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妖邪帝王・羅真我を倒して3ヶ月。第14話「キセキ」では、消滅したはずの龍成が天導界の衣装を纏って現れ、人類の粛清を宣言する。凱の肉体を奪った羅真我も動き出し、戦いは混戦模様に。明かされる「洗礼者」の真実、そして遼と純が仕込んだ奇跡が、絶望的な戦況を覆していく。




消えたはずの龍成が、天導界の衣装を纏って現れた
「あいつが消滅した時、光が走った」
妖邪帝王・羅真我との決戦から3ヶ月。舞台は妖邪界へ移り、魁人たちの前に現れたのは、消滅したはずの織田龍成だった。「やはり生きていたか」。あの時走った光は天導界が放ったもので、龍成は天導界にかっさらわれていた。仲間の口から語られる事実に、喜びよりも先に戸惑いが立つ。
龍成は静かに告げる。「俺は天導界で生まれ変わった」「もうあの頃の俺じゃない」。そして天導界の名の下に人類を粛清すると宣言した。以前より力を増した龍成が、かつての仲間に刃を向ける。
回想、今際の際に差し伸べられた手
Aパートでは、龍成が天導界へ連れて行かれた経緯が回想で描かれる。人間としての命が尽きかけていた龍成は、ヤシマノサグメに救われて天導界で目を覚ました。「俺はまだ生きてるのか」。そこは神に仕える者が集う世界であり、龍成は洗礼を受けて仲間に迎えられたのだという。
サグメの語りは静かで、しかし苛烈だ。この広大な宇宙で知的生命体が生存できる星はごくわずか。その貴重な星である地球で、人間は欲望の赴くままに争いを繰り返し、星は徐々に衰えていった。「我々がこの世界を新しく作り替えるのです」。力を貸してほしいと乞われた龍成は、やがて「俺は与えられた使命を果たす」と口にするようになっていた。
「俺は自分の意思でここにいる」
魁人たちは信じない。「そんなエセ教祖みたいな言葉を鵜呑みにするキャラじゃないだろう」「暗示をかけられてるんだよ」。天導界に何かされたはずだと食い下がる仲間たちを、龍成は突き放す。「俺は自分の意思でここにいる」「天導界に逆らう者に容赦はしない」。この冷たい眼差しの真意は、今話だけでは明かされない。
「君たちは我々と同じ洗礼者だ」覇皇帝を発動できた理由
洗礼者、すなわち選ばれし者
そこへ現れた天導界のインメイは、意外な言葉を口にする。「私は君たちと争うつもりはない。君たちは我々と同じ洗礼者だからな」。洗礼者とは、天導界の洗礼を受けて特別な力を与えられた使者、いわば選ばれし者のことだという。
しかも「龍成は洗礼を受けて間もないが、君たちは幼い頃からすでにそうだった」と続ける。身に覚えのない話に、トルーパーたちの戸惑いは深まるばかりだ。
「覇皇帝を発動できたのは洗礼者だから」
インメイは畳みかける。五人が覇皇帝を発動できたのは、洗礼者だからに他ならない。三種の神器が揃うことで現れる伝説の鎧の発動条件が、まさか自分たちの出自と繋がっていたとは。凄んでみせても、インメイは「これは紛れもない事実なのだ」と揺るがない。
羅真我の正体は、かつて天導界でサグメに次ぐ地位にいた男
三種の神器を盗んだ男
そこへ、凱の肉体を奪って復活した羅真我が姿を見せる。「石化していたせいで体が思うように動かぬようだな」と嘲るインメイは、「貴様のようなものが天導界にいたと思うとヘドが出る」と吐き捨てた。
インメイの語る過去はこうだ。羅真我はかつて、天導界でサグメに次ぐ地位の者として神に仕えていた。それがある日、世界を掌握できる覇皇帝の鍵となる三種の神器を盗み出す。さらに覇皇帝を呼び出すため、五人の子供を強制的に洗礼者にした。「その犠牲者が君たちだ」。
呼び覚まされる幼い日の記憶
「記憶を消されているのだろう。思い出させてやる」。インメイが呼び覚ました光景の中では、サグメが「三種の神器、返していただきます」と迫り、追われた羅真我が「俺は妖邪界に下る」と吐き捨てていた。幼い日の武蔵と大和のものらしき「兄ちゃん、見たか」という声も響く。
羅真我は「騙されるな。今見たのはあいつが作った偽の記憶だ」と遮るが、インメイが「天導界から持ち去った宝はどこに隠した」と追及しても口を割らない。どちらの言葉を信じればいいのか、揺さぶられたまま戦況だけが進んでいく。
妖術の正体と、美麗たちが蘇らなかった理由
インメイによれば、妖術と呼ばれてきた力も元々は天導界のもので、羅真我が与えたものだという。そして「妖術で殺された者は蘇らなかっただろう。それこそが何よりの証拠」と告げる。だから美麗たちは蘇らなかったのか。悲しい符合に言葉が出ない。
動揺は十勇士の生き残りにも及ぶ。「今の話は、まことなのですか」。さらに「若の記憶も俺たちと同じように消したのか」という問いに、羅真我は「あいつの場合は記憶を消しても、俺への憎しみと腐った性根は変わらなかったが」と嘯いた。
「俺たちの故郷でもあるんだ」呉越同舟の共闘
「吐き溜め」ではなく故郷
インメイは十勇士の生き残りを煽る。「君たちはこいつのせいで、このような吐き溜めに迷い込んだ。今こそ積年の恨みを晴らすがいい」。確かに羅真我への恨みは本物で、「これまで散々踊らされてきたんだ。この手で葬らねえと気が済まねえ」と息巻く。
それでも、続く言葉が胸を打つ。「確かにここは吐き溜めだ。でもな、俺たちが仲間と共に生きた故郷でもあるんだ。お前みたいなクソ野郎が好きにしていいとこじゃねえんだよ」。インメイは「愚かな奴らだ。妖邪界共々滅ぶがよい」と表情を消した。
「今は一緒に戦うのがベストでしょ」
かくして、トルーパーと十勇士の生き残りによる呉越同舟が成立する。「天導界の思惑を阻止したい気持ちは俺たちも同じだ」「足引っ張るなよ」「お前らもな」。軽口を叩き合いながら挑んでも、インメイには「まるで攻撃が通じない」。あのインメイを倒せば術も解けるはず。そう見立てて、決死の突破を図る。
「ガイはもういない」届かない叫び
戦いの合間にも、仲間たちは龍成へ呼びかけ続ける。「いい加減、目を覚ませよ」「思い出してください。僕たちに特訓してくれたことを。一緒に戦ったことを。くだらないことで笑いあったことを」。かつて龍成自身が口にした言葉を投げ返し、「俺は、お前を信じてる」とまっすぐに告げる者もいた。
「あなたを信じて、あなたに託された意志を継いで、命を賭して戦ったガイの思いはどうなるんですか!?」。この悲痛な叫びに返ってきたのは、「ガイはもういない」という一言だった。取り付く島もない。
「奇跡を起こすためならね」遼と純の仕込み、そして凱の帰還
勝機は「奇跡が起きたとき」
一方、人間界側の見立ては厳しい。もし天導界が妖邪界を制圧したら、次の標的は間違いなく人間界。「天導界を相手にして我々に勝機は?」の問いへの返答は「無いよ」と即答だった。「あるとしたら、奇跡が起きたときだ」。ただし布石はある。錫杖を使って仕込んでみた、というのだ。「仕込んだって何を?」「奇跡だよ」。
制覇の剣を巡る駆け引き
妖邪界の戦況は絶望的だ。「力が出ない」と膝をつき、それでも「俺はまだ、諦めてねえ!」と立ち上がる。なぜそこまでして抗うのかと問われて返した「負けたくねえんだよ。泣いて世界が変わるわけじゃない。強くなるんだ」という意地が、この作品の芯を示していた。
そんな中、羅真我の狙いが制覇の剣にあることが露わになる。「その剣は炎の使者が使ってこそ効力を発揮するもの」。羅真我は「覇皇帝を出す。覇皇帝を纏った俺なら、制覇の剣も扱える」と迫り、ここで全員死ねば次は人間界が滅びるぞと揺さぶりをかけてきた。「ふざけんな! 誰がお前なんかに力を貸すか!」「お前に覇皇帝を渡しても人間界は崩壊する!」と押し返すトルーパーたち。
「帰ってこい、ヒーロー!」
決断の瞬間が来る。「覇皇帝はくれてやる。ただしお前じゃない。帰ってこい、ヒーロー!」。その声に応えるように、制覇の剣から炎の力が噴き上がった。「制覇の剣に炎の継承者の力を?」
種明かしはこうだ。純は「遼兄ちゃんに頼まれてね」と笑い、遼は「サムライトルーパーとしての適齢期を過ぎた俺は、一緒には戦えない。だから純に頼んで、俺の炎の力を制覇の剣に宿してもらったんだ」と明かす。体力を失い、杖をつく身になっても「安いものさ。奇跡を起こすためならね」。
そして、凱が帰ってきた。「遅いんだよ」「遅れてくるのが、ヒーローだろ」。眠っている間に記憶も蘇ったといい、「お前らとは、ずいぶん前からの腐れ縁だったんだな」とこぼす。「今のお前に容赦はしねえ」「望むところだ」。五人が奥義を重ねて畳みかけるところで、第14話は幕を閉じる。
二つの意味を持つ「キセキ」、考察が止まらない
奇跡と軌跡
2クール目のサブタイトルは、複数の意味を掛けたカタカナ表記が続いている。今回の「キセキ」なら、遼と純が仕込んだ「奇跡」と、消された記憶の中に眠っていた五人の「軌跡」。どちらの意味でも今話の核心を射抜くタイトルだ。
情報量の多さに嬉しい悲鳴
洗礼者、羅真我の正体、妖術の出自、そして凱の帰還。24分に詰め込まれた情報量に、SNSでは考察が止まらない。先行上映で一足早く見たファンからも、本放送組からも、濃密さを楽しむ声が相次いだ。次回第15話「キョウエン」で、この混戦はどこへ転がるのか。




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