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財宝を求めてリオンたちが向かったのは、カイルの故郷でもあるエルフの島。だが探索の先に待っていたのは、マリエとの転生者同士の直接対決と、島の地下に眠るエルフ創造の真実だった。ルクシオンを激怒させたロストアイテムの正体とは。第2話「滅びの美学がお好みですか?」を振り返る。




カイルの故郷・エルフの島へ 「全想像と違う」母ユメリア
ルクシオンも知らない種族
財宝探索のため、リオン一行はエルフの島へ上陸する。ここは専属使用人カイルの故郷でもあるのだが、当のカイルはどこか様子がおかしい。「せっかくの故郷なのに」と首をかしげる仲間たちをよそに、足取りは重いままだ。敵国ファンオース公国の公女ヘルトルーデも「この島の視察もあるし、財宝があるという遺跡も見ておきたいわ」と、気ままに同行している。
興味深いのはルクシオンの反応だ。「エルフとは何者ですか。私のデータには詳しい情報がありません。私が眠りについている間に出現したのでしょう」。長寿で魔法に長け、人間との間に子どもができないため奴隷や使用人として重宝されている、新人類とも違う出自不明の種族。この時点で、終盤の種明かしへの伏線はすでに張られていた。
「私は醜い混ざり者ですから」
村に着くと、住民はすごい美形ばかり。エルフは外見ではなく、その者の魔力で相手を判断するのだという。そんな中で紹介されたカイルの母・ユメリアは、「は? 母親?」「全想像と違うな」とリオンが固まるほど若く、可愛らしい人だった。
ただ、彼女の表情はどこか暗い。遺跡へ行きたいと告げると「あそこは神聖な場所ですからね。島の者以外は立ち入りを禁じているのです」と言葉を濁し、さらに「私は醜い混ざり者ですから」と自らを卑下する。カイルの気まずさの根っこには、母が島で疎まれているという事情がありそうだ。
「聖女が古の魔王を連れてくる」老婆の不穏な予言
遺跡は立入禁止、それでも諦めないマリエ
「遺跡に入れないってどういうこと。私のお宝はどうなるのよ」と騒ぐマリエ。リオンのゲーム知識でも、この島にロストアイテムがあることは確かなのだが、「俺あれ使わなかったから、詳しく知らないんだよな」と肝心の中身までは分からない。
遺跡に入れるかどうかを握るのは、村々をまとめる占い師の老婆だ。かつては当たると評判で客人も多かったが、今は力が衰えているという。そのお告げは「誰も遺跡に行ってはならぬ。古の魔王の怒りに触れる」という不穏なものだった。
あっさり下りた許可と、審判の予知
それでも直談判に押しかけたマリエを、老婆は一目で「あなたは聖女様ですね」と見抜く。そして、聖女が古の魔王を連れてくると予知されているから入るのは構わない、と、あっさり許可が下りてしまった。
「審判の時。古の魔王が、おごり高ぶる我々を裁かれる日が来たのです」。村人たちは「どうせまたハズレだろう」と半信半疑だが、この予言は終盤で妙な説得力を持つことになる。ちなみに例の乙女ゲーに魔王は「出てこない」とリオンは断言しており、「だから余計に気になるんだ」という違和感もきちんと置かれていた。
「マリエ、お前は転生者だな」ついに交わされた告白
崩落は、会話の核心の最中に
遺跡の探索は空振り続き。だが、離れた場所から響いたマリエの悲鳴をきっかけに、「俺が追いかける。隊長命令だ」とリオンは単独で後を追う。「これでようやくあいつと話ができる」。そう、この遠征のもう一つの目的は、マリエを問い詰めることだった。
「マリエ、お前は転生者だな。だからユリウスたちを惚れさせることができた。聖女になることもできた」。直球の問いに、マリエも開き直る。「だから何。転生したのはあんたも同じでしょ」。なんとマリエの側も、「私の邪魔ばっかりして、ゲームの知識があるとしか思えない」と、リオンが転生者だと気づいていたのだ。
「そうよ、だから奪った。それの何が悪いの。私はこの世界で何としても幸せに――」。核心の言葉の途中で足もとが崩れ、二人はなすすべもなく地下へと落下してしまう。
地下での大喧嘩、審判はルクシオン
地下では、足を痛めたマリエをリオンが背負う羽目に。撃っても消えない未確認生物に襲われながらも、口喧嘩は止まらない。「あの女に入れ込んでも無駄よ。どうせモブのあんたなんか相手にされないわ」「お前こそなんで逆ハーレムなんか作った」。
マリエの返しがふるっている。「手に入る幸せがあったら拾うのが人間でしょ。第二の人生ぐらい好きに生きたっていいじゃない」。リビアの邪魔をしてアンジェを罠にはめてか、と詰るリオンに、ルクシオンが冷静に一言。「それはマスターも同じですね。ユリウスたちを叩きのめして、気分爽快だったのでしょう」。お前どっちの味方だよ。
ただ、リオンの懸念は正論でもある。「だいたい公国と戦争になって、ラスボスが出てきたらどうするつもりだったんだよ」「聖女の力だけじゃゲームオーバーになっちまうだろが」。本来の主人公であるリビアの力をどうするのか。マリエの逆ハーレム路線は、この世界の攻略ルートそのものを軋ませている。
「ようこそ始まりの地へ」明かされるエルフ創造の真実
過激派エルフの主張
地下で二人を待ち構えていたのは、「歓迎しよう、人間のオスとメス」と嘯く過激派のエルフたちだった。撃っても消えなかった化け物は、彼らがこの遺跡で作り出したもの。曰く、遥か昔は野蛮な人間ではなく我々エルフが世界を支配していた。祖先はこの遺跡で多くの生物を創造し、劣等種の人間もその一つ。だから「人間に奪われた世界を取り戻す」のだと。
第二の人工知能・クレアーレ
これをルクシオンが真っ向から否定する。「間違っていますね、全てが」。実際にこの施設を管理していたのは人間、つまり旧人類であり、作られたのはエルフの方。根拠は、この施設の人工知能から入手した情報だという。
そこで名乗りを上げたのが、長くスリープ状態にあったもう一体の人工知能・クレアーレだ。「この島のエルフたちは、ここで生み出された個体が野生化したものです」と追い打ちをかけ、リオンには「あなたは旧人類の特徴を持つようですね。お会いできて光栄です」と恭しい。長寿なのは長く戦わせるため、魔法に優れているのもそうデザインしたから。エルフたちの誇りが、根底から崩されていく。
「滅びの美学がお好みですか?」
逆上した過激派は「事故に見せかけて始末しろ」と襲いかかるが、ルクシオンの敵ではなかった。「この程度ですか。これではマスターに傷一つ付けられませんよ」「旧人類に手を出すならば、あなたたちも排除します」。
そして完勝したリオンの煽りが、今回も実に外道だ。「至高の種族とか言ってたくせに、このざま?」「高貴で賢いエルフ様たちは、滅びの美学がお好みですか?」。見事なサブタイトル回収である。この煽りっぷりを見たマリエがぽつりとこぼす。「なんか兄貴を思い出すわ」。
施設の自爆、そしてルクシオンを激怒させた「財宝」
クレアーレの決断
旧人類側の敗北を理解したクレアーレは、施設の自爆を宣言する。「ここは、新人類に対抗するために用意されました。その役目が果たせないのならば、残す方が危険です」。自身のデータは「ルクシオン、あなたに私のデータを託します」とルクシオンへ引き継がれた。
「財宝とかないの!」と食い下がるマリエには、「多少の価値がありそうなものも存在しますよ」と箱が進呈される。当然のようにリオンに背負わせるマリエを見て、リオンは思う。こいつを見ていると、前世の妹を思い出す。互いに「兄っぽい」「妹っぽい」と感じながら、決定的なことには気づかない二人である。
「冷静にこの物体を破壊し、擦りつぶし、炭にして」
ところが、持ち帰った箱を開けた瞬間、ルクシオンの様子が一変する。「どういうことですかこれは!」「私は冷静です。冷静にこの物体を破壊し、擦りつぶし、炭にして、塵すら残らないレベルに消滅させたい」。あのルクシオンが我を失うほどのロストアイテム。その正体を知るのは、ゲームをプレイしたリオンとマリエだけだ。当のマリエは「こんなの貰っても嬉しくない!」と不満顔だが。
「まさかこんなものを押し付けるとは。報いは受けてもらいます!」。怒りは収まらず、山頂の空にまで異変が走る。「私を怒らせるとこうなるのです」と言い放つ相棒に、リオンの一言が刺さる。「魔王ってお前なんじゃねえの?」
帰還後には、禁忌に触れた過激派を捕らえた礼として、あの老婆がリオンたちの未来を占ってくれることになった。「あなた方の未来について」。穏やかに終わる気配がまるでない引きである。
「どっちもカス過ぎて笑える」2話の反響
声も掛け合いも絶好調
SNSで目立ったのは、リオンとマリエの同族嫌悪コンビへの愛のある悪口だ。ゲスな笑い声、外道な煽り、それでいてどこか憎めない。大塚剛央のリオンと石田彰のルクシオンの掛け合いを筆頭に、脇を固める声優陣の豪華さを挙げる声も多かった。
物語の根っこが見えてきた
エルフ創造の真実、旧人類と新人類、クレアーレの登場、そしてルクシオンの怒り。財宝探しの冒険回と見せかけて、この世界の成り立ちそのものに踏み込む重要回だった。老婆の予言「聖女が古の魔王を連れてくる」が誰を指すのかも含めて、考察の種は尽きない。




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