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一護と雨竜が、友として仲間として再び肩を並べる。ユーハバッハを討つべく、一護は織姫とチャドを伴い玉座の間へ突き進む。雨竜の前にはハッシュヴァルトが立ちはだかり、城下では夜一がナックルヴァールと激突。危機に颯爽と現れた浦原が逆転の策を放つ。その頃、三界のすべてに不穏な異変が走り始めていた。千年血戦篇・最終クール「禍進譚」第1話のあらすじと見どころ、ネットの反応をまとめます。




ヴァールヴェルト最上部へ、再び並んだ友
「さっさと行け!」背中を預け合うふたり
ユーハバッハが眠っている今だけは、玉座の間に入れる。全知全能の力が働かないこの好機に、雨竜は「上へ向かえ、黒崎」と道を示す。「お前はやっぱりここに残んのかよ」と食い下がる一護に、雨竜は「ゴチャゴチャしゃべるな! さっさと行け!」と一喝。「最後の言葉じゃあるまいし」と軽口で締めるやり取りが、二人の間に戻った信頼を何より雄弁に物語る。
道中、織姫はぽつりと漏らす。石田君が本当にクインシーの側に行ってしまったなんて思っていたわけじゃない。でも本人の口からそれが聞けて安心した。「石田君はやっぱり石田君だったんだなー」。チャドも「俺は大丈夫だ、行け!」と迷いなく一護の背を押した。
長かったすれ違いを経て、たった数言で通じ合う仲間たちの空気が沁みる。今更めいた説明を全部省いて「石田君はやっぱり石田君」で片付ける織姫の言葉選びが、実にこの一団らしい。
城内の露払い、帰り道をつくる者たち
城内では、はぐれて迷子になっていたガンジュも合流し、立ちはだかる石像の群れとの戦いが続く。「一護は進む道しか見ていない。そういうやつだ。俺たちの仕事は、城の中を一切合切片付けて、一護の帰り道を用意してやることだ」。派手な決戦の裏で、地味だが欠かせない仕事を引き受ける者たちの姿も描かれる。
主役が前だけを見て走れるのは、後ろを固める連中がいるからこそ。決戦編の第1話に、こういう「裏方の矜持」を差し込んでくるのがBLEACHらしい。
雨竜vsハッシュヴァルト、そして三界の亀裂
全知の穴——「希望に満ちた僕は、見えていなかった」
雨竜の前に立つのは、陛下の半身ハッシュヴァルト。「驚いたな、石田雨竜。先ほどまでとは別人のようだ。随分と希望に満ちた顔をしているぞ」。その言葉尻を、雨竜は逃さない。見て驚いたということは、その希望に満ちた自分は「見えていなかった」ということ。ハッシュヴァルトは完全には未来を見通せていない。「ならば、どこまで見えているか確かめればいいだけのこと」。
壁や天井を背にして攻撃範囲を絞る頭脳戦を「考えて戦っていることは褒めてやろう。さすがはグランドマスターだけのことはある」と受け流しつつ、ハッシュヴァルトは断言する。「今の私には陛下のお力が満ちている。石田雨竜、お前は私にはなれない。私は陛下と共にあるために生まれてきたクインシーだ」。
「全知」の綻びを言葉の端から拾い上げていく雨竜の戦い方は、いかにも頭脳派クインシーの面目躍如。信仰にも似たハッシュヴァルトの忠誠が、対照として不気味に光る。
走り出す亀裂——陛下の本懐は「新世界の創造」
その時、世界に異変が走る。空に走る巨大な亀裂。現世の空座町でも、浦原が調べていた「歪み」と同じものが観測され、街は騒然となる。ハッシュヴァルトは種明かしをする。すべては尸魂界侵攻の時から陛下の計略通り。現世で大量の虚を滅却して魂魄のバランスを崩し、山本元柳斎や零番隊の死で世界を大きく揺さぶり、そして三界の楔たる霊王は陛下の力の一部となった。この亀裂こそ、三界消滅への序章なのだと。
「三界すべてを破壊し、そこにクインシーによるクインシーのための王国を建てる。それこそが陛下の本懐だ」。対する雨竜は静かに宣言する。「僕のやるべきことが増えた。一つはお前を倒して、全知全能を消滅させること。もう一つはこの亀裂を消滅させ、三界を守ることだ」。
シリーズ全体の絵図がここで一気に開示される情報量に痺れる。侵攻の全てが布石だったという座りの良さと、雨竜が「守る側」の使命を二つ背負い直す構図。最終クールの開幕にふさわしい重さだ。
夜一の危機に浦原参上
死の駆け引き、アスキン・ナックルヴァールの毒
城下では夜一が、シュテルン・リッターのアスキン・ナックルヴァールと激突していた。霊子・酸素・窒素のハイブリッドのギフト・ボールを撃ち込まれ、生かさず殺さずの絶妙な塩梅で追い詰められる夜一。弟の夕四郎も倒れたまま長くは持たない。「万全の状態のあんたにギフト・ボールを打ち込んだ俺に、今のあんたが勝てるわけねえと思わねえか?」と、アスキンは死をもてあそぶように迫る。
そこへ颯爽と、というより飄々と現れたのが浦原喜助。開口一番、夜一に蹴られながら「なんではるばる助けに来たのに蹴るんすか」とぼやくいつもの調子だ。アスキンは警戒を隠さない。浦原は陛下が名指しした特記戦力の一人。黒崎一護は潜在能力、更木剣八は戦闘力、兵主部一兵衛は英知、藍染惣右介は霊圧、そして浦原喜助は「未知数の手段」。どれだけ策を弄しても、必ず裏をかいてくる男なのだ。
命のやり取りの最中でも漫才の温度を崩さない浦原と夜一の呼吸が心地よい。「未知数の手段」という肩書の説得力を、このあと本人がすぐ証明してくれる。
瞬霳黒猫戦姫——1秒に48回変わる霊圧
浦原の逆転の一手は、隠れて話を聞いている間に作り上げた急造の免疫強化剤。効果はわずか5分だが、デスディーリングに縛られた夜一が動けるようになるには十分だった。そして「あれやりましょう」「嫌じゃ」の押し問答の末、浦原は無理矢理それを発動させる。雷光をまとい、猫の獣性を宿した夜一の姿、瞬霳黒猫戦姫である。
攻撃を受ければ反射で霊圧を解析し、一分とかからず無効化するアスキンの免疫獲得。それでも追いつけない。「気分っすよ。よく猫は気分屋だなんて言うでしょ?」と浦原。この姿の夜一は気分がブレにブレて、霊圧までもが煽りを受けて別人のように揺らぐ。「黒猫戦姫のヨルイチさんの霊圧は、1秒に48回変化する」。インフルエンザが毎年流行るのと同じ理屈で、作った免疫は片端から無駄になっていく。5分が過ぎれば「お疲れ様ヨルイチさん」と労い、「にゃーん」と甘える夜一を撫でる浦原。とどめを刺しに向かったその先で、しかしアスキンはなお不敵だった。「こっちの姿の方が気になるかよ。ハスハインってんだ。冴えねえ名前だろ」。
理屈の通った能力戦の果てに「気分」という最強の乱数を持ち出す発想が痛快。猫化した夜一の可愛さと戦闘の苛烈さの落差も含め、この一戦は今話のハイライトだ。名乗りを残したアスキンの粘りが、決着を次回へ持ち越す。
「最終クール開幕」まとめと考察
体感5分、気合の作画で走り出した禍進譚
待ちに待った千年血戦篇の最終クール第1話は、「面白すぎて体感5分で終わった」の声が象徴するとおり、濃密な滑り出しになった。夜一対アスキンの雷の表現をはじめ戦闘描写の熱量は圧巻で、「朝から作画の本気」「よい意味でOVA的」と絶賛が並ぶ。新しいオープニング・エンディングへの好評も目立った。
原作既読勢からは「謎の尻タイトルまで原作通り」と細部の再現を喜ぶ声も。原作愛とアニメオリジナルの補完を両輪に、最後まで走り切ってくれそうな第1話だ。
三界消滅の序章と、残された謎
亀裂は三界消滅の序章であり、雨竜は「全知全能の消滅」と「三界を守る」という二つの使命を背負った。アスキンの真の姿とみられる「ハスハイン」の名乗り、そしてアニメオリジナル描写が匂わせる石田家の謎など、次回へ引かれた糸は多い。
9月までの最終クール、この駆け出しなら期待しかない。千年血戦の結末を、毎週見届けていきたい。




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