たちの成長を確かめるような視線が感じられるのが、いかにもデジールらしい。一度目の人生で多くを失った彼にとって、仲間が強くなっていく姿を見ることは、何よりの喜びなのかもしれない。

黄金の海と、決して譲れない約束

まるで黄金を溶かしたような海

遊び疲れた後、ロマンティカがデジールを連れていったのは、イエローオーシャンを一望できる場所だった。まるで黄金を溶かして流し込んだかのような輝き。この海には太陽の光に反応するマナが含まれているんだっけと言うデジールに、あんたってほんと何でも知ってんのねとあきれるロマンティカ。それでも、ここよりきれいな場所があるのは知らないでしょと得意げに語り始める。

大昔、ここにはすごく栄えた都市があったが、火山の噴火で滅びてしまった。けれどこの辺りに火山はない。火山がないのに、どうして噴火したと言い伝えられてきたのか、謎の答えはまだ出ていない。その代わりに残っているのが、炎とともに現れて大地を引き裂いたという災いの悪魔の伝説だった。この海には、その伝説からつけられた災いの海という名前もあったのだという。

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ロマンティカの話を聞きながら、デジールの胸中では別の記憶がよみがえっていた。よりにもよってお前の故郷だなんて。ここはお前を守れなかった場所なんだ。冒頭の燃える空と災いの悪魔の伝説が、デジールの一度目の人生の記憶と重なる瞬間に、背筋が冷たくなった。何も知らずに故郷の思い出を語るロマンティカと、その場所で彼女を失った記憶を抱えるデジール。同じ景色を見ながら、二人が見ているものはまったく違っていた。

俺が逃げろと言ったときは

ロマンティカ、とデジールは呼びかける。この先、俺が逃げろと言ったときは、何が何でも逃げてくれ。そうならないようにあんたが地獄の特訓をしてくれるんじゃないの、アウターってやつにだって次は絶対に負けないとロマンティカは強がる。けれどデジールは、俺はお前に生きてもらいたいと繰り返す。約束してくれ、逃げるって、絶対に意地を張らないって。頼むよ、ロマンティカ。

ちょっとさっきから変よと戸惑いながらも、ロマンティカはわかったわよ、だからそんな顔しないでと約束する。デジールが彼女に託したのは、強くなるための約束ではなく、生き延びるための約束だった。俺はお前に生きてもらいたいという言葉の重さを、ロマンティカはまだ知らない。だからこそ、この場面はどこまでも切なかった。

一度目の人生でロマンティカを守れなかったという後悔が、デジールのすべての行動の根っこにあるのだとすれば、これまでの地獄の特訓も、仲間を育てることへのこだわりも、すべてはこの約束のためだったのかもしれない。黄金の海を前に交わされた小さな約束が、この先の物語でどんな意味を持つのか。夏休み回の真ん中に置かれたこの場面が、第2期全体の大きな伏線になっているように感じた。

魔塔主とライフル

翌日、魔塔主ジョードがパーティーのもとを訪れる。最近は研究室にこもってばかり、君がもたらした発想が面白くてねと語るジョードは、我が技術顧問殿のパーティーメンバーとしてロマンティカとプラムに声をかける。エル家のお父上は魔塔の大事なビジネスパートナーだと聞いて、さっきまでの文句はどこへやら、礼儀正しく振る舞うロマンティカがおかしい。プラムには、警備隊長から一本取ったと聞いている、その若さで大したものだとたたえ、デジールも君の自慢話をよくしているよと伝える。

そしてジョードがおわびとデジールのレンタル料として差し出したのは、ライフルだった。小型の魔法石を内蔵し、魔法の威力を増幅して放つことができる。これを使えば、君の魔法は上級魔法と同等のものとなるだろう。デジールが技術顧問として頼んでいたものだという。デジールはいなくても、仲間のための準備は怠らない。これで負けられなくなったな、当然優勝してみせるわと意気込む仲間たちに、二人を頼むと託してデジールは旅立つ。いいパーティーだというジョードの言葉が温かかった。

影の世界とは何か

王国会議は、各国の代表が集まってこの世界の行く末を決める場だという。会場へ向かう道中、ジョードはデジールの影の世界のレポートを興味深い考察だと評する。影の世界は条件をクリアすれば膨大な魔力資源である魔宝石が手に入る、いわば鉱山のようなものだと考えられてきた。けれどデジールの考察は、本来あるべきだった歴史の姿を何者かが見せようとしているのではないか、入ってきた者に歴史を追体験させながら、まるでゲームのように試しているのではないかというものだった。

誰に試されているのかという問いに、ジョードは歴史、あるいはこの世界そのものにだよと答える。前回、エバナーテンで聖王となるもう一つの歴史を見届けたデジールだからこそたどり着いた考察だ。影の世界の正体に一歩近づく、興味深いやりとりだった。

聖国の滅亡と、人類の分裂

会議の前にジョードが会わせたい人がいると紹介したのが、アルテミス教の聖女プリシーラ・ハイシルカイトだった。会うのを楽しみにしていましたと語るプリシーラは、デジールが影の世界で知った聖国の滅亡について話を聞きたいという。聖国は内部から滅んでいった。けれどもし、あのとき立ち上がる者がいれば、聖国は滅亡を避け、この世界を守る神の盾としての役割を全うできたかもしれない。ずっと気になっていた答えを得られたと、プリシーラは感謝を伝える。

お礼に何ができるかと問われたデジールが求めたのは、西方の王国とヘブリオン帝国の友好関係だった。影の世界があっても、いずれ戦争は始まるだろう。技術の進歩によって影の世界は遠からず脅威ではなくなるかもしれない。それでも、予測を上回る規模の影の世界が現れたら、対処できないほどの数が現れたら。常に最悪を想定するべきです。万が一のとき人類が分裂していたら、この世界は滅びる、聖国のように。デジールの言葉は、未来を知る者だからこその重みを帯びていた。

最悪の事態に備えることには賛成だと、プリシーラはそのときが来たら協力することを約束する。そして去り際、あなた、ジョードに似ていますねと言い残す。王国会議が始まる一方で、イエローオーシャン・チャンピオンシップでは、ロマンティカの最初の試合が幕を開けようとしていた。

第15話のまとめ考察

夏休みの光と、一度目の人生の影

第15話は、明るい夏休み回の顔をしながら、デジールの一度目の人生の記憶が静かに浮かび上がる回だった。ビーチバレーではしゃぐ仲間たちの成長を喜ぶデジールと、黄金の海を前に、ここはお前を守れなかった場所なんだと胸の内でつぶやくデジール。その落差が、彼が背負っているものの重さを改めて感じさせた。

▼ ネットの反応

帰還者の魔法は特別です第15話✨
無事、影の世界『エバナーテンの存亡』を攻略し、夏休みを迎えたデジールたち☀️
イエローオーシャン・チャンピオンシップに参加するため、ロマンティカの故郷・フリレチア王国を訪れる

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ロマンティカに託した逃げろという約束、プラムのために用意したライフル、そしてプリシーラに求めた国同士の友好関係。デジールの行動はすべて、最悪の未来を避けるための布石になっている。仲間を強くし、世界をつなぎ、それでもなお最悪を想定して手を打っておく。その慎重さこそが、二度目の人生を生きるデジールの強さなのだと思う。

デジールのいないチャンピオンシップで、ロマンティカとプラムはどこまで勝ち進めるのか。災いの悪魔の伝説が残るこの地で、何が起ころうとしているのか。黄金の海の輝きの裏に潜む不穏な気配とともに、物語の行方を見届けたい。

アニ
ロマンティカと約束したでござる
ラン
さすデジって言い方が好き!
キャロ
災いの悪魔の伝説が心配です。
アニ
チャンピオンシップを見守るでござる

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