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順調に見える夢限大みゅーたいぷの活動。だがボーカルのあられは「練習を休みたい」と言い出すほど追い詰められていた。裏で糸を引くのは、話題性を操るヴィラン・ビオラ。ビオラは、喧嘩別れした律とあられを“集客ネタ”として利用しようとする。飛び込んだあられは「間違いでも、りっちゃんと一緒なら心強い」と律の手を取り、秋葉原へ駆け出す。だがその逃避行の先には、“炎上”を暗示する不穏な影が待っていた。




積み重なる“フリ”——練習を休みたいと言い出したあられ
定例会議での違和感と、あられの異変
第5話は、夢限大みゅーたいぷの定例会議から。オンラインライブへ向けて動き出そうという矢先、遅刻してきたあられは「喉の調子が悪くて」と言葉を濁す。そして「すみません、しばらく練習を休ませてください」と切り出すのだ。
元気なフリ、平気なフリを重ねてきたあられの様子は、誰の目にも明らかにおかしい。順調に見えるバンド活動の裏側で、メンバーそれぞれの疲労と不安が静かに積み重なっていたことが、この一言から一気に表面化していく。
静かにズレ始める歯車と、ヴィラン・ビオラ
あられの異変と並行して、物語全体でもひとつの歯車が遠くで静かにズレ始めている。その中心にいるのが、この回で本格的に牙を剥くビオラだ。彼女はあられを見つけ、悪だくみを巡らせていく。
一方で、DJ担当のユノをはじめ、メンバーたちがそれぞれにあられを気にかけている描写も丁寧に置かれている。公式のキービジュアルやアイコンが不穏なホラー調に差し替えられるなど、作品全体が“何か良くないことが起きる”予感に包まれていくのだった。
ビオラの仕込み——利用される律とあられの過去
「配信切り忘れ」を装った、集客の演出
ビオラの手口は狡猾だ。彼女の側にいる律(りっちゃん)が、“配信の切り忘れ”を装ってあられの曲を演奏する——という一幕が仕込まれる。じつはこれ、翌日のイベントへ注目を集めるためにビオラが用意した集客の演出だった。律は事後にマネージャーへの報告が遅れたことを謝る羽目になる。
ネット上でも「ビオラがあられを見つけて悪だくみを策略」「律をステージから連れ出してしまう」と、その不穏な動きに注目が集まった。順調そうに見えた活動の裏で、話題性のために人の心まで使い捨てにしようとするビオラの冷たさが、じわじわと浮かび上がってくる。
喧嘩別れした元友達——あられと律
そもそもあられと律は、かつて友達でありながら喧嘩別れをしてしまった間柄だった。あられは「りっちゃんは今、幸せなんだ」と自分に言い聞かせ、あまり考えないようにしてきた。だがビオラのもとにいる律を見て、その封じてきた想いが揺れ動く。
ちなみに、二人が秋葉原で手を繋いで走ったというこの回のモチーフは、公式によれば“史実”をなぞったものだという。過去と現在が重なる演出が、二人の関係の深さを静かに物語っていた。
手を取り、秋葉原を駆け抜けた二人
「間違いでも、りっちゃんと一緒なら心強い」
ビオラが仕込んだイベントで、あられと律の“仲直り”が見世物のように演出されようとする、その瞬間。あられは飛び込み、本心を吐き出す。「りっちゃんを助けたかった。ビオラと関わるのがまだ怖い。いつも間違えてばっかりで、今も間違えてるんだけど」。
その告白に律が返す。「私もだよ。間違いでももういい。間違いだらけだけど、りっちゃんと一緒なら心強い」。友達の「たすけて」を見逃さなかったあられ。離れそうになった手を掴み直し、そして律の側からもその手を握り返す——この一連のシーンが、多くの視聴者の胸を打った。
逃避行と、フラッシュバックが明かすあられの心
二人は手を取り合い、その場から駆け出す。逃避行という強引な形ではあるが、あられの“逃避癖”の背景に、この回で描かれるフラッシュバック(過去のトラウマ)があると分かると、物語の解像度は一気に跳ね上がる。
極限状態にありながら、あられは「律もきっと同じ気持ちのはずだ」と瞬時に察し、二人で逃げることを選ぶ。その優しさこそが彼女の核であり、だからこそ「もう一度見たい」と繰り返し語られるほど、この5話は強い余韻を残した。
炎上の予感——最高のヴィラン、ビオラショック
ビオラの“コンテンツ論”と、目を離せない邪悪ムーブ
あられと律の尊いドラマの傍らで、全部を持っていってしまうのがビオラの存在だ。「話題性は大事だけど、話題性だけとレッテルを貼られるのはね」と語るビオラの“コンテンツ論”は、彼女が人の感情すら演出の素材と見なしていることを突きつける。
その邪悪ぶりは、視聴者から「最高のヴィラン」「邪悪ムーブが面白すぎて全部持っていく」と評されるほど。バンドリシリーズとしても“未知の怪物”と呼ばれるビオラから、ますます目が離せなくなってきた。
各メンバーの善性と、不穏なラスト
見逃せないのは、ビオラショックで界隈が大騒ぎになる混乱の中でも、夢限大みゅーたいぷの各メンバーの“善性”がさりげなく、しかし確かに描かれている点だ。あられの「逃げたい」という気持ちを察して見守る仲間たちの姿に、このバンドの土台が才能だけではないことがにじむ。
だが、あられと律がようやく向き合えた——と安堵した矢先に、ラストシーンと次回予告は容赦なく“炎上”を暗示してみせる。駆け落ちにも似た逃避行の先に待つのは、はたして安らぎか、それともバッドエンドの序章か。不穏な引きに、早くも6話への動悸が止まらない一話だった。




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